~青屋川~ 益田川本流に建設された久々野ダムの直ぐ上を流れる川。この辺は飛騨川水 電シス テムの最上流なのでケチな発電するよりはダムに流し込んで下流での有効活用を図りたい。 『飛騨川』(中電1979)に拠ると第4次水力調査で青屋川が対象となっている。川の長さが現実と対応してない(岩井谷が長倉本谷より長いなど)ので修正 してみた。 出典: 『飛騨川』(中電1979) これを見ると九蔵本谷と小俣谷の分 岐付近(EL996m)と二又川の途中(長倉本谷と岩井谷の分 岐がEL988なのでそれ以下)で取水する様に描かれているので一寸矛盾がある。 朝日発電所も2系統あるのもよく判らない。 実は『飛騨川』(中電・1979)には久々野の建設とともに朝日発電所増 設の可否を検討せよと通産省から指示があったが地形的に困難という結論を得たとの 記述がある。それを描いているのかも。 いずれにせよ青屋の導水は第一次水力調査や中電の100万キロ構想などにも出てこない割りとレア案件?である。 朝日ダムは満水位872.0m,久々野ダムは満水位793.50mなのでその辺を狙って行きたい。 2.2kmの導水で久々野ダムに導水出来る46.0km2の流域を取れる。 一寸上流にしても面積は余り犠牲にならない。どちらかというとこっちか。久々野ダムの貯水量は朝日・秋神連合の1/100とかなり少ないのである。 但し久 々野Dに流れ込んでくる水を朝日PSの発電を抑制する事にはなるけど朝日ダムの放流を抑制して対応すれば良いだけなのでそれ程問題にならないのではない か。 もともと久々野ダムの最大使用水量(放流量)(34.60m3/s)は朝日発電所のそれ(31.10m3/s)よりもデカいので久々野ダムが満水の状 態で青屋川流域46km2から水が流れ込んでも3.5m3/s迄なら使い切れる。 ということで久々野には4.3km程伸ばして青屋川の他柳瀬谷・深谷からも取水して見 る。11.4km2。 二又・九蔵から朝日への導水42.5km2と併せると53.9km2とな る。狭いけど最大5.0m3/s程度の導水量を設定すれば良いかな? 導水は二又川・九蔵川導水に任せて発電に専念するなら高高度からの落水であろう。EL.1327m付近で取水して見たのが以下の図である。流域15.9km2取 れる。 御岳の裏でちょっと降水量が少ないので落差を加味しても 1.50m3/s程度は期待持てるか。朝日ダムのEL860m落とす と有効落差は460mはとれる。5,880kWってところ。 徳河谷や塩蔵川の水も取れそうであるが,その場合は高根第一ダム導水拡大構想と取り合うこ とになる。塩蔵川 5.9km2程度なら影響は軽微なのではあるまいか。 ただ高根第一・第二をスルーして発電する5,900kW弱にどの程度の意義を見出せば良いのかも不明である。導水込で高根第一にしかも黍生谷辺りに落とす の が良いのかも知れない(塩蔵川でも導水が来ていれば良いんだけどイマイチ実態が不明。) ということでEL.1350mで取水して見た。黍生と塩蔵で迷いなく取水してみると小俣谷を諦めても結構広い。 [私案]黍生谷発電所 出力:6,500kW[+6.5MW] 水量:3.0m3/s 落差:250m 流域:24.5km2 (九蔵本谷のみで2.96km2ある) 導水:主導水路9.76km(長倉迄なら7.65km) 取水:九 蔵本谷・長 倉本谷・徳 河谷・塩 蔵川・黍 生谷 1350m 放水:黍生谷[高根第一ダム導水路取水口]1086m |
発電力 |
水量 |
落差 |
取水 |
放水 |
水源 |
貯留量 |
その他・備考 |
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朝日発電所 |
既設 |
20,500kW |
32.1m3/s |
77.0m |
益田川[朝日ダム] |
益田川[久々野ダム(予)] |
朝日ダム・秋神ダム |
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新朝日発電所 |
新設 |
22,900kW |
35.2m3/s |
77.0m |
〃 |
〃 |
〃 |
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久々野発電所 |
新設 |
125,000kW |
55.2m3/s |
268.0m |
〃[久々野ダム] |
〃[小坂ダム(東上田ダム)] |
久々野ダム |
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久々野発電所 |
実現 |
38.400kW※ |
34.6m3/s |
127.48m |
〃 |
〃[引下堰堤(小坂堰堤)] |
〃 |
※現在では38,900kW |
|
新小坂発電所 |
実現 |
31,000kW |
28.0m3/s |
〃 |
〃 |
1966運開 |
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小坂発電所 |
既設 |
18,400kW※ |
16.7m3/s |
〃 |
〃 |
※現在では19,100kW |
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東上田発電所 |
既設 |
35,000kW |
40.0m3/s |
104.72m |
〃〔小坂(東上田)ダム〕 |
〃〔瀬戸ダム〕 |
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新東上田発電所 |
新設 |
38,900kW |
44.0m3/s |
105.0m |
〃〔 〃 〕 |
〃〔 〃 〕 |
1959当時 |
1959構想① |
2022現在② |
①②差 |
その他・備考 |
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朝日ダム~久々野ダム |
32.1m3/s |
67.3m3/s※1 |
32.1m3/s |
35.2m3/s |
※1 新朝日発電所:35.2m3/s |
久々野ダム~引下(小坂)堰堤 |
0m3/s |
55.2m3/s※2 |
34.6m3/s※5 |
20.6m3/s |
※2 久々野発電所:55.2m3/s ※5
久々野発電所34.6m3/s |
引下(小坂)堰堤~小坂(東上田)ダム |
16.7m3/s |
71.9m3/s※3 |
44.7m3/s※6 |
27.2m3/s |
※3 久々野発電所:55.2m3/s ※6
小坂発電所3号機28.0m3/s |
東上田ダム~瀬戸ダム |
40.0m3/s |
84.0m3/s※4 |
40.0m3/s |
44.0m3/s |
※4 新東上田発電所:44.0m3/s |
~鈍引川・甲谷~ 久々野ダム・発電所のバイパスルートを建設する為にも途中の取水は積極的にして水を増やして行く必要がある。 導水距離を節約するにも新ルートには秋神から西南へ直結した方が良さそうである(新秋神ルートとする)。その場合は秋神ダムの方が水面が高いので面積が 減ってしまいはする(この辺参照)。 新秋神ルートで鈍引川から取水すると6.63km2程の様なので残りは2.5km2程となる。青屋・久々 野導水で11.4km2なので甲谷6.4km2と鈍引2.5km2で合計20.3km2が此処迄の久々野発電所の累計の新規水源流域面積となる。 既存のルートに接続するとなるとこんな感じか。 |
~無数河(むすこ)川~ 珍しい河川名だけど,一寸離れた下流の岩崎谷の益田川合流部に無 数原という場所がある。そちらは「むすはら」なのか? なんとか久々野PSに送水したい所ではある。無数河川迄5.48km。無数河川から洗足谷迄1.04km程。併せて導水路堰長6.52km程 で20.7km2確 保。 更に神通川水系の 宮川や大楢谷 川からも引っ張って来れれば46.6km2程にもなる(!)け ど流石に厳しいかw |
~口有道谷・大坊本谷~<東岸> 秋神から新秋神ルートの建設の有無に拘わらず,秋神の取水に協力したい。こんな 感じで秋神に導水出来る。 久々野・朝日・秋神方面から小坂・引下方 面へ新ルート建設する場合も発電しない時は秋神ダムに取水出来る様に作れるのでは無いか?(奥入瀬方式) 鈍引川は既に計上したので22.6km2が新規水源。 下流には小坂発電所の集水口があったようだが,上流で色々取水して久々野発電所経由で下流に流しているのでこちらの取水量が減っても問題はないだろう。 小坂発電所・集水用取水口[こ れ] 取水量:0.8m3/s 流域(推計):22.8km2 現地で視認してきた。 22.7 ~阿多粕谷・万願谷~ こちらも大坊と同じく秋神方面へ協力したい。 |
~牛牧谷・岩崎谷~<西岸> 小坂発電所の取水口があるようである。 引下堰堤(小坂堰堤)にて 集水路ってのは口有道谷・大坊本谷参照。 取水量はそれぞれ 牛牧谷0.2m3/s 岩崎谷0.1m3/s である。 例の如く『飛騨川』を紐解いてみるも水路トンネルの難工事や両谷を跨ぐ水路橋の記述はあるものの取水口の記述はみあたらなかった。図面上にも特にないよう である。後補なのか? |
小坂川(→こちら参照) ▲ 今は一箇所のみであるが凄い水量である。ペルトン水車利用で水の変動対策もばっちりである。 中部電力(株) 小坂川発電所[水力] 下呂市小坂町落合[場所] 運開:1983 水路式/流込式 認可最大出力:21,300kW 常時出力:4,300kW 最大使用水量:6.00m3/s (156.6%) 有効落差:423.90m 水車:立軸ペルトン水車 出力22000kW×1台 導水路(兵衛谷→濁河川):総延長986.1m 導水路(濁河川→発電所):総延長5660.4m 流域面積:38.3平方キロメートル 取水:兵 衛谷→濁 河(にごりご)川(1116.00m) 放水:小坂川(659.35m) 流域面積39.3km2にしては最大使用水量が多く6.00m3/sもあって,有効落差が驚異の423mってこともあり,巨大な発電力を叩き出している。 ここは御 嶽山の西側山麓であり,3000~3500mm期待出来る場所であり,ダムもないし一気に 押し寄せる水をがつんと受け止めるのがベストな感じであろう。 小坂川発電所直下(659m)から小坂ダム(509m)迄落差あるので開発可能である。 [私案]新小坂発電所 最大出力:22,900kW[+22.9MW] 最大使用水量:19.0m3/s 有効落差:145m 新規流域;131.65km2→13m3/sは追加取水出来る 取水:大洞川・濁河川・小黒川658m 放水:益田川[小坂(東上田)ダム]509m 本州内陸部のというか中部山岳地帯のポテンシャルすげえな。大洞川上流取水で新小坂発電所大洞川取水口での発電も出来そう。 詳しくはこちらで。 |
~山之内川~ 東上田ダムへ導水しようと思ったら川西北部用水路が直下から取水しててもろにかち合う。。 北部用水路取水堰 場 所(EL=576m) 流域:40.55km2 この辺は2,500mm地帯。3.4m3/s程度は取れそう。 用水への配分がどんなもんかは気になるがそれは確保したい。 また平谷・北又渡方式だと5m3/s程取れることになるが勿論,用水への配分が優先されよう。 まあ多分大した水量ではないだろうけど,, 一応4.5m3/sにして取水地点も気持ち高めに取って増強を目論んで東上田ダムにぶち込む。 [私案]山之口発電所 出力:3,500kW[+3.5MW] 水量:4.5m3/s 落差:96m 導水:6.8km (0.51) 流域:38.2km2 落差:605m→505m 調べてみるとこの山之口川,第4次水力調査では調査されている。四美辻発電所という名前である。変わった地名だけど今 でもバス停に残っているようだ。 谷としてはこれ。 諸元は以下の通り: 水量:3.8m3/s 落差:118.0m 出力:3,800kW 私の妄想計画もなかなか良い線行ってるじゃあないかw 落差を取ればもっと出たけど私の案では上流の調整池に導水する事を優先してしまった。 小坂1・2号機の上部水槽に送って新ルート建設[→こちら参照・図]後使える量が減ってしまう分の補填にしたい。 それを考えると小坂の取水位で取水するのが良さそう。北部用水への流域もより広く残 せる。 導水距離8.66km。 |