電 力総研 水 力あれこれ 天竜川中上流
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20.10.9運開

天竜川下流域の発電所【現状篇】(21.8 船明・秋葉訪問/22.8秋葉・水窪訪問)→水量・発電量データ

利水模式図・(上中流 方面水窪川・戸中川水窪ダム・水窪発電所大入川[新 豊根ダム・新豊根発電所)→)佐久間佐久 間ダム諸元(大 千瀬川川合/佐久間周遊)[開発(案)])佐久間 発電所諸元佐久間第二発電所(現況諸元)・水運用取水:豊川用水]─]─西渡[水窪川西渡発電所]開発(案)佐久間(第二 )発電所放水口]─秋葉秋葉ダム21訪問記秋葉 第一発電所秋 葉第二発電所秋葉第三発電所取水:三方原用水秋 葉周辺電力開発]─(気田川)[開発(案)]船明船 明ダ ム船明発電所取水:浜名用水西鹿島取水口跡取水:磐田用水(阿蔵取水口跡神 田取水口跡)開発(案)]→ (河口・遠州灘)]

下流域のメインは何と云っても佐久間ダムと発電所である。
水 力.comさんに拠ると発電量日本一だそう。頼もしいなあ。
>最高記録は平成3(1991)年の1,830,000MWH(18億3000万キロワット時)、平均的な年間総発電量は1,373,600MWH (13億7360万キロワット時)です。

そして佐久間秋葉船明(ふなぎら)と巨大ダムと発電所の三連発で天竜川河下りの掉尾を飾ってゐる。早速見て行くことしや う。

本項の水利使用模式図は以下の如し。これ本稿の初稿を纏める最後の段階で見付けたので,全面改稿を繰り返してるけど,これを知る前に書いた矛盾も残ってるかもしれない。。

図2-4 天竜川水系の主な水利使用模式図(3/3)
出典:国 交省

出典:国 交省

上の国交省の水系別の資料なんかに加え 静岡県は発電量や水使用量に関する資料(2015 年版2017 年度版)を出してくれているので数字を元に色々議論(妄想)出来て良い。(こちら [水量・発電量 データ]に纏めた )
色々検討した結果,佐久間ダムは水量が秋葉ダムは貯留量が,船明は発電出力と貯留量が,それぞれ制約になってゐそうな事が判つた。

以下結果を導出しつつ沿川風景を概観していく。

先ずは佐久間湖に左右から導水する発電所に新豊根と水窪がある。
佐久間ダムの水源としては天竜川本流をメインとしつつ,佐久間ダムより下流で天竜川に合流する水窪川や気田川を水源とする水窪発電所,同じく佐久間ダムよ り下流で天竜川に合流する大千瀬川の支流の大入川上流に造られた新豊根発電所等がある。特に新豊根発電所は 佐久間ダム湖と新豊根ダム湖の間で揚水発電も行う混合揚水発電所である。 また発電ではなく潅漑用途で佐久間ダムから豊川方面(宇連川・豊川用水)への 導水がある。

~大入川~(→大入川はこちら参照・大千瀬川はこちら)  

佐久間ダムの下流で天竜川と合流する大千瀬川の支流の大入(おおにゅう)川には新豊根ダムと発電所がある。


新豊根(しんとよね)ダム[水力
電源開発(株)・国交省中部地方整備局(当初は愛知県)
目的:発電・洪水
着工/竣工:1969/1973
堤高:116.5m、堤頂長:311.0m
総貯水量:5,350万m3     有効貯水量:4,040万m3    洪水調節容量:1,050万m3

新豊根発電所[水力
ダム水路式・混合揚水式
認可最大出力:1,125,000kW  常時出力:0.0kW
年間総発電電力量:874,000MWh(8億7,400万kWh)(内、自流分127,000MWh)
設備使用率:8.86%←低い。。
最大使用水量:646.00m3/s    最大揚水水量:600m3/s
有効落差:203.00m
    最大有効落差241.00m、最小有効落差166.00m
    最大全揚程247.40m、最小全揚程184.30m
流域面積:136.3km2
取水・上部貯水池:大入川[新豊根ダム]474.00m
放水・下部貯水池:天竜川[佐久間ダム]260.00m



~水窪川~(→こちら参照)データ  
[別頁:水窪ダム・水窪発電所(気 田川)門桁堰堤西渡発電所

水窪発電所
参考文献::[① 水力.com][② 静岡県][③電発]
事業者:電発
運開:1969.5
ダム水路式・貯水池式
認可最大:50,000kW・常時:7,600kW 最大に対する常時の比率は15.2%。
年間総発電量:141,000MWh(1億4,100万kWh)[水力] 158,000MWh/年[wiki]※
水量 最大使用水量:26.50m3/s(内、気田川取水堰:8.5m3/s) 常時使用水量:5.65m3/s(初掲載時)
落差:最大出力時有効落差:219.50m 常時出力時有効落差:221.95m(初掲載時データ)
設備利用率: 27.3 % (2015年度実績)
流域面積:流域面積:172.3平方キロメートル
取水(集水面積):水窪ダム(172.3km2)・灰の沢・水窪河内川・瀬戸の沢・門桁堰堤(53.9km2) 505.5m
放水:水窪川(蓋渠で佐久間湖へ)256.50m

常時7.6MWで発電してるとすると66,576MWh/年である。年 間総発電量の47%,半分近くが常時出力のものとなる(合ってるのか,この推論?常時が文字通り常時なのかそれとも最低みたいな意味合いな のかでも変わってきそう。)

流域面積が172.3km2なので17.2m3/s程度 が本来の出力だとすると本来の河川の実力からの出力は32.5MW程度となる。この場合年間150GWhだとすると設備利用率は55%となる。流石に倍増するが高いとは云えない稼働率である。い ずれにせよピーク用に水力発電が使われてる好例と云えるであろう。」

無知なりに色々水を増やすべく苦闘したのがこちらである。

佐久間ダム周辺(ダム諸元発電所諸元・蓋渠・第二発電所諸元第二放水口詳細・増強はこちら参照)・ 【運用データ   


佐久間(さくま)ダム[水 力][便覧(再開発)]    
河川     天竜川水系天竜川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     155.5m/293.5m/1120千m3
流域面積/湛水面積     4156.5km2 ( 直接:3827km2 間接:330km2 ) /715ha(7.15km2)
総貯水容量/有効貯水容量     3億2,684.8万m3/2億544.4万m3
ダム事業者     電源開発(株)
本体施工者     間組
着手/竣工     1953/1956
(再開発)総貯水容量/有効貯水容量     3億4,300.0万m3/2億2,159.6万m3
(再開発)ダム事業者     中部地方整備局
(再開発)着手/竣工     2004/
    副ダム堤高: 36.00m
       堤頂標高:297.00m
       天端標高:270.00m
      満水位標高:260.00m
     水門下部標高:246.50m
      低水位標高:220.00m
    副ダム堤頂標高:145.00m
取水:天竜川・水窪発電所(水窪川他)新豊根発電所 (大入川)

~大千瀬川~

佐久間ダムと佐久間発電所の間で大千瀬川が合流する。佐久間川合である。大千瀬川の上流は飯田線沿いの相川と振草・東栄町・別所方面の大千瀬川,更に新豊根ダムのある豊根・津具方面の大入川に岐れる。分岐点は概ね浦川である。

豊川用水佐久間導水~(→こちら)
振草頭首 工(豊川用水)大入川大入頭首 工(豊川用水)]
 
新豊根ダム佐久間ダムはほぼ水を漏らさない。また振草から一定数(相当数?)の水が豊川用水に取水される。西渡発電所が取水分を除いて秋葉ダムへ流れ込む流域は182.7km2といった所である。
後で見る様に秋葉ダムの漏らす水は16億トン程ある。この辺をなんとかして有効活用したいなと思っている。



佐久間発電所の一寸上流,西隣に周波数変換所がある。
22.8

電源開発(株 )佐久間発電所[水 力]    
運開:1956 / ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:350,000kW  常時出力:93,700kW
最大出力時使用水量:306.00m3/s  常時出力時使用水量:117.20m3/s
最大出力時有効落差:133.49m  常時出力時有効落差:93.45m
設備
    水車: 96000kW×4台(両周波数共用・総出力384MW
    発電機: 93000kVA×4台
 水圧鉄管:内径4800~3800mm
 導水路:総延長1180.6m、主要導水路 圧力トンネル 口径7.00m、延長1180.6m、2条 (断面積:76.93m2)
流域面積:4,158km2
取水:水窪川、天竜川[佐久間ダム]260.00m
放水:佐久間第二発電所、天竜川122.91m
22.8
国道側入り口
24.7
その看板。ここが正面か?ポップな字体がかわいいw


佐久間発電所(→諸元)からそのまま逆サイフォンで 水 を天竜川を潜らせ対岸で発電するのが佐久間第二発電所(→諸元)である。 後補の発電所(1982運開)であり,秋葉ダムとの僅かな落差を利用しての32MWの電源開発となった。

佐久間ダム(2億0,544.4万m3)260m──佐久間発電所(350MW・306m3/s・ 133.5m)─122.91m─(サイフォン)─佐久 間第二発電所(32MW・ 306m3/s・12.3m)─106.9m/108.00m [→放水口]─秋葉ダム(775.0万m3)

今,地図を示すとこんな感じである。佐久間発電所の放水レベル122.91mに対して秋葉ダムへの放水レベル106.9mなので総落差16mに対して有効落差は 12.3mと無効落差は4mを切ってゐる!
水車効率も86%程度の様で決して悪くはない。佐久間の大水量が活きる瞬間である。
木曽川の今渡ダムと今渡発電所・美濃川合発電所も似ている(420m3/s・h=12m程度・ 43.4MW)。向こうがダム式なのに対してこちらは水 路式,特に放水路が長い,形態である。
この仕組み,是非只見発電所で使って欲しい。他にも坂下(賎母発電所と落合ダム間)や天竜川の直ぐ下流,遠 江横山(秋葉第二発電所・気田川流入と船明ダム間)など開発出来そうな箇所はあちこちにある感じ。
佐久間程デカくは無いが,桂川(相模川)八ツ沢松留が,更に規模は小さいが三峰川第一と第四 が同様の仕組みで,嘗ては西勝原第一内にも あった様だ。



佐久間第二発電所[水 力]  
電源開発(株)
運開:1982.7
水路式・流込式
認可最大出力:32,000kW  常時出力:11,500kW
最大使用水量:306.00m3/s(=佐久間に等しい)
有効落差:12.30m
水車:出力16600kW×2台(=33.2MW)
導水路:総延長212.8m、主要導水路 逆サイフォン(ボックスカルバート使用) 幅8.80m×高4.70m、延長212.8m(断面積: 41.36m3)
放水路:口径10.30m、延長3241.2m
取水:佐久間発電所122.91m
放水:天竜川[秋葉ダム]106.90m

【佐久間発電所 群(新豊根・佐久間第二含む)運用】

佐久間発電所 運転実績
稼働率:53.7%(2015年度実績)
出典:静 岡県

最大利用水量が驚異の117.20m3/s,最大認可出力が脅威の350MWの佐久間ダムであるから24h動かしっぱなしはないとは思うが,巨大なダム湖 と莫大な天竜川の水がある。
稼働率はそれ程 良くはないとはいえ50%以上はある訳で,例えば平日フル稼働だけでも70%程度になるので,更に深夜は8時間は止めるだけでもう50%を切って仕舞う。 これよりは高稼働ということである。

新豊根側はあんま良い対策が見込めなかったが,これは協定次第になろうかと思うが設楽ダムが出来たら愛知用水に15m3/s の水源が新たに確保されて余裕が出来るの で色々制約ついての年間5000万トンの供給義務は緩和されそう。

更に,現在ではほぼ毎日の様に,態々コストを掛けて新 豊根への揚水をしているようである。
本来の目的であった夜間に発電量を落とせない硬直的な電源の原発は停まっているのである。ということは,夜間に安い電気が余ってると云うより佐久間ダムの貯水容量が足りずに電 力需要が落ちる夜間に佐久間ダムに上流より到達した水を新豊根に待避させてい るのではないか?(流れ混んでくる水を汲み揚げるタイプの揚水発電に穴内川・三尾・旧小口川第一などがある。・原発と同じく調整のし難い石 炭などは徐々に縮小していける。後は流込式電源,近くの電発だと早木戸PSな どでの発電か?)

既にほぼフル活用はしてるといってよい佐久間周辺であるけ ど更に水効率 を極限迄高めて行きたい。

また新豊根側は多少の導水は提案できたが距離に対して面積は狭小で実行可能性は低かった。水窪側は奥気田発電所の建設などを中心に水窪ダムへの導水量を増やして行きたい。
その他佐久間近辺からの導水をも検討は し てみた(が,どれも面積が余り取れなかった)。

豊 川の検討で 見る ように,佐久間ダムの 水利用率は90%を超えていて結構シビアである。ところ が,水利用率は90%が示す様にある水はほぼ使い切ってるのに稼働率は53%程度である。
要するにピーク電源であり容量をデカく造ってあるのである。とはいえピーク電源に関しては 揚水を拡充するなどして対応しつつ,佐久間なんかは水量を増やして原発や石炭火発を淘 汰する為に発電総量も増やしていきたいのである。

水窪 発電所経由で取水を増やす為の門桁方面からの発電豊川用水 大入導水分5m3/sの新豊根発電所・豊川用水佐久間導水経由化・全体の量からみたら誤差みたいなものだとは云えるけど,更にダム建設が必要にな るが大千瀬川の佐久間での活用な ども 検討する。更には上流の貯留量の増加も図りたいところ。。現状では平岡 ダム482.9万m3(→堆砂が進んで今では260万m3)・泰阜ダム155.3万m3とともに物足りぬレベルである。
支流の一寸大きめの松川の松川ダム640.0万 m3,小渋川の生田ダム3,710.0万m3,三峯川の美和ダム2,074.5万m3を含めても5ダムで合計7000万ト ン超と佐久間ダムの2億トン超には遠く及ばないのである。
平岡ダムでのかさ上げを検討したが10m,3000万m3 程可能っぽい様だ。是非やりたい。

佐久間第二であるが,のグラフより佐久間PSが55億トン利用しているのに48億トンし か使ってない。7億トンは流出してしまうのか??メンテナンスの都合でこっちの方がよ り長く停まってたぐらいしか想像がつかないんだけど。。(佐久間は水車4台に対して佐久間第二は水車2台なのでメンテナンスで水が通れない影響はデカそ う。)

佐久間第二 発電所運転実 績
稼働率:54.4%(2015年度実績)

注) 佐久間第二発電所は、佐久間発電所放水口より直接取水しているため、ダム放水量は無い。 出典:静 岡県



佐久間第二の増強 策を検討してみる。
佐久間第二発電所は第一(佐久間発電所)の放流水をそのまま発電に回している。[地 形図]からもその様子が窺える。放水レベルと取水レベルが122.91mで等しいことからもそれが伺える。
詰まり両発電所は完全直結してゐるのであるが,上のグラフより,2015年の佐久間発電所の使用水量5,515.8百万m3に対して佐久間第二は4,816.2百万m3とその差700百万m3程(7億トン/年)程少なくなっている。
水車の点検などをする際に,佐久間発電所は水車二基に対して佐久間第二は一基なのでその間は発電が出来ず水を捨てている感じがする。(それ以外に態々水を捨てる意味が分からない)

佐久間市街地付近の天竜川の川面標高は116~131m程度である(随分ばらつきがある..)川岸は135m程に見える。佐久間市街地直下で天竜川を堰き止めて佐久間第二に注水することで発電が可能である。



ここで実は佐久間ダムではより下流にあって受け止められない大千瀬川をメインとする153km2の流域からの水と交叉する(第二発電所は天竜川をサイフォ ンで渡った所にある)。これは大千瀬川上流での振草導水の集水流域や新豊根ダムから佐久間へ送られる流域の大入川を除 いた面積である。以下の図の佐久間PSより上流の部分である。

この分を第二発電所に追加で注入すると発電量を多少であるけど増やせそうである。可能取水量は 15m3/s程度を想定出来る。
今この15m3/s を佐久間第二から常時入れ込むとなると佐久間第二の使用水量は306m3/sで32MWなので,出力は1.6MW程度となる(小さいかw)。

ただ15m3/sを24h365D維持出来ることはないだろうが仮に 出来 ると想定すると,4億7300万m3を新たに発電に使えることにはな る。 既に48億m3使ってるので1割増加である。稼働率も60%近く行く。なかなか。
勿論,水量を既に佐久間発電所からの水でフル稼働してる時間帯もあるだろうが,いずれにせよ,こちらも稼働率が54.4%とパッとしない(←勿論貴重な調整力電源として 必要な時に稼働させているのであろう)。殆 ど時間帯でこの10~15m3/sを追加出来る296~291m3/sで運転されているのではないか?少量では大した発電量にならないのも事実であるから 多少は貯留出来るようにはしたい所。→貯留量の所で検討したい。

貪欲に新規の開発をして出力増強に血道を上げている私であるが。また稼働率と水量の関係から此処では一旦,佐久間・佐久間第二の いずれの発電所も最大出力増強するよりは運用によって発電量を増強させた方が良いという判断とする。
具体的には佐久間発電所の調整力を使ってない時間帯に,貯めて水を入れてこちらは基礎電源(ベースロード)的に使うのである。考えて行く内にデカくなって 佐久間第二での利用を忘れてしまったけど佐久間の下での貯水はここで検討した。
この水を佐久間第二に使っても良いし,下池として混合揚水発電を設置して佐久間発電所の能力を倍増させても良いかも知れない。

またこの佐久間第二発電所的な小落差・大容量水による発電は(佐久間程の水量はともかく)ほかにも可能性がありそうである。


西渡発電所(←水窪川)(→詳細)この辺から既に秋 葉ダム湖  
認可出力 最大:2,300kW 常時:150kW [6.5%]←ちいせえ。。
最大使用水:3.26m3/s (常時水量:0.21m3/sか?)
有効落差:89.93m
設備稼働率:28.4%(2015 年実績)
流域面積:192.1km2(水窪P/Sと重複)
取水:西渡堰堤[レポ:手当次第]205.26m
放水:天竜川[秋葉ダム]106.43m=佐久間第二にほぼ等しい


(水 窪川合流→こちら参照
水窪から矢筈にかけて平行して三遠南信道が計画されている国道152号線は天竜川と岐れて水窪川沿いに進む。道路的にも直進が確保されている。佐久間市街 方面へは大井橋を渡ってへろへろと細い国道473号で結ばれている。正面の白い建物は西渡発電所である。


下で見る様に秋葉ダムは年間13.4億トンの水を 発電に使い切れずに放流してしまっている(一部(年間2億トンぐらい?)は三方原用水へ供給する分も含んでいるかも)。
その水は概ね大千瀬川流域と水窪川流域から来ている(佐久間ダムはほぼ水を使い切って秋葉ダムを逆調整池として放水している)。
詰まり水窪川の合流点の此処らにダムを建設して洪水を一旦貯水すると13.4億の水が使えるようになる。その辺の観点から[妄想]西渡ダムここらで検討してみた。

佐 久間第二発電所放水口(EL.106m)  
その秋 葉ダムのバックウォーター部,水窪川合流部よりは下流に佐久間第二発電所の放水口はある。規模感が麻痺してきて306.00m3/sの大量の水が 放水されてる感じがあんま解らなくなってくるw
まあこの時の放水量が300m3/sなのかどうかは解らないけど。。
また秋葉ダムの満水位は108mであるが106mが放水位である。詰まり満水位以下である。この仰々しい 放水口は満水位時にも放水出来るような設備なのかどうなのか気になる所である。新笠置や松二みたいな感じであれば110m位迄満水位上げれないかな??で検討
22.8
アップ



【秋葉(あきは)ダム】(→ダム諸元・発電所諸元(第一第二第三)・運 用周辺電源開発はこちら)  
秋葉ダムだけで押しも押されもせぬ大ダムである(堤高80m!)けどこれは佐久間ダムの逆調整池の機能であって 貯水量はかなり少なめ。よく見てみれば有効貯留量が775万m3しかない。有効落差も堤高の割には小さい。これは岩盤が可成り地中深いところにあったため だそうな。
佐久間ダムは殆ど水を漏 らさな いので天竜川本流筋としては佐久間発電所の最大306m3/sを叩き込んでくるだけなので最大で336m3/sの水量を処理出来る秋葉には労のな い仕事である。が,以 下で見るように 佐久間ダムの通過水量60億トン(発電は55億トン)に対して秋葉ダムで は第一~第三の発電所 で57億トンは捌ききるのだけど16億トンは使い損ねる(放流してしまっている)のである。年間57億トンの水を発電に使えるのは処理水量で僅かに佐久間 を凌駕する秋葉(第一~第 三で336m3/s)だけに可能 となる偉業ではあるが佐 久間が漏らしてた水が5億トンだったのに対して16億トンも逃してるのはちと痛い。こいつらは概ね大千瀬川と水窪川からやってくる連中(←水流のことねw)と解釈して良いだろう。水窪川は水窪発電所を通じて佐久間ダムに導水しているし,大千瀬川は支流の大入川は殆ど水を漏らさず新豊根発電所を通じて佐久間ダムに送水している他,本流の大 千瀬川は植草頭首工から豊川流域に豊川用水の水を供給している。既に或程度有 効活用した上 での16億トンなので大雨洪水時の使いづらい水ではあろうが頑張って利水していきたい。主な支流は相川,水窪発電所取水点以下の水窪川,振草以下の大千瀬 川そその支流である。第一段階と想定する水窪・新豊根・佐久間関連の対策案は数値は妖しげだけど(w)こちらに纏めた。16億トン中都合3億トン程度は解消出来そう。残り13 億トンを第二段階想定の西渡ダム(案)気田川秋葉ダム(案),更には第三段階の相川ダム(案)でどれくらい解消出来るかな~。

なお秋葉は「あきは」である。地元民として恥ずかしながらすっかりアキバかと思い込んでいた。子どもの頃はちゃんと「あきは」と認識していた(例えば掛川 の地名(住宅街)・秋葉路は「あきはみち」である)のに秋葉原の略称アキバにやられてしまったか。確かに秋葉原の秋葉も「あきは」と読んでるけどアキバと 呼んでるのは,この バは原の方由来なのか。。画像とか頁とかファイル名全部akibaにしてもうてるわ。。
21.8
秋葉ダム 電源開発(株)[便 覧] [水力] [ダムマスター]    
目的:発電
堤高/堤頂長:89m/273.4m
流域面積/湛水面積:4,490km2 ( 全て直接流域 ) /190ha
総貯水容量/有効貯水容量:3.470.3万m3/775.0万m3
ダム事業者     電源開発(株)
着手/竣工     1954/1958
標高
     堤頂標高:131.00m
     天端標高:113.00m
    満水位標高:108.00m
    低水位標高:104.00m

堤高に関してはこんな記述が。膨大な河床砂礫が溜まっていて岩盤まで結構深いらしい。。すげえなぁ。。
>見 た目の高さは30~40しかありませんが、、、実際の堤高は89mです。これは川底から岩盤まで40~50mほど掘ってそこにダムを建てたためです。ここ まで河床砂礫を取り除いたダムというのは珍しいです。ダムマスター

[21.訪問]五輪直後の長梅雨みたいな1週間も雨が停滞した時期,帰省の帰りに訪問。凄い水量だった。
野次馬?が何人もいて,自分の事を棚に上げておいおいこんなの見に来るかよ,物好きやなと思って仕舞った。
まあ俺は利水システム全体に興味あってたまたま今日が来る機会があったってだけで出水が好きな訳ないぞ。
全ゲートが解放されてて水飛沫が上がっていた。それでも各ゲート全面解放って訳ではなさそうで水を貯めて発電しつつの放水の様であった。
全体的に小雨化しつつ出水時と渇水期の分散がデカくなってる傾向が全国的にあるようで,水量を安定させ有効に利用する為にも上流にダム作って出水を減らす 余地はまだあるのではないか?
いずれにせよ,上で触れた(図は下)秋葉ダムが使い切れずに放出する水[16億トン (2015)・9億トン(2016)](の一部)を期せずして目にした形となった。
左の建屋は秋葉第三発電所である。ここから放水路を長く取るダム水路式では無くダム放水路式である♪
21.8
船明ダムよりは落差ありそうだが,佐久間ダム程の落差は無さそう。それでも堤高は89mもある。ダイナミックな景色見てると規模感が可怪しくなるのかもしれな い(→実は地盤がそれだけ深い場所にあるからだそうな)。2,3日前に台風が通過した後の22.8の様子。放流はゲート1門のみで行っていた。
22.8
裏からみた秋葉ダムの堤体。手前が秋葉第二の取水口のスクリーン?,奥手が秋葉第一と第三用の取水口である筈である

取水口拡大



三方原用水取水口[農 政局
三 方原用水(9.848m3/s)[上水1.221m3/s・工業3.158m3/s・農業5.469m3/s][国 交省

三方原用水は図2-4だと9.848m3/s程度の様だけど。利水現況図(2004[H16]年ぐらいのもの?)だと 16.708m3/sとなっている。

ダ ムの脇に取水口がある[地理院]ように描かれているが農政局の写真より取水口はこれ↓で場 所はもっとこの辺であった。またも地理院の地下水路の記載ミスら しい。
 
 
  
[wiki] に拠ると”水力発電については完成と同時に秋葉第一発電所(認可出力:45,300キロワット)と秋葉第二発電所(同:34,900キロワット)が建設さ れ、さらに1989年(平成元年)には秋葉第三発電所(同:46,900キロワット)が増設された。秋葉第一発電所 はダムより下流の天竜区横山町(旧・天 竜市)に建設されたダム水路式発電所であり、秋葉第二発電所はダム直下に建設され夏季のピーク時に対応するための発電を行うダム式発電所である。 2017 年(昭和29年)5月30日、秋葉第一発電所の2号機が更新され、出力が950キロワット向上し、46,250キロワットとなった。秋葉第一・第二・第三 発電所合計で最大128,050キロワットを発電し、首都圏・中京圏の電力需要に応えている ”となっている。
[googlemap] でも秋葉第二・第三はダム直下の左右両岸に分かれたほぼ同位置にある。[水 力]の水系概図でも同じ位置の左右両岸にある様に描かれている(流石,芸が細かいっすw)。
上の写真だと左手に見える建屋が秋葉第三になる模様。冒頭の写真の水飛沫の向こうに煙ってる建屋っぽいの が第二か?
その水 力.comさんの表記だとダム水路式になってるけどダム式?形式的には直下と云えども水路が咬ませてあってダム水路式なのかな?

位置関係は平面 図で判明する。

左岸には第一と第三の取水口があり,第一は導水路が長いタイプのダム水路式,第三は放水路が長いタイプのダム式で距離を稼いで居る(個人的にはダム水路式 ならぬ"ダム放水路式"と呼んでいる。犀川など各地で結構見る。馬瀬川第二ではまだウオッチ初期でだいぶ惑わされたw)。右岸には第二の取水口 がありダム式で放水路がやや長めであるが第三程では無く結果有効落差が小さいピーク用という位置づけとなる。

秋葉第二発電所[水力]    
電源開発(株)
運開:1958.6 (改修:2016.5)
ダム式・調整池式
認可最大出力:35,300kW(改修前34,900kW) 常時出力:0kW   年間総発電量:115,040MWh(1億1,504万kWh・改修前)
稼働率:27.3%(→データ) →秋葉の3発電所中では最も低い。
最大使用水量:110.00m3/s
有効落差:36.50m
水車:水車 50/60Hz 35000/38000kW×1台
放水路:1191.3m
流域面積:4,490.0km2
取水:天竜川[秋葉ダム]108.0m
放水:天竜川[船明ダム(満水位57.0m)放水 口]69.82m

稼働率も低いが有効落差も最も低く,低効率である事も判る。
落差を抑えて低コストでピーク用整備ってのが関電宮川の 新打保・新坂上なんかの打ち出しにも見えるようにセオリーなんであろう。

現在使用最大水量が110m3/sで認可最大 出力が 35.3MW。水力.comさんによると水車は50/60Hz 35000/38000kW×1台だそうで,疑問点としては①改修前のもの? ②50/60Hzで出力が違う様だけど認可は周波数関係なく決められてる?とすると110m3/sで発電出来る上限が35.3MWってのは60Hz時で, 50Hz時は32.5MW位の出力になるの?って辺りが疑問であるけど,いずれにせよ60Hz・110m3/s・35.3MWだと仮定すると水量を120m3/sに増やした時は60Hz・ 120m3/s・38.5MWとなる。一寸だけ定格出力オーバーである。60Hz・118m3/s[+8m3/s]・37.8MW[+2.5MW]とすれ ば ギリギリ抑えられるな。

秋葉第三発電所[水力] [マスタ]     
電源開発(株)
運開:1991.8
ダム式・調整池式
認可最大出力:46,900kW 常時出力:38,700kW
稼働率:75.4%(→データ) →秋葉の3発電所中では最も高い。
最大使用水量:116.00m3/s
有効落差:47.10m
水車:
 立軸フランシス水車 50/60Hz 45600/46500kW×1台
 横軸フランシス水車 50/60Hz  1700/ 1800kW×1台
発電機:
 立軸三相交流同期発電機 50/60Hz 39600/47600kVA×1台
 横軸三相交流同期発電機 50/60Hz  1700/ 1700kVA×1台
放水路:口径6.50m、延長3646.5m
取水:天竜川[秋葉ダム]108.0m
放水:天竜川[船明ダム]55.20m →(以前の水力さ んや)ダ ムの訪問記さんには放水先が三方原用水となってるけどそれは誤り(取水口が違うし三方原用水は此 処でまだ高度90m以上有るようで放水位55m程度の秋葉第三発電所とは計算も合わない。そもそも水量が全然違う)。放水先は多分これ(こ れ以外にそれっぽいのはない。落差的にも適合的)
効率:0.40MW/(m3/s)

稼働率は8割を越え,メインで利用されている発電所である事が判る。第一より効率(使用水m3/s辺りの発電力kW)悪そうなのに第一は老朽化でも進んで スペック通りの実力発揮出て来てない とか壊れやすいとか何か理由があるのかね?

★★

この下流で気田発電所等を経て気田川が流れ込む。現状での気田川の水を気田発電所から船明発電所迄何も使わない状況は惜しい。気田発電所放水位は160.65mあり,この地点で183km2程の流域面積がある。そして船明発電所取水位(船明ダム満水位)はEL.57mである。20m3/s程を100m落とせば単純計算で17MW程度にはなる。と言う事で気田発電所の放流水を秋葉ダムへ12.5m3/s流し込む竜山発電所を構想(妄想)してみた。秋葉ダムから船明ダム迄は既存のど下で見る秋葉第一を含め1~3の3発電所で空いている能力を活用するプランである。

336m3/s をフルに 使いつつ秋葉ダムに336m3/s以上流入する時間帯,詰まり水を効率的に使えない時間帯,って一年の内どの位あんのやろか?大部分は効率的に使えそうな感じもするけぇが,データ上は下で見る様に第 一の稼働率46.3%に対して第三は75.4%であり,第二は20%程度である。そこそこ高い稼働率ではあるが,第一・第二はまだ動かす余地はありそう。とはいえ,第二は低落差のピーク用であり,更に秋葉1~3で使い切れてない水が年間16億トン程ある。
と言う事で,秋葉をいじる(増強する)事も検討出来そう。色々秋 葉周りの電源開発考えて構想(妄想)してみた(笑)

★★

秋葉第二発電所放水口  ▲
放水量:110.00m3/s
放水路:1191.3m
放水位:EL.69.82m

秋葉第二の放水口は龍 山大橋の脇にあるこれのようだ。放水位は69.82mとなってるが地図だとこの場所は80mとなって一寸ずらすと72m位 にはなるので80mってことはないと思うが放水位から一寸標高を上げて水は放水されているようである。減勢工的な感じ?この放水位でダムを建設して気田川 の水を併せて秋葉ダムから調整力を増やしつつ,船明から下の発電と含めて船明の逆調整能力を強化したいと思ってるんだけど満水位は69.82mではなく72m程度で行けそうではないだろうか?
22.8
稼働率の低い秋葉第二発電所であるけどこの日は台風が2,3日前に通り過ぎた後だったせいか絶賛稼働中であった。

第二が効率低いのはここから船明ダム迄10m以上下るからである(繰り返しになるが船明ダムの満水位は57.0mである)。

下っていくと天竜スーパー林道(林道天竜線)・雲名橋との交叉点。ここから秋葉山や山住峠を経由して水窪ダムに繋がっている(24に訪問した際は災害で切れてて繋がってなかったけど)。
22.8

(気田川)←気田発電所・豊岡発電所
気田川最下流の気田川橋はなかなか雰囲気のある古い橋であった。
22.8
橋の上から気田川方向を眺める

気田川の天竜川の合流方向を眺める

船明ダムの満水位(船明発電所の取水位)57.00mに対してこの辺はEL.57.8mと殆ど変わらないように見えるけどまあ砂とか貯まってて其処はそれ よりも1,2mは高くなってるという感じか。浚渫すると貯水量増やせそうな感じはする。

この辺が船明ダムの終わり(バックウォーター)と云う事で秋葉第二の放流水レベルで気田川からの合流水と併せてダムを建設しても良さそう((仮称)遠江横山ダム構想♪この辺で気田川と併せて検討)。
小落差大容量の発電が出来る。船明と秋葉の機能している逆調整池機能を船明と横山で果たすことで秋葉でも全力発電が出来る様になるのである。

ほぼ満水に見えた船明ダム湖を遡って行くと国道から岐れた先辺りで中州が見え始めてバックウォーター部となるようだった。
写真はこ の辺[地理院]下で検討するけど上野部へ水を直送する場合,この辺で 取水すると最短距離。上の遠江横山ダムはこの直下に作るイメージ。
22.8

秋葉第三発電所放水口?[] [地 理院]  
放水量:116.00m3/s
放水位:EL.55.20m
放水路:口径6.50m、延長3646.5m

放水距離も概ね合致

秋葉第一発電所  
ダム水路式でちょい離れた天竜川を下がった西岸にあり,対岸を走る国道から遠望できる。

電源開発(株) 秋葉第一発電所[水力] [中 電][SGフォーラム
運開:1958.1 (改修:2017.5)
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:47,200kW(改修前45,300kW) 常時出力:0kW   年間総発電量:357,758MWh(3億5,779万kWh・改修前/2号機の改修で約560万kWh向上[sgfI])
 1号機改修:工期2017(H29).10~2018(H30).5     改修前出力:46,250kW     改修後出力:47,200kW  増減:+950kW
 2号機改修:工期2016(H28).10~2017(H29).5   改修前出力:45,300kW    改修後出力:46,250kW 増減:+950kW
稼働率:46.3%(→データ) →秋葉の3発電所中では中位。
最大使用水量:110.00m3/s
有効落差:48.50m
水車:立軸フランシス水車 50/60Hz 25000/26300kW×2台
発電機:立軸三相交流同期発電機 50/60Hz 27000/27000kVA×2台
取水:天竜川[秋葉ダム]108.0m
放水:天竜川[船明ダム]54.00m
効率:0.42MW/(m3/s)[改修後]←0.412MW/(m3/s)[改修前]

>発電機と水車の更新により、最大出力が45.3MWから46.25MWと、およそ950万kW向上したが、この分によって年間発電量がおよそ 5.6GWh(560万kWh)向上したという。出力向上分だけで設備利用率を計算するとおよそ67.29%となる。改良後の最大出力46.25MWの発 電設備が、この設備利用率で稼働すると想定すると、設備更新後の秋葉第一発電所の年間発電量はだいたい272.63GWh(2億7262万 5435kWh)となる。[SGフォーラム
改修してもやっぱり秋葉第三を稼働率で凌駕する訳でもなさそう。新しいとはいえ何で秋葉第三がそんなにもて囃されるんだ!?三方原では無いにせよそのまま どっかへ給水し ているのか??第一は古い分,ちょっと動かすとすぐ壊れるとか?

下流(船明ダム方面)からR152を遡って行くと佐久間線の未成線跡らしい橋があり,更にその先に対岸に発電所が見えてくる。三方向に送電線が延びて居る のが写真からも地 図からも判る。
110m3/sと2台の発電機を用いて50MW近い電気を叩き出す!と大見得を切ったは良いけど,火力・核力と比べて小ささは否めない。。第二・第三も あって頑張っては居るし。高度成長を支えた電発を思うと胸が熱くなるのも事実だが,まあもっと欲しい所。


水使用量検討(→データ全体俯瞰はこちら)

発電所
最大出力
常時出力
最大水量
常時水量
その他
佐久間 350,000kW 93,700kW 306.0m3/s
117.20m3/s
佐久間第二 32,000kW 11,500kW 306.00m3/s 109.97m3/s*



104.200kW
306.00m3/s
117.20m3/s
秋葉第一 47,200kW 0kW 110.00m3/s 0m3/s
改修:+1,900kW
秋葉第二 35,300kW 0kW 110.00m3/s 0m3/s
改修:+400kW
秋葉第三 46,900kW 38,700kW 116.00m3/s 95.72m3/s*



38,700kW
336.00m3/s
95.72m3/s

船明 32,000kW 114,000kW  270.0m3/s 96.19m3/s*








>常時出力(保証出力)は、年間を通じでほぼ毎日(95%流量程度)発生できる出力である。[JICA]
とのこと。概ね100m3/s前後が常時水量の様である。西鹿島での維持流量86m3/sに対応していると云えよう。

状況の必要性の有無を静 岡県の資料より上での疑問を検討してみる。改修時期に重なってよく判らない部分も多いのが残念だけど・・。

【秋葉第一~三発電所運用】
今,2015年かデータから秋葉発電所群の運用を見て見る。

秋葉第一発電 所運転実績
稼働率:56.1%(2015年度実績)
出典:静 岡県

2016年 設備稼働率:30.20%
出典:静 岡県

秋葉第二発電 所運転実績
2015年
稼働率:20.2%(2015年実績)
出典:静 岡県

2016年
稼働率:25%
出典:静 岡県

これらの数字をみると発電量が増えてる4月,7月,9月は秋葉ダムの放流量が増えている事が判る。放流量に連動するとすると 10~3月はあんま雨降らないか ら1月位しか大量に放流してない。この2015/1は秋葉第一発電所の稼働率が極端に低いので放水量が多いのはその所為(せ い)の可能性が高そう。

秋葉第三発電 所運転実績
稼働率:81.6%(2015年実績)
出典:静 岡県
ベース電源的に利用されている。何故第一より優先されるのかは謎だ。。2017年の秋葉第一の改修前から第一の方が高効率である。改修後は秋葉第一の方が 優先して利用されてる感じであろうか?

過去10年ほどの経年データ第 一の稼働率46.3%に対して第三は75.4%であり,第三が優先して使われていることが判る。1m3/s投入で発電出来る発電効率は第一の方が高いのに何故第三が優遇さ れるかは謎である。改修後の関係か?
また第三の容量は46.25MWなので月の発電量の上限は33,300千kWh程度となる。雪解けと梅雨と台風の4月6月9月は80%超の稼働率って所である。98%とか 迄追えんのかねえ??
2015年 4月 7月 9月
放流量(m3) 2億9690万 3億8960万 4億2500万
平均週間放流量(m3) 6,597万 8,657万 9.444万
この偏在性を見ると水力も自然エネルギーであって,無駄な時は無理に発電を追わずに捨てるのが結局効率的ではあるのだろうけど。

集計してみる

船明水量
秋葉水量
佐久間水量
秋葉対佐久間比較
秋葉第一使用量
なし
20.8億トン
55.1億トン(佐久間)※

秋葉第二 〃
なし
 7.1億トン
48億トン(佐久間第二)※

秋葉第三 〃
なし
30.4億トン


発電合計

58.3億トン
55.1億トン
3.2億トン増
ダム放流量
16.1億トン
5.9億トン
10.2億トン増
全体

74.4億トン
61.0億トン
13.4億トン増
※:佐久間と佐久間第二は直列である。佐久間で使うが放流して佐久間第二では使わなかった水が7億トンもあるようだ。

いずれにせよ,以下でみるように秋葉の問題点は貯水量の過小である。佐久間から13億m3/年も通過水 量が増えてはいて(主な流入は水窪川と大千瀬川で ある), 秋葉発電所の使用水量も3.2億トン増えてはいるけ ど,十分使い切 れておらず,結果16億トンもの水を無為に放流してしまっている。
秋葉ダムは佐久間の逆調整池であり有効貯水量は大したことないのである。。何とか増やしたい。
この水の出所は以下の流域である。佐久間ダム・新豊根ダム・水窪発電所・振草頭首工の取水域を除いた秋葉ダムが先ず受け止めなくては成らない洪水である(まあ既に割と優秀なことは優秀だけど)。

下で船明の数値も加えて更に検討

船明ダム湖を下ると謎の取水工?が。

不明(こ こらEL.52m・[])
取水口っぽい感じなんだけど・・・なんだろう。。
  22.8


船明ダム(→詳細・下流部開発は こちら)  
21.8
天竜川最後のダム。余り落差はない。>>tw

私に連れられてあちこちのダムを見せられたダムには興味ない息子氏,船明ダムの裏面をちらっと見ただ けで低いダムだねと喝破してしまう。門前の小僧よ,何故判ったんだ!? pic.twitter.com/P6YJ3JNogS

— とはずがたり (@tohazugatali1) August 15, 2021

物心つく頃には3ダム体制だったような記憶があるけど私が生まれた時にはまだ未着手で1976(S51)の竣工であった。昭和50年代なんてもう現代やん と思ってたけど流石に50にもなるとだいぶ昔のことになってきた感じはある。
電発建設用の発電ダムではあるが下で見る様に潅漑用水の確保も本ダムの重要な仕事の様である。が,目的は発電のみとなっている。佐久間の逆調整池として建 設された秋葉の更に逆調整池として機能し得るが,それを具体化してなのかどうなのか,1991年には更に秋葉第三発 電所が建設された。

電源開発(株)船明ダム[水 力]    
目的:発電
着手/竣工:1972/1976
堤高:24.5m、堤頂長:220m
総貯水容量:1,090.0万m3    有効貯水容量: 360.0万m3
利用水深:2.2m 満水位:57.00m
流域面積:4,895km2    湛水面積:1.90平方キロメートル

船明発電所[水 力]   
電源開発(株)
運開:1977
ダム式・調整池式
認可最大出力:32,000kW    常時出力:11,400kW
最大使用水量:270.00m3/s
有効落差:14.50m
取水:天竜川[船明ダム]57.00m
放水:磐田用水、浜名用水、天竜川42.00m


天竜川下流地域取水事業[国 交省資料]  
事業種類
事業名 取水地点 取水量
関係市町村
その他
出典
国営農業水利事業※1
国営天竜下流
農業水利事業
船明ダム 潅漑期:37.977m3/s
非潅漑期:11.921m3/s
浜松市、磐田市、 袋井市、森町 潅漑面積:8,905ha
旧浜名用水(右岸)… 旧鹿島取水口 17m3/s
旧磐田用水(左岸)…旧阿蔵取水口 13.9m3/s?
水利権更新に関わる
河川協議資料

国営三方原
農業水利事業
秋葉ダム
潅漑期:5.469m3/s
非潅漑期:1.354m3/s
浜松市
潅漑面積:4,405ha
上水道事業
三方原用水
秋葉ダム
上水1.221m3/s 浜松市


広域水用道水※2
供給事業
遠州広域水用道水
供給事業
船明ダム 寺谷浄水場・於呂浄水場
121,300m3/日(1.404m3/s)
浜松市、磐田市、 袋井市、森町 開始:1979年8月 遠州広域水道用水供給事業 
静岡県企業局
都田浄水場
115,500m3/日(1.337m3/s)
浜松市、湖西市、 新居町 開始:1989年4月
工業水用水道事業※2 中遠工業用水道事業 船明ダム 175,000m3/日(2.028m3/s) 磐田市、袋井市 開始:1979年7月
静岡県 HP

西遠工業用水道事業 秋葉ダム 241,000m3/日(2.789m3/s) 浜松市 開始:1967年10月








【取水量合計】

秋葉ダム
潅漑期:8.258m3/s





船明ダム
潅漑期:42.746m3/s



※1>>


※2>>


件名
遠州広域水道用水供給事業
中遠工業用水道事業
水利使用者名
静 岡県企業局
目的
上水道
工業用水
取水量 1・2月
2.002m3/s
3・4・12月
2.128m3/s
5・11月
2.253m3/s
6・10月
2.378m3/s
7・8月
2.503m3/s
9月
2.428m3/s
通年
0.932m3/s
給水区域
浜松・浜北・天竜・磐田・袋井・ 豊岡・豊田・ 森・竜洋・福田・浅羽・湖西・新居 磐田・袋井・豊岡・豊田・竜洋・福田・浅羽



船明発電 所運転実績
稼働率:68.2%(2015年実績)
出典:静 岡県

発電量は結構一定である(16GWh後半から17GW台が6カ月ある)。上限が23.8千kWhなので結構上に張り付いてる(70%台近い)けど,放流水 もあってこれ以上稼働率が上がらないのは需給ギャップなのか?水がある時に需要が無くて or供給力がなくて発電出来ない感じか?
寧ろ,雨が降って船明ダムの僅かな有効貯水量360.0万m3(→諸元)では貯めきれない感じか?
下で見るように,秋葉ダムと比べて船明ダム地点での最大使用水量は年間通過水量は増えてるのに少なくなってもゐるのである。是非供給力を増やして対 応したい。


佐久間・秋葉・船明使用水量の検討
ここで各発電拠点毎の水使用量を纏めてみた。佐久間ダムの優秀さが光 ると共に秋葉・船明も健斗しているとは云へ佐久間には落ちる水利用率である。

2015 年(静岡県取り纏め資料)
ダム・発電所 最大使用水量 有効貯水量 年間使用水量 年間ダム放水量 年間通過水量
水利用率
貯水量に拠る発電時間
佐久間ダム・佐久間発電所 306.0m3/s 2億0,544.4万m3
55億1,580万m3
5億8,710万m3 61.0億m3
90.4%
186.5h(7.7日)
秋葉ダム・秋葉1~3発電所
336.0m3/s
775.0万m3 58億2,240万m3
16億0840万m3
74.3億m3
78.4%
6.4h
船明ダム・船明発電所
270.0m3/s
360.0万m3 53億7,690万m3
24億7710万m3
78.5億m3
68.5%
3.7h
2017 年にも同じ様な資料があるものの,佐久間から船明まで運転実績の取りまとめができていないため掲載はしていない。との事である。残念だ。

その後静 岡県の経年の数字も載ってる纏め的な資料も得て,得られた数値が以下である。
佐久間ダムが概ね水を使い切ってる(利用率88%)に対して,船 明のパフォーマンスはそれほど良好とは云えない64%である。秋葉はその中間よりは上方という感じで ある。
船明は秋葉・船明両ダムに貯留量が殆ど無いのに使用水量が一寸落ちるってのが低利用率に響いていそうである(秋葉は,貯留量は無きに等しいが佐久間 より一寸多めの使用水量でなんとか処理仕切っている感じである)。
また割合ではなく水量で考えた時,佐久間が逃している水(年間ダム放流量)は7億トンなのに対して秋葉と船明はそれぞれ12億トン・27億トンもある。残 り落差は僅かなもの水量は莫大であり,なんとか使い切りたいものである。
番号 ダム
河川
目的
総貯水容量 (10^3 m3 )
(1')有効貯水容量(万m3)
(2) 湛水面積(ha)
(3) 深度 (m) 堤高 (m)
集水面積 (km2 ) (8) 年平均流入量 (万m3 )
年間発電取扱量(万m3)
年間ダム放流量(万m3)
(9') 回転率(/年 )(8)*1000/(1) (10') 貯留時間 (月>)
(8)/(1>')貯留力
(8)/(7)平均流域降水量
年間水利用率
その他・備考
  佐久間 天竜川 P 326,848.0 20,544.4 715 155.5 4,156.5(直:3,827 ・間:330) 591,149 522,451.3 68,697.5 28.77 0.42 3.48 154.47 0.88
  秋葉 AWIP 34,703.0 775.0 190 89 4,490 677,796 554,652.5 123,143.8 874.58 0.01 0.11 150.96 0.82
  船明 AWIP 14,578.0 415.7 190 24.5 4,895 756,197 480,620.0 275,577.0 1819.09 0.01 0.05 154.48 0.64
  新豊根 大入川 PF 53,500.0 4,040.0 156 34 116.5 136.3 84,000 82,000.0 1,000.0 20.79 0.58 4.81 198.09 0.98
  水窪 水窪川 P 29,981.0 2,283.6 84.1 105 241.8 61,903 59,988.6 1,914.3 27.11 0.44 3.69 256.01 0.97

秋葉ダムの総貯水量3,470.3万m3,有効貯水量775.0万m3が一杯になって捨ててる水が7月,9月が3億8900~4億2300万あると云う事 で7月・9月は一週間当たりに直しても押し寄せ る1億m3,一日辺り1400万m3/sとすると如何にも物足りない容量である。これは上流の水流をがっちり受け止め(年間5億7000万トンは新豊根に 汲み上げしてでも死守す)る佐久間ダムの極小化された放流量に対して秋葉の規模 が小さいとも云えるだろうし佐久間ダムの下流で合流する故に流量を均せ ず天竜川へ雪崩れ込んでいくる大千瀬川や水窪川(や船明ダムにとっては気田川)の流入量が多いとも云える かもしれない。それにしても佐久間ダムを通過した水が年間61億m3位あるのに秋葉で74億m3に達する訳だが,その差は13億m3もある。
この13億トンの水の内訳を見て100km2辺りの利用可能水トン 数を推計してみる。

集計してみる
秋葉
水量
佐久間
秋佐増減
第一使用量
20.8億トン
55.1億トン

第二 〃
 7.1億トン
48億トン

第三 〃
30.4億トン
なし

発電合計
58.3億トン
55.1億トン
3.2億トン増
ダム放流量 16.1億トン
5.9億トン
10.2億トン増
全体
74.4億トン
61.0億トン
13.4億トン増


まとめるとこんな感じ:

ダム・発電所
(流域面積)
最大使用水量 最大認可出力
有効貯水量 年間使用水量

年間ダム放水量(差分)
(→用水)[使用量]
年間ダム
通過水量(差分)
水利
用率
利用可能水源(案)
佐久間ダム・発電所
(4,156.5km2[間接含む])
306.0m3/s
350MW

2億0,544.4万m3
52億2,451.3万m3 6億8,697.5万m3
(→豊川用水)
[年間5,000万トン]
59億1,149万m3 0.88 水窪川・戸中川・佐久間河内川・ 大入川・東薗 目川から導水
小沢川・天龍河内川は水窪ダム経由で導水
翁川・門桁川から水窪ダム経由で導水
虫川・漆島川・井戸川から新豊根ダム経由で導水
佐久間第二
306.0m3/s
32MW
秋葉ダム・1~3発電所
(4,490km2)
336.0m3/s
128.45MW
775.0万m3 55億4,652.5万m3 12億3,143.8万m3
(→三方原用水)
67億7,796万m3
(+8億6,600万m3←(+)水窪川・大千瀬川,(-)三方原用水)
0.82 大千瀬川・相川・水窪川から佐久間第二ダム(西渡ダム)経 由で導水
[気田川]・白倉川から導水
船明ダム・発電所
(4,895km2)
270.0m3/s
32.0MW
360.0万m3 48億0,620.0万m3 27億5,577.0万m3
(→浜名用水・磐田用水)
75億6,197万m3
(+7億8400万m3←(+)気田川・(-)の取水設備)
0.64 二俣川・阿多古川より導水

次に秋葉から船明に掛けて増えた水を考えて見る。
今の時点で主に気田川等からの流入で増えている水が秋葉と船明の差分である年間 7.8億m3である。秋葉と船明の集水面積の差分は両ダムの流域面積の差:4,895km2-4,490.0km2=405km2 となる。
地図で確認して見る。門桁や白倉川22.8km2や 横山より下流37.6km2を除くと289.2km2程なので併せると349.6km2となる。上の面積の差分405km2との差55.6km2は門桁Dでの取水流域であろう。

門桁は豊岡の低稼働率より多くの水が水窪発電所・佐久間ダムに流れて均されてると看做すと約350km2で7.8億トンとなり100km2で3.1億 トン程度となる。ここでも100km2で3億トンの推計値と似た 結果が得られる。
疑問点は秋葉ダム直上で取水される三方原用水の水量がカウントされているのか?と門桁から気田川を流下する水量がゼロでは無かろうということである。

いずれにしても水利用率が低めなのは船明Dで あり,優先順位としては気 田川にはダムが欲しい(→ここで検討[V=650万m3])。上で見た遠江横山ダム(横山ダムと の区別に国名を付けてる・V=410万m3)も船明の水の有効活用に資するであろう。また高めとは云え佐久間Dや秋 葉Dも新規のダムを建設して更に水利用率を高めていきたい所ではあ る。佐久間Dに関し ては水窪Dや新豊根Dの活用が考えられるが秋葉Dには大千瀬川と水窪川からの流れを堰き 止めるダムが欲しい(→ここで検討V=620万 m3)所。これらのダムの貯水量を合計すると1680万m3となる。劇的に水利用率を上げることが出来るのではないかと期待している。


船明発電所で浜名用水と磐田用水に水を供給して長かった天竜川利水流下の旅は終わる。
ただその浜名用水と磐田用水の嘗ての取水口の跡地(それぞれ西鹿島取水口阿蔵取水口)がもう一寸下流に残っている。なかなかアツいものがある。(→詳しくは此処でレポ)。


[廃止]西鹿島頭首工(旧浜名用水取入口)[場 所][静 岡県][浜 松市][廃墟日常 →図面などあり]  
(取水量:17.0m3/s)

随分河床が低くなってしまったようだ。
22.5

今は船明ダムからの取水になった筈(天竜川下流農業 水利事業に統合された様だ)なので取 水先は船明ダムの直下船明発電所の放流水で導水幹線にどこかで接続しているのであろう。


図2-33 浜名用水の用排水系統図(1) 浜名用水 の用水系統図(→詳しくはこちらへ)
出典:浜 松市立中央図書館/浜松市文化遺産デジタルアーカイブ

磐田用水(→詳しくはこちら=未完成)


[廃止]磐田用水阿蔵取水口(跡)[水土][自然と歴史][youtube]  
元取水量:13.9m3/s?[国 交省(22p参照)]
神田の方に気を取られて忘れていた…orz



[廃止]磐田用水神田取水口(跡)
近づけなかった…orz
たぶんこれ。対岸からの遠写。
22.5


出典:記載忘れ