~大入川~(→大入川はこちら参照・大千瀬川はこちら) △ 佐久間ダムの下流で天竜川と合流する大千瀬川の支流の大入(おおにゅう)川には新豊根ダムと発電所がある。 ![]() 新豊根(しんとよね)ダム[水力] 電源開発(株)・国交省中部地方整備局(当初は愛知県) 目的:発電・洪水 着工/竣工:1969/1973 堤高:116.5m、堤頂長:311.0m 総貯水量:5,350万m3 有効貯水量:4,040万m3 洪水調節容量:1,050万m3 新豊根発電所[水力] ダム水路式・混合揚水式 認可最大出力:1,125,000kW 常時出力:0.0kW 年間総発電電力量:874,000MWh(8億7,400万kWh)(内、自流分127,000MWh) 設備使用率:8.86%←低い。。 最大使用水量:646.00m3/s 最大揚水水量:600m3/s 有効落差:203.00m 最大有効落差241.00m、最小有効落差166.00m 最大全揚程247.40m、最小全揚程184.30m 流域面積:136.3km2 取水・上部貯水池:大入川[新豊根ダム]474.00m 放水・下部貯水池:天竜川[佐久間ダム]260.00m |
~水窪川~(→こちら参照)[データ] △ [別頁:水窪ダム・水窪発電所・(気 田川)門桁堰堤・西渡発電所] ![]() 水窪発電所 参考文献::[① 水力.com][② 静岡県][③電発] 事業者:電発 運開:1969.5 ダム水路式・貯水池式 認可最大:50,000kW・常時:7,600kW 最大に対する常時の比率は15.2%。 年間総発電量:141,000MWh(1億4,100万kWh)[水力] 158,000MWh/年[wiki]※ 水量 最大使用水量:26.50m3/s(内、気田川取水堰:8.5m3/s) 常時使用水量:5.65m3/s(初掲載時) 落差:最大出力時有効落差:219.50m 常時出力時有効落差:221.95m(初掲載時データ) 設備利用率: 27.3 % (2015年度実績) 流域面積:流域面積:172.3平方キロメートル 取水(集水面積):水窪ダム(172.3km2)・灰の沢・水窪河内川・瀬戸の沢・門桁堰堤(53.9km2) 505.5m 放水:水窪川(蓋渠で佐久間湖へ)256.50m 常時7.6MWで発電してるとすると66,576MWh/年である。年 間総発電量の47%,半分近くが常時出力のものとなる(合ってるのか,この推論?常時が文字通り常時なのかそれとも最低みたいな意味合いな のかでも変わってきそう。) 流域面積が172.3km2なので17.2m3/s程度 が本来の出力だとすると本来の河川の実力からの出力は32.5MW程度となる。この場合年間150GWhだとすると設備利用率は55%となる。流石に倍増するが高いとは云えない稼働率である。い ずれにせよピーク用に水力発電が使われてる好例と云えるであろう。」 無知なりに色々水を増やすべく苦闘したのがこちらである。 |
~大千瀬川~ 佐久間ダムと佐久間発電所の間で大千瀬川が合流する。佐久間川合である。大千瀬川の上流は飯田線沿いの相川と振草・東栄町・別所方面の大千瀬川,更に新豊根ダムのある豊根・津具方面の大入川に岐れる。分岐点は概ね浦川である。
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【佐久間発電所
群(新豊根・佐久間第二含む)運用】 佐久間発電所 運転実績 稼働率:53.7%(2015年度実績) ![]() 最大利用水量が驚異の117.20m3/s,最大認可出力が脅威の350MWの佐久間ダムであるから24h動かしっぱなしはないとは思うが,巨大なダム湖 と莫大な天竜川の水がある。 稼働率はそれ程 良くはないとはいえ50%以上はある訳で,例えば平日フル稼働だけでも70%程度になるので,更に深夜は8時間は止めるだけでもう50%を切って仕舞う。 これよりは高稼働ということである。 新豊根側はあんま良い対策が見込めなかったが,これは協定次第になろうかと思うが設楽ダムが出来たら愛知用水に15m3/s の水源が新たに確保されて余裕が出来るの で色々制約ついての年間5000万トンの供給義務は緩和されそう。 更に,現在ではほぼ毎日の様に,態々コストを掛けて新 豊根への揚水をしているようである。 本来の目的であった夜間に発電量を落とせない硬直的な電源の原発は停まっているのである。ということは,夜間に安い電気が余ってると云うより佐久間ダムの貯水容量が足りずに電 力需要が落ちる夜間に佐久間ダムに上流より到達した水を新豊根に待避させてい るのではないか?(流れ混んでくる水を汲み揚げるタイプの揚水発電に穴内川・三尾・旧小口川第一などがある。・原発と同じく調整のし難い石 炭などは徐々に縮小していける。後は流込式電源,近くの電発だと早木戸PSな どでの発電か?)
佐久間第二であるが,上と下のグラフより佐久間PSが55億トン利用しているのに48億トンし か使ってない。7億トンは流出してしまうのか??メンテナンスの都合でこっちの方がよ り長く停まってたぐらいしか想像がつかないんだけど。。(佐久間は水車4台に対して佐久間第二は水車2台なのでメンテナンスで水が通れない影響はデカそ う。) 佐久間第二 発電所運転実 績 稼働率:54.4%(2015年度実績) ![]() 注) 佐久間第二発電所は、佐久間発電所放水口より直接取水しているため、ダム放水量は無い。 出典:静 岡県 |
佐久間第二の増強
策を検討してみる。 佐久間第二発電所は第一(佐久間発電所)の放流水をそのまま発電に回している。[地 形図]からもその様子が窺える。放水レベルと取水レベルが122.91mで等しいことからもそれが伺える。 詰まり両発電所は完全直結してゐるのであるが,上のグラフより,2015年の佐久間発電所の使用水量5,515.8百万m3に対して佐久間第二は4,816.2百万m3とその差700百万m3程(7億トン/年)程少なくなっている。 水車の点検などをする際に,佐久間発電所は水車二基に対して佐久間第二は一基なのでその間は発電が出来ず水を捨てている感じがする。(それ以外に態々水を捨てる意味が分からない) 佐久間市街地付近の天竜川の川面標高は116~131m程度である(随分ばらつきがある..)川岸は135m程に見える。佐久間市街地直下で天竜川を堰き止めて佐久間第二に注水することで発電が可能である。 ここで実は佐久間ダムではより下流にあって受け止められない大千瀬川をメインとする153km2の流域からの水と交叉する(第二発電所は天竜川をサイフォ ンで渡った所にある)。これは大千瀬川上流での振草導水の集水流域や新豊根ダムから佐久間へ送られる流域の大入川を除 いた面積である。以下の図の佐久間PSより上流の部分である。 ![]() この分を第二発電所に追加で注入すると発電量を多少であるけど増やせそうである。可能取水量は 15m3/s程度を想定出来る。 今この15m3/s を佐久間第二から常時入れ込むとなると佐久間第二の使用水量は306m3/sで32MWなので,出力は1.6MW程度となる(小さいかw)。 ただ15m3/sを24h365D維持出来ることはないだろうが仮に 出来 ると想定すると,4億7300万m3を新たに発電に使えることにはな る。 既に48億m3使ってるので1割増加である。稼働率も60%近く行く。なかなか。 勿論,水量を既に佐久間発電所からの水でフル稼働してる時間帯もあるだろうが,いずれにせよ,こちらも稼働率が54.4%とパッとしない(←勿論貴重な調整力電源として 必要な時に稼働させているのであろう)。殆 ど時間帯でこの10~15m3/sを追加出来る296~291m3/sで運転されているのではないか?少量では大した発電量にならないのも事実であるから 多少は貯留出来るようにはしたい所。→貯留量の所で検討したい。 貪欲に新規の開発をして出力増強に血道を上げている私であるが。また稼働率と水量の関係から此処では一旦,佐久間・佐久間第二の いずれの発電所も最大出力増強するよりは運用によって発電量を増強させた方が良いという判断とする。 具体的には佐久間発電所の調整力を使ってない時間帯に,貯めて水を入れてこちらは基礎電源(ベースロード)的に使うのである。考えて行く内にデカくなって 佐久間第二での利用を忘れてしまったけど佐久間の下での貯水はここで検討した。 この水を佐久間第二に使っても良いし,下池として混合揚水発電を設置して佐久間発電所の能力を倍増させても良いかも知れない。 |
三方原用水取水口[農 政局] 三 方原用水(9.848m3/s)[上水1.221m3/s・工業3.158m3/s・農業5.469m3/s][国 交省] 三方原用水は図2-4だと9.848m3/s程度の様だけど。利水現況図(2004[H16]年ぐらいのもの?)だと 16.708m3/sとなっている。 ダ ムの脇に取水口がある[地理院]ように描かれているが農政局の写真より取水口はこれ↓で場 所はもっとこの辺であった。またも地理院の地下水路の記載ミスら しい。 ![]() ![]() |
★★ |
水使用量検討(→データ全体俯瞰はこちら)
>常時出力(保証出力)は、年間を通じでほぼ毎日(95%流量程度)発生できる出力である。[JICA] とのこと。概ね100m3/s前後が常時水量の様である。西鹿島での維持流量86m3/sに対応していると云えよう。 状況の必要性の有無を静 岡県の資料より上での疑問を検討してみる。改修時期に重なってよく判らない部分も多いのが残念だけど・・。 【秋葉第一~三発電所運用】 今,2015年かデータから秋葉発電所群の運用を見て見る。 秋葉第一発電 所運転実績 稼働率:56.1%(2015年度実績) ![]() 2016年 設備稼働率:30.20% ![]() 秋葉第二発電 所運転実績 2015年 稼働率:20.2%(2015年実績) ![]() 2016年 稼働率:25% ![]() これらの数字をみると発電量が増えてる4月,7月,9月は秋葉ダムの放流量が増えている事が判る。放流量に連動するとすると 10~3月はあんま雨降らないか ら1月位しか大量に放流してない。この2015/1は秋葉第一発電所の稼働率が極端に低いので放水量が多いのはその所為(せ い)の可能性が高そう。 秋葉第三発電 所運転実績 稼働率:81.6%(2015年実績) ![]() ベース電源的に利用されている。何故第一より優先されるのかは謎だ。。2017年の秋葉第一の改修前から第一の方が高効率である。改修後は秋葉第一の方が 優先して利用されてる感じであろうか? 過去10年ほどの経年データで第 一の稼働率46.3%に対して第三は75.4%であり,第三が優先して使われていることが判る。1m3/s投入で発電出来る発電効率は第一の方が高いのに何故第三が優遇さ れるかは謎である。改修後の関係か? また第三の容量は46.25MWなので月の発電量の上限は33,300千kWh程度となる。雪解けと梅雨と台風の4月6月9月は80%超の稼働率って所である。98%とか 迄追えんのかねえ??
集計してみる
いずれにせよ,以下でみるように秋葉の問題点は貯水量の過小である。佐久間から13億m3/年も通過水 量が増えてはいて(主な流入は水窪川と大千瀬川で ある), 秋葉発電所の使用水量も3.2億トン増えてはいるけ ど,十分使い切 れておらず,結果16億トンもの水を無為に放流してしまっている。 秋葉ダムは佐久間の逆調整池であり有効貯水量は大したことないのである。。何とか増やしたい。 この水の出所は以下の流域である。佐久間ダム・新豊根ダム・水窪発電所・振草頭首工の取水域を除いた秋葉ダムが先ず受け止めなくては成らない洪水である(まあ既に割と優秀なことは優秀だけど)。 ![]() 下で船明の数値も加えて更に検討 |
不明(こ こらEL.52m・[G]) 取水口っぽい感じなんだけど・・・なんだろう。。 ![]() ![]() |
私に連れられてあちこちのダムを見せられたダムには興味ない息子氏,船明ダムの裏面をちらっと見ただ けで低いダムだねと喝破してしまう。門前の小僧よ,何故判ったんだ!? pic.twitter.com/P6YJ3JNogS
— とはずがたり (@tohazugatali1) August 15, 2021
天竜川下流地域取水事業[国 交省資料] ▲
※1>> ![]() ※2>> ![]()
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船明発電 所運転実績 稼働率:68.2%(2015年実績) ![]() 発電量は結構一定である(16GWh後半から17GW台が6カ月ある)。上限が23.8千kWhなので結構上に張り付いてる(70%台近い)けど,放流水 もあってこれ以上稼働率が上がらないのは需給ギャップなのか?水がある時に需要が無くて or供給力がなくて発電出来ない感じか? 寧ろ,雨が降って船明ダムの僅かな有効貯水量360.0万m3(→諸元)では貯めきれない感じか? 下で見るように,秋葉ダムと比べて船明ダム地点での最大使用水量は年間通過水量は増えてるのに少なくなってもゐるのである。是非供給力を増やして対 応したい。 佐久間・秋葉・船明使用水量の検討 ここで各発電拠点毎の水使用量を纏めてみた。佐久間ダムの優秀さが光 ると共に秋葉・船明も健斗しているとは云へ佐久間には落ちる水利用率である。 2015 年(静岡県取り纏め資料)
その後静 岡県の経年の数字も載ってる纏め的な資料も得て,得られた数値が以下である。 佐久間ダムが概ね水を使い切ってる(利用率88%)に対して,船 明のパフォーマンスはそれほど良好とは云えない64%である。秋葉はその中間よりは上方という感じで ある。 船明は秋葉・船明両ダムに貯留量が殆ど無いのに使用水量が一寸落ちるってのが低利用率に響いていそうである(秋葉は,貯留量は無きに等しいが佐久間 より一寸多めの使用水量でなんとか処理仕切っている感じである)。 また割合ではなく水量で考えた時,佐久間が逃している水(年間ダム放流量)は7億トンなのに対して秋葉と船明はそれぞれ12億トン・27億トンもある。残 り落差は僅かなもの水量は莫大であり,なんとか使い切りたいものである。
秋葉ダムの総貯水量3,470.3万m3,有効貯水量775.0万m3が一杯になって捨ててる水が7月,9月が3億8900~4億2300万あると云う事 で7月・9月は一週間当たりに直しても押し寄せ る1億m3,一日辺り1400万m3/sとすると如何にも物足りない容量である。これは上流の水流をがっちり受け止め(年間5億7000万トンは新豊根に 汲み上げしてでも死守す)る佐久間ダムの極小化された放流量に対して秋葉の規模 が小さいとも云えるだろうし佐久間ダムの下流で合流する故に流量を均せ ず天竜川へ雪崩れ込んでいくる大千瀬川や水窪川(や船明ダムにとっては気田川)の流入量が多いとも云える かもしれない。それにしても佐久間ダムを通過した水が年間61億m3位あるのに秋葉で74億m3に達する訳だが,その差は13億m3もある。 この13億トンの水の内訳を見て100km2辺りの利用可能水トン 数を推計してみる。 集計してみる
まとめるとこんな感じ:
次に秋葉から船明に掛けて増えた水を考えて見る。 今の時点で主に気田川等からの流入で増えている水が秋葉と船明の差分である年間 7.8億m3である。秋葉と船明の集水面積の差分は両ダムの流域面積の差:4,895km2-4,490.0km2=405km2 となる。 地図で確認して見る。門桁や白倉川22.8km2や 横山より下流37.6km2を除くと289.2km2程なので併せると349.6km2となる。上の面積の差分405km2との差55.6km2は門桁Dでの取水流域であろう。 ![]() 門桁は豊岡の低稼働率より多くの水が水窪発電所・佐久間ダムに流れて均されてると看做すと約350km2で7.8億トンとなり100km2で3.1億 トン程度となる。ここでも100km2で3億トンの推計値と似た 結果が得られる。 疑問点は秋葉ダム直上で取水される三方原用水の水量がカウントされているのか?と門桁から気田川を流下する水量がゼロでは無かろうということである。 いずれにしても水利用率が低めなのは船明Dで あり,優先順位としては気 田川にはダムが欲しい(→ここで検討[V=650万m3])。上で見た遠江横山ダム(横山ダムと の区別に国名を付けてる・V=410万m3)も船明の水の有効活用に資するであろう。また高めとは云え佐久間Dや秋 葉Dも新規のダムを建設して更に水利用率を高めていきたい所ではあ る。佐久間Dに関し ては水窪Dや新豊根Dの活用が考えられるが秋葉Dには大千瀬川と水窪川からの流れを堰き 止めるダムが欲しい(→ここで検討・V=620万 m3)所。これらのダムの貯水量を合計すると1680万m3となる。劇的に水利用率を上げることが出来るのではないかと期待している。 |
[廃止]西鹿島頭首工(旧浜名用水取入口)[場 所][静 岡県][浜 松市][廃墟日常 →図面などあり] ▲ (取水量:17.0m3/s) 随分河床が低くなってしまったようだ。 ![]() 今は船明ダムからの取水になった筈(天竜川下流農業 水利事業に統合された様だ)なので取 水先は船明ダムの直下船明発電所の放流水で導水幹線にどこかで接続しているのであろう。 |
[廃止]磐田用水阿蔵取水口(跡)[水土][自然と歴史][youtube] ▲ 元取水量:13.9m3/s?[国 交省(22p参照)] 神田の方に気を取られて忘れていた…orz |
[廃止]磐田用水神田取水口(跡) 近づけなかった…orz たぶんこれ。対岸からの遠写。 ![]() |