~ハ サリ(羽佐利)川~ さて先程の落折取水口の直ぐ下の橋を絡めた急カーブに取り付く林道がある。 その荒れた林道を上がっていくと程なく美しいすだれの様な砂防ダムチックな堰堤が現れてよく見ると川原には取水溝が走っている。 その辺をうろうろしてみたが利水標識は見当たらなかった。。余水吐?の様子。余水吐は湿ってはいるものギリギリで溢れて無く,割りと規定量満量取水出来て る様であった。 土石流危険渓流らしい。また漢字表記も判明した。羽佐利川と書くらしい。京都の佐々里を思い出すが,何か「はさり」に謂われはあるのかな。。 |
~加地川~ 上流に孤立して発電所がある。一寸新しめの96年運開。どういう経緯があったのであろうか? 加地発電所[水 力] 鳥取県企業局 運開:1996.8 水路式・流込式 認可最大出力:1,100kW 常時出力:92kW(8.4%) 最大使用水量:0.55m3/s (0.79) 有効落差:242.10m 導水路:総延長2154.3m 流域面積:6.9km2→小さっ! 取水:加地川(711.10m・こ の辺か?) 放水:加 地川(457.10m) |
~吉川川~ 岩屋堂付近から奥は八東川は名称が不確かになる。本流格はR29が辿る折 落川(地理院)と思われるが,全部纏めて加 地川[G]と書かれてたりする。。 それらに対して吉川川はR29から離れて行き,r72若桜下三河線が随伴する。どん詰まりは江浪峠であり,その向こうは岡山県との県境付近の兵庫県,千種 川源流となる。r72は兵庫県道となって千種町を経由して佐用へ下っていく。残念ながら県境付近は分断未通となっている。 兵庫県側のr72は手許のマップルでも地理院でも岡山県境の峰 越峠で県道指定が終わっている様に描かれており,ストビュウに拠ればr73の早 期開通の看板が立っている様だ。国道にでもならない限り開通は絶望的だしそれで良いと思うし,なんなら国道に指定されると開通させられてしまう風 潮もいい加減にして欲しい。人口減少社会,こんな道路は不要であり,水力発電の開発と絡めるとか風力発電の開発と絡めない限り予算を付けるべきではないだ ろう。日本は最早貧しい国なのだ。散々過疎地へ道路つけても過疎が解消した事例など殆どないであろう。 いずれにしても鳥取県側は大通峠[地 理院・G] 経由で兵庫県側に通り抜けられるようだ。兵庫県側は岡山県に入った若杉峠の峠下迄[地 理院・G] 行けるようだ。地理院は鳥取側からは徒 歩道の破線で県道そのものは江浪峠迄続いていて途切れている。 また吉川の聚落はそ こそこデカそうで,R29がこっちを経由したりする世界線もあり得たのかも知れない。 |
~舂米川~ 下で見る様に舂米発電所の最大使用水量は4.00m3/sであるが,その全量はこの茗荷谷ダムか ら供給可能。 我々は戸倉から降りてきたし八東川の流域なので落折川・ハソリ沢以下で連続する八東川の支流の沢どもからの流れが八東川沿いにある舂米発電所の本流みたい に思って居たし,この頁の初稿を書いた時(20.12)は未だダムがメインで途中の沢は付け足しみたいなシステム(久々野・豊岡・水窪etc)をあんま見 知らなかった私は,舂米発電所のメインは途中の沢ども多数からこまめに取水する八東川沿いのルートである位に思ってたけど,舂米川から取水するこの茗荷谷 ダムから舂米発電所がメインのルートの様だ。以下で水の運用を検討。 今(22.2)では,本流筋は水量もメインなだけに兎角何万年の間に削られて標高が低いので八東川沿いは渓流沿いに取水し,支流ながら大きめの茗荷谷は中 流にどかんと貯水池を建設したんだな位迄には設計者の気持ちを読み取る事はできるようになった。 茗荷谷(みょうがだに)ダム[場 所] 堤高:40m 総貯水容量:61.2万m3 有効貯水容量:40.0万m3(貯留量400,025m3) 流域面積:50.4 km2( 直接:17.4km2 ・ 間接:33km2)→? 湛水面積: 5ha 満水位:EL.474m (地理院) 着手/竣工:1958/1960 送水:舂米発電所(4.00m3/s) 着手/竣工:1958/1960 突然東京都心部に迷い込んだかのような名前のダム。こちらは閑かな谷間にある…と云いたい所だが,近年は分断国道だった癖に高架道路のバイパスが湖畔でそ の存在を主張しては居る。 20.10 堰堤裏側 湖畔を通ってたしょぼい国道はめっちゃええバイパスを湖上を跨ぐ位置に建設してしまった(こんなの↓)ので,これを前向きに捉えるなら旧道の水没を心配す る事無く,ダム を嵩上げして貯水量増やして行ける様になったし行くしか無い。 導水の可能性としては一筋北側の宮の谷川くらいか。4.2km2程。その脇の支流も併せ て5.8km2程度である。導水距離は1.2km程度と近傍なのでコスト的な問題はないだろう。 水 力.comさんに拠ると >茗荷谷ダム右岸天端脇から、堤体上流側及び宮の谷川注水路の流れ込みです。もしかしたら、宮の谷川の隣に在る沢からも渓流取水を行っているかも知 れません。 とのこと。既に実現しているのかも!? 先程の堰堤裏側写真をよく見ると。。 ただの沢水の流れ込みにも見える(笑) ス トビュウだとこれ。さあこれはなんだ!? |
鳥取県営舂米水力発電所の運営を開始~国内初、民間事業者がコンセッション方式によるPFI事業として公営水力発電所の再整備・運営事業を開始~ https://www.chuden.co.jp/publicity/press/1201896_3273.html 2020年08月27日 中部電力株式会社 当社が三峰川電力株式会社、株式会社チュウブ、美保テクノス株式会社(以下、「3社」)と設立した特別目的会社「M&C鳥取水力発電株式会社」 (以下、「SPC」)は、2020年9月1日から、鳥取県が所有する舂米水力発電所の運営を開始します。 鳥取県は、2019年3月に、運転開始後50年以上経過した県営4水力発電所の再整備および再整備後の発電所に運営権を設定して20年間運営を行う再整 備・運営等事業(以下、「本事業」)を募集しました。当社は、本事業に3社とコンソーシアムを形成して応募し、2020年3月に優先交渉権を得ました。 その後、2020年5月にSPCを設立し、2020年7月にSPCが鳥取県と特定事業契約を締結しました。本事業は、水力発電施設のコンセッション方式 (注1)によるPFI事業(注2)として国内初の事例となります。 SPCは、4水力発電所のうち、既に鳥取県にて再整備が完了し現在運転 中の舂米水力発電所について、2020年9月1日から運営を開始するとともに、その他3発電所は2021年度から再整備を実施し、再整備完了後順次運営を 開始します。 当社は、中部地方において197ヶ所(2020年7月末時点)の水力発電所と38基のダムを保有しており、長きに亘り安全な運用を続けるとともに、数多く の水力発電所の再整備等の実績があります。これらの知見を活かし、SPCによる安全な再整備・運営事業の実施に貢献してまいります。 (注1)施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式 (注2)民間の資金と経営能力・技術力(ノウハウ)を活用し、公共施設等の設計・建設・改修・更新や維持管理・運営を行う公共事業の手法 【鳥取県営4水力発電所の概要】
【特別目的会社の概要】
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~来見野川~ 23.1末。すっかり戸倉峠が気に入った息子のリクエストで何回目かの戸倉越え。勿論それだけで終われる訳も無く,今回も雪中発電所巡りを組み込み決行。 前回22.2上旬に引き続いての真っ白な風景であった。来見野川へはr103若桜湯村温泉線が同伴して遡る。湯村温泉とは扇ノ山を跨いだ向こう側,兵庫県 側である。 地味に越県県道ではあるが例に漏れず分断県道である。入口付近には諸鹿口というバス停があった。二回目23.1に来た時はこの入口付近の除雪で出来た雪山 で子供らが橇遊びをしていた。 赤松橋を渡るとすぐに聚落。ぽつぽつとある家の切れ目の向こう側に発電所がみえた。 中国電力(株) 来見野発電所(赤松発電所)[中電] [水 力] ▲ 発電所位置 八頭郡 若桜町 水系河川名 千代川水系来見野川・細見川 発電開始 昭和10年9月(1935) 形式 水路式・流込式 認可最大出力:3,000kW 常時出力: 240kW[8%] ←常時少ない。。 使用水量 2.78m3/s(来見野川・細見川)[0.695] 落差 131.82m 導水路:総延長4642.7m、主要導水路 幅1.40m×高1.78m、延長4580.9m 流域面積:40.01km2 取水:来見野川[来見野川取水ダム](354.10m)、 細見川(丹比PS直下)[352m] 放水:来見野川(207.71m) 来見野発電所(赤松発電所と2007年版『県別マップル鳥取県』には記載されている(多分地元での通称・米川発電所にも立地名の黒見発電所,神通川の大久保発電所にも同じく塩の発電所とかちょくちょくあ る。此処は米川発電所とちがって一応来見野川沿いだけど地名としては赤松)ので冒頭の地図にはそう書き込んでしまった。。) 22.2に来た際には雪深いので発電所だけ遠くから眺めて帰って来た。 次は取水ダム迄と更に下流の細見川上流迄貪欲に取水の手を伸ばす来見野川発電所の全貌を貪欲に調べに行き たい。と思ってたが次ぎに来訪した23.1には発電所すら気付かずに通り過ぎてしまった。 この日は日帰りで千代川の発電所をなるべく罔羅的に,でも軽く,見るぞと思っており先を急いでしまった。 22.2 なんかの絵の様に撮れたのではないかと思ってるけど現地では気付かなかったけど左端にもなにか鉄管らしきものが見える。余水吐でもあるのかもしれない。 引退間際の愛車初代FIT。左だったかのステアリングは荷重がかかるとバギバゴ変な音がするし,この一寸後からABSの警告灯が点きっぱなしになってし まった。 よく走る良いクルマだったけど流石に1月に購入を決断して6月予定で納車待ちであった(実際は4月に来た。) 22.2 この発電所のある辺りは赤松と云うらしい。 22.2は折り返した雪の道を23.1は登っていく。赤松の聚落を抜けると人家はなくなり森になり,暫く行くと来見野(くるみの)。更に人家が途切れて進 んでいくと取水堰があった。 来見野発電所来見野川取水堰(仮称) 23.1 雪で閉ざされた向こうに標識が見えるので雪を掻き分けて接近す♪ そしてこの日最大の収穫!それぞれの川に最大取水量が設定されていて両者 の合計量が発電量の最大使用水量となっているようだ。 用瀬発電所取 水堰でも見かけたような説明板があった。 維持流量に関しては以下の様に書かれていた:
この取水堰の一寸奥に県道の入口に諸鹿口とあった諸鹿の聚落があるようで,県道も除雪されてたが引き返してきた。この先で未成区間となるが,その手前,諸 鹿の聚落の直後からス トビュウだと災害通行止めになっているようだ。 此処での取水量は2.224m3/s,調べて見ると流域面積は24.0km2とまあまあの取水量である。 |
~細見川~ 丹比から北上して岩美へ向かうr37岩美八東線であるが,道は南北方向であるが,川は東西方向に流れるので,川に从(したが)って遡上していくが或程度進 むと川と離別し何度も峠を越えていく。 このr37が丹比の聚落でR28から岐(わか)れて先ず遡る(正確には八東ではなく岩美が起点のようだが)のが細見川である。その細見川の上流には丹比発 電所がありその放流水は一筋上流の来見野川の水と一緒に来見野発電所に送られて発電に使われる。 その丹比発電所と来見野発電所の細野川取水堰であるが,山越えする県道(主要地方道であるr37)から分岐して川沿いに直進した場所にあり,そのまま扇之 山林道を経て扇之山方面へ通じている。林道なので通じてないかも知れないけど,その向こう側には岸田川発電所なんかもある。それて山を下ると再びr37と 合流して姫路という聚落にも通じているようだ。R28で姫路から来るだけに,姫路の看板を見るとなんでこっちが姫路やねんと思うが,そういう地名のようで ある。本家の播州姫路と関係があるのかどうなのかは不明。 いずれにしても色々(地域的にも歴史的にも)奥深そうな場所である。 23.1末に戸倉を攻めた後に来見野川を遡上して取水堰迄取り付いた我々は勇躍次の目的地として丹比発電所を選んだのだが,残念ながら冬期通行止めで進入 は雪に阻まれることと相成った。 23.1[場 所] あと8.5km進めばふる里の森なるものがあるらしい(キャンプ場の ようだ)が,発電所はそんなに奥では無い。冬期は取水・発電しないのか,異常時には歩いて向かうのか。その辺が知りたい所である。 雪のない時期の再訪を誓って,急遽計画を変更,r37沿いに袋川方面を目指すことにした。袋川には新しいダムと発電所,支流の上地川には発電所があるので ある。 来見野発電所取水堰 取水量:0.556m3/s 丹比発電所[水 力] 八東町電化農業協同組合 運開:1958.8 水路式・流込式 認可最大出力:175kW 最大使用水量:0.25m3/s[0.22] 有効落差:95.10m 流域面積:11.40km2 取水:細見川(464m) 放水:細見川(来見野川取水口直上・365m) 丹比発電所取水堰 |
~私都川~ 私都(きさいち)川発電所[鳥 取県] 最大出力 152kW 発電所型式 水路式 水車型式 フランシス水車横軸単輪単流渦巻型 発電開始年月日 2018(H30)年12月2日 河川名 私都川 位置 八頭郡八頭町明辺 [G・地 理院] |