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天竜川中流域 ( 佐久間発電所[周 辺構想周辺逍遙] 新豊根発電所 水窪発電所   気田川)
23.6.4独立
大入川篇大入渓谷・古真立川
古真立川(新豊根ダム北側)開発と 県道古真立佐久間線
(r429)(23.6 ダム接近)
大千瀬川大 入川・新 豊根ダム(r428)篇(本編)大入川・大千瀬口(r293/r429)天竜川[新豊根発電所(入口諸元)・分 地峠漆 島川(r426)古真立川(r429)小田川(r74)坂宇場川 (R151)津 具方面[大入頭首工](r428/r427)豊川用水[振草頭首工・宇連ダ ム]

佐久間ダム・佐久間発電所に付随するサブシステムとして水窪発電所・水窪ダムに注目してきたが新豊根ダム(→諸元)・新豊根発電所(→諸元)も秋葉と並んで(揚水機能がある分)水窪以上に重要なサブシステムである。
本頁では【開発案件】として は漆間川導水富山 発 電所(案)奥豊根発電 所を検 討するもいずれも結果はネガティブであった。

現在,静岡県側から新豊根ダムを目指そうとすると 県道古真立佐久間線(愛r429・静r293)経由(大入渓谷経由・旧大入林道)と県道古真立津具線(r438)[→新豊 根 ダムより奥はこちら参照]経由(分 地峠経由)がある。どっちも不通だけどw
r429(r293)は大入渓谷から大入川を遡上し新豊根ダムを経由して古真立川へ至るが,新豊根発電所はr1沿いの天竜川の地下にあって,r1から分岐 して分地峠・新豊根ダム・豊根村中心部を貫いて津具に至るのがr428という訳である。
新豊根発電所に触れる関係上r428にも触れるが本来は別頁(→こちら)の担当となる。 r429は古真立の奥地(間黒川出合)で県道津具大嵐停車場 線(愛r426/静r267)と接続して終わる(というかそちらが起点扱いの様だ)。
その辺の流域を水源とした奥地の電源開発も本頁の対象である。

<大入川・大千瀬口>→新豊根ダム側はこちら大千瀬川はこちら    
その先大入川沿いに通行止めのr427がある(上の写真の奥の青の鉄橋である)。なんとここで初めての同好の士との邂逅!?停めようとした大入渓谷へ向か う県道の橋に軽自動車が入って停車した。しかも降り立ったのは女性である。(廃道趣味 か水道趣味か実際の所は不明w)
まあ向こうはカタギの素人の可能性もあるので刺戟しないようにさりげなく距離をとって停車する。
ほんとは上の軽みたいに橋に乗り付けたかったが先客に遠慮して一寸先に止めると,下の写真のような看板があって,この辺が大千瀬川の起点だそうでこの辺迄 は天竜川が大千 瀬川を思われる部分に凹んで進入している部分扱いなのか?!京滋バイパスの一部(久御山淀IC迄名神大山崎支線扱いらしい)や神戸淡路鳴門 道の一部(神戸 西 IC迄)が高速道路扱いされてたり,ニュータウン新線の補助金がニュータウン出た一駅先迄補助金が出る(その為橋本迄補助金入れて建設する為に多摩境駅の 開通はわざと遅 らされた)ようなものか!?(多分違うw)

さて,その辺の写真など撮ったりクルマを転回させたりして異常者でない事を暗にお伝えしつつ時間を潰し,先行者が用事を済ませて?去って から橋に近づく。
佐久間古真立線 (r293/r429)・大千瀬川(大入渓谷入り口)付近    


そしてもう橋の向こうのトンネルの前には通行止めの看板が!第三トンネルと云うらしい。ヘキサには293と静岡県のナンバーが振ってあるのに,トンネルの 看板には429と愛知県のナンバーが振ってある。
川が県境であるので静岡県のヘキサが愛知県に侵掠している様に見えるが如何であろうか?

トンネルは素掘りっぽい。

此処は対岸なので標識にある浜松市天竜区佐久間町浦川ではなく既に愛知県東栄町の筈なのに静岡県道293号の標識!しかも愛知県道としては429号。色々 突っ込み所あり。

トンネルを潜ると軽トラが一台止まっていてその先はバリケードが設置してあった。まあガチの柵では無いにせよ拒否感は十分か。

22.3
此処が開かずの道路の為に新豊根ダムがとんでもない僻地となっており未だ到達出来ていない。ダムの管理の方も苦労しているようだ[ソース]。

川の流れはこんな感じ。新豊根でほぼミスは遮断されるものの大入渓谷を経てそこそこの量の清冽な水が流れているようではあった。

この先はこちら参照

橋の右側には以下の様な石碑が。愛知縣(県)大入林道開設記念之碑とある様だ。R774さんレ ポに寄ると1954年に開通とのこと・

元々林道として開通し県道に昇格した(そして今では万年閉鎖中の)様だ。
因みに静岡県道としてはr293だけど愛知県道としてはr429である。このブログに云われる迄気 付かなかったが,大島ダム近傍で議論したけど静岡と愛知の一般地方道のナ ンバー は統一出来てない様である。。

まとめてみた:

静岡県北遠・愛知県奥設楽付近一般県道
愛知
静岡
路線名
その他・備考
1
1
飯田富山佐久間線
長野県道1号線
74

阿南東栄線
長野県道74号線
424

振草三河川合停車場線
未成区間有・宇連ダム
(425)

外貝津先林線 現在は大部分がR473に組込済
426
287
津具大嵐停車場線
r288に接続

288
大嵐佐久間線
r287に接続・廃道区間有・[→こちら
427

坂宇場津具設楽線

428

古真立津具線
未成区間有(分地峠)
429
293
古真立佐久間線
不通区間有・旧大入林道
430

足込上黒川線
愛知の県道]未成区間有・足込川
431

八橋中設楽線
振草渓谷(振草ってこんな所にあるのか)
442
390
鳳来佐久間線

504
294
御園浦川停車場線
東薗目川・未成区間有
505
298
渋川鳳来線
r299に接続

299
渋川都田停車場線
r298に接続
519

七郷一色名号線
大島ダム





R774@まとめ屋さんの大入聚落跡レポ


愛知県北東部に、かれこれ10年 以上通行止めの『開かずの県道』がある。県道は、険阻な渓谷の中にあり、沿道に人の営みは全く見られない。しかし、最新の航空写真には、県道から300m 上方に不自然な窪みと人工林が写っているのだ。過去の地図と照合すると、『大入』という集落が描かれているではないか。 pic.twitter.com/ob02ncU248

— R774@まとめ屋 (@kendou774) April 25, 2021

この大入聚落には東薗目聚落から吊り橋経由で繋がっていたようだ。

東薗目から大入集落への古道が大入渓谷を渡る箇所にあるという弓庫の吊り橋に、3回目の調査にしてつ いにたどり着きました。詳細は以下↓ pic.twitter.com/qkYgOMLtwq

— 藤田 浅治 (@denno_noil_coil) November 8, 2024

~天竜川~[→レポはこちら]
発電所そのものは大入川より可成り北。佐久間ダム湖畔西側地下にある。r1を だいぶ遡って行くと漸く着く。

新豊根発電所[→天竜川遡上時の新豊根レポはこちら参照
地下80mにある新豊根発電所への入口である地下トンネルの坑口。[地 理院→G だとこの日シャッター空いてた!?・地理院だと直ぐ近くに発電諸施設がある事が判る。地下80m迄こんな至近でどうやって降りてくんだ?道路ではなくエレ ベーターみたいなのしかない?それだと巨大な発電機とかはどうやって搬入したんだ?まあ地下に関しては結構弱い(大入トンネル位置十津川の支水路位置など)]
またトンネルの狭さは開発時期の古さを物語っていると云えよう。


諸元

電源開発(株) 新豊根発電所[水力
運開:1972.10
ダム水路式・混合揚水式
認可最大出力:1,125,000kW  常時出力:0.0kW
年間総発電電力量:874GWh(8億7,400万kWh)(内、自流分127GWh[14.5%]←混合揚水の比率としては他所と較べてどうなん だ??)
設備使用率:8.86%←低い。。
最大使用水量:646.00m3/s    最大揚水水量:600m3/s
有効落差:203.00m
    最大有効落差241.00m、最小有効落差166.00m
    最大全揚程247.40m、最小全揚程184.30m
流域面積:136.3km2
取水・上部貯水池:大入川[新豊根ダム]474.00m
放水・下部貯水池:天竜川[佐久間ダム]260.00m

流域面積は136.3km2あるが,大入頭首工から豊川用水方面への取水もあるし,混合揚水として馬鹿でかい規模を持ってるしで自流分は14.5%しかな い。
意味のない比例計算にはなるが,最大使用水量に対して14.5%とすると93.47m3/sとなって流域の標準的な使用水量より遙かにデカい。
最大と最小の有効落差の差から利用水深は80m程ありそうで,有効貯水量:4,040.0万m3 はフルに活用していると云って良さそう♪その割りには設 備利用率は低めの8.9%程度である。毎日揚げ下げしているとは云へ水量的には大した事ないのかも知れない。

<分地峠>[→本篇]
この先で,県道古真立佐久間線が分岐するがまともな写真がなかった…roz
一応こんな感 じ で,閉鎖のAバリも崩壊寸前という 感じである。。


この際,分地峠の県道を開通させて管理支所を佐久間ダム周辺に置けば新豊 根発電所経由でもう一寸早く行けるじゃないだ?→23.6現在,新豊根ダムにも行けなくなってたww
<新豊根>
新豊根ダム付近で分地峠を越えてきたr428が合流してきてr429との重複区間となる。


グーグルカーはなんと新豊根ダムの通行止めのトンネル(sv) の向こう側に霧石トンネル(gsi)の 脇の林道を経由(霧石峠(gsi)・ キビウ(gsi) 峠経由)して辿り着いてる!?[svgsi] [→新豊根本篇

新豊根(しんとよね)ダム[→大入川
河川     天竜川水系大入川
目的/堤高/堤頂長   PF / 116.5m/311m
流域面積/湛水面積     136.3km2 [全て直接流域・内,一次流域60.73km・二次流域75.57m3/s] /156ha
総貯水量:5,350.0万m3     有効貯水量:4,040.0万m3    洪水調節容量:1,050万m3
標高  常時満水位標高:474.00m
     洪水期制限水位標高:470.00m
         低水位標高:435.00m
着工/竣工:1969/1973

一次流域・二次流域っての はこちらの勝手な用語であり,1次 流域は新豊根ダムによってのみ使用される流域であり,二次流域は大入頭首工で一旦水を取られてその残りを利用する流域である。

貯水池配分計画図

基本資料:中部地 方ダム等管理フォローアップ委員会 新豊根ダム定期報告書(案)2016年12月 [出典:国 交省][→本篇

利水(発電)
■新豊根ダム貯水池への年平均流入量は約2.7億m3、揚水量は約5.7億m3となっ ており、流入量に対して約2.1倍の量の揚水を行っている。
(概要図 )

さてなかなか近づけない秘境新豊根ダムである が,豊根大橋の手前から取水門がちら見出来た♪[こ れ
(現地で遠くから見たら取水塔っぽかったが写真でみると取水門っぽい)

写真右端に凄い角度で登っていく道が見えるがこ れの様だ。分地峠の新道の着手案件だったりしないかなあ・・(多分砂防ダム建設時の工事用道路)

豊根大橋
山の中にちょっと古びた大きめのトラス橋はダム湖によくある風景である。

ダム方向はこの様に通行止めであった。


豊根村観光協会に拠るとこんな感じ↓だそうである。岩が でらい┐('~`;)┌
2023/04/08
県道429号線通行止めのお知らせ
http://www.toyonemura-kanko.jp/?p=7229



派手にいっとりますなぁ。。4月に崩れて6月になっても目途は立ってない感じかな?

~古真立川~      
r429は新豊根ダム内の古真立川出合で古真立川沿い進路を取る。古真立川を遡るとr426経由で平岡と富山に至る。この橋の東詰(関西ではよく言うが東 海地方ではあんま聞かない表現)迄が重複区間となる。


ダム湖の古真立川方面。新豊根ダム付近から重複していたr428はここから大入川を遡るこ と になる。


<間黒川出合>
そして古真立川を遡ってきたr429は,漆 島川を遡ったのちにトンネルを穿って古真立川側(正確にはその支流の奥山川側)に抜けてきたr426と合流して終わりのようであ る。
割と気になる谷川の合流以外何も無い場所で写真撮った記憶あるけどどこにやったかなぁ。。r426はそのまま間黒川を遡って行 く。
~間黒川・宝持川~
平岡・大嵐・富山方面から漆島川から奥山川を 経て来たr426は,途中豊根か ら来るr74と交叉しつつ,間黒川更に その支流の宝持川を遡り,坂宇場川沿いの宮島に抜ける。

間黒川を直進するのは村道と思われるがグーグルカーも此処は攻めててこの辺(gsiStV) 迄進入している♪


<奥山川出合>
~奥山川~
漆島川方面からトンネル(霧石沢から離れてるのに霧石トンネルというらしい→どうやら機能としては霧石沢 を上がった所にある霧 石峠と同じ機能を有している故のネーミングらしい。今では山道も霧石沢にはないけれども)を抜けて奥山川に入り下ってきたr426古真立川にぶつかると今度は古真立川に沿って下って間黒川出合に至る。

そしてグーグルカーなんだけど,ここも攻めてて,霧石トンネルの脇の林道から霧石峠を越えて,新豊根ダムまで至っている!?[→新豊根本篇



【開発 篇:漆島川 導水・その他】       
奥山川(古真立川)の向こう側は天竜川の一次支流の漆島川(とその支流 の霧石沢)の流域である。
新豊根ダム満水位程度のEL.490mの 取水,4.5kmの導水で10km2弱の流域から新豊根に導水出来る。

上の図は更に虫川迄延ばして取 水したもの。倍の流域,約20km2程取れる。
新豊根へ導水するのには少々距離があるようだ。新豊根ダムから延々と遡った距離を逆方向に導水する訳だからな。。
下に検討結果を載せたがなかなか厳しいかな。。

奥山川を遡り山を越えて来たr426は漆島川を下ってr1に合流する。今は下流の熊打橋(r1の橋)の写真ぐらいしか無い。。。ここから富山・大嵐迄は直ぐ近くである。
22.3
この日は晴れた3月末てこの水量。。

この日はここからr426津 具大嵐停車場線(更にはこ の辺迄通ってショートカットを試みた気がする)を走ったのだがまともに写真を撮ってない…(→周辺県道地図 )
この日は帰省からの帰りで,この後矢作川の黒田ダムとかにも寄ってて 急いでいたらしい。

この辺[sgiStV
22.3

さて,以上(新豊根ダムでの利水に関する議論であって直ぐ上の漆島川のちょろちょろの流れの写真では無 い)を 踏まえて新豊根ダムの増強であるが,自流分が2.7億トンに対して揚水分が5.7億トンとは自流分の方が少ない 訳だけど,佐久間ダムから電気使って揚水する分を,北側から導水して新豊根ダムに流すことで佐久間の側面支 援を出来はするであろう。

10km程で 19.1km2程流域を増やせる。6000万トン/年程新豊根の水量を増やすことができて,5000万トンあれば824GWh(内自流分 127GWh)の年間発電量を2.9GWh(2万9千MWh)程増やせる計算になる(自流分が2.4%増える!…少ないか…) 

導水案一覧    

河川名(取水位)
放水
導水距離 流域面積 導水効率※1 発電量指数※2[効率※3]

霧 島川(EL.564m) 古 真立川EL.547m 3.5km
5.6km2
1.6
113.68

霧 石沢(EL.490m)漆 島川(EL.497m) 新 豊根ダムEL.470m 4.5km 8.7km2 1.89 176.61

井戸川・虫川(EL.470m)[流域 ]   〃  5.5km(10.0km) 10.3km2(19.1km2) 1.87(1.91) 387.74[38.77]

漆 島川(EL.685m)
奥山川EL.680m
1.6km
4.1km2
2.56
165.23[103.26] ※4

漆 島川(EL.764m)[堰堤] 奥 山川EL.778m 0.63km 2.53km2 4.01 101.9[161.74]: ※4

東薗目[→ボツ案]
新豊根ダムEL.470m
4.2km
3.2km2
1.31


分地峠[→ボツ案] 新豊根ダムEL,470m
2.3km
1.9km2
1.21

※1:流域面積km2÷導水距離km ※2:流域km2×0.1×有効落差m(新豊根落差は203.00m) ※3:※2÷距離 ※4:いずれも古真立発電所の新設(利用)も前提とした数字

致命的な弱点としては一寸導水距離が長い割に流域面積が狭いという感じがあることである。
あんまこんな形で本流に沿って導水するケースを見たこともないし効率的では無いのかも。
ということで最期に漆島川が最接近する標高770m付近で取水して見たがこれだと多少効率的である♪ただし面積は更に狭くはなる。。

さてこれがどの程度佐久間ダムを救うかであるが,新豊根のデータから推計してみると100km2辺り2.35億トンと いう数字を得た(怪しいけどw)。一番広い③案で10.3km2なので2000万トン程度である。全部は取水出来る訳でもないので年刊1000万トン程度 か?余り効果はなさそうな印象である・・

【富山発電所】     
寧ろ上の 流 域②③の19km2 を 使って,佐久間ダム(満水位260m)で発電するのも手かもしれない。総落差230m程取れるので水量は3.0m3/sと云っ た 所。
もう一つなので落差を上げる為にEL.700m付 近での取水してみるとこんな感じ。面積は狭くなって出力は減ってしまった。。


[私案]富山発電所
出力:5,600kW~5,400kW
水量:3.0m3/s/1.5m3/s
落差:220m/424m
流域:1.9km2/0.94km2
導水:6.0km程度/6.0km2程度
取水:虫川~霧石沢490m/690m
放水:佐久間ダム260m

どっちでもギリギリ感はあるが無理ではないかも。
落差400m取って更に0.9m3/sに対して1.8m3/sgぐらい積むと行けそう。。