電 力総研 水 力あれこれ
信濃川千曲川梓 川犀 川魚野川破 間(あぶるま)川奥只見佐梨川
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
20.11.14運開

破間(あぶるま)川の発電所

目次:(魚野川合流)─(羽根川)─薮神発電所─(和田川)─薮神ダム薮神第二発電所―[黒又川第一発電所─…]─須原発電所上条発電所―(西川)―[黒又ダム…[→黒又川

偉い珍しい名前だよ。。ファイル名をhamaにしちまったじゃねえかw
htmlは直したけどpngはそのままである。。

破間川は小出で魚野川に注ぐ只見線沿いを流れる川。何も無い,最早廃線にすべきと思ってる只見線だけど,死んだ様な活気の無い沿線と思いこんでたけど,幼 少の砌(みぎり)より嗜んだ鉄道趣味で覚えた駅名で見知っている地名を関した水力発電設備が次々と現れてめっちゃテンション上がり,頼もしい印象に変わっ た(身勝手w)。まあ無人の 発電所が淡々と発電してるだけだろうから平 行バス路線に役割を譲って只見線そのものの役割は終わったと云う個人的な結論そのものは余り変わらないが・・。田子倉や奥只見レベルの開発が今後 もあるなら別だよ?(まあ本稿で全国津々浦々で大開発を個人的には考えてはいるが。。)

直ぐ北側は信濃川水系であり,下流域の北側は旧山古志で土砂ダムで寸断された芋川等があり,中流域北側は同じく信濃川水系刈谷田川流域で県企業局の発電所 が1つある。上流域のどん詰まり,六十里越の峠を越えれば田子倉・奥只見であり阿賀野川水系に変わる。

上流は黒又川の頁に纏めた。破間川とその支流に対して黒又系発電所の導水路が錯綜してる が奥只見綜合開発に 絡んで可成り新潟県がごねた経緯もあって奥只見を手がけたその同じ電発による案件であった。佐梨川の頁,更に魚野川下流部開発の頁に新潟側の計画やそのリバイバル私案を纏めた。

そっちを見た後でこちらでのケチな自分の増強計画を見直すとちと恥ずかしくなってくる。
また両者が絡み合ってて解りにくい。先ずは一挙公開(リンク先拡大巨大画像注意)紺色が戦前から開発された既存発電 所群,水色が戦後の電発開発の発電所システムである。

記述の都合から下流側から見ていく。

~魚野川~   
(魚野川分岐)

先ずはお約束の【最下流開発】。既存の発電所の放流水を活用して魚野川 の流域迄持っていって発電となろう。
今の所薮神発電所(8.8MW・30m3/s・EL= 104.34m)と第二藪神(4.5MW・30m3/s・EL=129)が最下流。
魚野川の堀之内辺り(EL=77.7m)へ持って行きたい。
第二藪神からだと和田川・小屋柄川等より取水して35m3/sを8.9km導水して落差47mで13.7MW。藪神からだとその場で40m3/s取水(羽根川・日付川含む)して5.8km導水して落差22m,都合7.3MW。
比較案として川口(EL=55m)辺り迄もって行ってみる。藪神からだと11.6kmで落差44m。都合12.8MW。第二藪神からだと13.8kWで落 差69mで18.8MW。
一案に絞りきれないので保留。勿論,魚野川を使って阿賀野川みたいに長岡ぐらいまで徹底的に発電するならまた話しは別で発電所カスケード状に敷き詰めれば いいんだけど。。[→大きな計画の一部に位置づけ佐梨川の項で検討し た]


(羽根川分岐)…河川改修で魚野川合流から破間川合流に変えられたのだそうな。[wiki

(日付川分岐)

羽 根川日 付川の105m付近から藪神発電所放水口付近に持って行くともう49.5km2程増やせる。
5m3/s程増やせることになる。距離は2.3km程。(佐梨川の開発で 組み込むことにする)

小出郷第二号頭首工(羽根川頭首工)[水土里

~池平用水支線~

池平(いけたいら)発電所[キャッ シュ][新 潟県
事業名:地域用水環境整備事業
地区名:池平地区
総事業費:255,000千円
事業工期:平成25年度~平成28年度
発電所名:池平発電所
設置位置:魚沼市池平
管理者:魚沼市土地改良区
運転開始年月日:平成28年12月19日
最大使用水量:0.6㎥ /S
有効落差:16.2m
最大出力:72.8kw
年間発電電力量:503,582kwh
発電方式:水路式
水車形式:横軸フランシス水車

現在の発電水利権は、農業用水の水利権に完全従属した水利権となっており、かんがい期(5月4日~9月10 日)の発電使用水量0.6㎥ /sに対し、非かんがい期(9月11日~5月3日)は0.47㎥ /sと少ない使用水量となっています。
魚沼市土地改良区では更に多くの発電を可能にするため、農業用水の水利権に従属しないで非かんがい期の発電使用水量を増やし、年間を通して安定した発電用 水量が確保されるよう、本 年度から発電水利権の変更に向けた調査を行っています。



東北電力(株) 藪神(やぶかみ)発電所[水 力
運開:昭和16(1941)年5月
水路式・調整池式
認可最大出力:8,800kW  常時出力:3200kW
最大使用水量:30.00m3/s→35m3/s[+5m3/s(和田川発電所放流水)]
有効落差:35.00m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力9280kW
導水路:主要導水路 幅4.35m×高4.35m、延長4855.9m 断面積は18.9m2
取水:破間川[藪神ダム]144.14m
放水:破間川104.34m

名前,「やぶかみ」なんか。。(只見線の駅名で知ってたけど)「やぶ"が"み」だとずっと思ってた。。只見線のしょぼい無人駅のイメージだったけど 30m3/sも水量使うしダムも第二発電所まであって水力発電界隈だと印象が違うw

~和田川~

和田川の合流点は氾濫ポイントらしい。その為に上流にダムが造られた。即ち広神ダムである。
それに付随して設置されたのが広神発電所である。小さい。

広神(ひろかみ)発電所[水 力][新 潟県
新潟県企業局 運開:2011.3
ダム式・流込式
認可最大出力:1,600kW  常時出力:0kW 年間発生電力量:約8,117MWh(約810万kW時・設備稼働率57.9%)
最大使用水量:5.00m3/s
最大有効落差:40.20m
水車:出力1600kW×1台
取水:和田川[広神ダム]213.50m(常時満水位)
放水:和田川170.48m

広神ダム[水 力][便覧
旧称:和田川(わだがわ)ダム
新潟県営ダム  目的: FNP
堤高/堤頂長:80.5m/225m
着手/竣工    1979/2011
流域面積:42,1km2
総貯水容量:1,240.0万m3 有効貯水容量:1,070.0万m3(内 洪水調節容量:880.0万m3  不特定容量:190.0万m3)
流域面積:42.1 平方キロメートル 湛水面積: 65ha (0.65km2)
灌漑相当面積:約330ha(不特定容量の放流分)
堤頂標高:241.000m
洪水時満水位標高:237.500m(サーチャージ) 常時満水位標高:213.500m 最低水位標高:200.500m   基礎標高: 160.500m

役割
 広神ダムは、和田川流域に70年に1度程度の大雨が降ったときでも、約370m3/秒(流入量約410m3/秒、放流量約40m3/秒)の水を貯め込み 洪水調節を行い、和田川及び和田川合流点下流の破間河沿川の洪水を防止します。[新 潟県

ほぼ有効貯水量は洪水調整容量である(1070万m3のうち9割近い880万m3が洪水調整)。8880万に370m3/sを貯め込むとすると6.6hは 持ち堪えられると云う事になる。
洪水は利水用語上,大水の事で氾濫のことではないので本来防止するのは洪水ではなく氾濫のような気がするがお役人的には氾濫はしないとは云いきれないの か?(多分考えすぎだけどw)

ダムをバックにしてるのに流込式らしい。。刈谷田川も同 様の様である。従属的に発電するということであろう。

広神発電所の後,何もせずに和田川経由で破間川に流して終わりである(怒)
3.12km上流に薮神ダム(138m)がある。

調べてみると薮神ダムには第二薮神発電所も設置されてて流域面積:373.2km2に対して60m3/sの水使用能力がある。5m3/s位を発電を増やす ことでの受け容れ余地は十分あるだろう。とはいえ不格好であるな。。
(基本,既存施設と孤立してて使いにくくはある。佐梨川の開発で組み込 むことにする)


東北電力(株) 第二藪神発電所[水 力][SmartJpn
着工/運開:2013/2016.6
ダム式・調整池式(未確認)
認可最大出力:4,500kW
年間発電量:18,250MWh/年見込  (稼働率46.3%)
最大使用水量:30.00m3/s
有効落差:17.85m
取水:破間川[藪神ダム]144.14m
放水:破間川128m程度?(有効落差より)

スマジャパに拠ると年間300日程ダムから放流していた水を活用できるとのこと。

これはあれだ,,打保・坂上に対する新打保や新坂上みたいなもんだ。瞬間最大的に42m3/sを叩き出す黒又川第一が上流にあって基本は藪神Pの 30m3/s・8.8MWの発電と藪神Dの67万m3の貯留量でなんとかするんだけど,67万m3の貯留量は大したことないし水をオーバーフローさせるこ とがしょっちゅうだったのであろう。その水ピーク用のダムなのである。運開も新しい。小俣なんかもそうだが,小俣でもなんでもない才覚地が小俣にある発電 所に水を送る為に小俣ダムや小俣ダム発電所等が出来て小俣っぽくなってしまうが,藪神ダムも藪神第二発電所も本来の藪神からはだいぶ離れた所に集積してい る。

東北電力(株) 藪神ダム[水 力
昭和16(1941)年:竣工
堤高:23m、堤頂長:120m容量
 総貯水容量:185.7万m3 有効貯水容量: 67.1万m3
流域面積:373.2 平方キロメートル 湛水面積: 0.21平方キロメートル
取水:破間川[黒又川第一発電所・須原発電所(←上条発電所)]
放水:薮神発電所30m3/s薮神第二発電所 30m3/s

近くを通るr70のBP未成跡はヨッキがレ ポしてる。ダム絡みの穴もあるようだ♪

この藪神ダムには佐梨川方面から注水する計画が昔あっ て,それをここでリバイバルしてみた♪

(黒又川第一 P/S放 水口?[空撮])
放水量:42.40m3/s
放水位:143.80m(ほぼ藪神ダムやん)

(松川川分岐)

東北電力(株) 須原発電所[水力
所在地:新 潟県魚沼市細野
運開:1913.12[北越水力電気(株)?]…北越水力電気の発電所だった事は確か(→うおぬまダム周遊マップhttps://uonuma-dam.comサービス終了・泣)で,地域の黎明期の 電力会社の様なので運開もほぼ同社だったであろう。
水路式・流込式
認可最大出力:1,600kW   常時出力:580kW[36.25%]
最大使用水量:6.68m3/s
有効落差:31.20m
水車:横軸フランシス水車×2台 総出力1840kW
導水路:総延長3632.6m
流域面積:107.3km2→上流の上条が250.1km2だから可怪しい。なんの数字だ?
取水:破間川[上条発電所]183.03m
放水:破間川[ほぼ藪神ダム]146.80m


上流にある上条発電所の取水域から須原発電所迄約61.3km2の流域面積があり,上条の放流水は以下で見る様に須原の取水口に直結されてるのに,須原P/S(最大使用水量 6.68m3/s)では上条発電所(同13.91m3/s)の放流水の一部だけしか使わないという暴挙を犯している。(→水発趣味初期の文章なのでボルテージ上がってるけど,ウオッチが進んだ今振り返ると,上流に比べて古い発電所だとか上流に比べて落差が小さい発電所だとかのケースでは普通によくある事態である。実際諸元を見て見ると 須原(1913運開)の方が上条(1927運開)より古くて更に有効落差も小さい。
斯くして上条の使用水量つまり放流水全部を使用する能力にわざわざ増 強されないまま今日迄来てしまったのであろう。(同じ名前の)須原36.17m3/sと桃山37.57m3/s かよってツッコミの一つも入れたくなるところであるw
古さのみならずダム直下or大落差の発電所は大量の水を使用し,その次位の発電所の使用水量は絞られてるケースはままあるが,今回のケースでは上条発電 所に水を送る黒又ダムはそれ程デカくは無い。
黒又上流の開発で水量が減って寧ろ上条の使用水量が過大のまま取り残されてる可能性も無い訳では無い(下で見る様にこの可能性が非常に高い)。

さて,西川流域など上流から61.3km(とはずがたり調べ)は追加で使える筈で,上条の実際の流域44.3km2(とはずがたり調べ)で,須原の公式諸元の流域107.3km2ってのは(上 条のデータと違って)電発開発流域を控除した割と正確な数値であることが判明する。

ということで,概ね須原での使用水量を10m3/sに増強するとすると2,400kW[+0.8MW]程度となる。まあわざわざ投資する程の事もなさそう である。。

東北電力(株) 上条発電所[水 力
所在地:新 潟県魚沼市渋川
運開:1927.2[北越水力電氣?]
水路式・調整池式
認可最大出力:6,000kW  常時出力: 0kW
最大使用水量:13.91m3/s[見かけ上0.556/事実上3.13]
有効落差:61.21m
水車:横軸フランシス水車×2台 総出力8356kW
導水路 破間川→黒又ダム:総延長580.2m 黒又ダム→発電所:総延長3069.2m
流域面積:250.1km2(実際は44.3km2程度[→地図])
取水:破 間川(250m)→黒 又川[黒又ダム(248m) (248.29m)
放水:破間川[須原発電所](182.54m)

上条発電所周辺の様子。上条発電所で使用された水はそのまま須原発電所への水路に流されるが使いきれない分は破間川に流される様に見える。
また発電所の左上の堰は上条発電所が出来る前の須原発電所の取水堰で,水路は無いし使用水量の関係で今は取水には使ってない感じであろうか?

更には上条にも増強の余地はある様に見える。流域面積250km2に対して13m3/sしか使っていない。ところ がこちらは恐らく不可。上流には黒又川第一発電所や黒又川第二発電所があって黒又川のみならず平石川(破間川本流)や末沢(同支流)から取水し此処をス ルーして下流に直送している。みかけの流域面積程水量は無さそうである。黒又川に関してはこちら参 照。
地図に落としてみると上条発電所の専担流域は44.3km2程しか無いのである。

しかも農業用水っぽい水路がトンネル付きで走っている。この潅漑用水の取水は上条の水量を減らしてしまうことになる。。


寧ろ上条の水量確保の為に上条発電所の目の前で破間川に合流する対岸の西川なんかから引っ張って来る必要があるかも。結構近い(当然渡河は必要なのでサイ フォンとなろう)。
面積は27.9km2あるのでこれを加えれば72.2km2程には出来る。

~西川~
西川から上条への供給


標高320m付近で20km2程の流域があるんだけど,上条発電所付近迄(高低差135m)落としても2.2MW程度,イマイチパンチに欠けるなあ。。

標高461.4m付近に10km2の水源あり。

まあ大きくはとれそうにないので小水力に期待。


~黒又川・平石川(破間川)合流,~
この合流以前が破間川。

~黒又川~

黒又(くろまた)ダム[水 力][場 所
竣工:1926(T15)
堤高:24.5m
 総貯水容量:145.4万m3 / 有効貯水容量: 46.9万m3
流域面積:117.5 平方キロメートル/湛水面積: 0.31平方キロメートル
取水:平 石(破 間)川(250m)・黒又川


平石川(支流の末沢含め電発関連施設多数)

(仮称)平石川堰堤[場 所(250m)
黒又ダム送水