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23.5.21独立
有峰・和田川有峰(和田川左岸)ルー ト(21.7逍遙)(23.5逍遙) (23.7踏破)

常願寺 川概観常願寺川・称名川立 山付近有峰開発[和 田川第一 ルート[水量小](別 頁):和田川第二ルート[水量中]有峰 ルート[水量大](本頁)有峰引水]・小 口川・祐延ダム(神通川水系)熊野川(神通川水系)跡津川【計画】常西用水・常東用水

地図(マップル)に国 土地理院に描かれた水路や送電線(残念ながら発電所名は未載)や水 力ドットコムやネット地図(今回はグー グルマップが役立った)を動員して直接書き込んでいったらぐっちゃぐちゃになって訳解らんくなったので整理の為に検索掛けたら北電の有峰に関する ページが見つかった(鳥瞰図)。ここでは水量的に重要な有峰左岸ルートを概観する。最新のルートで発電所に有峰の名が関されてるので有峰 ルートと仮称しておく。


●有峰ダム和 田川右岸在来 ルート[水量小]:有峰ダム→和田川第一6.80● (和田川放水)→亀谷6.12→中地山6.12●→(牛首川取水→小見11.91→)─ [小口川渡河] →松ノ木17.59→上滝17.59─(和田川第2ルートと合流)→常西用水

●有峰ダム和田川右岸新ルート [水量中]有峰引水有峰ダム【発電所配置の謎】和田川第二32.20→ 新中地山ダム新中地山33.00→ (有峰ダム左岸ルートと合流)小俣ダム▲V=58.7 万m3→小俣30.00─ (和田川第1ルートと合流)→常西用水・和田川新ルート増強案

●有峰ダム有 峰ルート(和田川左 岸ルート)[水量大](本 頁):有峰ダム有峰開発有 峰 第一74.00m3/s→有峰第 二 74.00m3/s→小口川ダムV=146.9万m3▲→有峰第三26.00m3/s→(有峰ダム右岸和田第二 ルートと合流)小俣ダムV=58.7万m3▲→ 小 俣ダム発電所30.00m3/s→小俣30.00m3/s─ (和田川第1ルートと合流)上滝発電所放水池→常西用水

【開発案】
第一期増強案:新小俣ダム新小俣発電所(+44.7MW)開発  第二期増強案:横江堰堤横江発電所[+20.8MW] (案) 松ノ木堰堤新松ノ木発電所[+9.7MW](案) 比較較検討 小口川ダムの有効活用 有峰増強・和田川増強・統合案[+21.4MW]


使用水量が減少する箇所(▲)を見ると小俣ダムと小口川ダムがある。特に小俣ダムではピーク時の大量の水を放水する両ルートが重なってるのに,である。こ こで水が溢れるんじゃないかと心配になるが(=素人の俺は心配になっていたが),ほぼ完璧に管理された有峰ダムの水流なので寧ろ此処迄使って大容量の水量 で尖頭電力発電を行っているのであ る。この様なダムを逆調整池という。本項で は下 流に逆調整池を新設して現在 有峰第二PSで終わってる大 容量水力発電による調整能力向上によって再エネ電力時代に相応しい系統罔を確保せんと するのが主なアジェンダとなる。


鳥瞰図の内,ここで取り扱うのは概ね以下の範囲の流域で本項で扱うルートは一番右側である。

有峰第一~第三発電所は1981年と比較的新しく開発された発電所で巨大水量74m3/sで第一265MW・第二120MWで合計385MWを叩き出す。 とはいえこんなに頑張っても1GWの半分も行かない訳で,老朽化した石炭火発と活断層の疑いが政治的にひっくり返された疑いのある原発を抱え,調整力電源 のLNG火発の開発が遅れて,発電力不足に悩む陸電の苦悩は深い。嘗ては水力発電主体の電力料金の安い優良電力会社だったんだけどねえ。。国の水力発電開 発優遇策で中大規模水力開発の再開を望みたい所である。

さて本ルートは尖頭用で先ずは有峰第一第二で発電した後,一旦小口川ダム更には小俣ダム合計V=205.6MWに 貯めて流れを平準化した上で常西用水など へ給水する運用の様である。
概ね75m3/sで流下する有峰ルートの小口川ダムがV=150万m3で奔流(=尖頭発電時の最大使用水量w)を受け止め,概ね30m3/sちょいで流下 する和田川新ルート(真ん中のルート)がV=60万m3の小俣ダムで奔流を受け止めて以下では逆調整の済んだ穏やかな常時流量的な流れにして常願寺川両岸 の用水路へ送り込んでいるようである。詰まり尖頭用最大使用水量1m3/s当た り,2万m3の逆調整池の貯水量があれば良さそうと云う法則性が見受けられるのである。5時間半である。まあこれだけピークが続く事も余り ないであろうからこれで充分という感じか。ここでは毎時30m3/sで下流にも流せるしもっと時間は持つ。
ということでもう一段下 流に合計200万m3の貯水 池を建設すれば小俣ダムに集まる30+75=105m3/sの水をもう一段尖頭用発電に使えるのではないか??少なくとも有峰第三は小俣ダ ムで引き受けて貰うとしてそれと並行して100万m3のダムを建設すれば最大使用水量 50m3/s程度の発電所を建設出来そうである。


~和田川~

有峰ダ ム[便覧] [水 力][水力] [wiki] [→和田川ルート・有峰湖]     
目的   P
堤高    140m
流域面積/湛水面積     219.9km2 ( 直接:49.9km2 間接:170km2 ) /512ha
総貯水容量/有効貯水容量     2億2,200.0万m3/2億400.0万m3
ダム事業者     北陸電力(株)
着手/竣工     1956/1959
    堤頂標高:1089.00m     設計洪水位標高:1088.00m(サーチャージ)
    常時満水位標高:1088.00m(1964年竣工の水位嵩上げ工事前迄は1,087m)    越流頂標高:1081.30m
    有峰第一発電所取水口標高:1040.00m付近    最低水位標高:1015.00m
    和田川第一、第二発電所取水口標高:1004.00m     基礎標高: 949  m
取水:神通川水系金木戸川[有峰引水]真川[折立、折立増設発電所]・和田川
放水:和田川第一発電所6.8m3/s(1959.6)・真川発電所(8.35m3/s・1927)・和田川第二発電所32.20m3/s (1959.6)・有峰第一発電所(1981)74.00m3/s・有峰ダム発電所(2011)0.17m3/s

折立の手前の展望台より
23.7

【有峰電源開発計画】    
1980年代に建設されたルートを扱う本項とは時期的には前後するが,戦後北陸電力が最初に建 設した際の文書をネットで発掘。その全体図を掲げる。
これは初期計画なので有峰ルートは載っていない他,真川からの取水方法が当初と事なり一箇所である。
実際には折立発電所への導水と岩井谷・スゴ谷からの導水は水色の線の様に分離された。(マウスオーバー)。その後岩井谷・スゴ谷方面からの水にも折立(増 設)発電所が設置された(青い四角)という経緯 のようである。
出典:土木学会
下の方に定規図が載ってるが,既設コンクリートとある。wikiに よると,戦前に富山県が県営で有峰にダムを建設しようとして実際に有峰盆地を買収し,建設も進んだが(ここも)戦争で中止の憂き目をみたとのことである。 ここは泰阜ダムと同じく中止され,王滝川発電所や上松発電所なんかは続行されたという訳か。
>1920年(大 正9年)、富山県は常願寺川の支流・和田川上流に位置する有峰盆地一帯を買収。 将来のダム建設を見据えての行動で、住民は補償金23万円(当時)をもって集団離村した。
>有峰盆地を県有地に置いた富山県は、1923年(大正12年)に富山県営電気事業計画をまとめ…1934年(昭和9年)の水害をきっかけに、1935年(昭和10年)、ついに 富山県議会はダム建設を議決した。
>工事は1937 年(昭和12年)6月に開始され、1938年(昭和13年)に本格的な着工を見せた。しかし、1937年(昭和12年)の日中戦争により戦 争への道を歩み始めた日本は…1942年(昭和17年)、有峰ダ ム建設事業を日本発送電に引き継がせた。その後も太平洋戦争は激化の一途をたどり、…ついに1943年(昭和18年)9月、全 工事は中止され、1945年末までに工事用機械器具や仮設備などが撤去された。基礎掘削は20万立方メートル中16万3,000立方メート ルが完了しており、ダム建設で打設するコンクリートの総量70万立方メートル中その20パーセントである13万8,000立方メートルが打設済みで、発電 所の土木工事も有峰発電所47%、大品山発電所27%、真川発電所40%(とは註:富 山県電気局が1930に運開させている真川発電所とは別物?それとも大品山発電所の放流を受けて発電する真川発電所の拡張工事?)を終えたことろ での中止となった。

この最後の部分,打設済の13万8000m3のコンクリートが上の既設コンクリートEL.984.7m迄基礎として出来てた様だ。全く同じ場所に造ったん だな。

また別の論文には
>当時の(とは註:戦前に着手された)計画はJ.A.P.(とは註:常願寺ー有峰計画)にくらべてダムの高さは30m低く,発電力も約 1/4にすぎなかつた。[土 木学会
とある。
この文章は有峰ルート(和田川左岸ルート)が1980年代に完成する遙か前のことなので左岸ルートは勿論,小俣ダム発電所もない段階であるが,折立・和田 川第一・第二・新中地山・小俣・常願寺第一で261.4MWしかなく,その1/4なので65MW程度の計画だったか。

以下の様な文章も発見。当時の熱心な富山県電気局の意慾は私も感じているところであった。
>小口川第三の祐延ダムは重力式ダム,小口川第二の真立ダム及び真川発電所の調整池ダムは扶壁式ダムで当時東大教授物部博士の設計計算によって作 られたといわれて いる。 当時,富山県電気局は水力開発の意欲が旺盛で,伊藤令二,中村光四郎,の電力土木の経験者を技術顧問として招へい し,中地山,松 ノ木,上滝,称名川,真川,小見等 の発電所の建設と並行して大正12年よ り有峰ダムの開発計画を行い,昭和12年 に有峰ダム高 さ110m,4発電所 50,000KWの開発に着工 した。[JSTAGE

65MWところか50MWだったようだ

ダムが30m嵩上げされたとあるが,水力さんの有峰ダムレポでは満水位迄1.5mの写真もみた。戦争での中断を奇貨に戦後仕切り直すことでより貯水量に余 裕が出来たのはてとても良かった♪

結果的に戦後に巨大水力発電所としてより巨大化して建設できて良かったが戦前からの富山県の息の長い準備もあっての実現だと云う事も忘れてはなるまい。建 設が途中で中止された有峰発電所,大品山発電所,真川発電所がそれぞれどれかは知りたい所。真川は現在の真川発電所なのかな??1930年運開であり,開設者は富山県電気局である。 大増強する感じだったのかな。大品山は真川発電所と有峰ダムの中間付近にある山である。更に別の計画も判明!

>昭和31年(とは註:1956年)北陸電力により,ようやく再開の機運に恵まれることと なつたのである。再開に際し計画は徹底的に検討された。最 初に問題になったのは有峰貯水池のすぐ裏側にある跡津貯水池計画(→こちらも参照)との 関連である。この跡津貯水池も日本発送電により有望な貯水池地点として計画されていた が実現しなかつた。有 峰,跡津および金木戸川の余剰水利用を連携することによつて揚水式発電を加味したのが約270 000 kWのいわゆるA.A.P.(有峰,跡津計画)である。この計画は着工直前,常願寺川用水組合の反対と跡津貯水池地点の鉱業権補償の難航の 二つの理由で, 現在のJ.A.P.計画に変更されたが,跡津貯水池計画は将来の開発地点としてのこされたのである。[土 木学会

今日に至るまで神通川水系の高原川流域に貯水池がないのは禍根を残しているとも云える。跡津川は多少下流寄りではあるのでこれによって安定化する流域が限 られてるのは残念だが,水流の安定化と発電量の増加に大いに資するであろう。

また運用に関して以下の様な文章を発見。

>有峰貯水池の機能は,豊水期と渇水期との調節であり,大体.4月,5月,6月, 7月および10月, 11月の豊水期流量を貯留し,夏季は8月, 9月の渇水期,冬季は12月, 1月, 2月, 3月の渇水期に放流し,発電量の季節的調節をはかると同時に,潅漑用水における夏季渇水期 の不足を補充することである[JSTAGE/水利科学
跡津川と絡めた巨大開発は農民の反対で実現しなかったが,夏期渇水期の懸念が大きかったという事か。

ダム諸元によると
>有峰第一発電所取水口標高:1040.00m付近    最低水位標高:1015.00m   和田川第一、第二発電所取水口標高:1004.00m     基礎標高: 949  m
とのことである。ピーク電源の有峰ルートであるが最低取水位が1015mと和田第一第二取水位に比べてだいぶ高い。その分出力もデカいのだが,膨大な水量 の有峰湖も渇水した場合は第一・第二からのみの取水となるようだ・・


左岸ルート・有峰ルートの取水塔。後付けで堰堤から離れた場所に設置されている。
23.7
上の給水塔の陸地側の建物に水利標識が貼り付けられていた

拡大。



<左岸ルート>

北陸電力(株) 有峰第一発電所[水力]      
富山県富山市亀谷
運開:1981.7
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:265,000kW   常時出力:0kW
最大使用水量:74.00m3/s
有効落差:411.00m
水車: 立軸フランシス 出力266000kW(最大出力270000kW)×1台
導水路:総延長4896.0m
取水:和田川[有峰ダム]1077.0m
放水:有峰第二発電所(和田川沿い)637.0m

論文[ター ボ機械1991.10]に拠ると有峰第一と第二は完全に連動して運転しているようである。
「発電専用機としては国内最大機」との表現もある。265MWは伊達ではない♪
が,勿論,火発と比べてその出力の小ささは如何ともし難いものはある。

有峰林道の本線格の小見線の新 鬼ヶ城トンネルの脇から入った所に有峰第一はある。
23.7
建屋はなんなのかよく判らない構造物の上に立っているが,その構造物の上を流れる建物脇の水流は発電所の放流水では無く自然河川[地 理院名称不明の沢(川の名前 地図)G マップ] の様である。
構造物の下部には穴があいてるけど,人工地盤の下にも土砂が流れ込むなりなんなりして地盤そのものを守れるようになってたりするのかね??

論文[ター ボ機械1991.10]に拠ると
>保守は月2回の巡視点検及び定期点検保守等を行っており、…通常の交通手段は車両によるが、冬季はヘリコプター利用により対応している。
とあるが,G 空撮では近くにヘリポートも見える。全然なんだか判らずに下からヘリポートを見上げて撮った図。

有峰第一と第二は直結していて,ここで外部との水のやりとりは全く行われていないらしい。有効落差400m超だけど高落差に強いペルトンでは無く落差変動 に強いフランシスなのは有峰ダムの水位変動に備えてのものか?


~小口川~

北陸電力株式会社 有峰第二発電所[水力]       
所在地:富山県富山市水須
運開:1981.7
水路式・流込式
認可最大出力:120,000kW   常時出力:0kW
 最大使用水量:74.00m3/s
 有効落差:189.00m
    水車: 出力123000kW×1台
    導水路:総延長5858.0m
    流域面積:220.0平方キロメートル
    取水:有峰第一発電所(和田川沿い) 637.00m
    放水:小口川[小口川ダム]424m

信号待ちのあるトンネルを何本か抜けると見えてくる有峰第二。古い発電所は地形に沿って水圧鉄管が山の斜面を降りてくるけど此処は恐らく流体力学上最適化 された勾配で駆け下りて来るのであろう。途中で浮き上がって方向変えたりしててちょっと気持ち悪い。
23.7
湖面はこんな感じ。割と低貯水率の様に見受けられた。梅雨の水を貯めたりはしないのか?

23.7


小口川(おぐちがわ)ダム便覧        
北陸電力(株)目的:発電
堤高/堤頂長:72m/245m
流域面積/湛水面積:251.1km2 ( 直接:31.1km2 間接:220km2 ) /11ha
総貯水容量/有効貯水容量:271.8万m3/146.9万m3
着手/竣工:1977/1981
受水:有峰第二74.00m3/s 424.0m
送水:有峰第三26.00m3/s 429.0m

上流から有峰第二74m3/sが小口川ダムに流れ込み,小口川ダムで貯水。
小口川ダムからは有峰第三が26.00m3/sで取水して小俣ダムに放水
よくあるピーク電源と通常電源の使用時間差の緩衝用ダムである。

最大出力時に48m3/sがダムに貯留。有効貯水容量は146.9万m3。
ダムが空の状態から満水になるのに8.5時間。まあピークとしては十分な量か。

角張った印象の小口川ダムである。谷を塞ぐ威圧感が強い♪ (この規模の貯水量にしては堤頂長は長めの245mもある。)
23.7
近接

なんかの部品

裏側。割と水位は低めのようだ。


さて,二回目はまさかの冬季通行止(もうじき6月にならんとする5月末)を喰らった有峰林道小口川線だが,満を持して挑戦の23.7末は無事通行出来た。
有峰のコンテンツは基本的に有峰ダムを起点に上流から下って記述しているので沿川レポと通行順が逆になってしまって当日のテンションをお伝えし難いが,念 願の小口川線進入直後にいきなり信号付きの狭小トンネル登場でテンション爆上がりである。
この直後に角張った格好いい小口川ダムを拝めるという演出である。




有峰第三発電所[水力]        
北陸電力(株) 運開:1981.5
ダム式・調整池式
最大出力:20,000kW 常時:0kW
    最大使用水量:26.00m3/s
    有効落差:92.00m
    水車:20700kW×1台
    流域面積:251.1平方キロメートル
    取水:小口川[小口川ダム]429.00m
    放水:小口川[放水工小俣ダム]330.30m
21.7
今回(21.7)は林道の有料区間は入らないと云うコンセプトでの訪問だった。橋の向こうの小さな建物が有峰林道小口川線の入口の料金所である。
小口川ダム直下の有峰第三は見れないかと思ってたけど,地下式の有峰第三,入口 が有料区間前の料金所の脇にあって写真が撮れた。熊野川を下流側から訪 問・探訪して山の 中を彷徨ったらひょっこり此処に出て来たのもこの時である。
別の時(23.5末)は,今回は林道攻めるぞと勇躍此処に到着するも冬季(!?)通行止めでしかも小口川線は7月から(小見線は6月から)と掲示されてお り,呆然と看板を見たのも此処である。このときは急遽神通川に 進路を取った。


【小俣(おまた)ダム】
小見・小口同様小俣の小も「お」訓(よ)みである。
ただ地名としては才覚寺(左岸)や中地山(右岸)であり,小俣に造られた小俣発電所へ導水する為のダムな ので遙か離れた場所にあって小俣無関係なのに小俣ダム(→諸元)と名付けられてしまった。
更に小俣ダムと小俣発電所の未利用落差を使い切るために小俣ダム発電所も挿入されてこの辺の小俣アピー ルが強い。せめて小俣ダム発電所は才覚寺発電所としてほしかった。
またこの小俣ダム,有効貯留量は60万トン弱と小ぶりながら,有峰第三電発所(→有峰ルート [本稿])と小口川第一(→小口川ルート)と新 中地山(→和田川新ルート)の放流先となっており,重要なジャンクションを形成している。
またダム堤体のちょっと下の方を,直接絡まないが,中地山発電所と小見発電所の合流の水路橋が走っている。

有峰第三発電所放流口(小俣ダム)[→有峰第三発電所
更にダム湖上流部ではお隣り左岸ルートの有峰第三からの 放流水も小俣ダムに合流する。凄い量の濁流(多分 最大使用水量26m3/s)を流していた(26m3/sでこの迫力だと74m3/sとかだとどんな感じになるのかよく解らない。危なくてこの距離では見れ ない感じ)。
濁流なので爽やかさみたいなのは全くなかったけど漂う冷気で辺りはひんやりと涼しかった。

小俣ダムの満水位(=小俣ダム発電所の取水位)=有峰第三の放水位なので満水位だとこの取水口が隠れる位の水でダム湖が一杯になる様だ。
小口川ダムで有峰からの75m3/sの放流は停まるがもし此処迄75m3/sで流すとこの3倍超の水が噴き出してくると云うことになるんだな。
どうみても放流水みたいな仕事終わった感じでは無く未だ水車とかガンガン回して発電出来そうなパワーは漲らせてる感じである。満水とか色々考えるとこうな るのであろう。。
21.7
23.5に再訪時は放水してなかった。めっちゃ穏やかで印象が全く異なる。
23.5
23.7三訪時にも放水はしてなかった。


その下流には新中地山発電所小口川第一という異なる発電所が同一の建屋に入っている発電所がある。
21.7
小俣ダムは和田川右岸ルートの建設に伴い1960年に竣工。以降は有峰ルートと云うよりは和田川新ルート共用区間である。
和田川ルートの新中地発電所・祐延ルートの小口川第一発電所・有峰ルートの有峰第三が流れ混み,そして小俣発電所と上野用水へ給水する。

こうして小俣ダムはジャンクションとして機能しているのである。

小 俣(おまた)ダム[→和田川新ルート
北陸電力(株) 目的:発電
堤高/堤頂長:37m/131.5m
流域面積/湛水面積:274.6km2 ( 直接:36.6km2 間接:238km2 ) /7ha →7ha=7万m2で有効貯水量は58.7万m3だと平均利用水深(?)は約8.3mって感じか。
総貯水容量/有効貯水容量:76.1万m3/58.7万m3
着手/竣工:1958/1960
取水:小口川[小口川第一1924・2.61m3/s・ EL.328.1m・新中地山発電所1959・33m3/s・ EL.326.24m・有峰第三1981・26.00m3/s・EL.330.30m(・有峰第二 [48m3/s])]←放水位は3発電所で微妙に異なる。これが何を意味するのか。。
送水:小俣ダム発電所(30m3/s)[EL.330m]・上野用水

小俣ダム(EL=320m)には本項で扱っている有峰ルートの有峰第三26.00m3/sの他,祐延 ルートの小口川第一2.61m3/s・和田川新ルートの新中地山33.0m3/sの合計 61.61m3/sが流れ込 む。
有峰ルートの逆調整池は有峰第三の小口川ダムであるので,ここは祐延ルート和田川新ルートの逆調整池となる。
小口川ダムと小俣ダムを併せて有峰からの尖頭電力用水力を均して小俣ダム・小俣発電所を経て常西用水へ流している。
21.7
ダム直下の様子。左手(左岸)に蓋がされた水路が見えるが小俣発電所行き30m3/sではなく模式図の(慣)上野用水がこれなのであろう。
21.7
21.7行った日は梅雨の合間の晴の日で,前日も大雨だったのであろう。茶色の濁流でワイルドなダムという印象を残した。

小俣発電所・小俣ダム発電所への取水口は多分これ。
21.7
どれも古いなあという印象。(小俣ダムの竣工は1960)
余り水深深くすると新中地山と小口第一の発電に支障を来すけど更新工事兼ねて貯留量あげられないのかねえ。。

この後,水は小俣ダム発電所・小俣発電所を経て常願寺川沿岸用水土地改良区の合口用水(放 水位EL188m)へ注がれる。

小 俣ダム発電所[水力] [→和田川ルート]    
所在地:富山県富山市才覚地
運開:1960.11
ダム式・調整池式
認可最大出力:3,200kW      常時出力:1,000kW
最大使用水量:30.00m3/s
有効落差:13.00m
水車:出力3350kW×1台
取水:小口川[小俣ダム]330.3m
放水:小俣発電所317.0m

小俣ダムの存在感に比して小俣にある小俣発電所は常願寺川から丘を一つ越えた目立たな い小俣にあって行きにくい場所にある。
行きにくいどことか辿り着けなかった。東小俣総代の許可がないと進入不可とのことであった。
発電所を見たいと云ったら許可してくれたのかな??
21.7
水力さんに寄ると別 の道路が通じている上部水槽は近づけた様だ。そっちだけでも見に行けば良かった(→23.5行ってきた♪[→現地レポ])
23.5

小俣発電所[水力][→和田川ルート
運開:1960.11
所在地:富山県富 山市東小俣
水路式・流込式
認可最大出力:33,600kW(出力増加前32,700kW)   常時出力:13,700kW(増加前)
最大使用水量:30.00m3/s
有効落差:128.57m
    水車:出力33700kW×1台
導水路:総延長4,575.0m/放水路:総延長2,407.0m
流域面積:275.4平方キロメートル
取水:(小俣ダム[30m3/s]→)小俣ダム発電所(317m)
放水:上滝発電所放水池[常願寺川第一発電所、常西合口用水](178.03m)

ここから目の前の熊野川支流には流さず(従来ルートの)上滝発電所よ りも 東側に放水するイメージ図の記述なんだけど地理院にそれっぽい水路も描 かれて無く詳細は不明。

上滝発電所の直ぐ隣の放 水路っぽい此処に出たりするのかな?更にその隣が両岸分水工から川を渡ってくる水路橋の導水先か?

此処ならほぼ高低差なく無駄もないし,また各種の記述とも矛盾は今の所ない。




【新小俣ダム建設】     

冒頭で見た様に,現在逆調整している小口川より下流に更に貯留量を設定すると其処迄全力で放流(尖頭発電)出来る。
取水位は小口川ダムの429m(最低水位はもっと低そう)で,差 し当たり使用水量は 50m3/s。送水先の合口用水までの何処かで要放水。
小口川ダムの75m3/sでV=150万m3必要なので50m3/sだと100万m3は欲しい。(小口川の貯留量が浮いてしまうけど降雨時に貯めておくなど使い途はあるだろう。)

ダムに適した場所を探すとなると矢張り下流方向で有り,矢張り小俣川になる。
小俣川上流(EL.245m 付近)に小俣発電所の取水位である満水位 320m程度満水位320mでダムを造ると8.4ha。利用水深は10m。90万m3弱となった。
(実際は取水位は317mなので30m3/sの嵩を処理する導水路の高さ が4.0mあるので314mから324mぐらいの水を使える感じか?)。まあ何とか許容範囲か。
残る60万m3程は引き続き小口川ダムを逆調整として利用することなる。

発電所とダムのスペックはこんな感じになるか。

[私案]新小俣発電所or有峰第四発電所
出力:44,700kW[+44.7MW]
水量:50m3/s
落差:105m
取水:小口川[小口川ダム]429m
放水:小俣川[新小俣ダム]318m

[私案]新小俣ダム
堤体場所:小俣川(EL.245m 付近) 満水位320m 湛水面積:8.4ha 有効貯水量:88万m3

冒頭の鳥瞰図に書き込むとこんな感じである。こ の 色 々ごてごて追加して検討 した 結果辿り着いた必要最低限の投資の機能美を みよ♪(笑)


【尖頭需要・調整力様電源の更なる増強】       
更に全量を尖頭用として使い切る為にも新小俣案に加えて更に下流に逆調整池を探す。上の地図にもフライング気味に書き込んである★★が本来は和田川新ルートの尖頭水をより下流まで持って行く為の検討した横江頭首工に向けて新小俣発電所で発電後の30m3/s程度 で送って発電するのも良さそう(→横江案) 。もしくは松ノ木発電所脇に新松ノ木発電所と松ノ駅堰堤を建設する案もあり得よう(→松ノ木案)。

【横江堰堤案→発電所堰堤問題点】    
湛水面積は満水位240mで17.1ha程取れそうである。利用水深4mとして浚渫などして60万m3程取れそう。ギリ30m3/sで尖頭発電出来そうで ある。
内5m3/s程度は新小俣から溢れる分なのでその分を小俣ダムで止めて貯めて置くと,有峰第三からのピーク時水量26m3/s(こちらは小俣ダムと小俣ダム発電所(最大30m3/s)を通じて導水)と併せてピッタリ 30m3/s分となる。

さて,横江案を踏まえると鳥瞰図は 以下の様に拡張されよう。

75m3/sの有峰ルートの水は50m3/sは新小俣発電所を介して新小俣ダムに流れ込む。25m3/sは有峰第三を通じて小俣ダムに流れ込む。
新小俣の内5m3/sが余るのでこれと小俣ダムに流れ込んだ25m3/sを使って合計30m3/sで横江発電所で発電して逆調整である。あとは雄山第一と中滝を経て上滝放水池に至ることになる。横江発電所の諸元は以下のような感じか?

[新設私案]横江発電所     
出力:17,900kW~20,800kW[+20.8MW]
水量:30~35m3/s
有効落差:68m
取水:小俣ダム発電所・新小俣ダム310m
放水:横江堰堤238m

[新設私案]横江堰堤    
流域面積:
貯留量:60万m3

横江堰堤(案)()の運用上の問題点は3点ほどあって,①点目は 均された水による小俣ダムの発電量が減ってしまう(横江堰堤から小俣へは送れない)と②水そのものは小俣が停止時に全量横江頭首工から取水出来ように設備 容量は確保されているものの発電量が少ない(横江から上滝発電所放水池の間に雄山第一及び中滝の発電所があるが,水量的にも有効落差的にも劣後するので水 が無駄になってしまう。)そして③逆調整の機能を下流に移す分,小口川ダムの施設が遊んでしまうという点も出てくる。

③に関しては下で解消策も提示しているが,新小俣ダム90万m3と横江堰堤調整池60万m3で折角ぴったり小口川ダムの150万m3分を確保出来たけど別案も検討してみる。ちょっと上の松ノ木に堰堤を設置してみる。

【松ノ木堰堤案[→発電所堰堤水流量纏め]】    
常願寺川方面の開発は称名川放水点で称名川から,瀬戸蔵で小見,本宮で松ノ木の水を新たに取水するぐらいは思いつくのだけど取水した後はな かなか難しい。既存の水路を増強するのは大変そうである。
調整電源化した場合はどこかで逆調整池を設ける必要があるがその候補が常願寺脇に川が流れている松ノ木PS(取水位300.26m)の脇に堰堤・調整池を造るぐらいである。
横江・松ノ木と本流に調整池を連発しても大丈夫かな??
砂防堰堤の強化で随分安全な川には成った印象はある。砂防堰堤は絶えず土砂の流入で埋まっていくし不断の整備が不可欠かも知れぬ。

一方で横江堰堤案にも問題はあるので代替案を模索する中で松ノ木堰堤を有峰ルートの逆調整池とする可能性も考えられる。
となると小俣ダム発電所(放水位317m)から松ノ木PSの脇に新松ノ木発電所 (松ノ木発電所3号機)を建設して松ノ木発電所と新松ノ木発電所の共用の逆調整池を建設,その後平準化した水で上滝発電所で発電する感じか。

古くて趣のある(一応登録文化財のようである)松ノ木発電所建屋前の河原は現状で低利用地である。。

松ノ木堰堤(案)であるが,松ノ木発電所の放水位が247.58m(結構低い,,)であり, 上滝発電所の取水位は247.58mとなっている。つまり両発電所は完全に一体化して運用しているようであるが,現地では叢(くさむら)に隠れてこの辺に溝があってこの辺は地図だと251mであるのがこの辺の標高が248m程度なのかも。
21.7
水面下数mなら放水出来るという例のごとくの松 尾川笠置発電所の例などを見ても放水が水面下数mならなんとか成り そうの法則発動して此処らに満水位255m程度の調整池を設置する。満水位250m以下ぐらいになれば松ノ木発電所から放流する等でよさそう。満水位255mで湛水面積15万m2とれそう。全体で42万m3程度という感じである。

概ね上滝の取水が可能とおぼしき247m程度迄の水深を使うとして有効貯水量はやや小さめの42万m3程度の推計値であった。諸元を提示すると以下のごとくなる。

[私案]新松ノ木発電所or松ノ木発電所3号機[→和田川新ルート]    
出力:9,700kW[+9.7MW]
水量:20m3/s
有効落差:57m
取水:小俣ダム発電所317m
放水:常願寺川[松ノ木堰堤]255m

[私案]松ノ木堰堤      
流域面積:
湛水面積:14ha
有効貯水量:42万m3

現行松ノ木発電所の脇の常願寺川に放流・逆調整するので松ノ木へ通じる,真川・小見・和田第一・亀谷・中地山・松ノ木を流れる一連のの水も此処で逆調整出来る事になる(松ノ木発電 所地点で水量は17.59m3/sである・意識的に調節出来る水量としては和田川第一の6.8m3/sと真川の有峰からの6m3/sと12m3/s程度か?)が,貯水量は余りとれないのでこの面は深追いしない方がよさそう。

【現行】
尖頭時:
有峰ダム→和田川新ルート30m3/s→小俣ダム(逆調整)
有峰ダム→有峰ルート75m3/s→小口川ダム(逆調整)

平常時:
小俣ダム・小口川ダム(逆調整分)─30m3/s→常西用水

という流れである。これを

【増強案】
尖頭時:
有峰ダム→和田川新ルート35m3/s(小口川分含む)→小俣ダム
有峰ダム→有峰ルート75m3/s→小口川ダム(10m3/s分逆調整)─45m3/s分→新小俣ダム(逆調整)
                        └20m3/s分→小俣ダム─20m3/s分→松ノ木ダム(逆調整)
平常時: 
新小俣ダム・小口川ダム(逆調整分)・新小俣ダム・小俣ダム─24.5m3/s→常西用水
松ノ木堰堤─5.5m3/s→上滝発電所→常西用水

という形にするのである。小俣発電所の発電量減少分は30%程度で後述の小口川ダムへの導水で十分対応出来そう。

有峰ルートを動かさない場合(例えば有峰ダムが低水位の場合)でも松ノ木堰堤に向けて20m3/sは水を送り込める。つまり尖頭発電がより下流迄出来るように成るのである。勿論その分平常時(非尖頭時の発電力は減るのだが,これら は尖頭時という発想ではなく調整力という発想の方が良いかも知れない。)


【小口川ダム有効活用】
新小俣ダムと松ノ木堰堤で今小口川ダムがやってる逆調整を下流に持って行くことで調整力電源を充実させることが出来た。
一 方で,有峰第三・小俣ダム・小俣で尖頭発電に使った水を均して安定的に発電していた部分は小俣と上滝になり,その部分の発電量は減ってしまう。また小口川 ダムの使い途が減ってしまい小口川ダムでは新小俣(案)では50m3/s分V=100万m3分ほど,松ノ木堰堤(案)だと130万m3程容量が空くが,上 流の24,7km2からの水を新に貯められるようにはなる。

更により抜本的で,且つ中途半端に小見辺りを強化するよりは効率的だと思われる案に常願寺川本流からの導水が考えられるであろう。
小口川ダムの満水位は429.0mである。これに向けて送水するとなると和田川はここら(和田川第一~亀谷間),常願寺川はここら(瀬戸蔵砂防堰堤付近)となる。約7.9km。

称名川発電所の使用水量が少ないばかりか,称名川SP放水点で取水もしてないなど,改善の余地ありの小見の増強など色々考えたけどこいつがあれば小見の取り損ねた分を取水できるので不要かという感じではある。
小口川に貯めた水は時間帯に応じて有峰第三・新小俣・小俣ダム発電所・新松ノ木・小俣へと流して発電出来る。特に発電所(容量)の増強は不要で発電量は増やせるしちょっと導水距離は長めだけどやる価値はありそうである。
この辺は導水路が四通八通しているので柔軟に水を流せそうで,横江頭首工に水が足りないとなると発電を取りやめて新松ノ木で発電した後そのまま松ノ木堰堤から横江へ流すことも出来る。

【和田川新ルート増強・有峰増強すりあわせ】
さて,有峰増強の結果新小俣ダムと更に拡張するなら横江or松ノ木で松ノ木,和田川新ルートでの増強で松ノ木or横江で松ノ木となったが,横江調整池がV=60万m3程で松ノ木堰堤が両方ルートの受け皿になるほどの規模ではなく42万ほどであった。

ということで攻めるなら両方つくってしまえ,となる。鳥瞰図は以下の様になる。

また上の水流量案は以下の様に変更になる

【増強案】
尖頭時:
有峰ダム→和田川新ルート35m3/s(小口川分含む)→小俣ダム
有峰ダム→有峰ルート75m3/s→小口川ダム(5m3/s分逆調整)─50m3/s分→新小俣ダム(逆調整)─5m3/s分→横江堰堤
                        └20m3/s分→小俣ダム─20m3/s分●→松ノ木ダム(逆調整)
有峰ダム→和田川新ルート・小口川35m3/s→小俣ダム(10m3/s分逆調整)─25m3/s分●→横江堰堤

平常時: 
・小口川ダム(5m3/s逆調整分)・新小俣ダム(45m3/s分)・小俣ダム(逆調整分10m3/s)─16m3/s─小俣発電所→常西用水
松ノ木堰堤(20m3/s分)─5.5m3/s→上滝発電所→常西用水
横江堰堤(30m3/s分)─8.1m3/s→雄山第一発電所→常西用水

小俣発電所経由がそこそこ減ってしまうが,或る程度は小口川ダム導水で対応は出来るのではないか?現行で逆調整して小俣ダムと分担して貯留量で比をとると平均20m3/s分ぐらい供給出来ていそうである。更にやるなら本宮堰堤→小俣ダムの導水で小俣への水量を確保するのもありか。
そして本件では重複する小俣ダム発電所の能力を+15m3/s程した方がよさそうである。

[増強私案]小俣ダム発電所 [→和田川ルート]    
ダム式・調整池式
認可最大出力:4,800kW[+1.6MW] 
最大使用水量:45.00m3/s[+15m3/s]
有効落差:13.00m
水車:出力3350kW×1台+1750kW×もう1台
取水:小口川[小俣ダム]330.3m
放水:小俣発電所(Max30m3/s)・新松ノ木発電所(Max20m3/s)・横江発電所(Max30m3/s) 317.0m

[新設私案]横江発電所
出力:17,900kW[+17.9MW]
水量:30m3/s
有効落差:68m
取水:小俣ダム発電所・新小俣ダム310m
放水:横江堰堤238m

[私案]横江堰堤・頭首工
満水位:240m 利用水深:6m 有効貯水量:62.5万m3
取水:常願寺川・横江発電所
送水:常願寺川両岸分水工

この現行では小俣へ向かう30m3/sが,新小俣(45m3/s分)・小俣ダム(15m3/s)から小俣へは16m3/s,松ノ木堰堤(20m3/s分) から上滝PSへは5.5m3/s,横江堰堤(30m3/s分)から雄山第一へは8.1m3/sという様に分かれるというのが上の水量試算である。

常時通水量が増加して雄山第一の使用水量を8m3/s程増やせるであろう。余裕を持たせて10m3/s増強の場合,現状3.4MWを5.3MW程度には出来るかも。

[増強私案]雄山第一発電所[→ 常願寺用水
出力:5,300kW[+1.9MW]
水量:28.0m3/s[+10.0m3/s]
有効落差:22.90m
導水路:総延長1860.0m
水車:立軸カプラン水車 出力3500kW×1台+追加1台2000kW程度のやつ
流域面積:448.5km2
取水:常願寺川[横江堰堤]→幹線水路235.1m
放水:幹線水路[両岸分水工] 204.60m

これもまあ和田川新ルートの調整力を上げる為に,有峰ルートの投資と整合性を持たせて最低限の投資をするとこんな感じであろう。
しかし新小俣のみで止めておけば割と単純だけど,その後30MW程度(新松ノ木・横江新設,小俣ダム増強)の調整能力の追加で随分大規模な投資を強いられるものだ。
電力総連を含む原子力ムラの連中が原発絶対に固執しそれ以外の意見を頑として受け容れない(縮小すると固定費用を賄えなくなるから縮小すら断固拒否で話し合いにもならない)のも,こういうの調べて行くと解らなくもないが…。