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伊奈川の利水新ルート及増強私案(23.10訪問)(→旧ルート篇)

(伊奈川源流)伊奈川取水堰堤(仮称)─金沢取水堰堤(仮称)─東川取水堰堤(仮称)─[ケサ川取水堰堤(仮称)→]─伊奈川第二発電所・[越百川取水堰堤(仮称)→]─伊奈川ダム[→ 相之沢発電所]─伊奈川発電所木曽川[須 原 発電所・大桑堰堤(仮称)]

伊奈川ダムの手前より奥へは車輌進入禁止となっており,現在登山迄の根性は無い 我々 (趣味者の私とこれ迄私の水発趣味の遠出に付いてきてくれてた我が息子)なので奥地は全て未踏である。また24.5現在,木曽川沿いにある伊奈川発電所もいつも高 速で通過してしまい未訪問である(何度も通過している筈だがフォルダを探してみたけど写真もない,,)。

関西電力(株) 伊奈川第二発電所[水力]    
運開:1986.2.5
水路式・流込式
認可最大出力:21,600kW  常時出力:2,500kW[11.6%]
最大使用水量:6.50m3/s[1.67]→強気の水量である。この辺で法則性・共通性を 検討し てみた。
有効落差:399.48m
水車:出力22300kW×1台
導水路: 4,422.6m/3,117.1m/5,170.5m 三本計:12,710.2m    放水路:673.1m 
流域面積:38.8km2
取水:伊 奈川金 沢東 川ケ サ(今朝)沢(地理院)今 朝沢取水堰堤・G空撮]、他(福栃沢[こ れか?・G空撮]) 1,410.8m
放水:ケサ沢[伊奈川ダム]998.00m


【水量増】
伊奈川系統はなかなか効率的なというか400m級のどでかい落差二連発力を誇る発電系列である。伊奈川ダムの水量が不安であるので積極的に取水していきた い。
隣の滑川水域(同じ木曽川水系)になるけど,その上流から6.2km程度の導水で12km2 を確保できる。1.0m3/s程は行けるかな。元々強気の使用水量なのでそのままで良い。
もし増強するとするならば22.3MWの水車の容量を睨んで増 やす程度か。まあ補完的に集 水して余ったら余水吐から伊奈川ダムに貯めれば宜しい。


また越百川方面でもと思ったが既にあるらしい(→追記)。更に拡張すると斜線の部分が追加出来る感じか。
先ずは伊奈川支流・越百川の990m地点より取水して伊奈川ダムに送水する。26km2。2m3/s程取水出来そう。

更に浦川1010m付近より。11.6km2。1.1m3/s程獲って越百川経由で伊奈川ダムへ。

以下導水検討。

まず越百(こすも)川上流からも取れる。
導水距離6.7km・今朝沢からの取水管の容量が不足してたら要増強。但し調べると越 百川から伊奈川ダムへ の導水は既にあるようだ。
上の提案は浦川流域11.6km2の追加ということになる。

二重投資になってしまうけど。伊奈川第二発電所に高所から導水出来る。13.7km2
取水河川
導水距離(追加)A
流域面積(追加)B
効率(B/A)
摘要
越百川




下南沢
6.7km
13.7km2
2.04



滑川案に関しては更に隣の北股沢・小野川水域(同じ木曽川水系)になるけど,その上流から4.5~8.4km程度の導水で8.6~15.6km2を確保できる。★★
取水河川
導水距離(追加)A
流域面積(追加)B
効率(B/A)
摘要
滑 川 4.5km
8.6km2
1.91

北 股沢 6.2km(+1.7km) 11.9km2(+3.3km2) 1.92(1.94)

小 野川 8.4km(+2.2km) 15.6km2(+3.7km2) 1.86(1.68)


両領域併せて26km2程は上乗せ出来る。元々強気の使用水量なのでそのままでも良い。
今は狭すぎる流域面積を増やして100km2程に出来る。


伊奈川ダム[地 図][松 本市[水力] [便覧][PATHpilot]    
堤高/堤頂長/堤体積     43m/105m/55千m3
流域面積/湛水面積     76km2 ( 直接:54km2 間接:22km2 ) /6ha
総貯水容量/有効貯水容量     803千m3/505千m3
着手/竣工     1974/1977
取水:伊奈川[伊奈川2PS]・越百川(間接)
送水:伊奈川PS:11.0m3/s(取水位995.00m)・相之沢PS:3.11m3/s(取水位982.0m)

伊奈川ダムへのアプローチのレポはこちら参照

堤体


利水標


ダム湖
やはり狭い。。雨畑ダムを一寸思い出したが諸元(→便覧)を比較 すると全然こちらの方が小さかったw
向こう側に見えるのが恐らく伊奈川発電所への取水口である。

相ノ沢はというとダムの下の方にある,,

伊奈川ダム到達へのレポはこちら(在来ルート)参照


2020年6月28日 (日)
伊奈川第二発電所の取水堰と越百側の取水堰
PATHpilotのブログ
http://www.pathpilot.jp/blog/2020/06/post-0d065b.html

大桑村村史に は伊奈川発電所と伊奈川第二発電所の開発経緯が詳しく書かれていた。

福栃沢に取水堰があった。け さざわ取水堰の真南に1.1kmほどのところ(こ の辺か?)。福栃沢の水をけさがわに導水して いて、けさざわ取水堰の上流で放水しいる。

越百側取水 堰があった。伊奈川ダムの真南の越百側にあって、伊奈川発電所への導水路に水を供給している。
ダムをよく見るとダム湖の南側に流入口がある。越百川の水は、取水堰から真っすぐ北上してダムに水を供給しているのだ。

しかしなぜ越百川取水路 が国土地理院の地図に掲載されていないのか。。。そのヒントが大桑村村史にあった。昭和52年11月15日付の広報おおくわ93号 によると、越百川取水路は伊奈川ダム竣工から1年程遅れて完成したそうだ。ここから、国土地理院の地図は伊奈川ダム竣工時の状態を描いたもので、それから 遅れて竣工した越百川導水路は描かれることはなかったということだろう。


この伊奈川ダム(1977竣工),なんと伊奈川発電所(木曽川沿・40.7MW・11.00m3/s・438.00m・1977運開)と相之沢発電所(伊 奈川沿・6.2MW・3.11m3/s・243.0m・1938運開)に水を供給している。後からダムが建設されてより高効率の新発電所が建設されたが, 生き残った例である。なかなか珍しい。(とはいえ近傍の賎母と山口寝覚と木曽の関係もまあこれであるか。変則的な形態としては時津と矢作がある。一般的には矢作ダムの串原・旭(和戸)PS大聖寺川の枯淵PSみたいに新設のダムと合わずに廃止され別途建 設され る事の方が多いと思われる。)

伊奈川ダム[地 図][松 本市[水力]便覧]         
河川     木曾川水系伊那川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長     43m/105m
流域面積/湛水面積     76km2 ( 直接:54km2 間接:22km2 ) /6ha
ダム事業者     関西電力(株)
着手/竣工     1974/1977
総貯水容量:80.3万m3 有効貯水容量:50.5万m3 →まあ小さめのダムではある。。
取水位:伊奈川PS:995m /相之沢PS:982.0m
取水量:伊奈川PS:11.0m3/s /相之沢PS:3.11m3/s

この伊奈川ダム(1977竣工),なんと伊奈川発電所(木曽川沿・40.7MW・11.00m3/s・438.00m・1977運開)と相之沢発電所(伊 奈川沿・6.2MW・3.11m3/s・243.0m・1938運開)に水を供給している。後からダムが建設されてより高効率の新発電所が建設されたが, 生き残った例である。なかなか珍しい。

使用水量が伊奈川発電所と相之沢発電所の計14.11m3/sに対して有効水量は50万m3しかなくて,最大でも10時間弱しか持たない様だ。但し,相之 沢の取水位はだいぶ低いので伊奈川発電所が発電停止となっても発電出来そう。この場合有効貯水容量はどうやって決めてるのかねえ??

P/S名
出力
水量
落差
水効率
伊奈川P/S
40.7MW
11.00m3/s
438m
3.7
大桑P/S
12.6MW
38.40m3/s
39.09m
0.32



477.09m
4.02
相之沢P/S
6.2MW
3.11m3/s
243m
1.99
田光P/S
2.5MW
2.78m3/s
108.79m
0.90
橋場P/S
1.9MW
4.09m3/s
55.80m
0.46

10.6MW

407.59m
3.35
両ルートの比較をすると云うまでも無く新ルートの圧勝である。基本的に相之沢を使用する必要が感じられないけど水が溢れそうな時に使う感じかな?橋場がぎ りぎり大桑発電所の取水口の下で発電してるのも悶絶である。
但し伊奈川ダムの流域は76.6km2と使用水量に比べて小さい様な気がする。

【伊奈川の課題】 これで課題は粗方出尽くした感がある。
①伊奈川ダムへの取水量増大(→地図見て無いと思ったけど水力さんに寄ると越百川からの導水はちゃんとあるらしい。)
②相之沢系統の有効活用。田光発電所への新水源開発と出力増強?
③橋場発電所の高効率化
と云った所だ。

①に関しては伊奈川第二の増強もその一端を担っている。


関西電力(株) 伊奈川発電所[水力]          
運開:1977.11.4
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:40,700kW  常時出力: 3,100kW
最大使用水量:11.00m3/s
有効落差:438.0m
水車:出力42000kW×1台

導水路(越百川→伊奈川ダム):総延長3366.3m
導水路(伊奈川ダム→発電所):総延長2688.7m、
面積
流域面積:76.6平方キロメートル
河川
取水:越百(こすも)川→伊奈川[伊奈川ダム]995.00m
放水:木曽川539.50m→地 図からも空 撮写真からも放水場所が判らない。。此 処ら(地理院)か ねぇ??空 撮(G)でもよく判らない。。

水圧鉄管が途中で地下に潜る大胆な配置。
 

増強案であるが以下の様に相之沢・田光の課題と併せて水量増やせば良さそう。


【大桑第二発電所構想(私案)】        

伊奈川を巡る課題を見てみたが,どうやら②の橋 場から大桑堰堤(須原堰堤)への導水もありそうと云う事で残る①③を解消する為に伊奈川PS放流水と小野堰堤以下流下水,上松PS(更には寝覚 PS)放流水中,桃山PSが集水しきれない分・伊奈川の橋 場発電所取水位点以下の流域等 を利用して読書ダムで放流する新発電所を構 想してみた(マウスオーバーで現れる赤線)。


[私案]大桑第二発電所
出力:6,900kW[+6.9MW]
落差:54m
水量:15m3/s
導水:6.5km(左岸)
流域:42.8km2
取水:木曽川[伊奈川PS]・伊奈川[橋場P余水吐] EL.539m
放水:木曽川[読書D] 481m

こんな規模感になってそこそこ魅力的な感じもするけどこれがペイするかどうかは大桑の遊休度や伊奈川や寝覚・上松の稼働率次第って感じであろうか。
ここでは水量を15m3/s程度としてみたが,寝覚PSの大容量の最大使用水量65.85m3/sの内,桃山・須原PSが利用するのは37.57m3/s と30m3/s近くは捨てられる。これらを考慮に入れての開発(案)はこちら[→新大桑]と なる(水量が)。

どっちかいうと寝覚/上松の改造と併せて水量も確保出来て桃山・須原の既存 ルート が使い切れない水が増えたりしてくるとこの大桑第二発電所も生きてきそうな感じはある。更に大きめのダムを建設すれば最強♪