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20.9.28運開

益田川(飛弾川)関連発電所(その1)

飛騨川水系電源開発: 飛騨川 益田川(第二ルート形成[別頁]) 益 田川(支流開発) 益田川(源流) 馬 瀬川

かつては源流の野麦峠から馬瀬川合流点までを「益田(ました)川」、馬瀬川合流点より木曽川合流点までを「飛騨川」と呼称していたが、1964年(昭和 39年)に河川法が改訂され、水系一貫管理の観点から源流より木曽川合流点までの全域が1965年(昭和40年)に「飛騨川」と改称された。
益田 川,元々今の下呂市は益田郡であった。なんということか,益田という地名を棄ててしまったのである。法律上飛騨川だろうが何だろうが,馬瀬川合流迄を益田 川として本項では扱うことにする。法律が何と云おうと,熊野川・十津川・天ノ川であるし紀の川・吉野川だし信濃川・千曲川なのである。

さて,本項では益田川を中心に見ていく。馬瀬川はこちらを参照されたし。益田川の上流部はこちら

益田川本流(これより上流篇←)朝日ダム秋神ダム朝日発電所久 々野ダム・[久々野市街]・久々野発電所小坂発電所(1・2 号機(←小坂堰堤(坂下堰堤))/3号機←久々野PS直結)・[小坂市街]東 上田ダム(小 坂川)・(山之口川)・中呂発電所東上田発 電所瀬戸ダム・[下呂市街]・(竹 原川)・(久野川・門和佐川)・瀬戸第一・第二 発電所下原ダム下原発 電所大船渡ダム馬瀬川開発(案):(弓掛川)・西村ダム馬瀬川第一発電所岩 屋ダム馬瀬川第二ダム馬瀬川 第二発電所大船渡発電所[金山市街](→これより飛騨川佐見川白 川(加子母川)])

<益田川開発略史>

1950年(昭和25年)には国土総合開発法によって木曽川水系は木曽特定地域総合開発計画が策定され、
馬瀬川流域に二つの多目的ダムを建 設して治水と水力発電に対処する方針を建設省中部地方建設局が 中心となって遂行しようとした。

さ て一方で,飛騨川流域の水力発電事業を継承した中部電力は、日本発送電が調査していた朝日発電所とダム工事に着手する。当時,頻繁な停電を伴う深刻な電力 不足に陥っていた。このため大規模な貯水池を有する水力発電所を建設することで年間を通じ安定した電力供給を行い、当時石炭不足で稼働率の低かった火力発 電所に代わる主力設備として大規模なダムを擁する水力発電所の建 設が日本各地で盛んに行われるようになった。更に 流域間で効率的な水の利用を行うことで既に運転している水力発電所の出力や年間発生電力量を増加させることも電力供給上重要となった。この ため飛騨川流域でも戦前とは異なり流域全体で水力発電開発計画を進める必要が生じ、朝日発電所の建設などを経て(中部電力は)1962年流域全体の大規模水力開発計画を立てた。これが飛 騨川流域一貫開発計画である。

飛 騨川流域一貫開発計画は、1960年代になって従来の一般水力発電所から大規模な揚水発電計画を行う方向性にシフトしていった。飛騨川では1963年(昭 和38年)から高根第一ダム・高根第二ダム(飛騨川)による高根第一発電所が着手された。中部電力が次に手をつけたのは飛騨川流域最大の支流・馬瀬川で あった。


<朝日発電所関係(こちらで詳述)
この様な流れの中で,戦後着工された兄弟ダム。共に朝日発電所に水を供給する秋神ダムと朝日ダムである。
1億トン級の貯水量を誇る超巨大ダムに比べれば物足りないとは云え,一体的に運用される両者併せると3,948.9万m3。巨大ダムには違いない。益田川 の下流のダムの安定的な発電に大いに寄与しよう。朝日発電所自体も20.5MWと水発にしては大きめの発電量である。使用水量もいきなり31m3/sと飛 ばしている♪2ダム併せて集水流域308.3km2 なのでめちゃくちゃ順当であると云えよう。


朝日ダム[便覧][水力][Wiki (朝 日ダム)]  
中部電力(株)
着手/竣工:1952/1953
堤高:87m
総貯水容量:2,551.3万立方メートル    有効貯水容量:2,251.3万m3
取水量:32.1m3[朝日発電所]
満水位標高:872m    低水位標高:830m
流域面積:308.3km2 (直接:225.0km2    間接:83.3km2)
湛水面積: 0.98平方キロメートル
取水:益田川
送水:朝日発電所(31.10m3/s・872.00m)

 
~秋神川 ~
秋神(あきがみ)ダム[便覧][水力][Wiki (秋 神ダム]  
益田川支流秋神川
中部電力(株)
着手/竣工:1952/1954
堤高:74m
取水量:24.3m3/s[朝日ダム]
総貯水容量:1,758.4万立方メートル    有効貯水容量:1,697.6万m3
満水位標高:872m    低水位標高:830m
流域面積:83.3 平方キロメートル    湛水面積: 0.70平方キロメートル

(株)シーテック 秋神発電所[水力
所在地:岐阜県高山市朝日町小瀬ケ洞
運開:2016.5
ダム式・流込式(河川維持流量従属型)
認可最大出力:290kW
最大使用水量:0.76m3/s
有効落差:50.33m
水車:1台
取水位標高:872m
流域面積:83.3km2
取水:秋神川[秋神ダム]
放水:秋神川


秋神ダムは国道沿いにあって水利標識が直ぐに見つかった。
取水量32.1m3/s(連絡水路24.3m3/s)とある。

ダムマニアさんの記述の様に
>ひと山隣にある朝日ダムと導水路で繋がっており、最大24.3m3/sの量を朝日ダムに運んでいる。
のであるが(発電所は朝日ダム側にある),個人的な感覚だとこちらの秋神ダム側には取水量24.3m3/sとあって朝日ダム側に取水量32.1m3/sと なってたらすっきりしたんだけど。。勿論,河川名が「飛騨川および秋神川」となっているので両方併せてこの表記をしているのだろうけど,それだと貯留量 (建設当初)の16,976,000m3も秋神ダム(1,697.6万m3)と朝日ダム(2,251.3万m3)の合計3,947.9万m3と書いて呉れ よとも思える。
朝日ダムにも寄れば良かったがスルーしてしまった。

また新エ ネ財団の資料に
>朝日ダムは貯水池の表層または中層から取水できる選択取水設備を有しており,この取水塔内に秋神ダムで取水した水を注水し,朝日ダムで取水した水 と混合して発電に使用する形になっている。この秋神ダムで取水した水は同ダムの取水口(選択取水設備はない),連絡水路を経て,朝日ダムに注水される。こ の流水は秋神ダムと朝日ダムの貯水位の差によって流下する。(許容水位差:12m,最大流下能力:12.5m3/s)
>1973年の改良時には秋神ダムから朝日ダムへの連絡水路を取水設備に直結している。
と云う記述がある。濁流を防ぐ為の選択的取水設備など興味深いが最大流下能力:12.5m3/sと連絡水路24.3m3/sの差も気になる所。『飛騨川』 に拠ると朝日ダムの濁水が長期化してかなり問題になったことがあったようだ。
秋神上流でダム・貯水池を造りたいと思って居るけど濁水の原因が上流のダムにあ る(朝日ダム上流には高根2ダムがあるけど秋神にはなし)とすると,濁水がマシな秋神の良さを潰してしまうおそれがない訳ではないな。。ダムがどの程度土 砂崩れを誘発するのか研究の蓄積は進んでゐるのであろうか?

wikiに は
>融通された秋神ダムの水は、特に水が少なくなって発電に影響を及ぼす冬季に発電用放流を行い、平均で毎秒13トンを補給する。
>これによって…下流の…発電所の出力を増強させ、年間で1億1,942キロワットの発電量を増加させる役割を有する。
とある。平均13m3/sとはデカいな~。流石に秋神単体では小さいし秋神と朝日は一体運用なので,今,益田川の奥地(秋神・朝日両ダムの奥地 300km2)には総量で7,937.7万 m3の貯留量があることになる。平均13m3/sを11月から3月迄の5カ月続けるとすると必要な水量は凡そ1億6,850万トン と計算でき るので,ダムの水が2回転する感じか。雨や雪も降るだろうし,最下流の秋神ダムと朝日ダムの流域面積合計308.3km2でこの位は行けるのであろう。 一ヶ月1km2辺り10.9万トンの水が降ってダムに追加されるって事?
更には高根第一と第二で約4000万m3の貯水量があるので併せて1億2,000万m3 あると考えれば冬期の補給は5,000万トンでOKと云う事になる。300km2で5カ月で5000万トン必要,1カ月3.3万トン/km2,一日約 1000トン/km2=10t/ha/日の補給があれば好い?これが現実的かどうかは不明。

秋神川の上流の向こう側は御嶽山,王滝村,王滝川流域なのである。多雨地帯であり,秋神ダムも流量の 年間を通じた安定化に多大に貢献していると云えよう。
ここらで増強も検討した。


朝日発電所[水力]  
中部電力(株)
所在地:岐阜県高山市朝日町寺附
運開:1953
ダム式・貯水池式
認可最大出力:20,500kW(→24,600kW[+4.1MW])   常時出力:6,700kW
最大使用水量:32.10m3/s(→37.61m3/s[+6.5m3/s])
有効落差:77.00m
水車:立軸フランシス2台 総出力21800kW(→カプラン1台追加)
導水路:総延長1825.7m
流域面積:308.3km2
取水:飛騨川[朝日ダム]秋神川[秋神ダム](872.00m)
放水:飛騨川(久々野ダム直上)(793.50m)

朝日ダム及び秋神ダムより水の供給を受ける。
私も小さい妄想をせこせこしていた時期が ありました。今は第二ルートで20m3/s程一気に増強!となってるのでこん な小さな増強計画に無駄水放流している場合ではない。がめつく水貯めて新久々野or新朝日発電所に送水である!

wiki(飛 騨川流域一貫開発計画など)に拠ると,

飛騨川流域の水力発電事業を継承した中部電力は、日本発送電が調査していた朝日発電所とダム工事に着手する。当時,頻繁な停電を伴う 深刻な電力不足に陥っていた。このため大規模な貯水池を有する水力発電所を建設することで年間を通じ安定した電力供給を行い、当時石炭不足で稼働率の低 かった火力発電所に代わる主力設備として大規模なダムを擁する水 力発電所の建設が日本各地で盛んに行われるようになった。

更に流域間で効率的な水の利用を行うことで既に運転している水力発電所の出力や年間発生電力量を増加
させることも電力供給上重要となった。 このため飛騨川流域でも戦前とは異なり流域全体で水力発電開発計画を進める必要が生じ、朝日発電所の建設などを経て(中部電力は)1962年流域全体の大規模水力開発計画を立てた。これが飛 騨川流域一貫開発計画である

等とあり,戦後の中電に拠る,益田川開発計画の出発点になった発電所の様である。飛騨川流域一貫開発計画に先だって建設されたダム・発電所ということにな る。

~青屋川~  

久々野ダムの直ぐ上を流れる川。この辺は飛騨川水電システムの最上流なのでケチな発電するよりはダムに流し込んで下流での有効活用を図りたい。
嘗てそんな調査もあったようだ。こちらに移転。
出典: 『飛騨川』(中電1979)

これによると朝日発電所の放流水を受けた久々野発電所(55m3/s)が一気に小坂発電所のある東上田ダム(小坂ダム)迄来ている計画となっている。
高度成長の当時,完成を急ぎ,久々野は二つに分割。先ずは現在の小坂発電所(16.70m3/s)の取水口である小坂堰堤(引下堰堤)の上流迄久々野発電 所(34.6m3/s)が完成。
久々野の完成で今度は小坂が隘路となるも新小坂(3号機)の建設を急ぎ,数年遅れて新小坂(28m3/s)が完成。久々野から直結する形となる。久々野の 方が使用水量が大きいが使いきれない分は現行小坂が付近の河川流下水と併せて取水するかたちとなる。

この後,火力・原子力の時代となり,元々55m3/sで予定されていた久々野が34.6m3/sのまま増設されることはなかったが,元々そのくらいは可能 だということであろう。その辺も検討したい[→小坂川開発②飛騨川第二ルート案]。

上述の青屋導水(発電所)の35.5km2,別項で検討した大坊導水 22.6km2で新規に64.7km2が新規に朝日発電所の使用可能水量となる。
実は『飛騨川』(中電・1979)には久々野の建設とともに朝日発電所増 設の可否を検討せよと通産省から指示があったが地形的に困難という結論を得たとの 記述がある。
久々野発電所建設は昭和30年代前半の事なのでその後の大規模 化,現代化,地形制約スルー化の流れの中で現代では十分可能となっているのではないか?久々野ダムの立地する寺附の人口も今(2015)や 6人である。
6.5m3/s増やすと4.2MW程増やせそう。とは言えこの程度の増加量で未だ使える水車を交換してしまうのは勿体ない。フランシス2台でこれである。 3台目は変動に強いカプランでも設置しておくと0~6.5m3/sや15.55~22.05m3/s辺りの水量帯域での発電効率を上げられそうである。
但し久々野Dの貯水量が小さいので大量の水を放水してしまうと使い切れなくなるので久々野の増強が課題とはなる。

久々野ダム[水力][便覧][新 エネ財団][DB]     
高山市[場 所]・中部電力(株)・発電
取水:飛騨川[朝日発電所32.1m3/s]
送水:久々野発電所34.60m3/s [ダム湖の風景
堤高:26.7m /堤頂長:72.2m
総貯水容量:124.7万m3 / 有効貯水容量: 39.5万m3※→183.5万m3(+144.0万m3)
満水位標高:793.5m[水力]→800m
低水位標高:790.5m[水力
利用水深:3m
流域面積:229km2 湛水面積: 15ha
着手/竣工     1960/1962

※…便覧より。DBだ と僅か1.3万m3となっている。。新エネ財団だと38.6万m3。いずれにしても貯 水量の小さいダムではあり,水力.comさ んは
>堤体の大きさの割にクレストゲートが非常に大きいです。
と書いていて
>河川流量の割に貯留量が小さいためこのような構造になったものと思われます。
と推定している。

その久々野ダムの堤体と大きめのティンダーゲート

利水標(と拡大)


行ってみたいと思っていたが22.7に遂に決行!

久々野ダム(岐阜県だけど)。狭い谷に大きいゲート押しこんだ感じ。格好良い♪ダム直上の寺附聚落の 過疎化も極限迄進みもう10m程嵩上げして貯水量と落差増やしても良い様な気がする。今日は満水っぽかった pic.twitter.com/o4riS9RAQ8

— とはずがたり (@tohazugatali1) July 17, 2022

先ずダムのある谷に入って行く前にこの風景。


因みにこの久々野ダムの入口はこんな行き止まり看板だらけの風景になっている(脇で橋を渡る国道は 至って普通にさらりとカーブで躱していく)。右の荒れてる広めの道は国道の旧道と思しき廃道で直ぐ先の橋が既に撤去済。左の狭い方は久々野ダムの先にある 寺附聚落迄行けるが奥の朝日ダム手前で通行止。 pic.twitter.com/qCSLzaTDGi

— とはずがたり (@tohazugatali1) July 18, 2022

この廃道だけではなく,この辺,何故か青梅が沢山落ちててそのせいなのかどうなのかこの辺の山々(長野側含む。長野側ではスズメバチも。。)には小型の虻 が沢山飛んでて窓を開けると直ぐ入ってこようとして,一度入るとなかなか外へ出て行かずに閉口した。

同じく水力. comさんの情報だと満水位と低水位が3mし か変わらない。。これでは有効貯水量が総容量に比べて低い訳だ,,もっと使える様にすれば良いのに。
15ha=15万m2で使用水深が3mとすると45万m3となる。実際は3m下は15万m2もなくて台形だとすると底面積は11.6万m2位ということに な るのかな?
まあ3mなので変な混凝土の基礎みたいなのが埋まってるのが見えたり,島(多分こ こ)があって鹿がなんか居たりした。

ダム湖面(と謎の沈んでる構造物)

島というか砂洲(と佇む鹿さん)


まあ下迄水を使っても有効落差が下がるだけなので,下を使うよりは上を使った方が良さそうな感じもある。こ の聚落(朝日町寺附)を水没させずに可能な程度に貯水位あげてみる。
堤高を10m程上げて補強して取水位を(適 当ad hocに)7m程嵩上げしてEL.800mにすると16.7万m2程とれそう。140万m3程増やせてまあ合計180万m3程には出来そう。大 き くは無いけど。。(立ち退きが必要ない)下を追ってもいいけど堆砂で死水容量となってるのかねえ。。


調べてみると堆砂量が見つかった。
全国のダムの堆砂量について 出典:八ッ 場.net
ダム名
流域面積
竣工
総貯水量
堆砂容量
2014年堆砂調査量(対容量比)
久々野ダム
312.3km2
1962年
124.7万m3
85.2万m3※1
18.7万m3(21.9%)[52年]※2
※1…利水量以外は堆砂容量である(発電専用ダムなので当たり前)。
※2…竣工以来の経年数

割りと良い感じの堆砂量であり,浚渫や排砂などを組み合わせれば未だ未だ堆砂容量を使えそうである。先程は3m上まで貯水すると47万m3程余分に使える と云う概算結果が出て同じ3mに対して8万m3程水を余分に利用できる。3m下も使うと8万m3程少量利水できるとアドホックに仮定すると31万m3程余 分に使えそうである。86.9万 m3→117.9(+31万m3)

因みに岐 阜ポスティング.comなるサイトに拠ると,2015年の国勢調査に拠る数字が載っていて,
岐阜県 高山市男女別人口と世帯数(抜粋)
町丁目名
人口
世帯数


総数
朝日町寺附
3
3
6
3
だそうで,殆ど廃村状態である。立ち退きを試みても良いかも知れない。その場合900m位かそれ以上迄増やせそうだけど朝日発電所の放水に支障が出る可能 性と久々野の有効落差が上げられても水車が対応しきれない可能性がある。
訪問した22.7時点で人気はなかったが,遠くにはまだ畑を耕している人も居て,クルマが停まってる家もあった。
22.7
木々に隠れて川は見えないが画面左手を画面奥に向かって流れている。
22.7


またどの程度の水量に朝日発電所の放水が耐えられるかも課題。併せてまあ上も下もキツキツに詰まったダ ムではある。

なお直ぐ上を流れる青屋川から導水できそうだが検討の結果,導水を久々野に,発電を朝日でやった ほうが良いかも となった。まあ青屋川の有効活用の検討もあって良いだらう。

大きめの朝日・秋神ダムに対して小さな調整池の久々野なので先に久々野が出来たかと思ったけど先ず先に朝日・秋神で水系を安定化させたようだ。
久々野は長い導水路にその新しさの片鱗を見せる。

久々野発電所[水力][DB]     
高山市久々野町[場所]・中部電力(株)
最大出力:38,900kW  常時出力:12,200kW (31.3km2)
最大使用水量:34.60m3/s
水車:出力39500kW×1台
有効落差:127.48m(▲17m)
流域面積:312.3km2
導水路:総延長:11,094.8m
取水:久々野ダム(793.5m)
送水・放水:小坂発電所(3号機・28m3/s)・飛騨川[小坂(引下)堰堤[小坂1・2号機 16.7m3/s]](649.5m)
運開:1962

水車の定格出力は39.5MWである。35.1m3/sと+0.5m3/s程度増やすことで設計容量の39.5MWに増強する事が出来る。途中の水路が対 応しているかどうかは不明だが。

さて,今は31.1m3/sの朝日発電所を受けて34.6m3/sの久々野(それを受けて28m3/sの新小坂(小坂3号機))がある。
朝日発電所と久々野ダムは直結してて殆ど水の差し引きはないのであるが微妙にズレている。


小坂ダム(小坂堰堤・引下堰堤)[水力][DB] 『飛騨川』[ダ ムの訪問記
高山市久々野町[場 所]・中部電力(株)・発電
集水面積:499.5km2?
貯留量:なし
取水:飛騨川[久々野発電所(34.60m3/s)]・大坊谷[集水用取水口(0.8m3/s)] 645.44m
送水:小坂発電所(1号機・2号機)16.70m3/s(牛牧谷0.2m3/s・岩崎谷0.1m3/s)

構内の様子。向こう側には高山本線。

取水施設の様子。ゲートは開いてる(扉が上がってる)様に見えたけど水は無いように見える。昨日の大雨で河は濁流なのに。この辺に読書ダム的なそれ程高落 差なくても良いから後補の電力用ダム欲しい所。


敷地内に待望の標識発見!でも構内奥深くて遠いし文字が擦(かす)れてて夕方になってきてて苦労した(笑)
謎は括弧内である。小坂発電所の1・2号機で16.7m3/s使用するのは判ってるんで,それと水量が一致しているのはOKなんだが,謎が二つ程あって, 括弧内の3箇所の内,集水用取水口って何だ??またこの3箇所は16.7m3/sとどういう関係なのか?(流石におそらく内数ではありそう。)


調べてみた。

「集水のため、他河川に設置される取水施設を集水用取水口と呼」ぶそう[国 交省]だから牛牧谷と岩崎谷も集水用取水口みたいだけどもっと無名で小さいのも沢山あるってことか?!木賊洞(とくさぼら)の谷①と か長淀(とろ)の谷②谷③谷④な んかからも取っているのかも。あと渚の谷⑤谷⑥, 小坂に入って岩崎の谷⑦も 怪しい。小坂3号機の分は含まれないよなあ。。①~⑦から取水しても岩崎谷0.1m3/s未満しか取れそうにないし0.8m3/sも集められるんやろ か??

もっと調べてみた。『飛騨川』に拠ると↓の大坊谷の方に堰堤から取水路が延びて居る図が載っている。こいつの事であろう。取水用の支導水路を集水路と呼ん でいたのかな?


~大坊谷[口有道谷(くちうとうだに)・大坊本谷]~

小坂発電所・大坊谷取水口(集水用取水口)[こ れ?
取水量:0.8m3/s
流域(推計):22.8km2


飛 騨東部広域農道がR41に直結して口有道谷を登っていく。この谷は奥地で秋神ダ ムの取 水量増加に資したいと思ってる(上図マウスオーバーで表示)。
秋神ダムの取水で水量減っても結局小坂発電所へ久々野発電所経由で下ってくるし,22.8km2なので上流で取られてもそもそも下流でも0.8m3/s位 は取水出来るっぽい。

22.7,ずっと懸案となっていたので長峰峠から御岳・王滝近辺を周遊するのを機会に現地へ飛んでみた。谷底のかなり低い所にあって近寄れないが取水口を 発見!
口有道谷(くちうとうだに)に大坊本谷が合流する直下である。ご覧の通り道路の下の谷底に取水口があり,この谷(口有道谷+本坊本谷=大坊谷?)にダムを 建設すれば10m程度の貯水は出来そう。
22.7

前回の訪問で小坂発電所の引下堰堤で見付けた利水標に謎の集水用取水口の文字。色々考えた末,大坊谷https://t.co/VroFtm1hyNに取水口があるのではないか という結論に達した。ストビュウでも判然としないが現地で取水口発見!但し特に看板等ない。。望遠で狙うも絶妙に年が草で隠れてるし名前も違う… pic.twitter.com/DiVUVHGRbD

— とはずがたり (@tohazugatali1) July 17, 2022



~牛牧谷~
取水堰:0.2m3/s
場所:地 理院空 撮(1・2号機は水路,3号機は鉄管に見える。)

~阿多粕谷~


~松尾谷~


~岩崎谷~
取水堰:0.1m3/s
場所:地 理院空 撮(水路橋は無圧か?あと左っ側に何か施設あり。なんだこ れは?!ただの農業用水かな?(地 理院ス トビュウ))


中部電力(株)  小坂発電所[水力] [DB]    
下呂市小坂町[場所]
運開:1930・ 1966・三号機増設
最大出力: 50,100kW(以前は49,400kW)  [  1、2号機:19,100kW(以前は18,400kW) / 3号機:31,000kW  ]
常時出力: 17,400kW[34.7%] [  1、2号機: 3,000kW[15.7%]   / 3号機:14,400kW[46.4%]  ]
最大使用水量:44.70m3/s(対久々野P/S+10.1m3/s) [  1・2号機…16.70m3/s / 3号機…28.00m3/s ]
有効落差:130.0m(1・2号機)/128.90m(3号機) 
水車:[1・2号機 水車:立軸フランシス水車×2台 総出力9520kW (η=89.8%) / 3号機:立軸フランシス水車 出力32000kW×1台 (η=87.6%) ]
取水(1・2号機):大坊谷0.8m3/s・益田川[小坂ダム]・牛牧谷0.2m3/s・岩崎谷0.1m3/s EL645.44m/(3号機):久々野発電所EL649.0m [計五箇所 (全て判明)]
放水:飛騨川(東上田ダム直上)504.57m(1・2号機)/506.5m(3号機)

    流域面積:1、2号機 499.5km2(久々野ダムと小坂ダムの差は187.2km2ある。水量の増分は10.1m3/sでやや抑えめである。。)
    流域面積:  3号機 312.3km2(久々野と同じ=そのまま送られる)

久々野発電所前(坂下堰堤より一寸上流)でR41の 上を堂々たる鉄管で乗り越していく[→ ストビュウ]小坂3Gなので取水位が高く,有効落差1・2Gよりデカいかと思ったらさにあらず。放水位が1・2Gより3Gの方が2m程高く,久々野の放水位は649mとなっていて1・2Gの取水位が (3Gより4m程低い)645m位しか無いのに有効落差は1.1m程低い。でも常時出力を見ると3Gが優先されてる様なので水車効率等で3Gの方が依然と して効率的っぽい。(計算上は出力アップもあってかなり1・2Gが良さそうなんだけど。。この辺はデータの古さなどあるのかも。引き続き要調査。)
また国道を乗り越えてた3Gの鉄管は(正)サイフォンだったのかな?地図で確認して見ても649mよりは高い所を国道は走っていそうである。

1962年に建設された久々野発電所で使用される34.6m3/sの水は一旦飛騨川を挟む小坂ダム経由で取水する 1930年運開の1・2号機では16.7m3/sしか使い切れず1966年に増設された久々野発電所から直送される3号機でなんとか使える様にしたよう だ。
3号機の使用水量は28.0m3/sで久々野の使用水量より小坂全体で10.10m3/s程多い。先ずは奥地の朝日と小坂を結ぶ久々野の完成を急ぎ,それ に併せて小坂3号機もやや遅れながらも完成させた感じである。

~小 坂川~[現況]・[→開発等はこちら
ここにも計画というか各種構想があったようだ。じっくり見ていきたい。


~大島谷~

東上田ダム(小坂ダム)[便覧][新 エネ財団]    
下呂市小坂町坂下(さこれ)[地 理院(502m)
河川     木曾川水系飛騨川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     18m/104m/15千m3
流域面積/湛水面積     770km2 ( 全て直接流域 )[小坂発電所流域比+270.5km2] /21ha
総貯水容量/有効貯水容量     106.5万m3/56.1万m3(標識には建設当初55万m3とあり)
ダム事業者     中部電力(株)
着手/竣工     1952/1954
集水:飛騨川[小坂発電所(44.7m3/s:1・2号機16.70m3/s・3号機28.00m3/s)/小坂川(小坂川発電所6.0m3/s)]
送水:東上田発電所中呂 発電所(併せてMax 40m3/s)・坂下発電所

さこれ(坂下)水力発電所
(株)シーテック
出力:380kW
水量:?→3.0m3/s程度?
想定年間発電量:2,660MWh
取水:東上田ダム・河川維持用水
運開:2018.9.11
着工:2018.8

久々野ダムが朝日にあって,小坂ダムが久々野にあって,東上田ダムが小坂に瀬戸ダムが東上田にあるのでやむを得ないけど本当は東上田ダムだけど国土地理院 にも小坂ダムと書かれちゃってる東上田ダム。此処から中呂発電所を通じて馬瀬川へ水を送り込む重要なダムで ある。

小坂ダムと東上田ダムの間結構広い。大坊谷他で取水している形跡はあるが。小坂ダム時点で44.7m3/s(推 定)の水量は東上田を出た時点で60m3/s(推定・中呂20m3/sと東上田40m3/sで水量に重複がなければ)となっている。
21.5.21現地視察。前回はもう真っ暗でどうし ても見つからなかったのだがあっさり発見。とはいえ内容は残念な結果でなんと東上田ダムからの放水は 水量が重複していて合計 で40m3/sしか無いようだった。詰まり中呂に20m3/s送ってる時は東上田には20m3/sしか送れず,東上田に40m3/s送って る時は中呂には給水出来ない(しない)容量の様だ。
中呂経由で馬瀬に送る水が足りないなら送水容量を東上田ダムの取水量を 40→60m3/sにして中呂の最大使用量を20→30or40m3/sにしたい所だがそうなってない,少なくとも中呂設置後東上田ダムの 取水量すら据え置きで増えてないってことはここの狭断面はそれ程隘路にはなってないということか?

そもそも小坂発電所から270.5km2も流域面積が増えてるのに使用水量は逆に4.7m3/s減ってるとはどう言うことやねん。。容量が30m3/s程 足りない感じ。ダムの容量は56.1万あるので30m3/s程の水も5h10m程は貯められそうではあるけど自然流はこちらの都合を考えて流れてきてくれ ない。。

益田川流域最大の隘路に 急浮上である。。焦らずもう一寸調べてみる。

下原ダムの(古い)データから益田川の平水量が50m3/s(豊水量が85m3/s)あるとなると ここ東上田ダム断面での取水・送水量40m3/sってのはどうなのであろうか?検討してみる。

この85m3/sは 1,500km2から瀬戸第二の流域220km2と瀬戸第二と下原の馬瀬川流域約200km2を除いた,1,080km2の流域の水量である。東上田ダム の流域は770km2である。
単純計算で東上田ダム断 面 での益田川は豊水量60m3/s・平水量35m3/sって所である。
詰まり平水量よりは多少の余裕を持たせた設計ということになる。(40m3/sはそんな少ない訳でもないってことか?)
また豊水量時は上流で貯めて渇水量時に使う事になるだろう(上流の貯留量は年周期?),となるともう一寸平準化されている可能性はある。

また下原ダム断面付近で16億8千万m3/年水が益田川を通過するとこれまた単純計算で東上田ダム断面で10億m3/年程 度と推計される。40m3/sだと年間12億6千万位と推計されるので通過する水を全部使えるとすると79%の設備稼働率となる。勿論使い切れない水をそ れなりにありそうなのでこれより低いだろうが,まあこんな感じでしゃーないのかも。

ただ上流との関係で見て行くと,小坂ダム(小坂堰堤)と東上田ダム(小坂ダム)の流域面積の差から270km2程増えていて(=20m3/s以上は水を追 加的に確保出来そうで),それで 居て久々野の最大使用量34.60m3/sなので60m3/s程度は恰度良い水量かと思っていたのに, 東上田ダムが40m3/sしか供給出来んのはちょっとだちか ーんな感じが否めない。最 低限,東上田ダム からの導水管の中呂発電所への分岐迄20m3/sを増設し全体の取水量を60m3/sにする位は矢張り欲しいこと。770km2の流域面積で 60m3/sは順当な量であると云えよう。その次の(検討)課題が中呂の40m3/s化である。勿論現行推定80%近い設備稼 働率は低下してしまいそうではあるけど。上流部の貯留量の増強が必要かも。此処迄の1億行かない8,000万m3の貯留量でどれだけ平準化出来るかが鍵 か。もう2,000万m3程貯留量が欲しい所。(その後,高度成長期のアツい計画群[水力調査(第四次)・飛騨川構想(100万キロ150万キロ)]を知ると,小坂川から東上田発電所 付近に直送する計画が実現せずそのまま固定化してしまった様に見える。御岳山を控えた大水源の小坂川なのでここは計画を復活させたい。)

益田川・馬瀬川
名称
有効貯水量
目的
常時満水位
その他備考
高根第一ダム[便覧 3,401.3万m3
P
EL 1,080m
流域:173km2
高根第二ダム[便覧   587.5万m3
P
EL 955m

秋神ダム[便覧][wiki 1,697.6万m3 P
EL 872
流域:83.3km2
朝日ダム[便覧][wiki 2,251.3万m3 P
EL 872
流域:225km2
小 計
7,937.7万m3


流域:225km2
久々野ダム
39.5万m3
P


小坂(引下)堰堤
なし
P


東上田(小坂)ダム
56.1万m3
P

流域:770km2

8,033.3万m3




ゲートと取水部。

前日の大雨で濁流のせいか取水してるのか?ってダムが多かったがここはちゃんと取水してるようであった。
また此処を60m3/s取水にするならこの施設は増強する必要があるだろう。なかなか狭い敷地に色々詰め込まれてる感じではあったが。。

なお東上田ダムの河川維持流量を使って小水力発電所が設置された。さこれは付近の地名坂 下(さこれ)から来ており運営会社シーテックは中電の関連会社である。

~山之内川


中呂発電所[水力]    
下呂市中呂・中部電力(株)・発電
出力:13,300kW 常時:0kW
水車:出力13800kW×1台
最大使用水量:20.00m3/s
有効落差:79.00m(▲24m)
導水路:総延長267.2m(東上田発電所導水路途中分岐)   放水路:総延長7122.2m(岩屋ダム導水)
受水:東上田ダム 504.0m(分岐部で実際は490mぐらいなのではないか?)
送水:岩屋ダム 400.77m(満水位405m)

東上田ショックはあるが寧ろトータルで増強したい。中呂発電所の+10m3/s(発電 機+1台)の増強と併せて東上田ダム→中呂発電所→岩屋ダム に10m3/sの導水管の設置はどうであろう?
但し,瀬戸第二を廃止と迄行かなくても馬瀬川奥地の開発をすることで瀬戸(第二)で使用出来る水量 が減り代わりに馬瀬川第一・第二の水量が増えて十分な水量を確保出来る なら増強は後回しでも良いけど。。

普段は徹底的に使用しないで緊急時(ピーク時等でしかも岩屋ダムの水が足りない時に)中呂20m3/s・東上田20m3/sとすることで対応するという運 用なんかねえ。。

中呂を出て益田川を渡る導水管はこんな感じ。あの山の向こう側にある岩屋ダムに下り勾配付けて水を送るのにこの低さで大丈夫かと思うけど結構南下するとこ の高さが岩屋ダム湖の湖面になるのだ。 実際に馬瀬川の流域は南北に長く,R41を南に向かって走っていると何度も右折馬瀬の 青看板が出てくる。



中部電力(株) 東上田発電所[水力]→増強案はこちら    
下呂市東上田 運開:1954.12
水路式・調整池式
認可最大出力:35,000kW 常時出力:16,400kW[46%]
最大使用水量:40.00m3/s[0.52]
有効落差:104.53m(▲17.29m)
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力 20000kW
導水路:総延長12807.0m 放水路:総延長482.8m
    流域面積:770.0km2
    取水:飛騨川[東上田ダム]504.00m
    放水:飛騨川382.18m

23.2

形式的には整っていて馬瀬方面は常時出力0kWとなっていて,こちらは常時出力が16.4MWもあって普段から東上田・瀬戸方面に20m3/s程通水させ ているようだ。

瀬戸ダム(瀬戸第一ダム)[DB
種類:取水堰
取水:飛騨川[東上田発電所40m3/s](EL.382.07m)
送水:瀬戸第一(32.00m3/s)

立派な取水設備に見えるが貯 留量ない堰堤であり,しかも此処で 8m3/sも最大使用水量が減る。東上田ダム~中呂発電所分岐間程ではないがここも隘路である。

遠景


湖面と堰堤洪水吐ゲート。まあ一定の河道貯留はしてる感じはあるけど,勿論水位が下がれば取水は出来なくなる程度のものである。

堰堤洪水吐ゲート近撮

取水口の制水門,裏と表
23.2

利水標,設置風景と詳細。残念ながら小さな取水点に関する情報は無し。堰堤そのものは割と新しく近年の改修を思わせたが肝心の利水標識はそのままらしくか すれてて読みにくい(´・ω・`)


送水路,瀬戸第一ダム導水路というらしい。


~馬瀬川~(→馬瀬川はこちら)

弓掛堰堤


西村ダム([水力便覧])
下呂市馬瀬西村[場所]
中部電力(株)
目的:発電
堤高:19.5m
流域面積/湛水面積     217.3km2 ( 直接:163.3km2 間接:54km2[弓掛川] ) /5ha
総貯水容量/有効貯水容量     276千m3/200千m3
着手/竣工     1933/1938
受水:馬瀬川
送水:瀬戸第二発電所[飛騨川]

2019 年頃ゲートが撤去されたらしい。有効貯水量は減ったのだろうか??→23.2 現地訪問。激減していた…orz

また馬瀬川のアユ絡みで岩屋ダム建設時に撤去要求などもあった様だ。(wiki)

23.2

 
 
~竹原川~

 
瀬戸発電所(第一第二) [DB[水力] 『飛騨川』  
岐阜県下呂市瀬戸
最大出力:49,200kW  常時出力:12,140kW
使用水量:47.5m3/s

関西電力(という現在の関電とは名前は一緒だが別会社)が開発し,全国一社に統合された日本発送電迄は第一第二の区別無しだったそうな。
今では中 部電力のHPには第一と第二を分けてないし水 力DBでも一緒に扱っているので再び統合されたかそもそも符号みたいなもので正式には分けてないのかもしれない(瀬戸ダムの銘板には瀬戸第一ど明 記されていた[]けど。)。
またDBで は取水堰が5となっているが『飛騨川』では計9箇所確認出来る。休止になっているのか水力が誤記なのかは不明。
新小坂も今では小坂3号機だし,読書第二も今では読書5号機だしまあ発電所は統合の流れか?そもそも第二呼称は関電風?(一旦日本発送電分割で瀬戸等は一 旦関電に配属したが後に中電に譲られたとのこと。その時に高瀬川は中電から東電に譲られたりしたそうな。)

瀬戸第一発電所[
運開:1924.3[日本電力]
水路式・流込式
認可最大出力:28,200kW(運開時27,000kW)      常時出力:7,740kW[27%]
最大使用水量:32.00m3/s
有効落差:101.69m(▲10.53)
水車:4台→改修後は2台??
導水路:総延長12,381.2m
流域面積:924.7km2
取水:第一水路(飛騨川[瀬戸ダム(第一堰堤)]・柿坂谷堰堤[こ こか?・柿坂峠がある]・茂谷堰堤・朴の木谷堰堤)382.07m
放水:飛騨川(269.85m)

瀬戸第二発電所[
運開:1938.9(関西電力(株)=日本電力系,日本配送電迄は瀬戸第一と第二は同一の瀬戸発電所)
水路式・流込式
    認可最大出力:21,000kW (運開時20,800kW)    常時出力:4,400kW
    最大使用水量:15.50m3/s
    有効落差:156.60m (▲21.89m) 
導水路:総延長13,774.2m
    流域面積:222.4km2
    取水:第二水路(弓掛川[弓樹堰堤]、三ツ谷堰堤,馬瀬川[西村ダム],床鍋堰堤、若佐堰堤)450.00m
    放水:飛騨川271.51m

公式には瀬戸発電所なのか瀬戸第一・第二なのか不明。
瀬戸発電所と中電も書いてる様だけど瀬戸ダムには瀬戸第一と明記されたりしている。
23.2

馬瀬川で検討した様に今は有効活用し切れてないけど。西村ダム他取水口から瀬戸PSに流すより馬瀬 経由の方が有利に出来そう。
 
馬瀬川

岩屋ダム[→馬瀬川
事業者:(独法)水資源機構管轄
目的:治水・潅漑・上水道・工業用水・発電
湛水面積:426ha(4.26km2)
総貯水容量:1億7,350万m3 有効貯水容量:1億5000万m3(治水容量: 5,000万m3 発電容量:1億m3)

馬瀬川第一発電所[→馬瀬川
ダム式・混合揚水式
認可最大出力:288,000kW  常時出力:0kW
最大使用水量:335.00m3/s
上部貯水池:馬瀬川[岩屋ダム]406.00m
下部貯水池):馬瀬川[馬瀬川第二ダム]303.5m

馬瀬川第二ダム[1-2][3-2]  [→馬瀬川
馬瀬川第二ダム湖は巨大ダムである岩屋ダムの逆調整池であり,また揚水発電所としての馬瀬第一発電所の下部調整池も兼ねている。
下 部調整池である第二ダム湖は、第一発電所が五時間連続して揚水発電を行う運転に耐えられるだけの有効貯水容量を持つ。また①馬瀬川第二発電所は第二ダムの下流、約100メートル先の右岸に地下式と して建設され、ピーク時発電に対応するため常時発電は行わず、電力需要が増大する夏季に最大6万6,000キロワットを発電する。②発電された水は延長5.5キロメートルの放水管を通じて飛騨川本流の大船渡 ダム湖上流端で放流される。

馬瀬川第二発電所[→馬瀬川
中部電力(株)
認可最大出力:66,400kW  常時出力:0kW
最大使用水量:113.00m3/s
取水(位標高):馬瀬川[馬瀬川第二ダム](309.00m)
放水(位標高):②飛騨川(230.5m)

祖師野(広瀬)堰堤
送水:下原発電所



下原ダム
河川:  木曾川水系飛騨川
事業者:中部電力(株)
目的:発電(下原発電所)
堤高:23.9m
流域面積/湛水面積     1147km2 ( 全て直接流域 ) /35ha(0.35km2)
総貯水容量/有効貯水容量     2936千m3/684千m3
着手/竣工     1933/1938

下原ダム流入量
出典:『飛騨川』・単位:m3/s・調査:1929~1934年

益田川
馬瀬川
合計
豊水量
84.99
13.69
98.68
平水量
50.07
9.43
59.50
渇水量
19.86
4.12
23.98
益田川…下原ダム上流3.6kmの瀬戸測水所・馬瀬川…瀬戸第二発電所(使用水量?)

23.2

下原ダムは発電所ともども改修工事中であった。そのせいでごみごみしてたし私も写真を撮るのに急いでしまったが,やった,来た甲斐あったぞ,水利標や!と 思って撮ってこれはないやろww(水利標そのものが大事なのでは無く記載の数値が大事なのである・・)
23.2
まあ最大80m3/s(=馬瀬川の水は渇水でも益田川の水だけでフル発電出来る)という様に見えるは見えるが。。貯留量も微妙に解らん…orz
大船渡導水,戸川,鹿倉川,黒石谷ダム,小原ダムなど各所構想場所探索と併せて再訪が必要だな~。

中部電力(株) 下原発電所[水力][wiki]     
所在地:岐阜県下呂市金山町中切
運開:1938.12(東邦電力(株)・立案は岐阜興業)
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:22.200kW      常時出力:3,800kW
最大使用水量:80.00m3/s
有効落差:34.55m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力26250kW
導水路:総延長5346.3m
流域面積:1,563.7km2
取水:飛騨川[下原ダム]、馬瀬川[広瀬(祖師野)堰堤](268.30m)
放水:飛騨川(230.80m)

23.2

以下の様な記述を見付けた。
下原ダム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

下原ダムに付設された下原発電所は当初の計画では1万6,500キロワット(16.5MW)の発電を行う計画であった。その後1936年(昭和11年) 12月10日には1 万9,451キロワットに出力を増強させる計画に変更、さらに完成直前の1938年11月17日には現在の2万2,000キロワット(22.0MW)によ る出力となり、現 在に至っている。…使用 する水量の割合は飛騨川分と馬瀬川分を5対1の比で取水する

中部電力はその後朝日ダムを皮切りに飛騨川流域一貫開発計画による大規模水力発電計画を進 めていったが、下原ダムはこの計画によって大幅な電力発生量の減 少を余儀無くされた。1976年(昭和51年)馬瀬川に岩屋ダムと馬瀬川第二ダムが完成し揚水発電の馬瀬川第一発電所が運転開始、二年後の1978年(昭 和53年)には中呂(ちゅうろ)発電所が運転開始して馬瀬川からの取水量が減少したことにより、完成当時は年間発生電力量が約1億 3,076万キロワット時(130,760MWh)だったのが、両発電所の運用開始に伴い年間1,800万キロワット時(18,000MWh)減と、約7分の1近く減少した※。[wiki (下原ダム)]『飛騨川―流域の文化と電力』 (1979年) 中部電力株式会社

※:wiki (下原ダム)の項では発電量が1/9に成ったと書かれているが『飛騨川』の記述に拠れば18GWh減,詰まり130GW→112GWという事の様 である。


実際に通過水量を概算で計算してみると22.2MWで年間に可能な最大発電量は194,472MWh となるので設備稼働率は67%から57%へ減少したことになる。今現 在ではどんな運用しているのか気になる所である。
112,000MWh発電して出力が22.2MWなので単純計算で5,045h=18,162,000sec(一日平均13.8h)動いたことになる。1 秒間に80m3使うので1,452,927,000m3=14億5,300万m3/年使った事になる。
こんな計算でいいのか?らしい数字には成ってきてる けど低出力で発電効率落ちてる場合はもっと使用水量は増えるとは思われる。さて馬瀬川の水の5~6倍が益田川の水なので12億:2.5億程度か。

馬瀬ルート運開前の130GWhで計算すると16億8千万m3で益田川14億,馬瀬川2億8千万m3って感じ。瀬戸測水所で14億だとすると東上田ダムで 9億9800万m3/年って所か。

減少分の水量2億2,700万トンが馬瀬第二の使用水量によって益田川堰堤からの水量減のみで起きた(益田川:馬瀬川=5:1は無視する・瀬戸第二も減少 してない)とすると馬瀬第二の最大使用水量の118m3/sで534hしか運転してないことになる??ピーク電源としてはらしいと云えばらしいけどどうな んだろう。岩屋ダムで確り 貯められるのでもう一寸水は使っていそうだし,祖師野堰堤では逃した水を馬瀬川第二ダムなら逃さないってのはありそうでもう一寸水はつかってるか?

但し祖師野堰堤では和良川の水も取水出来たがそちらは今は使えていない。(使おうと画策しているけどw)

さて,只でさえ馬瀬川第二発電所に水を奪われてる下原であるが,和良川部分(130.5km2)も丸々馬瀬第二と岩屋に回そうと思って居る。こうなると祖 師野の取水分は6.4km2とマンガみたいに小さくなるw
下原のプラス要因は,竹原川の上流で加子母川から取水したい と思ってるやつ(15.9km2)ぐらいである。
下原に水を送る為に幾つか可能性は考えられる。

ほぼ導水距離無しで利用出来るのが麻生谷(こ こ)5.3km2である。


1.78km で導水出来る戸川他 1も可能性を感じている。24.9km2ある。


福来の奥洞から2.63km で下原ダムである。7.62km2取れる



面積
距離
送水先
摘要
和良川
▲130.5km2

馬瀬第二・岩屋

加子母川
+15.9km2

竹原第一

麻生谷
+5.3km2
0.0km
下原

戸川・他
+24.9km2
1.8km


奥洞
+7.6km2
2.6km


小計
+53.7km2
4.4km


鹿倉川
+52.6km2

祖師野発電所(新設)
[祖師野堰堤]
こちら参 照
合計
▲24.2km2




全体の流域が1,563.7km2だそうだから2%以下である。





大船渡ダム[益 田川(230m)
種類: 取水堰
貯留量:41.2万m3 or  41.5万m3
取水:飛騨川[下原発電所]80m3/s・馬瀬川[馬瀬第二発電所]113m3/s

大船渡発電所
中部電力(株)
場所:岐阜県下呂市金山町大船渡
運開:1929.12 [岐阜電力(株)→東邦電力]
水路式・調整池式
 認可最大出力:6400kW      常時出力:2800kW
最大使用水量:64.0立方メートル毎秒
有効落差:12.30m
水車:2台 総出力3450kW
導水路:総延長388.3m
流域面積:1574.0平方キロメートル
取水:飛騨川[大船渡ダム](229.50m)
放水:飛騨川[ほぼ七宗ダム](216.85m)




此処から下は正真正銘の飛騨川となる。