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天竜川中流域 ( 佐久間発電所[周 辺構想周辺逍遙] 秋葉発電所 船明発電所  新豊根発電所 水 窪発電所 )
2020.10.9改訂
2020.8.24作成

水窪川流域と水窪発電所稼働率問題(22.8訪問) (24.7再訪)

有本堰堤問題→判明!?
目次:1. システム概観(水 窪川概念図)水利用データ 2.沿川風景と開発 (西渡発電所・堰堤河内川河内浦堰堤水窪発電所蓋渠灰の沢水窪ダム 翁川蓋渠取水 有本堰堤[翁川導水] 気田川:門桁 堰堤増 強[→別頁](+11.6MW) 佐久間引水 白倉川・戸中川[→別頁](+20.7MW)) 3.増強 案纏め[→別頁] 
関連:  西渡発電所 気田川水系 天竜川下流域

佐久間ダム等も含め地理院の地図に落とすと上図の様なこんな感じ。右図は水窪ダムにあった看板の写真である。
水窪ダム・発電所も新豊根発電所・ダムと同じく,日本最大の発電量を誇る佐久間ダム・発電所を側面 で支える存在である。
更に下の方(水窪川の下流)には西渡発電所もある。両者ともに低稼働率が(個人的な)悩みである(→水 窪PS稼働率西渡PS稼働率)。(会社(電発や中 電)が)ど う考えてるかは不明…。)
【有本堰堤問題】
更に有本堰堤の取水が非常に不真面目な印象であった。訪問時はこれ。その他の事例

そんな中で24.7に水窪を再訪問。前回に見送った水窪ダムを視察しての帰り道,念の為,翁川の交叉部(蓋渠部)も再訪してみた。
水窪蓋渠の様に取水工はなさそうで単なる立体交叉の様だが(水窪ダムの看板の翁川蓋渠を実際に見て今一度)一つ 上の橋から覗いてみようと思ったのである。

橋の上から写真を撮る為にクルマで橋に進入しようとすると恰度男性が歩いてくるので譲るも向こうも譲ってくれて,橋の袂にクルマを停めようと思ってるので 先に行ってもらった方が良いなと思いつつも譲って呉れるので急いで右折し橋の袂にクルマを停めるので,その男性の目の前でクルマを停める形になってしま う。進路を邪魔した訳では無いと,すみません,川の写真を撮ろうと思いましてと伝えて,地元の人だろうから一寸話を聞いてみようと水窪発電所の放流水が佐 久間ダムへ流しているけどここの交叉で取水はしてないでしょうかね?と尋ねて見た。
と,私,今は退職したけど電力会社に勤めてましたよ。とのお答え。その後しばしば電力について色々お話を聴かせてもらうが,有本堰堤の話になった時に,気 候変動ということばは私は嫌いだけど近年の気候の変化もあってか土砂で (放水口が)埋まってしまい使えなくなってしまっている,耐用年数50年で計算してるけど建設後50年経つから新しく掘り直すか検討しているらしいと の情報が!

なんと真面目に取水してる感じが無いも何も,取水を一切してなかったと云うオチの様だ。まあ私のまともに取水している感じがないという予感は正しかったよ うである。
但しニュースリリースその他が全く出てない様なのでどこまで正確な話なのかは解らず,私がそう訊いただけということで読者諸氏(いるのか?)にはご理解は いただきたい所である。


1.水窪発電所システム概観
水窪の山中に導水路を張り巡らせて集水する水窪発電所である。一部は水窪川流域を越えて気田川流 域に及んでゐる。核となるのは貯水池としての水窪ダムである。(発電所に設置された錆々の看板からのお見苦しい写真で失敬。冒 頭に掲げたダムに設置されてた看 板の方が綺麗で地味な発電所 と派手なダムの訪問者の違いを見せつけ られるw)
22.8[水 窪PS現地看板]

水窪河内川の取水堰堤は河内浦取水堰堤というらしい(現 地の地名である。そういえば有本門桁も 地名である。)。瀬戸ノ沢の堰堤は不記載であった(同一施設扱い?ダムに設置されてた看板でも同様)。また灰の沢が上流で気田川とぶつかってるように書かれ てるのも明らかなミスである。
法令上は水窪川である最上流は白倉川と(ちゃんと)書かれている。寒狭川だし益田(ました)川であるべきなのだ♪最近知ったが大千瀬川ではなく振草川らし い。大千瀬なのは静岡県内だけ?大入川との分界点より先は振草か?

~沿川風景~    
西渡発電所水窪河内川河内浦堰堤]・翁川(翁川蓋渠)・水窪発電所戸中川灰の沢水窪ダム]・白倉川有本堰堤

下流は西渡発電所の領域である。下は西渡の 堰堤(左)と天竜川端にある発電所(右)。    

~水窪河 内川~       

門桁から山住峠を経由して県道が降りてく る。
その途中,浦の聚落に水窪発電所の取水口がある。一番最初に通りがかったとき(21.1)は凍結もあってすっかり忘れていて見ずに通過していた。

河内浦堰堤[場 所(24.7訪問)  
流域面積:5.4km2

最初に見れたのは下流から見に来たのだが,写真は探すのが面倒になって無写真のまま放置になっていて,いつのことだったか。。
24.7の二度目の訪問時は山住峠から水窪ダムへスーパー林道が災害で通行止めで直接抜けられなかったので序でに寄れた。
24.7
道の下にチロル式の取水口がある。道路の反対側に何か弁とかそういう施設がある。

割と急な沢の途中にある感じである。

何処にも電発と書いていない(し利水票もない)が,この立ち入り禁止のマークは電発の施設で見る奴である。


この直上で県道は大きくヘアピンカーブをして水窪河内川をまたぐがそこが山住上橋であった。山住峠というが山住は山のこちら側の様で,川の分岐の水窪川沿 いに山住神社もあった。


水窪発電所は水窪の中心部の上流側の街外れで水窪川が翁川と岐れた直後の水窪川沿いにある。地図だと 翁川の方が直進で水窪川が合流する様に見えるけど現地で見て見ると確かに翁川の方が支流で一寸高い 所から右手から緩やかに曲がってくる水窪川に流れ込んでいる感じになっている。
流域が広い水窪川(最上流は白倉川)の方が多めの水流が川底をしっかり削ってきた様だ。
22.8

~翁川~      
24.7

翁 川交叉部[地理院]…こちらは特になにも無さそうであった。電力関連施設があるらしかったが変電所(か開閉所)らしい。→その後,水窪ダムを見学 された[夜雀] さんの記事の中に翁川蓋渠の文字(→この 看板である)が!?まあ取水 工が無くても蓋渠はあり得る(ただ交叉するだけ)し,現時点では無いとの判断は変えない。→それでも気に なったので24.7にまたも見に行ったがちょうど歩いているおじさんと遭遇し,元電力会社勤務の方と知ってしばし歓談したが,ここで有本堰堤真面目に取水してないように見える訳を 教えてもらった。犬も歩けばである。
22.8
【翁川蓋渠取水】 
と云う事で,もし有本堰堤から 翁川迄導水路を延ばして取水して水窪ダムで貯水し,且つ,此処で も取水して佐 久間ダムでも貯水するとすると。此処での取水の流域面積は以下の様に成る。課 題は水窪発電所から佐久間ダムへ の放水路の通水量に余裕があるかどうか,である。水窪発電所の最大使用水量26m3/sに加え て水窪発電所正面の蓋渠からの取水量に加えて どの程度翁川からの取水を入れられるのかが,課題である。とはいえ調べて見ると面積はそれなりに小さく17.3km2程である。まあこれくらいなら既存の 水管にねじ込めそうである。それ程電力需要が高くは無さそうな,詰まり水窪発電所が稼働してない時間に,20m3/s程佐久間に送って貯めて置けそうであ る。流域の最上流が欠けているのは後から水窪ダムへの導水を検討するからで ある。

●翁川からの導水・取水は減ってしまうただでさえ低稼働率の西渡PSへの流域面積の対応(追加 の目処)が着きそうなので有りの方向で行きたい。

翁川を渡って飯田線の橋梁をくぐると水窪発電所である。但し発電所へ下流側から行くには川の向こう側(県道のある右岸では無く左岸から取り付く必要があ る。)
24.7

電源開発(株) 水 窪発電 所[① 水力.com][② 静岡県][③電発] [現地看板(一般)][現地看板(設備概要)](22.8訪問)    
運開:1969.5.24
形式:ダム水路式・貯水池式
出力 認可最大:50,000kW・常時:7,600kW(現地看板で は8,300kW→その後下方修正した??)
年間総発電量:141,000MWh(1億4,100万kWh)[水力] 158,000MWh/年[wiki]
水量 最大使用水量:26.50m3/s(内、気田川取水堰:8.5m3/s) 常時使用水量:5.65m3/s(初掲載時・8.3MWに対応?)
水車:容量・55,000kW 形式・立軸渦巻フランシス 1台[現地看板よ り]
発電機:定格出力53,000kVA 立軸全閉内冷自励型三相交流同期型発電機 60Hz 1台[現地看板より]→この辺は50/60Hz型が多いけど水窪は60Hz専用か。
落差:最大出力時有効落差:219.50m 常時出力時有効落差:221.95m(初掲載時データ)
設備利用率: 22.7 % (2009~14及び16年度実績)
導水路:本水路・総延長5,145.19m・内径3.70m(高圧円形) 白倉川集水路・総延長2,651.20m・内径2.10・2.30m(馬蹄形)  気田川集水路・総延長5,936.52m・内径2.40・2.50m(馬蹄形)[現地看板より]
放水路:馬蹄形 内径3.70m、総延長4524.18m×1本(佐久間ダムへ放水)[現地看板より]
取水(集水面積):合計241.8km2 内訳:水窪ダム(172.3km2)・灰の沢・水窪河内 川(灰の沢と河内川併せて12.7km2・→水窪河内川はやや下流より)・瀬戸の沢(→ 気田川流域) (3.1km2)・門桁堰堤(→気田川流域)(53.9km2) 505.5m
放水:水窪川・天竜川(中ノ沢)[佐久間ダム]256.50m(よっきが目撃している。この回も結構極限探索であって印象深い♪)
稼働率:23.3%(2009-18年平均)[→参照

建屋・開閉器・水圧鉄管。水車や発電機は半地下?また,川の手前はよく見れなかったが此処でも放流はしてない感じの模様。基本佐久間ダムへ流す様だ。

水圧鉄管を見上げる。
22.8
~天竜川[佐久間ダム]~
水窪発電所導水路放水口[仮称]
水量:最大26.5m3/s
年間放流量:?

水窪ダムからの放水量に拠る佐久間ダムの発電量増は年間123,000MWhとのこと[wiki]

静 岡県の資料だと2015年度の水窪ダムの使用水量が2億3890万m3で119,782MWh/年である。

の二つの数字 が整合的かど うかチェックしたい。
2015年実績からこのwikiの年(何年かは不明)の水量は3億1512万m3と推定される(この年の稼働率は35.6%だったようだ)。この水量で 123GWh電力を佐久間ダムは発電出来るか,が問題である。
佐久間発電所は諸元(スペック)上,306m3/sで350MW発電出来る。詰まり110万m3で350MWh産める訳だ。1MWhは0.314万m3で 発電可能。今123,000MWh発電したので3億8657万m3の水が使用された事になる。おお,結構良い数字が出た。
7000万トン程ズレがある(佐久間ダムが使った水の量が多い)が,これは門桁からの導水推定量と ほぼ一致している。
水窪発電所取水より低い標高からの水窪川からの 取水量,例えば水窪発電所直下の蓋渠地点など,からの佐久間ダム直送だったらこちらの提案(妄想)が既に実現してて一寸胸熱だが??
まあ佐久間ダムの方が最適効率で発電してて水窪の使用水量の推定値が過小になっていると云う感じかな?


利水模式図   
出典:電源開 発(株)

下で見る様に水窪発電所は佐久間発電所用のサブシステムであり,低稼働率も調整力電源である水力発電のピーク対応が故って感じである。常時出力7.6MWってのはそもそも結構優秀である。が,ピーク用に50MWも積み増ししてあるので稼 働率は結構低めである。。

その佐久間ダムへの送水が重要な任務となっている水窪発電所であるが,上の図で見る様に水窪 PS地点(水窪がいきょ(蓋渠)なるものがあるらしい)と翁川交叉部 (特に記載無し)で取水しているのかが焦点だったが,前者には取水施設?のあり,後者は何も無しの様だった

水窪蓋渠    
拡大(マウスオーバー)すると取水口っぽいものが見える。
22.6
此処での取水はほぼ確定であろう。但し利水標は見当たらなかった。対岸も見に行けば良かったか?今回水窪ダムは割愛したのでまた見に行きたい。

現地での看板も帰宅後に確認したら取水口はあるが放水口はなさそうであった。此処での取水量が気になる所である。公文書館マターかな。。発電機とその下の 水車は河道と同レベルで半地下扱いではなさそうである。

また現地にあった魚道もみあたらなかったけど手前にあって見えなかった模様。

魚道の放流量が河川維持流量になる様であるが以下の通りとのこと。
夏期(4月~10月) 0.5m3/s
冬期(11月~3月) 0.3m3/s

この発電所の直ぐ奥手に民俗資料館なる建物が二棟程立っていたが,瓦の破片が落ちてくるので気を付けろとか 書い てあって(また川沿いの木の桟橋は立入禁止と なっていて),お盆の8/16(月)の昼下がりだったが閉館中の様であった(月 曜休館だったらしい)。ダム・発電所建設とともに地元対策として建設したものがと思われる(全くのこちらの憶測。電発が建設して水窪町に寄付した のではないか?)が50年以上経って地元も電発も持て余してる感はある。まあ必要な時に参照出来る様に資料を保管して置ければ御の字であろうか?こんなと ころに人を常駐させておくのはなかなかコストが掛かりそうだが。。浜松市博物館の分館扱いになってるらしい。
22.8



どうやら,空調使えず10年超、施設内蒸し暑く 修繕に数千万円と云う状況で放置気味になっているらしい。将に持て余してるとはこのことだなw
もし仮に電力会社にカネ出させて寄付されたという我が妄想が正しいなら使いこなせもしない癖に欲しがるなよなあという感じだけど,迷惑施設の宿命ではあ る。阿木川ダムで見た今ではまともに使われていそうにない草ボウボウの テニスコートを思い出す。


浜松市水窪民俗資料館 空調使えず10年超、施設内蒸し暑く 修繕に数千万円|あなたの静岡新聞 https://t.co/leFzdIEkcG

— passerby (@tokyopasserby) August 12, 2023

まあ施設として活用は諦めて保存庫としてなんとか余裕が出る(かもしれない)次世代に繋いでいくのが精々ではなかろうか。

ここから水窪川改め白倉川をずんずん遡って行くと灰の沢分岐,戸中川分岐などを経て有本堰堤に到達す る。更に登っていくと草木トンネルの北口(東口?)である。昔(草木トンネルが出来る 前)は兵越峠のメインルートがこの道だった様子。

~戸中川(戸中 沢)~    

水窪ダムは水窪川やその上流で本流格の白倉川ではなく支流の戸中川に建設されたロックフィルダムである。天竜川の雲名から山住峠水窪ダムを 経由して天竜スーパー林道が延びてきてる。今回(22.8)は時間 も限られていて入り口だけ写真撮って侵入は省略した。
その道路は戸中川ではなく灰の沢付近から分岐する。この上流にも取水口があり,取水された水は門桁同様水窪ダムは経由せずそのまま発電所に送られる。こち らと併せて行っておけば良 かったが次の機会としたい。
22.8


~ 灰の沢~    

結局24.7に初挑戦。登っていくと巨大な水窪発電所の導管が谷を跨いでいる。
24.7
そこが灰の沢への天竜スーパー林道からの分岐であった。

看板ぼろぼろである,,拡大 してみると青看には水窪ダム・自然クラブ・ 奈良代山・戸中山国有林・スーパー林道・山住神社が左折,直進が林道灰ノ沢線とあった様だ。
林道標識は大島谷でも見たこの辺共通の奴。そっちでは路線名は 灰の沢線となっている。川の名 前地図でも灰の沢であるし青看のミスかな~。

取水口迄行く手前にはト ンネルまであるようだが,現地では解って無く,道がどんどん荒れて来たので無理せず引き返してきた。

我がフィットの問題点は高速道路でかっ飛ばすと燃費がかなり悪くなることで,たまに遠距離強行軍をする私にはもうちょっと高速道路域での燃費を向上させて ほしいというのがあるが,燃費とは矛盾するが荒れ地用に4WDも欲しいところであった。こちらは買う時に選べただけに一寸欲張れば良かったか。。(本体価 格のみならず通常走行時の燃費も悪くなるらしいので止めてしまった。。)


水窪ダム[wiki] [便覧][水 力][夜 雀]   
河川     天竜川水系戸中川
目的/型式     P/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     105m/258m/2411千m3
流域面積/湛水面積     172.3km2 ( 直接:57.6km2(戸中川) 間接:114.7km2(有本堰堤[水窪川]) ) /84.1ha 便覧には水窪ダムの間接流域として114.7km2が計上 されているが誤りではないか。有本堰堤は計算してみると流域が45.9km2しかない。明 らかに門桁堰堤からの56km2程度等を含んでいる数値である。その他,河内浦や灰の沢を含めてこんな感じ。単なる誤 解によるミスの可能性も高そうだが,もう一つの可能性として思い至ったのは舂米PSの茗荷谷ダム以来の事であるが直 接は繋がっていなさそうな支導水路域の門桁等からも逆送して水窪ダムに流し込み可能な様に設計されてるとしたらムネアツである。門桁堰堤の方が標高が上なので物理的には可能 である。逆送は奥入瀬川と十和田湖の間で行われてるのは確認している。
総貯水容量/有効貯水容量     2,998.1万m3/2,283.6万m3
ダム事業者     電源開発(株)
着手/竣工     1967/1969
各種標高  堤頂標高:510.00m 満水位標高:505.00m 低水位標高:465.00m 基礎標高:405.00m
送水: 水窪発電所(?m3/s・ m) 
利用水深 40.00m

24.7にようやく到達♪
灰の沢を途中迄遡上して,灰の沢をヘアピンで離れて更に登り,例のごとくトンネルを抜けると水窪ダム のある戸中沢となる。


堤体


石碑。なんか字が下手くそ!?

看板(→有本堰堤問題翁川蓋渠)


大回りを強いられたが,おかげで河内浦堰堤は寄れた天竜スーパー林道の通行止め

ダム湖
天端は通行可能だけど,今はプランターが置かれてるけど昔はそのような駒止が無かったようだ[→damnist]。

心ある読者は気づかれたと思うが,この日は何処も大雨の影響で出水気味なのに水窪ダムはだいぶ貯水率に余裕があるようだった。やはり集水に問題があるよう だ。


放水口・洪水吐?
円弧状になっているからラジアルゲート(テンターゲート)ってやつですな。


取水工?


ダム湖に沈んだ戸中(栃生)の村の様子を伝える看板


水窪ダムは諸元より30百万立米,有効貯水量22.8百万立米であ る。4月,7月等は貯水量以上使 用しており溢れる分を放水しているが使用水量に対して放水量は微かで あり, まあ計算通りという結果か。

水窪発電所データ[→発 電所諸元はこちらデータまとめはこちら]    
認可最大:50.0MW・常時:7.6MW
年間総発電量:141,000MWh(1億4,100万kWh)[水力] 158,000MWh/年[wiki]諸元から
水量 最大使用水量:26.50m3/s・稼働率27.3%(2015年)/19.9%(2016年)

稼働率が可成り低い。これは尖頭需要用電源である事を示唆していて必ずしも悪い事では無いが,再エネ電源の発電量そのものを増やしたい時期ではある。

県のデータを纏めその2010 (H22)のミス (推定)を修正して2015年を追記したのが以下 である。2010年の放流量も1/10にしたが,73百万m3の可能性もあるのかも。。
いずれにせよ”放水量は 僅 か”と書いた様に,こんだけきっちり水を使い切って発電所のこの低稼働率では先が思いやられるなあ。。
3,4月は雪解け水,7~9月は降水(雨)が多かったのか2~3,000万m3使用している。併し後は余り高い利用率とは云えない様である。特に梅雨時の 6 月が低いのはこの年空梅雨だっけ?
ダムからの放水量が殆ど0ってのはどんな状況だ?ダム直下の戸中川は山 王峡を形成してるけど直ぐに水窪川に合流するのでこの僅かな区間が瀬切れしててもOKって感じなのか?利水権更新前?
  2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 合計 平均
使用水量(百万m3) 229.7 304.5 268.5 169.1 158.2 147.8 238.9 180.9 1,697.6 212.2
ダム放流量(百万m3) 0.0 7.3 35.1 0.0 0.3 26.4 7.8 0.0 76.9
9.6
発電量(GWh) 114.9 130.6 135.6 82.2 76.8 72.1 119.8 87.3 819.3 102.4

平均水利用量:2億2,100万t・発電所稼働率:23.4%

今,諸元から最大使用水量:26.50m3/sで認可最大: 50.0MWで119,782MWh/年ということで50MWで動いたと仮定すると稼働時間は約100 日=2,395h=8,624,304秒となりこの時間動かすのに水は228,544,056m3=2億2800万トン必要となる。
実際50MWより小さい数値で動かした時に発電効率が下がったりはするだろうからもう一寸必要な水は多くなりそうだけど,それが水窪ダムを経由しない門桁 他から取水して直接利用した水量となるか。

再び,諸元から流域面積:172.3km2 ( 直接:57.6km2 間接114.7km2 (→水窪川・有本堰堤:45.8km2・気田川・門桁堰堤・瀬戸ノ沢:56.8km2・水窪河内川・河内浦堰堤:5.4km2 灰の沢7.8km2 非突合1.1km2)である。
上の表から水窪ダムは水はきっちり抱え込んで漏らさないので直接流域からの水はそのまま保蔵できてると考えられる。秋葉ダム・船明ダムの水量の推計から100km2で2億トン,,秋葉・佐久間の水量増から 2.8~3.8億トンと推計される,

ad hocに流域はすべて3.0億トン程度とすると直接流域から1.73億トン。残りの114.7km2から0.48億トンとなる。有本で1,800万トン, 門桁で2,500万トン,浦と灰の沢で500万トンって感じである。有本での放流量は1.3億トン,門桁は1,7億トン(豊岡が9千トンなので多すぎる) となる。

機能不全の間接流域に代わって電源開発を構 想した[戸中川第一発電所(13.4MW)戸 中川第二発電所(7.3MW)奥気田発電所(10.5MW)彼らに頑張って貰いたい所である。


~白倉川(水窪川)~    
更にお隣の水窪川源流の白倉川からも取水してみる。ここも有本堰堤で 間接的に取水はしているが,有本 堰堤が不甲斐ない状況なら取水にプラスである。(追 記・どうもこの手の導水は洪水時にこそ働くのであって普段の少水時には河川維持水量が云われる普段は殆ど取水しないのではないかという気がしている。→そ の後台風後の増水期に現地に行ってみたがゲートが高く上げられてやっぱり取水してないような感じであった。いつ取水してんねん。。)→どうやら土砂で埋まってしまって いて放水出来無いらしいと発覚!

有本取水堰堤(ダム)    
高さ:9.3m 頂長:38.2m
取水量:?
貯留量:不明→無し
流域:45.9km2
取水:白倉川(水窪川)
送水:戸中川[水窪ダム]



この有本堰堤であるが,どうも真面目に取水してないのではないかという疑惑がある(→24.7に原因判明!)。

堰斎]… 2017/09/23 有本取水堰の様子です。ここもメタルで覆われた堰堤、土石流のダメージが大きいのでしょうか?ゲート全開で放流中、と言うか単なる川状態でした。

一応取水のせいで水が少ないと云う指摘もあった

西尾]… 戸中との合流より有本の取水堰堤までは、渓相は良いが取水の為水が少ない。(日時不明)

越流部が鋼板[マヅナイ] とアンテナ[あきひ ろ]が特徴の有本取水堰堤だけどどっちも同時に綺麗に写ってるのがなかった…。。特に越流部アップしようとしたら痛恨の葉っぱ写り込みw
一番マシなのがこれかな。。マウスオーバーでアンテナと鋼板に橙楕円。鉄板の河床は早月川の蓑輪頭首工にもある。アンテナは…知らんなあ w
22.8

背面

ダムの容量とか全部岩に覆われて無いようである。
また2,3日前に台風が通過した直後のやや勢いよい流れではあったがゲート全開で取水はしてない様子で あった。

この奥,こ こは直進すると林道白倉山線・その先9kmで白倉国有林とのこと。行き先が国有林なのは門桁と同じである。


冒頭図から白倉川集水路と云うのがこの取水 堰堤から水窪ダムへ の導水路の名前だと判明する。現地看板に拠ると内径2.10・ 2.30m(馬蹄形) だそうで門桁から8.5m3/sを通す気田川集水路の内径2.40・2.50m (馬蹄形)よりは小さめだけど,勾配の違いもありそうなのでどの程度とは何とも言い 難い。また取水位と放水位から調べたくても一寸よく判らない感じであった。それにしても水窪川はちゃんと白倉川と呼ぶのに,気田川のことは門桁川とは呼ば ないんだな。まあ門桁堰堤ではあるか。こちらは有本堰堤であり,そのままでは白倉の名前が現れない。割と気配りしてるのかもw
名前 流域
総延長[流域・延長比] 内径 取水位 放水位 取水量 摘要
私案翁川集水路
9.1km2
2,245.0m[4.1]

EL.515m
EL.512m
??(梅島堰堤[仮])
翁川集水路の放水を白倉川集水路で取水するのでちょいズレてるがその辺は要調整。
[既設]白倉川集水路 45.9km2
2,651.20m[17.3] 2.10・2.30m(馬蹄形) EL.514m EL.518m 以下 8.5m3/s以下?(有本堰堤)
ダム湖が可成り水位下がらないと取水しない??
[既設]気田川集水路 61.6km2
5,936.52m[10.4] 2.40・2.50m(馬蹄形) EL.514m EL.511m 以上 8.5m3/s(門桁堰堤) 取水は門桁(気田川)53.7km2,瀬戸ノ沢3.1km2,河内浦(水窪河内川)4.8km2
[既設]放水路

4,524.18m
3.70m(馬蹄形)
EL.263m EL.257m?
26.5m3/s以上?(水窪蓋渠)
放水路は余水吐も兼ねることで門桁他の沢水の佐久間ダムで の貯水をしていると思われる。
水路断面は放水路が43m2程度?白倉が16.6m2・気田が18.0m2程度。放水路の導水量が気田の3倍程度弱で面積も3倍弱とまあなんとなく断面積に比例しそ うな感じはあるけど。。有本の取水は7.8m3/sとかかなぁ??5.0m3/sとかよりは多そう。

翁川導水
導水:2.2km
流域:9.1km2
想定瞬間最大(認可最大)取水量:2m3/s程? ←経験則で100km2で20m3/s程度?
想定年間取水量:2,000万トン程度?


【周辺流域増強の方向性】
上で見た様に,①水窪発 電所の低稼働率と水窪ダムの余裕から先ずは水窪ダムに水を集めたい。[→水窪奥地電 源開発気田奥地電源開発翁川導水
更に,②秋葉ダムでの放 流水の多さから下流への流れを減らして巨大な佐久間ダムへ流したいor秋葉ダムの容量を増やしたい。[→大千瀬ダム・気田川ダム・横山ダ ム]
この二点を以下各所で検討する。


















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