電 力総研 水 力あれこれ(北陸)
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21.5.28加筆
20.10.4完成
20.10.2運開

早月川の利水状況と水力発電所増強(上流篇)(23.5探 訪)

概況上流篇【最奥部開発[+9.5MW]最 上流部白萩川取水堰堤(仮称)馬場島発 電所【プチ増強[+0.2MW]白萩発電所小又川伊 折発電所(増強[+6.1MW])]中流篇下流篇

~最奥部~

現状では馬場島発電所が最奥部を形成しているが取水位は 957.0mと立山の高さを考えると未だ未だ中腹(w)である。その上を狙ってみる。ざっと見て白萩川の支流を分ける1258mを基準にしてみる。

発電所(放水点)は馬場島発電所の導水路の途中で。恰度立山川をくぐるサイフォン端だと良さそう。

[試案]立山発電所
出力:9,500kW[+9.5MW]
水量:4.0m3/s[1.78]
落差:280m
面積:22.4km2
導水:支導水路・4.57km 本導水路1.7km  合計6.3km
取水:ブ ナグラ谷白 萩川池 ノ谷毛 勝谷立 山川 1260m
放水:馬場島発電所(菊 石・立山川支水路分岐付近) 970m※←導水路の途中なのでイマイチ標高が解らないが白萩川で976m程度なのでこのくらい行けないだろうか?


~上流~

馬場島(ばんばじま)発電所と白荻発電所が錯綜しているので地図に記入してみた。→・AC間・   


A地点…白萩川・ブナクラ谷入口    


B地点     

左側看板

柵の拡大

早月川に入ってからずっと思ってることだけど植物がデカい。伸び伸びと育って人間を圧迫している。

白倉川の流れ


AC間


C地点
立山川渡河部。すげえ,雰囲気w


早月川(車道)最奥部。この橋は草 pic.twitter.com/9Th2CZDkmg

— とはずがたり (@tohazugatali1) May 27, 2023


D地点    △
上の橋を渡った所に上り勾配のヘアピンがあってその先にゲートあり。閉鎖されているが恰度作業のクルマが出るとこだった。電気工事関係の社用車らしい。

周辺は国有林で駐車車両が何台も停まっていた。皆さん山登り??



白萩発電所取水堰(白萩川?早月川?)[場 所EL.698m付近
白萩発電所・馬場島発電所から一寸上がると直ぐに現れた。
先ずはお約束の吊り橋

水が碧くて綺麗。滔々と流れている。








取水堰より下流側。谷が拡がり遥か遠く迄見通せるダイナミックな風景が拡がる。



北陸電力(株) 馬場島発電所[水 力]・[場 所]・[DB]             
運開:1963 →比較的新しい
水路式・流込み式
認可最大出力:21,700kW   常時出力:3,600kW(16.6%)
最大使用水量:7.90m3/s[1.89] → 面積に対して優秀
有効落差:319.0m →高落差!
導水路:総延長7542.8m
流域面積:41.7km2
取水(957.0m):ブ ナグラ谷(957m)[ブ ナグラ谷(白倉川も)入口(ストビュウ)]、白 萩川(976m)立 山川(988m)[立 山川グーグルカー進入末端←すげえ光景やな,おいw(→行って来た)]、小 又川(964m) 4箇所
放水:早月川(618.7m)(白荻発電所とほぼ同位置・618.8m)

950m級の山中を走り回って頑張って7.90m3/sを掻き集め。流域面積41.7km2なので可成り頑張った。というか高低差300m超がなせる技で あろう。

【馬場島増強】

冒頭の開発案の地図にも載せたが馬場島PSの小又川の隣の2河川 (コット谷と一ノ谷)に直ちに集水路を延ばせそうである。
しかも調べて見ると520m程で二俣に岐れる前に取水出来そうと超効率的に行けそうである。

小又川導水路延長線
取水:コッ ト谷・一ノ谷
延長:0.5km
流域:3.94km2

まあ出力を増やす程のことではなさそうだが例えば水量を8.0m3/sにすると出力を21.9MW[+0.2MW]出来る。

白萩発電所の直ぐ奥側に馬場島発電所はあった。

発電所を建設するに当たって道路を桟橋にして川側に寄せたっぽい感じがする。
23.5
上の方には高落差を実現する水圧鉄管が。

水圧鉄管はコンクリート漬けにされてて剥き出しの鉄管は余水吐らしい。建屋には入らず横へ逃げていく

道路反対側・川に放水される余水吐からと思われる水流。


白萩発電所[水力]・ [DB]      
北陸電力(株)
立地:馬 場島発電所直 下にある
運開:1918.5[立山水力電気(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:3,200kW   常時出力:640kW(20.0%)
最大使用水量:5.26m3/s(190立方尺毎秒?189立方尺だとほぼ5.26m3)[0.88(2.99)]
有効落差:74.50m
導水路:総延長2000.0m
流域面積:59.3km2(上流で馬場島発電所が取水しているのでそれを除くと17.6km2しかない・逆に併せて59.3km2から13.16m3/s 取水してるとも云える。)
取水(695.93m):早 月川(696m)小 又川(705m) 3箇所
放水:伊折発電所(615.49m)

直ぐ近くから取水出来そうな。。追加流域は3.8km2と僅少だが導水距離も200m程度と僅少である。→ところが,DBに拠ると取水先は3箇所。まさ か,と調べて見ると,こ れ[G]はありますなあ~。一 旦一寸上流側に寄せてから川を暗渠でくぐるような感じか?


ほぼ同一箇所にあって取水標高を棲み分けてる発電所。更にこの場所で伊折発電所の取水もしている。
900m級→馬場島発電所(618.7m)→早月川に放流・直下で伊折発電所が(一部)取水?:7.90m3/s
700m級→白萩発電所(615.49m)→伊折発電所に送水:5.26m3/s

早月川(この辺はもう白萩川?)と伊折の取水口制水門となんかの建屋(伊折用)と白荻発電所建屋。

白萩発電所建屋より上流側にある沈砂池


伊折発電所の導水路は道路を交叉して山側を進む。道路脇に水路っぽい構造物が。


ここから下流は両水流を併せて増強出来るはず。この施策が効くのは以下の連檐している伊折・中村・箕輪の3発電所。
伊折の取水口に調整池が あって水量を安定させられると水系全体の発電量を増強出来て効果大きそうなんだけどなあ。。
常願寺川の千寿ヶ原の瀬戸蔵砂防堰堤を調整池にし たいと思ってるけど,それと同じ困難さ(上流からの土砂流入)があるのは確か。
黒部川本流に後補された宇奈月ダムとかどんな感じだったんだろうか。

小又川      
県道はトラス橋を二つ並べて渡っている。昔は1.5車線の県道でトラス橋一本だったのであろう。


伊 折発電所導水路の渡河白 萩発電所の取水馬 場島発電所の取水がある。
地理院に拠れば伊折の渡河は橋の直ぐ傍っぽいがそれらしい設備はこれ?

拡大。。よく解らん。。水力さんにも小又川と明記されていてここから取水してるものだと思ってたが水が全く流れてない様だ。。

上流の堰堤も多分砂 防堰堤(地理院のこれ)っぽい。。


さて小又川での取水であるが,馬場島発電所は550m程伸ばせば一の谷・コット谷からも取水出来る。3.85km2と狭いが高落差なので水量確保の効果は でかい。追加の導水距離は短くで済むので水利権を追加取得して行きたい。


さて奥へは林 道の入口がいきなり大きな水溜まりで水没しててそこはまあ通り抜けたんだけど入口からこれかよと一寸萎えて,先(下流の調査)を急ぐ事にした。

北陸電力(株) 伊折発電所[→中流篇]     
運開:1953.9
認可最大出力:18,000kW     常時出力: 5,000kW[27.8%]
最大使用水量:9.00m3/s[1.40]▲
有効落差:240.0m
水車:2台 総出力18800kW
導水路:総延長8577.6m
流域面積:64.1km2
取水(615.9m):早月川(馬場島)[白萩発電所馬 場島発電所]・小又川大 熊谷 (DBに は3箇所とある。水 力さんは別々に書いてるけど早月川と白荻PSは一箇所(同一箇所)扱いか?)
放水(363.3m):中村発電所・早月川[こ れ

さて,伊折発電所をどう増強していくかが課題である。

①馬場島発電所(7.90m3/s[1.89])と白萩発電所(5.26m3/s[0.88(2.99)])の使用水量の単純合算13.16m3/s [2.22]。
このケースだと使用水量は+4.16m3/sとなり,発電容量は26,500kW(+8.5MW)となる。この場合,流域面積に対する使用水量は2.05 となって可成り高め。認可最大出力に対する常時発電量は18.9%となる。
1953運開の伊折(有効落差240m)に対して1963運開の馬場島(有効落差319m)であるが,現代的にも,有効落差的にもこの位の規模感は有りか も知れない。

②馬場島の流域面積に対する使用水量[1.89]を援用してみると,伊折の使用水量は12.0~12.1m3/s(+3.0~3.1m3/s)となる。 24,100~24,300kW(+6.1~6.3MW)ぐらいの発電所に出来る。

いずれにせよ12m3/s程度は見込んでも良いのではないか?

[増強私案]伊折発電所       
認可最大出力:24,100kW[+6.1MW]     常時出力: 5,000kW[20.7%]
最大使用水量:12.00m3/s(+3.0m3/s)[1.87]
有効落差:240.0m
水車:2台 総出力18800kW+1台 6500kW
導水路:総延長8577.6m
流域面積:64.1km2
取水(615.9m):早月川(馬場島)[白萩発電所馬 場島発電所]・小又川大 熊谷 
放水(363.3m):中村発電所・早月川[こ れ


以下中流篇参照