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22.5.29運開
阿木川の利水と東濃用水道と阿木 川ダム(22.5訪問)

阿木川と阿木川ダム(疑問検討)  岐阜東部上水道用水供給事業(別頁) 湯壺川 岩村川[吉田川:恵那中部ダム (姥ヶ洞溜池) 冨田川:岩村ダム  [私 案]新規電源開発

地域概略図



利水模式図
出典:国 交省


阿木川と阿木川ダム

阿木川の木曽川合流点。挟まれる岬みたいな所に奥戸発電所がある。
22.5
この惜しいロケーション。阿木川と対岸の和田川の上流からは既にされているが 阿木川からも大井ダムへ導水路を建設すると大井発電所の増強が出来そうである。

和田川からは27km2程度。阿木川側は奥戸発電所の取水堰の地点(EL.243.65m)で 119.8km2である。大井ダムの取水位(EL258.5m)だともう一寸狭くなるが100km2程は取れそうである。


奥戸発電所[水力] [国交省
運開:1920.1or9[大同電力株式会社?]
水路式・流込み式
    認可最大出力:500kW      常時出力:430kW →ほぼ常時2.0m3/sで発電出来ていそうである。
    最大使用水量:2.088m3/s
    有効落差:30.10m
    水車:立軸フランシス水車 出力540kW×1台
    導水路:総延長1842.6m、主要導水路 延長1584.8m
    取水位標高:243.63m
    放水位標高:209.88m
    流域面積:119.8km2
    取水:阿木川(2.088m3/s)・濁川(0.278m3/s)
    放水:木曽川

奥戸発電所は1920年と将に大井ダム着工の年に運開していて,恰度竹原川発電所瀬戸第一発電所の関係に相似形(巨大電力開発の工事用に脇に小さな水発 を建設)としか思えないけど,大井が関電,奥戸が中電と今では会社が分かれてしまっている。何があっったのであろうか・・

大井ダムの天端から臨む奥戸発電所建屋。巨大な大いに較べると吹けば飛ぶような規模である。


奥戸発電所取水堰[場 所
流域面積;119.8km2
取水量:2.088m3/s
取水位:EL.209.88m









~千田川~
一本下流の千田川。
上流で大井ダムへ導水して奥戸発電所の取水可能量が減少するのと引き替えに,千田川から導水するのはどうであろう?
僅か4.5km2だけど2km弱で送水出来そう。
 





~飯沼川~

保古ノ湖[恵那市
>恵那市東野と中津川市にまたがる、根の上高原にあるかんがい用の人口湖。1924(大正13)年に完成した保古の湖は、海抜850ⅿ、最大水深 16ⅿ、満水面積は14㏊あり、中部地方随一といわれておりました。


山本用水取水堰堤[加 藤][国交省][モニュ
目的:A
取水量:0.995m3/s
流域:ほぼ82km2

阿木川ダムマップ(現地看板より)
注目点は放流口の他,湯壺川,岩村川,阿木川にある貯留堰堤(マウスオーバーで赤楕円)。
阿木川ダムマップ22.5

22.5

[疑問]
諸元は下に纏めたが,阿木川ダムが開発したWI水源は合計4.0m3/sであり,発電に使用される水 量は4.7m3/sと判る。

さて問題は,岐阜県東濃地域上水道供給事業の0.8m3/sである。愛 知用水の方は阿木川の下流にある兼山ダムから取水すれば良いので何の疑問も問題もない。疑問も問題もあるのは東濃用水 0.8m3/sの利用(取水)の仕方である。
こちらは上水道専用である(工業用水はない)のであるが,上水道は浄水場が鍵となって,ここが一番コストが掛かるようである(喞筒や調整池はあちこちにあ るが浄水場は概ね1箇所から供給される。)今,東濃用水(正確には統合等を経て岐阜県東部上水道用水供給事業の東濃地区・沿革等はこちら)の浄水場は遠く中津川一箇所の様である。(地図概念図地 理院[EL.353m程]) (→因みに1973年に取水地点が山口ダム(EL362m)から落合ダム(EL299.88m)変 更になっている。3月末に認可され,7月には下流部3市に暫定給水を開始とあるので着工後程なく計画が変更になって,運開を前に変更が認可をされ たのであろう。詰まり山口ダムに東濃用水の取水口があったことはなくて新設時から落合ダムにあったものと思われる,そして詰まり喞筒(ポンプ)アップの費 用<遠隔地から導水する費用なのであろう。ちょい吃驚だが,電気態々使って喞筒アップするのはあちこちで行われてはいるので建設費・管理費など勘案したの であろう。電力消費を減らしたい昨今,山口ダムに移設してポンプの費用減らせないものやろか?昼間がメインなので太陽光とかで喞筒アップしても良いかも知 れないけど・・)

この浄水場は①そんなあちこちに有る訳でも無い。②阿木川ダムの下流に東濃用水の取水口が無さそうに見える。この二つの矛盾が此処での疑問である。
この疑問を念頭に阿木川ダムを見て行く。疑問への検討はこちら[検討]で行う。先ずは阿木川ダムの増強[],更には


阿木川(あぎがわ)ダム[水力] [便覧][wiki]     
水資源機構
目的:洪水調節・不特定利水・上水道・工業用水(FNWI)
供給先:愛知用水(WI)・東濃用水(W)
補給地区
上水道用水
工業用水

岐阜県 東濃地区
最大 0.8m3/s
なし
0.8
愛知県 愛知用水地区
最大 1.102m3/s
最大 2.098
3.2

1.092
2.098
4.0
(単位:いずれもm3/s)
堤高:101.5m、堤体長:362m(ロックフィル部のみ)
総貯水容量:4,800万m3
有効貯水容量:4,400万m3
     洪水期利水容量:4,400万m3(有効貯水量量の内)
    非洪水期利水容量:2,800万m3(有効貯水量量の内)
      洪水調節容量:1,600万m3(有効貯水量量の内・総容量の1/3)
      堆砂容量: 400万m3
標高
 天端標高:417.500m
   常時満水位標高:412.000m(サーチャージ)
     洪水期制限取水位標高:400.500m
     最低水位標高:363.000m
     基礎標高:316.000m
集水面積:81.8km2 湛水面積: 158ha (1.58km)
着手/竣工:1969/1990

堤体。なんか下から見ると凄い滑り台に見える。


阿木川発電所[水力] [DB
(独)水資源機構
    ダム式・貯水池式
認可最大出力:2600kW      常時出力: 530kW
最大使用水量:4.70m3/s
有効落差:66.78m
流域面積:81.8平方キロメートル
取水:阿木川[阿木川ダム](非洪水期EL.412.00m・洪水期EL.400.50m)
放水:阿木川(水力DBには363.0mとあるがこれは阿木川ダムの最低水位なので(ほぼ確実に)誤り)

阿木川ダム放水口[場 所
下流側から臨む。並んで水路トンネルが並んでいる図があるが,これだと1本しか見えない。

たまたま逆方向,橋の上から撮ってた。今は1本しか無い様である。工事中の川回し用で放水に使わない一本は埋めてしまったと思われる。



岐阜県水道事業/水道用水供給事 業→こちらに移転

事業の沿革

事業統合以前の概要(東濃用水道及び加茂用水道)   
岐阜東部上水 道用水供給事業の概要(統合後)

木曽川水系岐阜県水道事業の供給プロセス
供給地点位置図


[検討]
問題を整理する(詳しくはこちら[疑問]で)。
浄水場は①そんなあちこちに有る訳でも無い。②阿木川ダムの下流に東濃用水の取水口が無さそうに見える(例えば地図(取 水点は△になってる)や系統概念図)。この二つの矛盾が此処での疑問である。

解候補として以下の様なものが挙げられそうである。

①【非明示の導水管存在案】阿木川ダムの発電施設放流レベルから中津川浄水場へ地図には描かれていないが導水路が建設されている
[長所]…阿木川ダム発電施設の放流位が実際の放水位より可成り高く,中津川浄水場より高いレベルにあって取水後自然流下出来そう。
[短所]…山口ダムから落合ダムへ変更になったように遠距離は避けられる?また揚水(ポンプアップ)は一般にそれ程忌避されて居らず安価?

②【水量立替案】阿木川ダムで確保した分を笠置・丸山・兼山・川合等の各発電所で関電に使用する代わりに落合ダムでの取水量を上乗せ。また牧尾ダムで確保 した分を御岳・木曽・読書・山口(賎母)で発電も可能。
[長所]…ノーコスト
[短所]…そんな水量の立て替えなんてありえるの??

③【非明示の浄水場存在案】阿木川ダム直下で取水して非明示の導水管で非明示の浄水場(阿木川の近くにある)に送られている。
[長所]…東濃用水は初期に下流3市が暫定開業しているがその時の暫定の浄水場が中津川以外にあったかも知れない。
[短所]…そんなまどろっこしいことするか?また暫定開業時の浄水場があったとしても,1973当時,阿木川ダムは未だ工事中である。(が将来を見越して 設置されてた?)

[解答]
東濃用水の落合川のサイフォンも地理院には記載されてないので見えない導水路があっても全然不思議では無いのであるが,これ以上は判らないので阿木川ダム の事務所に電凸してみたが事情を知っている者がおらず,東部広域水道事務所に改めて電話をしてみた所,答えは②であった。なるほどね~,そういうことは やってるんだな。落合発電所と大井発電所の発電量が0.8m3/s分減ってしまうとはいえ,まあそれ以上のメリットもありそうではある。電凸序でに山口ダ ムから落合ダムへの変更の経緯とかも聞いてみたかったが,お仕事の邪魔をして いる身であるし古い事ではあるので自粛しておいた。

ということで有効落差が小さめって謎はある(多分洪水貯留分は差っ引いていると思われる)が,放流口EL311mで 4.7m3/s程の水源があることで確定である。とはいえ直下で山本用水に1.0m3/s弱とられるのでまあ3.7m3/s程度と云った所 か。もう一寸阿木川から最大放水量はありそうだけど山本用水の年間の取水量はどんな感じかな~。


~湯壺川~

R247の湯壺川右岸の林道を分け入ると工事中通行止めの林道(こ れ。今にして思えば湯壺川堰堤の建設に際して切替られた道路か)を分け暫く行くと行き止まりになっててダムが現れた。なかなか立派なダムである。

湯壺川貯留堰堤
行き止まりで切り返しギリギリの狭い場所で全体を写真に納めることが出来なかったので分割でお届け。




アオコの発生抑止の為に設置されたバイプラインはこれか?


更に上流には小沢溜池もあったようだ(地 図読みだとそこそこデカい・EL.465.9m)。湯壺川,色々利用し尽くされてるなぁ~。

小沢溜池[便覧
河川     木曾川水系湯壺川
目的/型式     A/アース
堤高/堤頂長/堤体積     32m/141m/150千m3
流域面積/湛水面積     7.1km2 ( 全て直接流域 ) /11ha
総貯水容量/有効貯水容量     946千m3/925千m3
ダム事業者     岐阜県
着手/竣工     /1965




~岩村川~
上流の富田川には岩村ダムもある

岩村川貯留堰堤[加 藤
提高     14.5m
提頂長              53m
総貯水量      42,500m3
事業主 水資源開発機構
完工    1990

~吉田川~
吉田川の支流に大きめの溜め池がある。

恵那中部ダム(姥ヶ洞溜池・うばがほらためいけ)[便覧
河川     木曾川水系吉田川
目的/型式     A/アース
堤高/堤頂長/堤体積     20m/141m/68千m3
流域面積/湛水面積     1.8km2 ( 直接:0.7km2 間接:1km2 ) /3ha
総貯水容量/有効貯水容量     187千m3/187千m3
ダム事業者     岐阜県
着手/竣工     /1964

大仰な名前が気になって寄ってみたがただの溜池の様だった。
別名(というか溜池としての名前)は姥ヶ洞溜池(うばがほらためいけ)と云うらしい。便覧にも何故か溜池名で載っている。

築堤の様子

池の様子

向こう側に何か白い建物。


結構,みんな寄ってるw
https://dam.at.webry.info/201104/article_2.html
http://damnet.or.jp/Dambinran/binran/Hozon/huukei/enacyubu.htm
http://www.pcpulab.mydns.jp/main/enachubudam.htm
https://bunbun.hatenablog.com/entry/ubagahora

この辺も木曽川が深い谷を刻んでいるが,高い所は割りと平べったい所も多くて人が住んでいるので溜池が掘られているようである。

その白い建物は簡易水道の浄水場だった。 まだ真新しい。

諸元はこんな感じだそうな。


~富田川~

岩村ダム[便覧
[近くのダム]  姥ヶ洞溜池(2km)
  小沢溜池(7km)
 田沢防災(7km)  阿木川(8km)  根の上湖(9km)  洗井沢溜池(10km)  上平第一溜池(10km)    
河川     木曾川水系富田川
目的/型式     FNW/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     35.8m/144m/49千m3
流域面積/湛水面積     1.7km2 ( 全て直接流域 ) /2ha
総貯水容量/有効貯水容量     180千m3/160千m3
ダム事業者     岐阜県
着手/竣工     1986/1997
ダム湖名     三森山湖 (みつもりやまこ)
常時満水位:EL.733.3m

諸元(現地看板より)


狭くて拙い私の腕では堤体全体を納められず。。

もうちょい下迄


ダム湖。狭い。。(湛水面積は2ha・流域面積は1.7km2[小さ]・有効貯留量は16万m3である。)



阿木川貯留堰堤[加 藤
提高       11.3m
提頂長            45m
総貯水量         52,800m3
事業主 水資源開発機構
完工    1990





[増強私案]新規電源開発

さてこれは発電所を建設する必要がある♪

先ずは1.阿木川ダムの発電量増強と2.阿木川ダムと大井ダムの間での発電の二つが課題である。

阿木川ダムはお隣の飯沼川流域がすっぽり抜けてるし,阿木川と大井の間は既に阿木川がダム式で発電にされてるのでダ ム直下で取水,木曽川へ持っていく。奥戸発電所の存在と大井発電所の増強(私案)も睨む必要がある。
東濃用水の解けてEL.311mで4.7m3/sフルで使える筈である。

1.阿木川ダムの発電量増強
お隣飯沼川の水を持って来れそう。17.4km2程になりそうである。

飯沼川に魚道付きの小ぶりなダムを建設しても良さそうである。




[増強案]阿木川(あぎがわ)ダム
目的:FNWI
供給先:愛知用水(WI)・東濃用水(W)
補給地区
上水道用水
工業用水

岐阜県 東濃地区
最大 0.8m3/s
なし
0.8
愛知県 愛知用水地区
最大 1.102m3/s
最大 2.098
3.2

1.092
2.098
4.0
(単位:いずれもm3/s)
堤高:101.5m、堤体長:362m(ロックフィル部のみ)
総貯水容量:4,800万m3
有効貯水容量:4,400万m3
     洪水期利水容量:4,400万m3(有効貯水量量の内)
    非洪水期利水容量:2,800万m3(有効貯水量量の内)
      洪水調節容量:1,600万m3(有効貯水量量の内・総容量の1/3)
標高
 天端標高:417.500m
   常時満水位標高:412.000m(サーチャージ)
     洪水期制限取水位標高:400.500m
     最低水位標高:363.000m
集水面積:99.2km2(直 接:81.8km2・間接:17.4km2)  湛水面積: 158ha (1.58km)

現状,流域面積当たりの取水量は少なめ(57.5%)だが,年間降 水量は少なめの地域。こんなものか。。
飯沼川からしっかり取って発電するとすると6.0m3/s程にしたい感じはある。ただ1.3m3/s程度の小さい発電機をもう一度置くのは如何かってのは ある。増えた水量は常に流して発電して常時出力をあげる方向が良さそう。
貯留ダムを3箇所も造っ てパイプラインを這わして選択的取水塔を完備する等可成り気を遣ってるダム湖の水質の為にも発電で常に水を使ってダム湖の水を入れ換えて循環させてる方が プラスの筈である。

阿木川発電所[水力
(独)水資源機構
    ダム式・貯水池式
認可最大出力:2,600kW      常時出力: 530kW→引き上げ
最大使用水量:4.70m3/s
有効落差:66.78m
取水:阿木川[阿木川ダム](非洪水期EL.412.00m・洪水期EL.400.50m)
放水:阿木川(水力さんには363.0mとあるがこれは阿木川ダムの最低水位なので多分誤り)

2.中流部発電開発

水源:阿木川ダム放流水…4.7m3/s
下流での取水:要確保水量:2.028m3/s
 三郷用水:0.600m3/s
 山本用水:0.995m3/sこ れかな?
 恵那市水道:0.086m3/s
 恵那市工水:0.347m3/s

大井ダム阿木川導水路取水地点での流域面積…ほぼ奥戸発電所の流域面積119.8km2に等しい。約100km2で10m3/s程期待出来そう。但し阿木 川からの放流量4.7m3/sの内,2.0m3/s程度はAIWで撮られる上に奥戸でも2.0m3/s程取られるので6m3/s程度か。
とはいえ,ここで大井に取るのは出水時の使い切れない分と割り切れば良い。
問題は発電として常時どの程度使えるかと云う事である。
阿木川が放流する4.7m3/sの内,2m3/s程度は使われるので残りは2.7m3/s程度か。貯留ダムや飯沼川導水・途中の河川からの取水等を総動員 して3.0m3/s程水量確保出来ると発電にも心強い水量となる。

導水距離5.9km程度で大井ダム導水への取水部に至る。

[私案]恵那発電所
出力:1,300kW→小さいあかんわ。。
落差:55m
水量:3.0m3/s
取水:阿木川[山本用水取水堰・阿木川ダム放水口]312m
放水:阿木川[(私案)大井ダム導水取水堰](こ の辺)255m