九頭竜川 水力あれこれ 陸電水発抄
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
20.11.30独立
九頭竜川水系打波川と初期開発の九頭竜川(23.7逍遙)

九頭竜川
本流
九頭竜川初期開発打波川奥越綜合開発
真 名川
九頭竜川:
富田堰堤[写真]・西勝原第二PS[諸元
内波川【現況】:東 勝原PS[レポ諸元堰堤]・増強谷間川・下打波PS[諸元・写真増強案]・上打波PS[諸元開発案
【開発】打波川第一発電所(案)(諸元)(+13.6MW)打波川第二発電所(案)(諸元)(+10.1MW
九頭竜川上 流:西勝原第一PS[諸元]・堰堤[写真新奥越ルート(+5.2MW)

以下に掲げる5発電所は戦前派の古い発電所である。戦後は九頭竜ダム・長野ダム・仏原ダム・西勝原第三がメインルートになってしまった。西勝原第一は取水量・出力を半減させられてしまってもいる。
多重ルートを有する川は庄川飛騨川神通川木曽川阿賀野川破間(あぶるま)川など多数あるが此処も変則的ながら二重ルートになっていると云えそうだ。ごっちゃ ごっちゃしてて理解するまで時間が掛かった。


発電所一覧[初期開発](→全体)      
ダム名・取水川名
ダム湖名・取水川名[出典]
貯留量
取水量
送水先
取水位
流 域面積 その他・備考(ダム)
事業者:発電所名[出典]
(形式)
最大出力
常時出力
使用水量 放水
取水
有効落差 流域面積 その他・備考(発電所)
【初 期九頭竜川開発など】


九 頭竜 川
西勝原第二[水力
(水路式・流込式)
7.2MW
0.8MW
26.41m3/s 九頭竜川[富田80m3/s]227.51m
九頭竜川[西勝原第一・東勝原]268.41m
37.24m 547.0km2
1919年運開[北陸電化(株)西勝原発電所]
西勝原第一[水力
(水路式・流込式)
10.9MW
1.1MW
11.13m3/s 九頭竜川[西勝原第二]272.60m
九頭竜川396.96mなど5 箇所
117.60m 401.9km2
1923年運開[白山水力(株)]
運開時:20.0MW[縮小されとる]→恐らく九頭竜ダム建設に伴う縮小と思われる
打 波川
(九 頭竜 川支流)

東勝原[水力
(水路式・流込式)
2.8MW
0.51MW
8.60m3/s 九頭竜川[西勝原第二]268.41m
打波川[下打波]309.05m
37.70m 67.0km2 1937年運開[昭和電力(株)]
2011年増強(+ 0.19MW)
九 頭竜川
最尻谷堰堤
(仏御前の滝)[場 所][ひろし


送水:西勝原第一


ここ?[場 所

送水:西勝原第一


荒島谷川?[場 所][


送水:西勝原第一


九頭竜川[場 所][Shimneti

送水:西勝原第一 400m 54.6km2
[私案]上流15.4km2を九頭竜湖に導水
シッタカ谷?[ひろし

送水:西勝原第一

"この足元に怪しい注水口がありながら"のこのは九 頭竜川取水堰沈砂池と思われる。

先ずは富田堰堤を起点に遡上していく。

~沿川風景~

荒島IC。中部縦貫道が延びてきている。ずっと工事中なのを眺めてきたが大野IC辺りから次の勝原IC迄開通し北陸道・福井北ICから一本に繋がったのだ ♪
公共工事に批判的な私でも地方に高速道路罔を整備するのは基本的に賛成である。
誰も使わない様な山道にカネを掛ける位なら国土幹線を充実させるべきである♪
その代わり後は国に全部頼るのでは無く自立的・自律的にやって欲しい所。永続的に面倒を見てもらう権利があると思ってるならこの日本にそんな余裕は無い。
憲法が保障する基本的人権として健康で文化的な最低限度の生活が護られても無いのに,それより優先して何故か地方という人間でもないものが護られるべきだ と思って居る向きが多い。
無駄な延命は人口減少に伴う人手不足を助長すらしてしまっているのだ。高速道路とか水力発電所とか投資効率を考えて行きたい。
地方には豊かな自然資源が眠っていて発電するにしても観光するにしても自律的に行ける筈である。公共事業に頼り切りで際限ないのはなんとか止めにしたいと ころ。
また高速道路の整備で役目を終えた越美北線もそろそろ廃止すべきであろう。代わりに勝山からえちぜん鉄道を大野迄復活させたい♪どんだけカネ要るねんって ツッコミ上等でw
さて,私もできたてのこの高規格道路を走るのを楽しみにしていたが,勝原IC迄使ってしまうと富田堰堤とかをすっ飛ばして仕舞う,,先ずは下道で向かい, 最後に意味なく往復で走り初めだけしてきたw


富田堰堤[→九頭竜川本流奥越開発]    
取水位(満水位):227.5m[富田発電所・潅漑用水](取水量・不 明)
放水位:西勝原第二発電所(EL.227.51m・26.41m3/s)・西勝原第三発電所(EL.227.70m・56.0m3/s)

眼下に眺める。

多分入口。近く迄は接近させて貰えない様だ。


さて,この辺ももう無人地帯である。是非とも富田堰堤にはダム化して貯留量を確保して欲しい所である。諸元だ と上流の発電所の放水位がほぼ取水位になってて余地が無さそうな感じがあるけど,放水位は取水位より下なこともままありだし,水面下数mで放水する例もあ る。



北陸電力(株) 西勝原第二発電所[水力] [場 所][wiki] [DB]    
運開:1919北陸電化(株)→日本水力→大同電力(西勝原発電所)[運開]
水路式・流込み式
認可最大出力:7,200kW    常時出力:800kW[11.1%]
 最大使用水量:26.41m3/s[0.483(1.49)]
有効落差:37.24m
水車:横軸フランシス水車×3台 総出力8390kW※
導水路:総延長2461.9m
流域面積:547.0km2(176.6km2)(実質的にはここから438km2[仏原のデータと西勝原第三のデータに微妙な齟齬があるけどまあこのくらい] を控除して西勝原第一の実質分67.6km2を加えた176.6km2で ある)
取水:九頭竜川[東勝原発電所(8.6m3/s)・西勝原第一発電所(11.13m3/s)]268.41m
放水:九頭竜川[富田堰堤]227.51m

※水車の容量が一寸中途半端である。3で割れないのだ。
>元は水車が電業社製、発電機が芝浦製作所製であったが[3]、2004年末時点では水車・発電機ともに日本工営製となっている[2]。
西勝原発電事業誌 (発電事業叢書 ; 第3) に 拠ると水車は「三千七百馬力 三臺(台)」とのことで,3,700馬力は何kWかグ グってみると約2760kWであった。電業社時代は2760*3=8280kWだったのが日本公営製(DBに よると,現行設備は2002,11運開だそうでその時に入れ換えか?)になって一寸デカくなってる様だ。。2800*3=8400だとすっきりするのにねぇ。。

>起工後、工事は順調に進んだが、1918年(大正7年)になると8月に水路トンネルの崩落事故、10月には感冒の流行があり、一時期工事は停滞し た[5]。だが翌1919年(大正8年)6月には水路関係のすべての工事が終了、発電所関係でも3台の発電機のうち1台分を除き6月17日に竣工した [5]。そして25日に逓信省から仮使用認可が下りた(本使用認可は8月23日付)[5]。続いて残工事も完了し、この分についての仮使用認可も11月7 日に下りている(本使用認可は12月2日付)[5]。こうして完成した西勝原発電所の出力は原設計では4,200キロワットであったが、実測の結果使用水 量を650立方尺毎秒(18.1立方メートル毎秒)から950立方尺毎秒(26.4立方メートル毎秒)に引き上げることが可能と判明[5]。そこで 1920年4月に使用水量増加許可を得て、出力も7,200キロワットへと増強した[5]。 [wiki]

現況では九頭竜川の西勝原第一発電所の11.13m3/sと打波川の東勝原発電所の8.60m3/sを受けての西勝原第二発電所26.41m3/sであ る。
350km2程は長野発電所や西勝原第三に取られてるので実質200km2程であり,最大使用水量も穏当※な量である。 ※:強気な私の基準では穏当だけど,他の発電所と比較すると結構多めであるといえる。

使用水量が多めの西勝原第三かその上流への補水には例えば六呂師高原方面からの導水が考えられ得る。ここへ直送の他,幾つか上流への導水案はこちら[→打波現況]参照

高速道路(中部縦貫道)が開通した副次的効果に現道がガラガラになったってのがある。これまでは狭い路を飛ばすクルマやトラックを憚って落ち着いて一時停 止なんぞ出来なかったけどゆったりと見学出来る。
西勝原第三の上付近から眺めた西勝原第二の建屋。

周辺風景。九頭竜川が削った深い谷底から一段上がった様な所にあるのが判る。川の蛇行っぷりもなかなかワイルドである。
23.7


>1927年12月に「西勝原第二発電所」が運転を開始した。第 一発電所建設に際して都合により利用されなかった放水路と九頭竜川本川の間の落差を利用する附属発電所であり、第一発電所放水路の溢流堤から溢流した放水 を導水渠に導き、制水門を経てすぐに水車へ導水する、という形をとる。第二発電所の出力は当初640キロワット、のち800キロワット。出力800キロ ワットの段階での使用水量は22.4立方メートル毎秒、有効落差は5メートルで あった。設備はボービング製縦軸カプラン水車とブラウン・ボベリ製800キ ロボルトアンペア発電機を各1台備えた。

>1941…年10月1日、西勝原第一・第二両発電所は日本発送電へと引き継がれた。日本発送電では両発電所は一体化され、出力2万800キロワッ トの「西勝原第一発電所」として運転された(「西勝原第二発電所」の名は旧大同電力西勝原発電所が引き継いだ)[とは註:旧第二発電所はこの時に西勝原第 一発電所5号機となったようだ]。

>北陸電力時代の1969年(昭和44年)5月29日、西勝原第一発電所の出力は2万800キロワットから半分以下の1万キロワットに削減された [12]。この変更は、上流側にて九頭竜ダム建設をはじめとする九頭竜川総合開発事業が実施されたことで、西勝原第一発電所にかかわる流域面積が大幅に縮 小し河川流量がおよそ半分となったことによる[3]。そのため旧第二発電所の5号機を含めて5台あった発電機のうち3・4・5号機が廃止され、発電機2台 体制へと変わった[3]。

>北陸電力では1997年(平成9年)6月より西勝原第一発電所の全面改修工事に着手した[3]。工事は翌年12月に竣工し、試験を経て発電所は 1999年(平成11年)4月より営業運転を再開した[3]。この際、使用水量は従前の11.13立方メートル毎秒に据え置かれたものの、水車発電機の効 率増加と遊休落差の回収 (有効落差は115.40メートルから117.60メートルへ)[とは註:嘗ての有効落差5mの内2.2m程度は回収したよ うだ]の2つにより発電所出力が1万900キロワットへと引き上げられて いる[3]。

薄くて見づらいけど良く見ると西勝原第三と第二の導水路を水源に(多分 途中分岐して)塚原用水と昭和用水の水源となっている。
勝原周辺の田圃向けか?
また仏原ダムの水源に打波川が書かれてるけど,これは(打波川の支流の)谷山(谷間)川からの単なる誤記か?

6.6 奥越地方の発電および農業水利(発電のみはこ ちら)
出典:国 交省



西勝原第三発電所[→奥越綜合開発
一方の西勝原第三は西勝原第二の上辺りから見えていた。
20.11

東勝原は(国道や国鉄勝原駅から見て)九頭竜川を渡った対岸(北岸・右岸)を指すようである。南 岸 (左岸)には三つも発電所があって西勝原第一~第三となってて輻輳しているのに北岸には東勝原しかなくアンバランスになっている。
打波川流域に入る為に県道に進路を取ったら恰度前を通るので勝原駅に寄ってみた。

良い雰囲気ではある。ただピンぼけでお見せできないのが残念だが一日の発着本数は4往復半である。高速道路も出来れば,しかも本来の越美線の役割の越美直 結という役割を果たす,こんな赤字ローカル鉄道線は不要も良い所である。
北陸新幹線開通后は根無し草になってしまう訳で潮時感は強い。

これまたブレブレのピンぼけ写真でお見せ出来る様な仕上がりではないのでお見せできないのが残念だが,改札口の上には「ようこそ五箇へ」と云う看板が外向 きに掲げられていた。
五箇ってのは周辺五か村の集合地名っぽいが調べて見た。
>基本データ
>地区名 五箇地区
>人口 67人
>面積 146km2
>上打波,下打波,東勝原,西勝原の4集落からなっている [出典:大 野市
多分,一聚落は廃村で消えたなw あと一つは鳩ヶ湯か池ノ原か仏原か?
>現在は、JR勝原駅のある西勝原区を中心に、東勝原・上打波・下打波の4集落に36世帯67名が生活をしている。 [出典:大 野市
人口なんて考えてなかったけどこういわれると意外にすくないねえ。。
>無雪期には,何人もの村人が市街地から畑や山仕事のために通ってきており[出 典:大野市
これが今後のあるべき姿なのであろう。無理矢理存続させるよりも限界集落での居住からは撤退して大野や勝山と云った便利な地方都市の中心性を維持しつつもり立 てて行きたい。
勿論,支援無くとも自立して行けるなら無理に潰す事はないが,,
五箇用水なるものが真名川で出てきたがこことの関連は不明。

さて,日本の過疎問題を考えさせられつつ奥へ向かう。
やがて発電所が見えてくる。唯一の北岸に立地する東勝原発電所とその向かい側の取水口。恐らく西勝原第二発電所のものと思われる。

拡大。レトロな扉みたいな感じであるが巨大なスクリーンの様である。あんな上まで水が来て取水することあんのかね??


北陸電力株式会社 東勝原発電所[水力] [場 所]  
運開:1937.12[昭和電力(株)]
出力増加:2011.3[+190kW]
水路式・流込式
認可最大出力:2,800kW(出力増加前2,610kW)      常時出力: 510kW
最大使用水量:8.60m3/s[0.79]
有効落差:37.70m
水車:出力2800kW×1台
導水路:総延長1968.544m
    流域面積:101.29km2
    取水:打波川[下打波発電所堰堤]309.05m
    放水:九頭竜川[西勝原第二発電所]268.41m

今度は建屋側の拡大。見通せる箇所はピンポイントのワンチャンスでアングルは選べない感じであった。


ここは九頭竜川沿いにあるが,九頭竜川のメーンルートは仏原ダムから勝 原第三発電所へ直送していて東勝原は通らない。

またほぼ同位置ちょい奥手対岸に嘗てのエース西勝原第一が鎮座している。


西勝原第一発電所[水力] [DB] [wiki] [ひろし]    
北陸電力(株)
運開:1923.10[白山水力(株)・15.0MW]
増強:1927 20.0MW 22.4m3/s ボービング (Boving) 製横軸双輪フランシス水車4台とウェスティングハウス・エレクトリック製6,000キロボルトアンペア発電機4台・主に東邦電力の名古屋へ送電。
水路式・流込式
認可最大出力:10,900kW(最盛期には20,800kW)      常時出力: 1100kW
最大使用水量:11.13m3/s[(1.64)]
有効落差:117.60m
水車:水車:横軸フランシス水車×2台 総出力11360kW
導水路:総延長6402.4m
    流域面積:401.9km2(67.6km2)(実質的にはここから334.3km2[湯上の流域]を控除した残余となる)
    取水:九頭竜川[下山堰堤(仮称)]396.96m他  計5箇所
    放水:九頭竜川[西勝原第二発電所]272.60m

wikiに よると
>運転開始当初(1923運開)の発電所出力は1万5,000キロワット。その後1927年(昭和2年)に2万キロワットに引き上げられた。出力2 万キロワットであった当時の最大使用水量は22.4立方メートル毎秒、有効落差は116メートル。ボービング (Boving) 製横軸双輪フランシス水車4台とウェスティングハウス・エレクトリック製6,000キロボルトアンペア発電機4台を備えた。
>西勝原第一発電所に関連して、1927年12月に「西勝原第二発電所(現在の西勝原第二発電所とは別で第一発電所に付属する小さな発電所であった ようだ)」が運転を開始した。第一発電所建設に際して都合により利用されなかった放水路と九頭竜川本川の間の落差を利用する附属発電所であり、…第二発電 所の出力は当初640キロワット、のち800キロワット。出力800キロワットの段階での使用水量は22.4立方メートル毎秒、有効落差は5メートルで あった。

最盛期は
白山水力(株)[のち矢作水力(株)] 西勝原第一発電所[wiki
増強:1927年
出力:20,000kW
水量:22.4m3/s
落差:116m
水車:横軸フランシス水車×4台

白山水力(株)[のち矢作水力(株)] 西勝原第二発電所[のち北陸電力(株) 西勝原第一発電所5号機][wiki
運開:1927.12
出力:640kWのち800kW
水量:22.4m3/s
落差:5m
水車:縦軸カプラン水車

という陣容であった様だ。これが奥越開発の余波で
>北陸電力時代の1969年(昭和44年)5月29日、西勝原第一発電所の出力は2万800キロワットから半分以下の1万キロワットに削減された [12]。この変更は、上流側にて九頭竜ダム建設をはじめとする九頭竜川総合開発事業が実施されたことで、西勝原第一発電所にかかわる流域面積が大幅に縮 小し河川流量がおよそ半分となったことによる[3]。そのため旧第二発電所の5号機を含めて5台 あった発電機のうち3・4・5号機が廃止され、発電機2台体制へと変わった[3]。

この様子が2本が廃止され2本残ってる様子からはっきりと解る。

因みに
>施設が老朽化したことから、北陸電力では1997年(平成9年)6月より西勝原第一発電所の全面改修工事に着手した[3]。工事は翌年12月に竣 工し、試験を経て発電所は1999年(平成11年)4月より営業運転を再開した[3]。この際、使用水量は従前の11.13立方メートル毎秒に据え置かれ たものの、水車発電機の効率増加と遊休落差の回収(有効落差は115.40メートルから117.60メートルへ)の2つにより発電所出力が1万900キロ ワットへと引き上げられている[3]。
とのことで,改修を経て有効落差が微妙に上がり下がりするものの旧西勝原第二の5m落差は2m程回収されたが,未だ3m程残っている様であった。

発電所のほぼ真上の県道から写真の撮れるロケーションではあるのだけど木々に邪魔されて未回収の落差の激写には失敗している。

なるべく川べりが写ってる選んでもこの程度w

放水口は下流側にあるのかな?[G マップ]空撮でも影になっててよく解らなかった。



日本発送電の解体で継承した北陸電力が上流から第一・第二と名前を付けたが後から下流に第三を造ったと見えてただでさえ新ルートと旧ルート,東勝原などが 入り交じりわやくちゃになってしまったようだ。一番最初に西勝原第一発電所の導水 トンネルが荒島岳を貫き,そして国鉄越美北線がぶち抜き,今,中部縦貫自動車道が建 設,順次開通中である。

なんと5箇所も取水口が あるようだがメインは九頭竜川の此処である。他の発電所に利水されるポイントより下流の実質流域面積(or独占的流域面積)は 54.1km2程。
嘗ては20MWの出力が今では10MWに削られてしまっている様に九頭竜ダム・長野発電所の整備とともに仏原ダム・西勝原第三のコンビが最大水量 56.0m3/sで稼働しこちらの使用水量は半減させられたものと思われる。とはいえ54km2にはやや過大な 11m3/sを維持していると云う事は長野 発電所の逆調整池の鷲ダム更にその副ダム的山原ダムに貯めて湯上発電所で使い切れなかった分がオーバーフローしてこちらに流れ込んで一種のピーク電源とし て機能することも想定されているのかも知れぬ。


さて, DBに 拠ると下山堰堤の他5箇所,計六カ所の集水口があるらしい。この日は日曜の朝7時に奈良県生駒の自宅を出て,市荒川を手始めに滝波川・真奈川・内波川を見て回 り,既に時間は夕方の5時に。
割と疲れ果ててて,ひろしさんの記述で仏御前の滝など見て回る事も考えたけど,此処から今日中に掛川まで帰り翌月曜日から東京行きとかなりタイトな予定が 詰まっていたので下 山堰堤(仮称)だけに済ませる事にした。豊岡堰堤みたいにメ インの取水箇所に他の弱小取水点の取水量もってて全部省略できないかなとムシの良いことを期待しつつ,それでも近づくと近そう且つ流域が比較的広そ う な荒 島谷[ここ]に先ずは向かってみた。ナビだとこ の辺に橋があった[今見ると地理院には無し。。]ので近づいてみるとどう見ても川原と化す。

G 空撮だとこんな感じ。どうもここで建設が進む中部縦貫道建設工事用の仮設橋だったらしい。
ナビの表示。G空撮とも位置が違う。。

地理院が示すルートから進入しようかと橋を渡ってみたが道が狭くて萎えて止め。その辺の空き地にクルマを停めて下山堰堤の沈砂池へのアプローチに切り換え る。(下打波の転回でこの日の心折れた感有り。)

西勝原第一へ送るトンネル部。上が空いてるから無圧トンネルという奴だろう。

堰堤方面へ歩いて行く。沈砂池があるようだ。


沈砂池の水門。濁流が渦巻いている。
水量が半減された様だが,水路はそのままの筈である。この倍の水量を通せたのか。






その後クルマの所へ戻り堰堤本体を目指す。
神社の向こう側に堰堤が見えてくる。


お~!!!ムシの良い事を思ってたら本当に実現しとる ww
しかも全部別々の標識に掲示で大サービス一挙掲載ぶりである♪



先ずは下山堰堤分。ここだけで全体量分確保出来る様子である。


西勝原第一発電所九頭竜川取水堰堤(仮称・ 下山堰堤)[wiki] [DB
頂高)3.1メートル、長さ(頂長)90.51メートル
取水量:11.13m3/s(全体量に等しい)



西勝原第一発電所小尾谷堰堤[小 尾谷][地 理院
取水量:0.03m3/s

ひろしさ んの「さらにお散歩。ちょっと禁を犯しながらやって参りましたこちら。」がここか?


西勝原第一発電所シッタカ谷堰堤[シツタカ谷][ひろし]←川無い ねんけど…[地 理院G 空撮
取水量:0.01m3/s

ひろしさ んの「トンネルの先に怪しいの。」がこれか?


西勝原第一発電所荒島谷川堰堤
取水量:0.18m3/s[0.27]
流域面積:6.7km2[推計]


西勝原第一発電所最尻谷堰堤[最 尻谷][場 所][ひろし]← 仏御前の滝
取水量:0.02m3/s

どうせならここ[橋懸川]・ [地 理院]も取水出来そうである。2.3km2。




【西勝原第一リバイバル案】        

現状で,実質的な水量に対して力を持て余している西勝原第一第二である。
形式的な流域面積はそれぞれ401.9km2,547.0km2に対して実質的には67.6km2と176.6km2となる。
勝手に定義している水量流域比はそれぞれ1.64,2.42と特に西勝原第二で高すぎる。

更にここから下打波の増強九頭竜ダム にも導水をと考えて居る。これらが出来る場合前者は第二から93.9km2,後者は第一から15.4km2更に流域を減じる要素となる。
西勝原第一は52,2km2,第二に至っては82.7km2に半減する。比はそれぞれ2.1,3.19である。第二は3台ある発電機の内二台を廃止して良 いレベル。

一方で,湯上発電所西勝原第三発電所の常時出力の最大出力に対する比率はそれぞ れ33.3%と37.9%とそれなりに高めである。水量もそれぞれ53.00m3/s[1.59]・56.00m3/s[1.28]と大きめの水量を積ん でいるのに,である。
これは一重に九頭竜ダム(V=2億2,300.0万m3・流域301.5km2)が貯めて供給する水の賜物ということであろうが,水量に比して容量が足り なくて,増強の余地があるのではないか?

さて此処で九頭竜ダムが水を(無駄に)放水しているかどうかである。。
この辺で検討してみた。結論から言うとまあ余らせ てなさそう。素晴らしいこんだ♪

今ではきっちり抑えきっての高稼働率(予想)なので変に増強すると効率が悪化してしまいかねない。。(調整能力を増やすのは悪い事では無いけど)

新規水源があると良いんだけど。。
大 納川のこの辺にダム造って,圧力トンネルで鷲ダムと結んで更に下村堰堤まで導水して発電とかすると揚水発電の発電総量の増量,並行して富田堰堤迄 連続して発電出来るルート開拓となるが。。

ダムはハードルが高いとなると取水だけも合計で39.5km2程の流域が取れてこの辺を元手に西勝原1・2Pを利用するルートを形成出来るかも。
問題は水が足りるかということである。湯上発電所の流域面積は334.3km2,最大使用水量は53.0m3/sである。鷲引水で8.31km2程度追加出来るがこれで鷲ダムから下山堰堤への新ルートを設定するには全然足りない様にみえる。。
大納川上流から37.5km2程,下山谷(仮称・下山堰堤の直上の谷)から1.8km2取れる。併せて43.8km2程度。まあまあかな。。これをやると二重投資になるので九頭竜引水(大納導水)は無しで良いだらう。

大納川で20m3/s程取水出来ると再び西勝原第一発電所を嘗ての規模感に戻せるけどまあ其処迄の規模感は非現実的か。

抑えめの10m3/sにしてこんな感じ:

[私案]大納川発電所 or 下山発電所
出力:5,200kW[+5.2MW]
水量:10m3/s
落差:62m
導水:6.64km
流域:大納川37.6km2 下山谷1.8km2
取水:九頭竜川[鷲ダム]・大納川[堰堤]下山谷(仮称)461.00m
放水:九頭竜川[下山堰堤]395.0m

出力と導水が釣り合ってないが,鷲ダムへの送水や下流の調整力化のメリットを考えてのことである。


[私案]西勝原第一発電所
水路式・流込式
認可最大出力:10,900kW[内最大9.5MW程度が調整電源として見込めるようになる]
最大使用水量:11.13m3/s
有効落差:117.60m
水車:水車:横軸フランシス水車×2台 総出力11360kW(+1台 10,500kW )
導水路:総延長6402.4m
取水:九頭竜川[下山堰堤(仮称)]396.96m他 計5箇所
放水:九頭竜川[西勝原第二発電所]272.60m

[私案] 西勝原第二発電所
水路式・流込み式
認可最大出力:7,200kW[内2.5MW程度が調整電源として見込めるようになる]
最大使用水量:26.41m3/s
有効落差:37.24m
水車:水車:横軸フランシス水車×3台 総出力8390kW※ / 3台→2台
導水路:総延長2461.9m
流域:547.0km2(実質は453.2km2)
取水:九頭竜川[東勝原発電所(8.6m3/s)・西勝原第一発電所(11.13m3/s)]268.41m
放水:九頭竜川[富田堰堤]227.51m


1m3/s辺りの発電容量は新ルート:0.52MW+0.98MW+0.27MW=1.77MW・既存ルート:1.02MW+0.88MW= 1.90MW。やはり2箇所で繋ぐより3箇所で繋ぐ方が効率は悪いな~。
寧ろ,勝原第一・第二の10m3/s分(12.0MW程度)を加えた17.2MWが調整力電源として積み増せるってメリットの方が大きいのかも。



別案
下山堰堤396mに向けてEL.600m超から取水してみる。

取り敢えず早稲谷の2谷は保留。

[私案]下山発電所
出力:5,600kW
水量:3.2m3/s[1.6]
落差:206m
流域:20.6km2←200m・20km2の目安ギリギリw
導水:7.7+1.6=9.3km。
取水:荒島谷川小尾谷沢(無名・・シッタカ谷迄名前あるのに明らかに堰堤の存在よって名前が公式(中央)に把握されてる感じ)・三坂谷藤倉谷黒谷黒谷支流610m
放水:九頭竜川[下山堰堤]396m

一寸導水距離が長く,発電量がもう一声欲しい他はまあまあである。