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天竜川中流 佐久間周辺調整池 秋葉付近開発 水窪川 新豊根ダム 気田川 【水量・発電量データ】
21.6.6作成
天竜中流域の面積と流水量と堰の取水率の関係

あちこちで検討して散逸してるので此処に纏める。2400mm程度のここらで1km2当たり300万m3/年の河川流水量と5/12=41.67%程度の 堰での取水率を推定値として得た。

0.前振り   1.秋葉・船明間 2.門桁 3.佐久間・秋葉間 4.別頁:大入川上流(豊川用水)

0.前振り(初出はここここ)

流域面積と降水量と取水量の関係
門桁の取水量を推計したい。
門桁堰堤の取水量は不明であるけど,門桁と瀬戸の沢の直下の様子は豊岡発電 所の様子で分かる。2015年の使用水量は4,620万m3/年であり,途中の沢からの取水は沢が小さいので殆どが豊岡堰堤からの取水と推定され る。

流域の降雨量はこんな感じ
出典:天竜川上流河川事務所

豊岡ダムの集水面積は65.0km2=6500万m2となり,年平均雨量は2,400mm=2.4m以上(2,600mm以下)が期待できて,この許で年 間降雨量1億5600万m3 以上(1億6,900万m3以下)となる。
門桁の集水域53.7km2に2400mm以上当て嵌めると1億2,888万m3以上となる。意外に少ないか。。最大でも2億6,000万トンで当然蒸発する分も地下水として潜る分もある。

降水量から流水量を検討するのには無理がありそうである。以下,明示的になっている数値で検討してみる。

更に秋葉と佐久間の差から(初出はここ)検討してみる。こちらは静岡県が纏めたデータがある。

集計してみる(→データ)
秋葉
水量
佐久間
秋佐増減
第一使用量
20.8億トン
55.1億トン

第二 〃
 7.1億トン
48億トン

第三 〃
30.4億トン
なし

発電合計
58.3億トン
55.1億トン
3.2億トン増
ダム放流量 16.1億トン
5.9億トン
10.2億トン増
全体
74.4億トン
61.0億トン
13.4億トン増

この佐久間から秋葉にかけて増えた13億トンの水の内訳を見て100km2辺りの利用可能水トン 数を推計してみたい。
①豊川用水振草頭首工以遠の面積は74.4km2。②新豊根と振草以遠を除く大千瀬川流域 (と佐久間ダムと大千瀬川合流部)までが153km2。③水窪川の非水窪発電所取水域(水窪PS蓋渠等交叉部での取水なし)107km2,④水窪発電所取 水域(水窪ダム直接流域除く)58.9km2,⑤水窪川を除く大千瀬川合流以下から秋葉ダムとする。

今,ad hocに新豊根はほぼ佐久間ダムへ流すと仮定し,振草と水窪発電所の取水率は5/12=41.7%とする。すると①は43.4km2相当,④は

領域
地域
面積
推定水量由来


振草以上(大入からイン)※半分ぐらい?

74.4km2
→43.4km2相当
1.4億m3
領域 ①図

新豊根と振草以遠を除く大千瀬川流域
佐久間ダムと大千瀬合流部
153km2
4.97億m3
領 域②図

水窪川非取水域(水窪PS蓋渠での取水無し仮定)
107km2
3.48億m3
領域 ③図

水窪川被取水域(水窪ダム・発電所へ取水される流域)※
58.9km2
→25.4km2相当
0.79億m3
領域 ④図

水窪川を除く大千瀬川合流以下から秋葉ダム
85.0km2
2.74億m3
領 域⑤図

全体
414.3km2相当
13.4億m3



100km2 辺り
3.2億m3程度


100km2 当たり3億m3位水は流下
と仮定できるかねぇ,,と思ってたら反例でてきた。

※:半分は愛本堰堤の比率だが,振草頭首工は冬はゲート開放してる(→写真★★)し,大入からの導水分もあるしで半分はやり過ぎな気もする。。
他を固めてから最後に再検討する。

1.秋葉・船明間

更に,秋葉と船明の間で測って見る。船明ダム地点で75.5億トン/年,秋葉ダム地点で67.8億トン/年である。概ね7.5億トン増えてる。

この間の差は,両ダムの流域面積の差であるので4,895km2(船明)-4,490km2(秋葉)=405km2である。概ね気田川からなる405km2で7.5億トンなので単純平均で100km2辺り1.8億トンと少なめであるけど,門桁と瀬戸ノ沢から約57km2は水窪へ送られる。この分を30km2程を見なして控除すると375km2となってぴったり2億トンか。ほとんど流れてこないとして350km2としてやっと2.1億トンである。

3億トンというこれまでの予想とちょっと差が出たな。。
ただ(豊川用水などがなく水の人為的な流出は門桁堰堤→水窪PSのみで)シンプルだけにここが一番信頼できる感じはある。

ちょっと少ないので面積を計算し直してみる。
船明~秋葉間の流域面積の内,気田川以外の面積を計算してみると73.9km2程であった。

気田川の流域面積が260km2だとすると合わせても330km2程度にしかならない。
なんか流域面積にミスがあるっぽい。船明が70km2程すくないか秋葉が70km2程広いのではないか?どこかの面積を足したり引いたりする差っぽいが…-。

で,埒が開かないので測って見るととなんとあんな堂々と260km2と書いてあった癖にそれは誤りで330km2あった。

天竜川冒頭で掲げたのこの図にも332.5km2となる。

つまりダム諸元の数字が正しかったのであり,天竜川下流付近の100km2当たり年間降雨量は2.0億トン程度ということになる。。

2.門桁取水(初出はここ)

で,上の結論を得て次は門桁である。豊岡発電所の流域面積は73.3km2で年間の平均水利用料は0.94億トン(→データ)。
これを流域405km2と水量7.5億トン引くを引くと流域は332km2で6.56億トン。100km2辺りの年間水量は2.0億トン程度の様だ。最上流部では2,400mmに掛かってるから期待してたんだけど,気田川流域,思ったほど水がない??

この場合,流域面積56km2程度の門桁・瀬戸のに合わせてみると概ね1.1億トンの流水量であり,豊岡堰堤地点で0.94億トンとのことだと門桁での取水量は年間0.2億トン以下となる(愛本堰堤の50%に対して20%程度とかなり少ない!)。
有本堰堤同様,門桁堰堤でも真面目に取水してない可能性があるな~。全く水をためてなかった有本★★(→水窪川参照)よりは門桁の方がダムっぽかった(G)(→気田川参照)けど,,



3.秋葉と佐久間の差から(初出はここ)

集計してみる(→データ)
秋葉
水量
佐久間
秋佐増減
第一使用量
20.8億トン
55.1億トン

第二 〃
 7.1億トン
48億トン

第三 〃
30.4億トン
なし

発電合計
58.3億トン
55.1億トン
3.2億トン増
ダム放流量 16.1億トン
5.9億トン
10.2億トン増
全体
74.4億トン
61.0億トン
13.4億トン増

この佐久間から秋葉にかけて増えた13億トンの水の内訳を見て100km2辺りの利用可能水トン 数を推計してみる。
①豊川用水振草頭首工以遠の面積は74.4km2。②新豊根と振草以遠を除く大千瀬川流域 (と佐久間ダムと大千瀬川合流部)までが153km2。③水窪川の非水窪発電所取水域(水窪PS蓋渠等交叉部での取水なし)107km2,④水窪発電所取 水域(水窪ダム直接流域除く)58.9km2,⑤水窪川を除く大千瀬川合流以下から秋葉ダムに分けられる。

今,新豊根ダム水窪ダムの直接流域はほぼ佐久間ダムへ流すと確かめられており,振草頭首工と水窪発電所(河内浦・灰の沢・有本堰堤・水窪蓋渠)での取水率が不明の要素。
振草ではしっかり取りそうであるが,有本堰堤辺りは真面目に取水してる感じがしない。

領域
地域
面積
推定水量由来


振草以上
74.4~0km2
1.4億m3
領域 ①図

新豊根と振草以遠を除く大千瀬川流域
佐久間ダムと大千瀬合流部
153km2
4.97億m3
領 域②図

水窪川非取水域(水窪PS蓋渠22km2)
107~85km2
3.48億m3
領域 ③図

水窪川被取水域(灰の沢・有本・河内浦以遠)
58.9~0km2
0.79億m3
領域 ④図

水窪川を除く大千瀬川合流以下から秋葉ダム
85.0km2
2.74億m3
領 域⑤図

全体
478~323km2相当
13.4億m3




100km2 辺り
2.8~4.1億トン

※:半分は愛本堰堤の比率だが,振草頭首工は冬はゲート開放してる(→写真★★)し,大入からの導水分もあるしで半分はやり過ぎかもしれない。
一方で全く取水しないという仮定もやり過ぎであろう。全く取水しない2.8億トンってことはないとして3億トン少々はありそう。

振草頭首工や有本堰堤,水窪蓋渠で全く水を取水しなかったと仮定する下限が2.8億トンとなる。2億トン程度との結論が出た気田川流域よりも明白に多そうで,やはり水流が少ない?!
降水量は結構ある地域の印象だったけど,近隣でもこんなに違うのか。。気田川の電源開発があまり進まなかったのも流水量が少ない所為なのかも。。

4.まとめ

秋葉ダムの総貯水量3,470.3万m3,有効貯水量775.0万m3が一杯になって捨ててる水が7月,9月が3億8900~4億2300万あると云う事 で7月・9月は一週間当たりに直しても押し寄せ る1億m3,一日辺り1400万m3/sとすると如何にも物足りない容量である(秋葉は本来佐久間の逆調整池であって貯めるのが目的のダムではないので已む無しだが)。これは上流の水流をがっちり受け止め(年間5億7000万トンは新豊根に 汲み上げしてでも死守す)る佐久間ダムの極小化された放流量に対して秋葉の規模 が小さいとも云えるだろうし佐久間ダムの下流で合流する故に流量を均せ ず天竜川へ雪崩れ込んでいくる大千瀬川や水窪川(や船明ダムにとっては気田川)の流入量が多いとも云える かもしれない(まずは気田川の最下流で)。それにしても佐久間ダムを通過した水が年間61億m3位あるのに秋葉で74億m3に達する訳だが,その差は13億m3もある。

水量等静岡県データ
ダム・発電所 最大使用水量 有効貯水量 年間使用水量 年間ダム放水量 年間通過水量
水利用率
貯水量に拠る発電時間
佐久間ダム・佐久間発電所 306.0m3/s 2億0,544.4万m3
55億1,580万m3
6億8,698.5万m3 59.1億m3
88.4%
186.5h(7.7日)
秋葉ダム・秋葉1~3発電所
336.0m3/s
775.0万m3 58億2,240万m3
12億3,141.6万m3
67.8億m3
81.8%
6.4h
船明ダム・船明発電所
270.0m3/s
360.0万m3 47億9,870万m3
27.6億万m3
75.5億m3
58.2%
3.7h

新豊根等も加えて再掲。
佐久間ダムが概ね水を使い切ってる(利用率88%)に対して,船 明のパフォーマンスはそれほど良好とは云えない64%である。秋葉はその中間よりは上方という感じで ある。
船明は秋葉・船明両ダムに貯留量が殆ど無いのに使用水量が一寸落ちるってのが低利用率に響いていそうである(秋葉は,貯留量は無きに等しいが佐久間 より一寸多めの使用水量でなんとか処理仕切っている感じである)。
また割合ではなく水量で考えた時,佐久間が逃している水(年間ダム放流量)は7億トンなのに対して秋葉と船明はそれぞれ12億トン・27億トンもある。残 り落差は僅かなもの水量は莫大であり,なんとか使い切りたいものである。
番号 ダム
河川
目的
総貯水容量 (10^3 m3 )
(1')有効貯水容量(万m3)
(2) 湛水面積(ha)
(3) 深度 (m) 堤高 (m)
集水面積 (km2 ) (8) 年平均流入量 (万m3 )
年間発電取扱量(万m3)
年間ダム放流量(万m3)
(9') 回転率(/年 )(8)*1000/(1) (10') 貯留時間 (月>)
(8)/(1>')貯留力
(8)/(7)平均流域降水量
年間水利用率
その他・備考
  佐久間 天竜川 P 326,848.0 20,544.4 715 155.5 4,156.5(直:3,827 ・間:330) 591,149 522,451.3 68,697.5 28.77 0.42 3.48 154.47 0.88
  秋葉 AWIP 34,703.0 775.0 190 89 4,490 677,796 554,652.5 123,143.8 874.58 0.01 0.11 150.96 0.82
  船明 AWIP 14,578.0 415.7 190 24.5 4,895 756,197 480,620.0 275,577.0 1819.09 0.01 0.05 154.48 0.64
  新豊根 大入川 PF 53,500.0 4,040.0 156 34 116.5 136.3 84,000 82,000.0 1,000.0 20.79 0.58 4.81 198.09 0.98
  水窪 水窪川 P 29,981.0 2,283.6 84.1 105 241.8 61,903 59,988.6 1,914.3 27.11 0.44 3.69 256.01 0.97