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2025.11.19作成
気田(けた)川水域水力発電所開発篇⑥[豊岡・気田川積極案]

Ⅲ.増強・新設
(源流部)──豊岡発 電所増強[+1.9MW][石切川・京丸川・小俣川]─(天竜川)


豊岡発 電所増強(案)を作成して見た。京丸川と洞木川の合流点にダムがあると導水距離を短縮出来るし調整池も確保出来て好いとなった。
問題はトータルの費用である。本稿では拡張を検討する。ダムを造るからには水量確保が重要。杉川からも取水する。

呆れるぐらい延々と導水路を延ばしていた豊岡発電所(総延長8.0km弱)の印象だがこうやって見ると杉川迄延ばすとこれまた結構遠いことが解りはする。
効率策の27.5km2から47.9km2と20.4km2が杉川からの新規の集水分。



これは水窪に水を集めようという作戦の桁 から水窪 ダムへの導水路を更に京丸・杉川迄伸ばす計画とぶつかるが,距離的に京丸と杉川はこちらで発電した方がバランスが良いようである。

新規にダムを造れないなら水窪ダム迄導水して貯水出来た方が良いかもしれないが,気田堰堤の ダム化やら気田川最下流のダム建設が出来るなら気田川流域で発電した方が良さそうである。

杉川は遠いし小 俣川(469m)は一寸ずれるが頑張って集水したい。効率はそんなに悪くない。
豊岡堰堤の取水位とおぼしき467m程度で取水した場合の各河川の流域や導水距離は以下の如し:


新最大水量
流域
追加導水距離
導水効率
現行からの変更・その他
玄馬沢・杉川[EL.440m※0]
3.0m3/s(150%) 22.6km2 4.3km※1
4.26※2
※0:諸元は以下参照
※1:合同導水路合流部迄
※2:小俣川含まず
小 俣川 0.6m3/s
5.25km2 1.1km※1
4.77※2
※1:合同導水路合流部迄
※2:杉川含まず
[杉川・小俣川合同導水路]


1.0km※1
4.35※2
※1石切川ダム放水口合同導水路分岐部
※2小俣川・杉川含む
石切川(京丸川・洞木沢)
[石切川ダムEL.396m※1]
2.0m3/s(83%) 18.04km2 4.6km
4.50※2
※1:諸元は以下参照
※2金剛沢・田京沢含む
金剛沢田京沢 0.25m3/s
2.7km2



大島谷
0.15m3/s(79%)
1.90km2

既 設・0.084m3/s(44.1%)
灰縄沢川 0.60m3/s(99%)
6.07km2

既 設・0.278m3/s(45.7%)
初沢
0.13m3/s(93%)
1.39km2


新設
豊岡堰堤 4.647m3/s
8.3km2 8.0km
2.29※
既 設・※:門桁以遠除き大島・灰縄・初沢含む
豊岡発電所
6.2m3/s
[10.0MW]





締めて追加で48.6km2。実質的に17km2程し か無い現行の取水量と足すと66.6km2と現行の豊岡発電所の発電量に対して門桁で取水強化する分追加で欲しい量を集水するには恰度良い面積なので ある。

鍵となるのは京丸ダムや杉川堰堤がどの程度で出来るかって所であるな~。

石切川ダム('京丸ダム)
堤体場所:浜松市天竜区春野町小俣京丸(石切上流)EL.396m
天端標高460m程度・堤頂長100m程度
湛水面積:0.14km2(13.9ha)・満水位450m・利用水深20m・有効貯水量284万m3

杉川堰堤
堤体場所:浜松市天竜区春野町小俣京丸(川上上流)EL.440m
天端標高:460m程度・満水位:450m

【検討】
伊奈川発電所が高落差(483m)とはいえダム貯水量が80万m3しかない(流域面積は76km2)。それを思えば落差は半分以下だけど貯水量は3倍以上と発電量は伊奈川より出せる可能性はある(流域面積は66.6km2となる)。
とはいえ向こうが最大使用水量11m3/sの水車を擁して40.7MWを発電するのに対してこちらは6.25m3/sで10MW。向こうは雪解け水があっ て貯水量の少なさをカバーしている可能性があるが,こちらは冬はカラカラの遠州である(ただ御嶽山は降水量豊かだが伊奈川のある木曽谷そのものはそれ程降 水量は多くない。)
水窪発電所の26m3/s・50MW・V=2283万m3には遠く及ばないとしても,使用水量を倍増して12.5m3/s・20MW程度にして調整力電源として頑張っても良いのかも。というかその位の投資をしないと引き合わない可能性はある。
とはいえ,巨額投資はなるべくさけるという方針で先ずは最低限現行の水車スペックを活用する方向で行くべきか。水車の更新をする時に,気田堰堤のダム化(→この辺で検討)と併せて放水位を上げつつ,使用水量を倍増させると云った方向性はありかもしれない。そもそも気田堰堤のダム化などせずとも,気田発電所の下流に更に新発電所(竜山発電所(→この辺で検討)or春野発電所(→この辺で検討))を設置するとすると豊岡→気田→下流新発電所→秋葉第一or第三発電所→船明発電所と連檐出来るので豊岡の出力を倍増させるのはそれ程不効率でもないのかも。更に新設の水車は現行設備よりも高効率に出来る筈であるのでもう一寸余裕を持って増強出来そう。

以上を纏めると以下の如し。
[増強案] 豊 岡発電所
出力 認可最大:8,100kW→20,000kW[+11.9MW])
最大使用水量:5.009m3/s→12.4m3/s[+7.4m3/s])
有効落差:212.10m (逸失落差:▲22.45m)
水車:横軸ペルトン水車×2台 総出力10000kW既設+ペルトン1台10,500kW新設
導水路:8.21km(既設)+10.45km(新設)=18.25km(0.54)
流域面積:73.3km2※+47.9km2=121.2km2
放水:気田川(石切川[気田発電所])233.03m
取水:気田川[豊岡堰堤]、大島谷(こ こか)、灰縄沢川467.58m
+初沢・田 京沢(466m)金 剛沢(476m)・石切川(ダム)[洞 木沢京 丸川]玄 馬沢杉 川[杉川堰堤](459m)

 


併せるとこんな感じ。
流域
想定新水量
現行水量
面積
導水路(面積比)
発電力指数(効率)※
摘要
気田川水域①
11.3m3/s
5.0m3/s
89.4+22.6=112.0km2(門桁除く・京丸・杉川含む)
4.2km  ()

源流部を水 窪で利用
杉川水域
3.0m3/s
0.0m3/s
53.0-22.6=30.4km2(最奥部除く)
3.0km ()

源 流部を奥気田でも使わず
熊切川水域
2.8m3/s
0.0m3/s
28.3km2
3.8km (7.4)
185.9(48.9)

合計①②③
17.1m3/s

170.7km2
12.0km(14.2)
1,121.5(93.5)

合計①②
14.3m3/s

142.4km2
7.2km(19.8)
935.6(126.4)

※:発電量と比例しそうな流域面積*0.1*落差(ここでは気田PSの65.7m)・効率は導水長で割ったもの。

杉川上流は豊岡発電所に送水する構想(妄想)もあるが結局気田で使う事が出来る。
杉川と比べて効率性の悪さが目立つ熊切川だけど,下流の新発電所(構想)での利用の想定で条件は大 きく変わりうる。

発電力指数は大雑把なもので現行の潜在的発電量を6とすると杉川は3.5,熊切川は2程度となる。導水路は今を4とすると杉川迄で7,熊切迄で10とな る。

6.3m3/s(+1.29)で現行水車2,400kW(η=74%)・定格出力3146kWを3,000kWに増強して回せる。更に気田堰堤の満水位が上がるので3m程度上げる事が出来るので出力2400kWの侭だと水を4.8m3/s程度に出来る。
し,残る10.3m3/sで新型水車(η=87%)で5,400kWを出しても良いかもしれないが,まあここは新しい酒は新しい革袋に入れてみた。
両方の効果を考慮すると水量を6.04m3/sにして落差を68.1mにすると3000kWとなる。
のこる水は11.06m3/sである。こいつをη=87%で回すと6,400kWとなる。

[増強]気田発電所[水力][DB]     
水路式・調整池式
認可最大出力:9,400kW[+7.0MW]
最大使用水量:17.1m3/s[約+ 12.1m3/s]
有効落差:65.7m→68.10m
流域面積:170.7km2[杉川・熊切川含む(杉川・京丸川も含む)・門桁以遠含まず]
導水:総延長4.2km(既設増強)+3.0km(杉川)+2.8km(熊切川)=10.0km
水車:2台 総出力3146kW→水車:3号機7,000kW追加
取水:気田川[気田堰堤]231.61m→気田川[堰堤増強]・杉川熊切川 234m
放水:気田川[気田川新発電所(案)] 160.65m
 
平木大橋付近
24.7

本文では金川堰堤(案)を提示したけど比較検討(案)として平木堰堤(案)を提示だけしとく。


気田発電所直下で杉川の残りとも合流するのでそ の下の平木大橋辺 り(152m)に取水堰を設置。平 木大橋の北詰[すとびゅう]EL.160m 程[地理院]である。
満水位162m程を考えてるので堤防の嵩上げなどが必要になりそう。法令上ダムのサーチャージは2mは必要である(確か)。人も住む市街地での余裕はどん な規定があるのかな。。
金 川聚落も一寸低そう[すとびゅう]である(R362新気田川橋からの眺め)。国道は嵩上げして建設されているが旧道は低い様だ。水 面が近い[すとびゅう]。嵩上げの設置等が必要で有ろう。
EL.160mで測って10.75haである。利用水深5m(162~157mぐらい)で50万m3程の貯水量となる。まあ大きくは無いが調圧水槽代わり にこれくらいはあってもいいだらう。この合流点には藤ノ瀬ホタル公園が あって「毎年5月下旬から6月下旬にかけてホタルが観賞でき」るのだそうな。。バカすかダムを造るだけでは無く,同時に農薬の使用制限とか掛けて ホタルの保護も必要であろう。ダムの悪影響とかどんなものなのだろうか。。まあ放流してるだけで自然のものではない?

流域面積163.3km2(門桁を除く平木大橋より上流)

藤ノ瀬ホタル公園の脇付近。なんか制水門ぽい施設が。
24.7

気田川と杉川の合流部
24.7

いずれにせよ竜山発電所を秋葉ダムに建設。代替案としては春野発電所(案)



流域面積…門桁堰堤以遠を除くと 270km2程度
気田川は天竜 川の支流で,源流部は前黒法師山から黒法師岳 南斜面にあり,天竜市の千草(ぐさ)と上(あげ)島の間で天竜川と合流しています。長さは61㎞,流域面積は263km2,支流には 石切川, 杉川, 熊切 川などがあります。[静 岡県→リンク切れ]
県の記述なので信頼しきったがどうも計算が合わないので調べて見ると330km2程あった。なに騙してるだ!?しかも頻繁にurl変えて証拠を残さないよ うにしてるし。何を測り落とすと263km2になるんかね??

後から気づいたけどこの図にはしっかり332.5km2となって た。

概説    
気田川は流域面積263(訂正)330km2の川である。水量 もそれなりにある。気田川上流の開発等は奥気田豊 岡・岩井戸気田の各項を参照。流域全体の概況はこちら

A案…気田川新発電所(→竜山発電所案)
まずは,秋葉ダムの放水などを気にせず,秋葉ダムに水を集めてもう一回秋葉第一~第三発電所で発電出来る様にする。秋葉周辺開発(→秋葉)の一環である。
概ね9.2MW程度の開発が可能である。

ここで,秋葉ダムの貯水量不足を指摘して見る。

2015年データ(静岡県取り纏め資料)こちら の妄想
ダム・発電所 最大使用水量 有効貯水量 流域面積
年間使用水量 年間ダム放水量 年間通過水量
水利用率
貯水量に拠る発電時間
摘要
佐久間ダム・佐久間発電所 306.0m3/s 2億0,544.4万m3
4,145.5km2※
55億1,580万m3
5億8,710万m3 61.0億m3
90.4%
186.5h(7.7日)
新豊根・水窪流域を含む。
秋葉ダム・秋葉1~3発電所
336.0m3/s
775.0万m3 4,490km2※
58億2,340万m3
16億0840万m3
74.3億m3
78.4%
6.4h
流域に振草以遠を除く
船明ダム・船明発電所
270.0m3/s
360.0万m3 4,895km2 53億7,690万m3
24億7710万m3
78.5億m3
68.5%
3.7h


佐久間ダムが概ね水を使い切ってる(利用率88%)に対して,船明の パ フォーマンスはそれほど良好とは云えない58%である。秋葉はそ の中間(だが長期的には8割に乗せて来てる)という感じで ある。
また割合ではなく水量で考えた時,佐久間が放流して(発電し損ねて逃して)いる水は年間7億トン弱なのに対して秋葉と船明はそれぞれ12.3億トン27.5億トン もあるのである。

こうやって並べて見ると秋葉ダムの貯水量は僅少で完全に佐久間発電所の逆調整池でそれに更に船明が被さった(追加された)感じである(子どもの目から見た 船明も秋葉もでっかいダムという印象だったんだけどなあ。。)。秋葉ダムは佐久間発 電所の逆調整をしているのであって大千瀬川や水窪川から流れ込んでくる分の逆調整は仕事ではないよと云ってる感じである。天竜川中流域貯留量を欲してる所以である。
これに関しては小口川と小俣川で見た経験法則(有峰・常願寺の法則)が参考になって,上流の尖頭放流1m3/s辺り概ね 2万m3の逆調整池が下流に必要というものである。今,佐久間発電所の306m3/sに対して秋葉ダムの775万m3ってのはだいたい法則 通りという事になる♪(昔は船明もなかった。)
一方で秋葉の放流量336m3/sに対して船明の貯水量360万m3は過少に見えるが,尖頭用(常時出力が0kW)は第一(110m3/s)・第二 (110m3/s)であり,(第三だけ稼働率が高い)合計220m3/s,440万m3となってまあまあ近づく。更には莫大な天竜川の流下能力もあり,第 一の稼働率は50%で第三は 20%である。第一の一定部分は常時発電的に使ってそう。そうこう計算に入れていくうちに360万m3が適合的な感じにはなるのであろう。
流況等全く違うからどうかと思うが,一応ここでも逆調整には1m3/s辺り2万m3の貯水量が必要と考えて置く。

一方で,川の流域面積や 流量に対してどの程度の貯水量があれば良いのかは一寸判らないので保留。。


さてまた処理可能水量が少なくて水を漏らしているのは秋葉だけでは無く,秋葉の下に後に潅漑・工業・都市用水取水用に建設された船明ダムも引きずってい て,使 用水量が少ないこともあって更に使い切れていない(放水量年間24億8千万トン弱!)。

21.8秋葉
 

21.8船明
こんな奔流のエネルギーを目の当たりにすると宝の山にしか見えず,日本がエネルギー的に成るべく自立していく為にもなん とか使い切り たい ものである。
ダム
河川
目的
総貯水容量
(10^3 m3 )
(1')有効貯水容量
(万m3)
(2) 湛水面積
(ha)
(3) 深度
(m)
堤高 (m)
集水面積(増分) (km2) (8) 年平均流入量 (万m3 )
年間取扱量(万m3)
年間放流量(万m3)
(9') 回転率
(/年 )(8)*1000/(1)
(10') 貯留時間 (月)
(8)/(1>')貯留力
(8)/(7)平均流域降水量
年間水利用率
その他・備考
佐久間 天竜川 P 326,848.0 20,544.4 715 40,0
155.5 3,827[直] 591,149 522,451.3 68,697.5 28.77 0.42 3.48 154.47 0.88 [間]330km2
秋葉 AWIP 34,703.0 775.0 190 4.0
89 4,490(+663) 677,796 554,652.5 123,143.8 874.58 0.01 0.11 150.96 0.82
船明 AWIP 14,578.0 415.7 190 2.2 24.5 4,895(+405) 756,197 480,620.0 275,577.0 1819.09 0.01 0.05 154.48 0.64
新豊根 大入川 PF 53,500.0 4,040.0 156 34 116.5 136.3 84,000 82,000.0 1,000.0 20.79 0.58 4.81 198.09 0.98
水窪 水窪川 P 29,981.0 2,283.6 84.1 105 241.8 61,903 59,988.6 1,914.3 27.11 0.44 3.69 256.01 0.97
上図で秋葉と船明と比較して面積増は405km2(恐らくこの増分に門桁は含まれるのでそれを除くと352km2)。年平均流入量増は78,401万m3 (7.8億トン)である。

三方原用水の取水量は
>取水量は1日144万トン。うち農業用水107万トン、工業用水27万トン、上水道用水10万トンを供給している。[ニッ ポニカ
とのことだが,単純に360掛けて年間5億トンということはないであろう。。冬期はもっと少ない筈である。例えば浜名用水は最大38m3/s弱が半年間は11m3/s強と1/3以下にな る。半年 間30万トンとすると一日平均70万トンで年間2億5000万トン。こんな使ってるのかなぁ?この辺は疑問のままである。調査を続行したい。(→1億トン/年らしい[→三方原用水])




【気田川秋葉ダム(案)】(ダム諸元概 要図湛水域周辺図湛水域拡大図流域図発電所諸 元)    
上の推論を前提に,先ずは佐久間ダムの容量を空けるべく水窪ダムへの導水で 10.1km2((天 竜)河内川・小沢川)を貯留する。まあ大した量ではないが少しでも佐久間の柔軟性が増えればそれで良しとする。
一方で秋葉へ流れ込む使い切れない水の内,佐久間ダムに翁川下流17.4km2, 水窪ダ ムに翁川上流9.0km2から導水,大千瀬ダム(と相 川ダム)で 貯水等。
で,最後の船明に臨む訳で有るが,逆調整機能のあるであろう船明ダムであるから今水が使い切れてないからと云って安易に船明の発電容量を増やす訳には行か ないであろう(ただ船明の増強は必要[→増強案]だとは考えて居る。)。
経済効率を考えて今の規模になってる訳であり,安定して発電出来る水量確保が重要である。
秋葉~船明で新規に流入する河川は小さいもので白倉川があり,これは秋葉に流 し込む 発電所を構想済みである。残るは大きい気田川で ある。最下流では現行気田発電所下流で取水して秋葉ダム湖で発電する気田川発電所を構想した所(→この辺参照)
この気田川を使い,秋葉ダムと同水準の満水位で気田川本流も堰止めてみる。秋葉ダムと一体的に運用することで貯水量のデカいダムとして運用出来る。

[私案]気田川秋葉ダム    
満水位:108m[秋葉ダム満水位が基準]
湛水面積:1.63km2(163.3ha)
使用水深:4m
有効貯水量:650万m3
流域:271km2弱(門桁堰堤以遠・秋葉導水流域含まず・長沢(仮称・地名より)導水(こ の辺から)含む)

秋葉第二の放流水や気田川の水を併せて横山や上述の西渡を踏まえて上野部などを既に構想しているがこれらと併せて気田川本流最下流に秋葉ダムとの兄弟ダム を構想して完成としたい。

(概要図)    
こんな感じ(橙線)かの竜山発電所構想が,距離的にはこちらのダム向け(春野発電所構想・赤線)にした方が近くなる。

問題はその先である。
秋葉ダムと兄弟ダムなのでここで貯めた水と天竜川の秋葉ダムで貯めた水は完全に同期して足りなければ秋葉ダムへ持って行く(秋葉各発電所の取水に応じてサイフォン現象で流れていく)し余れば気田川の方で貯めておくことになる。

で,現行で最大使用水量336m3/s,最大認可出力129.5MWで足りるのかどうかである。足りていれば特に気田川側にわざわざ発電所の新設は不要であるし,ここで開発した水源の分,足りないとなればこちらにも発電所があった方がよさそう。
其処が不透明で気田川秋葉ダムのデカさもあって躊躇する所である。

現状佐久間以上(ダムより上流のこと)の水はほぼ佐久間ダムで均されている(=一気に大量に流れてくる洪水が堰き止められ貯められて発電に使える様になる)のでそれ以下でどうなるかというのが焦点である。一部(翁川とか)は佐久間ダムへ流して均そうとしているけど,年間約5.7億m3も新豊根への揚水迄してる現状では佐久間の容量もいっぱいいっぱいかも知れない。

まずはどの程度の新規水源が確保されるのか見て行く。ダムで確保された水量はダムの容量配分図で目にするが,それと使用水量の関係は今の所,不詳でその辺はad hocにやっている。



気田川秋葉ダムから秋葉第一的な相津発電所を建設するか秋葉第二的な光明発電所を建設するかの選択がある(両方はがめり過ぎであろう w)
更には船明ダムをスルーして磐田用水へ直送する北磐田発電所もあり得る気もする。

さしあたって気田発電所放流水を取水して気田川秋葉ダム(仮称)湖畔で発電する春野発電所の諸元を提 示するとこんな感じか。

[私案]春野発電所(気田川新発電所春野案)[→秋葉周辺開発][→気田川開発気田篇]   
出力:9,200kW[+9.2MW]
水量:20m3/s
落差:54m
流域:163.3-22+41.7=183km2
導水:8.2km
取水:気田川[平木堰堤]・熊切川165m
放水:気田川[気田川秋葉ダム]107m

竜山発電所(案)と比較すると導水距離以外は全く同じにできるので気田川秋葉ダムを建設するなら 導水距離が短くできるこちらが有利となる。とりあえず竜山案に代わって春野案で確定である。

気田川秋葉ダム(湛水域・周辺図)   
この辺で堰止め。連絡導水路を建設という感じ♪

気田川271km2程秋葉 周辺のところで計画した白倉川の秋葉ダム導水22.8km2,水窪 ダムへ導水(翁川)や,佐久間ダムへ導水(翁川西目川/大入川),西渡ダムの建設で水源化できる304km2分の,合計で⓪+③+④=598m2。70~80m3/s程度の新開発は出来そうな 気がする,

調整電源の水量が増えるので気田川秋葉ダム新設のみだと船明ダムをその調整池として利用するが,その間に逆調整池も欲しいとなる。遠江横山ダム案である。
秋葉第二110m3/sと光明(案)60~70m3/s程度の発電用水を横山ダム(雲名ダム)で受け止めてどの程度の規模(水量)で下流(船明ダム)に渡 すかが検討課題であ る。

立ち退きを最低限とする為に防水壁で対応するとこんな感じ(拡大図)。
そのままだと満水位以下の3聚落(和田之谷・神社前・笹合)を囲むor迂回する形で排水溝を設置して更に排水ポンプも設置するなどして出水に対処したい。 (笹合はできれば立ち退きして欲しい所。)


小山キャンプ場付近


笹合付近


栃川に架かる橋


表参道の様子。


下社前付近


和田之谷付近




ここから磐田用水に直結するか船明ダムを経由するかであるが,水の融通を効かす為には一旦船明ダムを経由した方が良さそうだが船明ダムでも42.00m迄 落とせるのである。延々設置しても磐田用水では想定放水位39m程度で+3mしか落差を稼げない。。
やるなら余剰水で天竜川本流迄だな。。この辺なら28.2mとなってて更に10m程稼げる。逆調整は考えない者とする(尖頭なのにそういうのなさそうな神三的開発?)

(流域図)     
間接流域は天竜川上流全部と,長沢(地名)の水をこ こらで取水する導水域を含めると+4.36km2できそう。

気田川の上流は200km2はあるし,また大千瀬川流域 124km2③から均された最大 30m3/sの水供給,久根ダム(案)で水窪川・ 相川等 からの69.5km2④の水を均し,①~④の合計455km2程の水を均した上で利用出来るようにしたので,まあ最低50m3/s程度の最大使用水量は欲 しいし,ダムで水流を均せばもうちょい行けるかも。

放水先は秋葉第一的な相津付近とするか秋葉第三的に横山にするかの選択肢があるだろう(→横山案は直下 で議論)。
何もなければまずは気田川やその他の水を堰き止めてできた水源で有効落差をとれるだけ取った相津案が第一選択であろう。以下の規模感となる。

[私案]相津発電所  
出力:24,500kW[+24.5MW]
水量:60m3/s
落差:48m
取水:気田川[気田川秋葉ダム]108m
放水:天竜川[船明ダム]56.0m

★★


【遠江横山ダム・横山発電所】      
横山ダム湛水域・ダム諸元・二案・横山発電所諸元


遠江横山ダム。秋葉ダム(と場合によっては気田川秋葉ダム[→積極篇])の下流で逆調整機能を付加。直接流域は22.3km2程。

そして逆調整池としての横山は建設が検討される。
現在V=775万m3の秋葉ダムとV=360万m3の船明ダムの合計V=1135万m3で佐久間ダ ムQ=306m3/sの逆調整を受け持っている。上でも見た有峰・常願寺の法則からV=612万m3の逆 調整池 が必要となる(勿論運用方法など違うから直接摘要は出来無いのであろう。。)。
船明ダムが後補で出来たお陰で秋葉ダムの逆調整機能に余裕が出来て一部は尖頭的に船明に向けて発電出来てるようである(船明運開前からというか秋葉ダム竣 工時から秋葉第二は設置されてたから逆調整池は無いまま尖頭運用が可能であったとはいえるが。広い天竜川の河道を用いた逆調整か?)

今,大千瀬ダム(30m3/s)やら気田川(20m3/s)やら水窪川で流入してくる水が50m3/s分程ある(相津で使う予定としてた)。

これらの水を一旦横山に貯めて横山ダムから船明ダムへはこれまで秋葉第二が直接放り込んできた116m3/s程を新規発電所として開発すれば船明の運用は 此迄通と成る筈である(船明の発電に使えず流出してた分がこれでは改善されていないが悪化はしない筈。船明には二俣川や阿多古川から取 水して上流で確保した水(大千瀬・久根からの20m3/s・気田からの20m3/s等)と併せて最後に上野部辺りへ向けて発電したいのでさらなる対策は考 えたい→こちらで検討する。天竜川の河道は秋葉第二が最終の放水だった事もあるし 110m3/s程の放流も大したことないのかも。(鹿島地点の正常流量 を概ね86m3/sとするのだそうな=ソース:国 交省)

ということで相津構想を二分割して光明発電所(勿論光明電気鉄道オマージュであるw),遠江横山ダム(勿論国鉄バス天竜本線オマージュで(ry…),横山 発電所に分割する。

整理するとこんな感じか:

[私案]光明発電所   
出力:16,800~11,200kW[+16.8MW]
水量:60~40m3/s
落差:33m
取水:気田川[気田川秋葉ダム]108m
放水:気田川[遠江横山ダム]70m

[新設私案]遠江横山ダム  
満水位:70m[秋葉第二発電所放水位が基準]
湛水面積:1.38km2(138ha)
使用水深:3m
有効貯水量:413万m3