電力総研 水力あれこれ(四国) 四国 水力
剣 山
祖谷川名頃
貞光川穴吹川 那賀川坂州木頭川 物部川上韮生川
とはずがたりな掲示板 (利 水スレ電 力スレ)

剣山周辺源流

標高2000mに迫る四国有数の高い山である。
北陸の剱岳も常願寺川早月川黒部川の水源として大活躍しているが,こちらの剣山も可成りの水を周囲に供給している。

地図からこんな感じ。 2,500mm~3,000mm程の降水量の様で ある。


此処を源に,祖谷川貞光川穴吹川物部川上 韮生川那賀川坂州木頭川等が流れ 出ている。流石四国随一。
王滝川・西野川・益田川(飛騨川)・秋神川・小坂川・加子母川(白川)・付知川等の川が流れ出す御岳山と比肩し得る山である♪
御岳山の雨を集めるに南麓には三浦ダムと牧尾ダムがあるものの,その他は秋神川下流に秋神ダムがあるだけで小坂川と加子母川と西野川ががら空き(課題!)の御岳周辺と 同様に,那賀川の下流域に頼れる小見野々ダム長安 口ダム・川口ダム群があるものの,その他は小さな名頃ダムと大美谷ダムしかない(物部川上流と穴吹川上流・那賀川 上流・坂州木頭川上流が課題!)。これ又多雨で有名な大台ヶ原が大迫ダ ム池原ダム・坂本ダム・宮川ダムの包囲罔で銚子川以外鉄壁の布陣なのと対称的である。

多雨地帯ながら標高不足の阿佐海岸地区とは訳が違うのだよ♪(謎の上メセw)

ということでここで纏めて再掲して,一部妄想もこちらに集約する。

祖谷川
此処は松尾川方面名頃ダムで完備されてると云 えよう。

四国随一のエコな調整電源松尾川第一・第二発電所を潤す松尾川ダムへの一体的な流れを形成してい る。その為,祖谷川を流れる祖谷・高野・一宇・三縄のシリーズ発電所への三浦ダムや朝日ダム的な存在が欠落しているのが残念と云えば残念である。
名頃ダムと松一祖谷川取水堰でどの程度水量が安定化するのであろうか。
松一祖谷川取水堰堤22.4

松一祖谷川取水堰堤
取水量:?
流域面積:31.5km2
貯留量:なし?



その下の祖谷発電所菅生取水堰堤でのダム化等を妄想したが,勿論,3000万m3には遠く 及ばない量であるw

祖谷発電所祖谷川取水堰堤
取水量:?  / 取水位:723.1m
流域面積:50.2km2 (一次:8.7km2 二次 31.5km2)
貯留量:なし?


祖谷発電所桐谷川取水堰堤
取水量:?  / 取水位:724.6m
流域面積: 24.57km2 (一次:6.97km2 二次: 17.6km2)
貯留量:なし?

松一が闖入してくるまでは74.8km2を謳歌してたのに松一が合計で49.1km2を取っていったので今では好き勝手取水出来るのは僅か15.7km2 に激減してしまった祖谷発電所。。

人口減少社会を睨めば,こんな感じでダムを建設して早明浦の渇水などに も備えうる必要性があるのではないか!?
満水位EL.740mで設定してみた。取水位の721m迄つかって約270万トン。

もう10m嵩上げして満水位750mとすると438万m3(推定)となる。ただ堤長は200m程になる。
それよりも満水位は740mの侭で此 処だと堤長は130m程に抑えられる。750mでも182m程と経済的かも。
とはいえ菅 生の中心部が沈んでしまう。推定貯水量は980万トン程となりそう。





貞光川(→こちら参照)
ここは今の川又堰堤の奥で発電が出来そうである。

[私案]奥貞光発電所
出力:4,100kW[+4.1MW]
水量:1.53m3/s
落差:326m
流域:15.3km2
取水:瀬開谷(貞 光川(瀬開谷川)世 開(せがい)谷川世 開巽谷(仮称)瀬 開南谷(仮称)広 沢谷)・桑平谷(黒 松谷名 沢谷桑 平谷川)800m
放水:貞光川[川又ダム]470m

できればこの川又ダムを強化したい所。

川又取水ダム462.8m・ [風 景]現取水量:2.7m3/s

490mのダムを建設すると湛水面積50,354m2。

もっとダム建設地点を下げてここに480mで133,265m2

と,ここまで色々考えておいてなんだけえが,冒頭の等雨量図をよく見るとこの辺は一寸 雨が少ないかも。。下手すると2000~2500mm程度か?
奥貞光PSは水量が足りず,寧ろちゃんと水を確保する為に川又堰堤の強化の方が重要になってくる可能性もある様だ。。



穴吹川(→こちら参照)
最奥部にダムを建設。発電所も作りたい。

[試案]木屋平発電所(or奥穴吹発電所)
出力:7,900kW[+7.9MW]
水量:3.0m3/s
落差:310m
流域:23.26km2
取水:穴吹川~川原谷(上 図参照) EL,710m
放水:穴吹川(木屋平・太合谷) EL.392m

そこそこ出力取れるのは魅力である♪

松尾川導水

更に他の川に倣って,名頃松尾 川に送る事を考えて見る。

先ずは貞光川の松尾川導水はこんな感じになるだろう。赤滝川に注ぎ込む。延長 4.9km程・流域5.2km2程


穴吹川を調べて見ると名頃ダムレベルの946mでも松尾川ダムレベルの900mでも面積はあんま変わらない。
寧ろ穴吹川のみから取水するのか,支流の富士ノ池谷へも延ばすのかが大きい感じ。

i) 松尾川レベル・穴吹川のみのケース…流域面積4.9km2・導水延長(貞光川導水に加 えて)2.7km


ii) 名頃レベル・穴吹川及び富士ノ池谷ケース…流域面積5.7km2・導水延長8.3km(内穴吹川~富士ノ池谷1.5km)


iii)つまり松尾川×富士ノ池谷付だと概ね面積5.7km2弱,導水2.7+ 1.5=4.2kmとなる。これかなあ。。頑張って穴吹の方迄延ばしてる感が良いw


奥貞光発電所構想と奥貞光松尾川導水の比較だと導水側に軍配を上げたくなった私だが,ここは木屋平発電所(奥穴吹発電所)構想と奥穴吹松尾川導水の比較で は木屋平側に軍配を上げたい。
理由は二つあって,奥貞光から引っ張って来ても結局吉良に戻す訳だが,穴吹から取水すると戻ってくるのが穴吹川の吉野川合流付近になってしまうこと,奥貞 光発電所は比較的出力が小さい(4.1MW)けど木屋平は結構出力取れそう(7.9MW)である。

とここまでくると穴吹と貞光から名頃も一応やけくそで作図してみる。

奥貞光上流から名頃へもそれ程面積は減らない上に,減っても奥貞光発電所を設置すれば良い訳で




物部川(別府渓谷)(→こちら参照)
EL484m 地点に満水位520mで建設すると支流も巻き込んでの25.6haのダムになる。


上韮生川)(→こちら参照)


那賀川(→こちら参照)
奥那賀川発電所構想あり♪

[私案]奥那賀川(那賀川第四)発電所
出力:4,700kW[+4.7MW]
水量:3.0m3/s
落差:191m
取水:久 井谷新 九郎山麓の沢※・那 賀川(マタダイ谷)615m ※…地理院の地図だと川の表記もないが川の名前を調べる地図には名称不明 ではあるが川が描かれていた。川はありそうだ。
放水:那賀川(折宇谷)420m


坂州木頭川(→こちら参照)
最上流に川成発電所・槍戸川発電所構想

[私案]川成発電所
最大出力:5,700kW[+5.7MW]
有効落差:206m
最大使用水量:3.33m3/s
取水:坂州木頭川・なかん谷・きわん谷・あづか谷760m
放水:坂 州木頭川(550m)→そのまま坂州発電所取水(6.3m3/s)[水 力,com]に拠ると流域面積:40.4km2なのでいい数値叩き出していると云える。

[私案]槍戸川発電所
出力:4,000kW[+4.0MW]
水量:2.5m3/s
落差:195m
流域:23.8km2
導水:6.9km (0.58)
取水:959m
放水:760m




<松尾川・香川用水>

冒頭で見た様にこの辺は黒潮が育む日本有数の多雨地帯である。一方で早明浦ダム偏重の四国,特に香 川の利水状況はお寒いものがある。早明浦の上流の偏った地域に雨が降 らないだけで大変な事になってしまうのである。

一方で,度肝を抜かれる松一の水確保ネットワークであるが,名頃ダムに引っ張ってこれる領域を見て も趣味始めた初期の私が発見した平尾谷川や赤滝川・笹平谷川だが,狭かったり(平尾谷)遠かったり(赤滝川・笹平谷 川)する上に結局より多くの貯水量を持つ松尾川に流れ込むと云うオチ迄付いてあんま効果的ではない。。

この二つの課題を解決する為に県境を越えて雨の豊富な徳島側に水源(緊急水源)を求めたい。勿論そう大量の水を定期的に奪っていく訳には行かないが,早明 浦が乾上がった際に,宇連が乾上がった際の豊川用水佐久間導水みたいに剣山の一番降雨量豊富な那賀川流域から緊急で祖谷川に導水して池田ダムで取水する一 方で,通常時には松尾川ダムへ貯水して発電に回すというモデルである。どの程度機能するのか心許ないけど妄想を提示してみる。

実際に,こんな図もある。那賀川は降雨量が早明浦ダムより多 いのに貯 水量は1/8しかなく少なすぎるのである。
多雨地帯の那賀川(や多分物部川も)上流にはダムがなくて折角の水を有効活用出来ていないのである。
出典:国 交省

勿論これは那賀川のダムの無さを指摘している資料で,越境導水を主張する為の資料ではないが,まあそういう事である。

【越境導水】
ということで同じ徳島県同士や雨量が多い高知県から慢性的な水不足の徳島県になら,穴内川(吉野川水系)から国分川水系へ流す分ぐらいは貰っても良い 筈,,と云う事で,四国山地を ぶち抜き物部川や那賀川側から祖谷川最上流に水を貰うと云う手もあるかも知れない。。(有峰も,結局富山県側に流れるとは云え,違う水系の岐阜県側から取 水している例もあり。) …と思ったが名頃ダムは標高950m級でなかなか取水先が高知県物部 川水系にも徳島県の那賀川水系にも適当な箇所は無さそうである。。その場合は名頃ダムでの貯水と名頃発電所での発電を諦めて松尾川ダム900m級の標高から取水するのが次善の策だらう。さて見に行く。
出典:四 電

物部川流域導水


物部川(奥 物部川堰堤??)[954m=名頃ダム級]から取水する場合3.5km2なので0.3m3/s程度か。導水距離は4km程度
しかし水利権は下流の物部川流域

●住友共同電力 川口発電所 1957年運開 認可最大出力7.0MW 常時出力1.4MW 最大使用水量4.20m3/s(76.2%) 有効落差 200m 流域面積:55.1km2 取水位:498.0m [水力

の使用がある。これを邪魔しない範囲で取水する必要がある。物部川上流にダムを建設して 雨水をしっかり補足していきたい。この中で名頃が取水する余裕も出てくるであろう。
更に此 処2.9km2から取水しても6.4km2だから0.6m3/sと取水は少量である。併せて導水距離は5.3km程。こちらにもダムを造って雨水 を補足していきたい所だけどまあ面積小さいし取水堰程度の規模で十分か。


またこ こら(西熊渓谷[西谷]堰堤953m=名頃級)からも取水出来そうであるが,5.7km2なので0.57m3/s程度か。距離は7km程。
こ こら(西熊渓谷[東谷])からも取水出来そうであるが,両方からだと9.6km2なので0.96m3/s程度とれそう。
ただ,この下流には物部川流域で矢張り

●住友共同電力 五王堂発電所 1960年運開 認可最大出力11.1MW 常時出力2.3MW 最大使用水量3.80m3/s(78.6%) 有効落差 349.45m 流域面積:48.3km2 取水位:618.0m [水力

があるのでやはりこの水利権を邪魔する訳には行かないであろう。こちらは取水面積がより広く五王堂の流域面積の19,8%に及んでしまう。48.3- 9.6=38.7km2となり,3.8m3/s位は恰度とれそうではあるが,実際には取水可能な水量は減りそうである。
西熊渓谷のみならず,取水量の多そうな笹川辺りにも取水堰を建設・強化して,取水力を 強化した上で,常時下流域の最大水量を確保しつつ余剰分を利用すればいいのではないか?
基本的に松尾川側へ流すことを想定している訳だが,香川県がピンチの時には祖谷川側へ流して池田取水工から香川用水へ送水も可能かも知れぬ。こんな枠組み ななダムや導水路建設に際しては香川県にも出資を仰げる可能性もあるのではないか!?堰の建設はこ の辺で検討

いずれにせよ住友共電と高知県の理解を得ながら進めなくてはならない。一度現地に行ってみたいとは思っているが,22.6に那賀川方面から攻め上がった時 は返り討ちにあってしまったw(顛末はこちらw)

更に諦めないw

那賀川水系名頃導水

那賀川源流に降った雨は,
蔭平2・蔭平1 89m
日野谷 116.35m
川口 20.49m
と合計225.84mの有効落差を稼いで海へ至る。

一方で祖谷渓源流に降った雨は
名頃 47m
松一 382.4m
松二 392,77m
と実に775.1mの有効落差を稼ぐ。

詰まり,日本全体の発電量の事を考えれば那賀川の水 を名頃ダムに 引っ張ってこれると発電量を増やせると云う事になる。日野谷・川口が徳島県企業局なのでや やこしいが,那賀川源流の名頃導水を構想してみる。

那賀川源流
951m http://maps.gsi.go.jp/#16/33.829036/134.068801/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
3.5km2。0.3m3/s程取水出来そう。その距離凡そ3.78km。

割りと近いとは云え0.3m3/s相当を其処迄必死に取りに行くかってのはあるな。。

同じ様に坂州木頭川経由を計算してみる。
坂州47.90m
広野292.70m
日野谷 116.35m
川口 20.49m
合計477.44m

那賀川よりマシだがそれでも松尾ルートには遠く及ばない。(最上流部で検討の発電所を足しても677.44と松尾経由に及ばない。ただ大部縮まる)
と云う事で更に坂州木頭川筋からも取水してみる。

槍戸川957m
こちらは1.2m3/s程取れそう。距離は那賀川最源流経由で9.6km。合計1.5m3/s
但し割りと[と案]川成発電所構想に死活的な打撃を与えそうなので 保留。。

その後,那賀川源流坂州木頭川上流那賀川の中下流でも開発出来そうで態々名頃に送るよりも河口近く迄7連続位して発電出来そ うなのでこれも保留なのかなぁ。

まあ常時出力の邪魔をすると云うよりは増水時に使い切れないor取水出来ない時に名頃に持って行く感じの運用とすれば良いかも知れない。下流のダムでは補 足出来る水ではあるが,下流のダムにとっては軽微な量であろう。

取水河川
流域
距離
想定水量
その他
別府渓谷
7.47km2
4km


西熊渓谷
9.55km2
+4km


物部系計
17.02km2
8km
4.0m3/s

那賀川
3.53km2
3.8km


槍戸川
5.85km2
+5.8km


那賀系計
9.36km2
9.6km


合計
26.38km2
17.6km
5.0m3/s

名頃ダム(現行)
21.2km2

3.5m3/s


この25.4km2を名頃の増強に利用すると名頃の使用水量も倍増出来るの では無いか。名頃ダムでバッファが機能するのがデカい。

名頃発電所
出力1.300kW→2,600MW[+1.3MW]
水量3.5m3/s→7.0m3/s

しかも出力も大して増えない。。
が,倍増することで96時間掛かってたダム湖の水の使用が48時間に短縮出来て豪雨で水が貯まっている最中も水をそれなりに使い切ることは出来そう一 寸強引に 増やしたのはその辺を視野である。
この場合名頃発電所直下の逆調整池から松尾川ダム迄の水路も増強してやる必要がある かもしれない。(これも地味にjコストが掛かるかも知れないが現在も可成りの水量を貪欲に集水している様に見えるから余裕はあるのではない か?)

高知や徳島の他水系からの徳島側への導水は発電量そのものを増やせる可能性があるのでやるなら国策に位置づけて県ごとの利害を調整してやる必要がある。
繰り返しになるけど早明浦ダムが干上がった時に発電量を犠牲にして祖谷経由にすれば香川への導水も可能なのである。(まあ名頃の貯水量は知れてるけ ど。。)
愛媛の住友共電を含めてオール四国で体制を組みたいところ♪

とはいえオール四国の体制組むなら,物部川上流と坂州木頭川上流と穴吹川源流と那賀川源流にもダムを作って奥地から下流に掛けて一貫開発すれば良い話しだ よなあ。。
まあボツ気味の保留と云う事で。


まあ結果どれもまあ水系・流域を跨いで迄するかってのがおおかった。
とりま那賀川上流坂州木頭川上流(+13.2MW)・貞光川上流(+6.6MW)の開発はマストで,