なおこれは余談だが、『三信鉄道建設概要』によると、大嵐駅の位置は設計段階で一度変更されており、当初設計よりも数十メートル高い所に建設されたのだという。 それは当時、大嵐付近の天竜川を堰き止めてダムをつくる計画があったからだというが、これは結局実現しなかった。 この設計変更によって、白神~大嵐間の路盤もより高い位置に設計されることになり、そのせいで更に多くの隧道を施工する必要が生じたという。 結局はこうして佐久間ダムに呑み込まれたわけだが、もしこの設計変更がなければ、いま探索が出来る範囲はより狭く、夏焼隧道などが県道に転用されることもなかったと考えられる。 出典:『山行が』飯田線旧線 中部天竜~大嵐 |
地点 |
場所 |
容量 |
摘要 |
|
第一水力 | 上伊那郡伊那村塩 田(現・駒ヶ根市東伊那) | 水路式、 | 2,832kW | 第一期工事→大久保発電所1,500kW |
第二水力 | 上伊那郡中沢村穴 山(現・駒ヶ根市中沢) | 水路式 | 3,763kW | 第三期工事→現在でも未利用落差30m |
第三水力 | 上伊那郡南向村葛 島(現・中川村葛島 | 水路式、 | 21,324kW | 第一期工事→南向(みなかた)発電所24,100kW |
第四水力 |
下伊那郡喬木村伊 久間 | 水路式、 | 23,000kW | 第三期工事→松川との合流部付近。 |
第五水力 |
下伊那郡竜江村細田(現・飯田市龍江) | 水路式、 | 6,058kW | 第三期工事 |
第六水力 |
下伊那郡泰阜村明島 | ダム水路式 | 30,837kW | 第二期工事→泰阜発電所52,500kW(1936.10)[運開時は矢作電力] |
第七水力 |
下伊那郡平岡村為栗(現・天龍村平岡) | ダム式 | 16,765kW | 第三期工事→日本発送電が計画を継承・修正し,1951.11発足直後の中電が平岡発電所61,500kWとして完成 |
第八水力 |
下伊那郡平岡村小沢(現・天龍村平岡) | ダム式 | 25,551kW | 第三期工事 |
第九水力 | 下伊那郡平岡村途中(現・天龍村平岡) | 水路式 | 11,171kW | 第三期工事:途中はここ。(平岡)河内川の脇だ♪ |
合計 |
141,301kW →詳細調査で 約210MWに増 |
水利権は1925年3月に許可 |
発電所名 |
取水 |
運開 |
出力 |
常時(率) |
取水位 |
放水位 |
落差 |
水量[面積比] |
流域面積 |
水源 |
貯留量 |
早木戸 |
早
木戸川 |
1985 |
11,200kW |
1,190kW |
596.5m |
262.0m |
325.6m |
4.20m3/s |
33.5km2 |
早木戸ダム |
なし |
平 岡 | 天竜川 | 1952 | 101,000kW | 23,900kW[23.7%] | 308.0m | 259.6m | 45.65m | 256.0m3/s[70.1] | 3,650.0km2 | 平 岡ダム | 482.9万m3 |
飯島 |
遠山川 |
1947 |
12,700kW |
2,000kW[15.7%] |
490.0m |
324.61m |
153.7m |
9.87m3/s[41.0] |
241.0km2 |
飯島堰堤 |
なし |
和知野 |
和知
野川 |
1939 |
6,300kW |
2,000kW[31.7%] |
397.0m | 320.17m |
72.25m | 10.50m3/s[63.6] |
165.0km2 | 和知野ダム |
なし |
豊 |
〃 |
1936 |
14,500kW |
5,500kW [37.9%] | 732.0m |
405.08m | 304.83m | 5.54m3/s[42.6] | 129.5km2 | 岩倉ダム |
|
和合 |
〃 |
1937 |
3,000kW |
1,600kW[53.3%] | 936.0m |
734.5m |
187.0m |
2.00m3/s[55.6] |
36.0km2 |
||
泰 阜 | 天竜川 | 1936 | 52,500kW | 12,900kW[24.5%] | 355.0m | 316.51m | 36.86m | 200m3/s | 2,980.0km2 | 泰 阜ダム | 155.3万トン |
早木戸発電所は放水は天竜川だが取水は支流早木戸川で,水系的には早木
戸川に接続する。 中電では無く電発なのは佐久間ダムの勢力圏内であることを示唆する。 標高もほぼ同じ。 取水先に他とあるが柴沢川とヨガラス沢川の支流の名 称不明の川からは取水しないのかな??流域面積が狭いのか,一寸標高差あって取水し難いのか? 国土地理院の地図に導水管の記述がないが早木戸川の取水堰はそこで間違いないであろう(ス トビュウではこちら)。地図上では標高601m。 電源開発(株) 早木戸発電所[水力] [場 所][→早木戸川] ▲ 水系:早木戸川/水路式・流込み式 着工/運開:1983.1/1985.6.28 認可最大出力:11,200kW 常時出力:1,190kW[10.6%] 最大使用水量:4.20m3/s[1.25] 有効落差:325.60m 導水路:総延長4362.8m 流域面積:33.5km2 取水:早 木戸川、芝 沢川、ヨ ガラス沢川、他596.50m 放水:天竜川[佐久間ダム:満水位260m]262.00m 結構高出力の早木戸発電所。1985年運開の電発の案件だ。流域面積に比して多めの水量を積んで落差も大きめに取って大出力を出せる様にするこの時期の平 谷や北又渡,赤石沢などと 共通する設計思想を感じる。こちらは中電では無く電発だけど。 600m近い取水位なのでその下ががら空きとなる。 既に本流堰き止めて256m3/s使ってる平岡P/Sにとって,まあもうこれ以上,誤差みたいな少量の水量を上げる必要は余りないし少々上がっても意味な いのかも知れないけど水量上げる導水路案: 3.9km程で早木戸川他3沢から取水。17.6km2。早木戸P/Sの取水後分含めると2.0m3/s程行けないかな?とはいえ,平岡ダムの容量は少な いし使用水量は巨大で2m3/sばかり水量増えてもあんまプラスにはならないかも。。しかも日代沢など沢が300m程で流入するので堰堤で嵩上げするか複 数の取水口を設ける必要がある。 比較的新しい早木戸と違って戦前派(日本発送電運開)の和知野発電所 (6.3MW)に送れる水位(EL.400m弱)で取水して和知野PSを増強した方が良さそう。ただ上部水槽・発電所等設備一式が和知野川の向こ うなので水を送るにしても大掛かりにサイフォンで渡す必要があるけど ![]() (早木戸川合流) 伊那小沢駅付近 ~早木戸川~(→こちら参照) 早木戸発電所取水堰堤[場 所・G] ![]() |
~遠山川~ 飯島発電所 梨元堰堤 北又渡発電所 易老沢発電所 |
~和知野川~(→こちら参照) ▲ 和知野発電所 和知野(わちの)ダム 豊(ゆたか)発電所 和合取水堰堤 和合発電所 ~売木川(=和知野川支流)~ 売木川堰堤(丸畑堰堤) ~岩倉川(=売木川支流)~ 岩倉ダム |
~万古(まんご)川~
▲ EL.630mで取水すると24km2程とれそう。 平岡湖水面で発電有効落差310m程取れて3.0m3/sで発電すると8.0MW近く行ける。ありだ。 ![]() [私案]万古川発電所 出力:8,000kW[+8.0MW] 水量:3.0m3/s 落差:310m 流域:24.0km2 導水: 取水:万 古川・馬 小屋沢(一 石の滝があるのでそれでグ グった)・栃 中川(・下沢)EL/630m 放水:天竜川[平岡ダム](この辺EL313m) |
発電所名 |
取水 |
運開 |
出力 |
常時(率) |
取水位 |
放水位 |
落差 |
水量[面積比] |
流域面積 |
水源 |
貯留量・摘要 |
平 岡 | 天竜川 | 1952 | 101.0MW→140MW | 23,900kW[23.7%] | 308.0m→317m | 259.6m | 45.65m | 256.0m3/s[70.1]→300m3/s | 3,650.0km2 | 平 岡ダム | 482.9万m3→約3,000万m3(258ha*10m) |
飯島 |
遠山川 |
1947 |
12.7MW |
2,000kW[15.7%] |
490.0m |
324.61m |
153.7m |
9.87m3/s[41.0] |
241.0km2 |
飯島堰堤 |
なし→無
効落差を減らせる |
和知野 |
和知
野川 |
1939 |
6.3MW |
2,000kW[31.7%] |
397.0m | 320.17m |
72.25m | 10.50m3/s[63.6] |
165.0km2 | 和知野ダム |
なし→同上。ギリギリには成るが問題なく放水出来る |
泰 阜 | 天竜川 | 1936 | 54.5MW | 12,900kW?[24.5%] | 355.0m | 316.51m | 36.86m | 178.0864m3/s[59.7] | 2,980.0km2 | 泰 阜ダム | 155.3万トン→0.5m程度の水面下になるがその程度の 放水は良くある |
泰阜ダム。洪水中で全門開放で凄い迫力! pic.twitter.com/9x44jdom6X
— とはずがたり (@tohazugatali1) July 13, 2023
さて,泰阜ダムの直下には2本程川が合流している。 先ずは直下で一直線に合流してくる★★のが印象的 な直下の牛ヶ爪川。 ![]() もう一つはその更に下流で流れ込む大沢川(とその支流)。 ![]() 200m3/sの巨大な水量を相手としてる泰阜ダムに導水してもあんま意味ないかも知れないけど,360m程で取水してみるとこんな感じ (19.5km2)である。 ![]() 20km2弱しか無いのでもっと高度を取って取水しても流域面積はもっと狭くなるし発電は期待出来ない。 |
~米川~[→米川] 水力さ んは発電所迄歩いたらしいが,クルマ乗り回す私にそんな元気もなく,代わりに水力さんがレポしてないサイフォンと取水堰をレポ。 矢筈川サイフォン[場 所]
米川堰堤[場 所]
|
~阿知川
(阿智川)~ 阿知川発電所 三穂発電所(立石発電所) 駒場発電所 昼神発電所 黒川発電所 |
(松
川合流)…この辺からEL.400mで取水出来ないかなと検討した跡w 堤防は400m程迄嵩上げして395m地点位で取水出来るとお洒落。 ![]() 松川第四発電所2.78m3/s 松川発電所5.5m3/s |
~小川川~ 上流には三遠南 信道[道路族]の 矢筈トンネルがある。いよいよ道路も全通が近づいて道路族の方も更新したいけど,いつかにぬけんと息子と帰省の途中で現地調査に行って橋脚の写真とか撮っ たんだけどその時の写真は何処行っちゃったかなあ・・(にぬけんの結婚前でまあの誕生後だから結構時期は限定出来る筈なんだけど。まあが帽子を川に落とし て拾ったことや橋脚に巨大なスズメバチの巣があったり色々記憶には残っているけど写真が見当たらない。。先日草木トンネルは息子を連れて再訪した。) 23.4には矢筈トンネルを通過。蜂の巣は健在だったw ![]() 砂防ダムは河川法上のダムの扱いでは無いのだそうな。またもう土砂に埋まって貯水機能は殆ど無いらしい,, ![]() 年間降雨量は1600~1800mm程度と心許ない感じ 矢筈砂防ダム[地 理院][「長 野県防災史2020」写真集][遍路][手当次第] 矢筈砂防ダム 小川川(喬木村矢筈) 昭和48 年度~昭和53 年度←着工/竣工? 堰堤高33m 堤長110m 堤体積46,846m3 重力式砂防堰堤 流域:10.47km2 水位:829m 巨大な堰堤 ![]() 割と満杯な湖面 ![]() |
(片 桐松川) |
(小渋川合流) |
~与田切川
~ |
~中田切川~ |
~小田切川~ |
~太田切川~ |
~犬田切川~ |
~沢川~ |
~横川川~ ~小横川~ 横川(よこかわ)ダム |
(諏訪湖)釜口水門[ |