電力総研 水力あれこれ(四国) 四国 水力
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20.9.22運開

那賀川水系坂州木頭川源流開発(21.6逍遙) (23.3再訪)

(長安口ダム=別頁) 広野発電所[35.7MW] 坂州発電所[2.5MW] 大美谷ダム[貯水量:30.9万 m3] 追立ダム 沢谷第二取水設備 釜ヶ谷 川成 [私案]川 成発電所[+8.4MW] [私案]槍 戸川発電所[+4.8MW] 剣山スーパー林道

名頃ダムは長大な(有効落差が大きい事を形容するに適切な表現はなんであろう??)有効落差を誇る松一・松二(松尾川第一・第二発電所)のロジを担う補助 的なダムである。メインの松尾川ダムは,その高度故に水が足りずに周辺の山々の谷筋に取水路を張り巡らしている。

その一環として遂に名頃ダムからも水路を張り巡らして那賀川流域からの導水も試みたのであるが,それをきっかけにほぼ手つかずだった那賀川流域の検討にも 入ることにした。
また那賀川水系は上流で大きく那賀川と坂州木頭川に分かれているが坂州木頭川の方が標高が高く高度を稼ぎやすいと云う判断となりこちらを先ず検討すること とした。本流は半年以上遅れで着手。こちら参照。

坂州(さかしゅう)木頭川には既に発電所が立地しており,その一番上流に位置するのが四電・広野発電所である。
凡そ標高550m地点に取水口があり,そこから水を落としている。松尾川ダム程ではないもののそこそこ沢山の沢から水を集めて最後大美谷ダムで出力調整も 可能な構造の様である。
別に徳島県企業局の坂州発電所もある。広野発電所が立地するのが木頭で坂州発電所が立地 するのが坂州で川は坂州木頭川,嘗ての自治体は木沢村,現在は合併をして那賀町である。

出典:四 国電力
またこの坂州木頭川流域上流,多雨地帯真っ只中,のようである♪
出典:四電

と云う事で下流から見て行く。沢山取水口を持ってるのが広野,単純なダム・水路・発電所なのが坂州である。広野発電所は長安口ダムのダム湖畔に立地してい て川成から川口迄のシリーズ発電所を形成していると云えよう。

四国電力(株)広野発 電所[水 力] [DB
昭和35(1960)年5月:運用開始
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:36,400kW(更新前357,00kW)   常時出力: 0kW
    年間発生電力量:110000MWH(1億1千万キロワット時)
    最大使用水量:14.3m3/s[1.41]←高い♪
    有効落差:292.70m
    水車:立軸フランシス水車 出力36500kW×1台(案内板)
    導水路:総延長17088.7m
    流域面積:101.7km2
    取水:坂州木頭川(川成堰堤)→藤ヶ内谷→樒谷(3箇所)→新居谷(3箇所)→[沢谷(沢 谷第二)→影泉川(沢谷第一)→]→泉谷→大美谷川[大美谷ダム]→発電所[計13箇所(1箇所 不明)] 526.00m
    放水:発電所→坂州木頭川[長安口ダム]220.00m

広野発電所。此処迄ずっと併走してきた取水施設の殆どは坂州発電所ではなくこの広野発電所のものなのにあんま認識せずに適当に流して写真撮って終えてし まった。
21.6

坂州発電所。2018年に設備更新をしている。
最大出力は増えたけど,恐らくフランシス2台を1台に減らした為に,低水量時の効率が落ちるフランシス水車故に,常時出力が減ってしまった様だ。


徳島県企業局 坂州 発電所[水 力
所在地:徳島県那賀郡那賀町坂州
 運開:1952.5・2018年改修
水路式・流込式
    認可最大出力:2,500kW(+100kW)      常時出力:120kW(▲20kW)
    最大使用水量:6.30m3/s[]
    有効落差:47.90m
    水車:横軸両掛フランシス1台(立軸フランシス水車×2台 総出力2400kW←改修前スペックであろう。)
    導水路:総延長1755.0m
    流域面積:40.4km2 →狭い。。広野取水域を抜いている様だ。
    取水:坂州木頭川[追立ダム]276.85m
    放水:坂州木頭川[(ほぼ)長安口ダム(満水位220m程)]225.36m

小ぶりな発電所であったが徳島県が那賀川開発の際の工事用電源として設置したのがはじめだそうな。21.6(上)も23.3(下)も雨だった。。
21.6



追立ダムは、高さ 29.5mの砂防ダムとして施工認可されたもので、これを発電用に利用することにより、建設費の低減、工期の短縮などの効率化を行ってい ます。その他の特徴として、発電のため、電気事業者が排砂ゲート(建屋の下側)を設置しています。大雨等の時には、発電機に土砂が入らないように発電を停 止して、排砂ゲートから放流することにしています。また、発電所の点検作業時にも同様に放流することがあります。[徳島県]

坂州発電所は、砂防用の追立ダムを利用し那賀川河川総合開発事業の工事用電力供給源として建設した水路式発電所とこと。飛騨川の竹原川発電所のようなもの か!

~大美谷~

大美谷(おおみだに)ダム[便覧][水力] [四電
河川     那賀川水系小支大美谷
目的/型式     P/アーチ
堤高/堤頂長/堤体積     31.5m/86m/8千m3
流域面積/湛水面積     101.3km2 ( 直接:7.3km2 間接:94km2 ) /8ha
総貯水容量/有効貯水容量     451千m3/309千m3[6h]←取水量は広野Pを6時間程稼働させる程度の貯蔵量。少ない。。
ダム事業者     四国電力(株)
着手/竣工     1958/1960
満水位:広野P取水位/地理院 526.0m/521.0m
満水位標高:526m/低水位標高:520m [水力] より。地理院は低水位を示しているのかな?利用水深は6mという事になる。

四電に よると四国電力初のアーチ式ダムだそうである。竣工は1960(S35)。

23.3,大雨の日に訪問。ダム訪問時には既に雨は止んでいたが濡れた山道を登っていくと堰堤が現れた。
23.3
堤体にあるべき水門がないのでなんかものたりない。。

探してみると対岸の谷底付近に放水口らしきものがあった。

貯水量は30万トン程しか無く小さめの調整池である。直接流域は7.3km2しかなく,この程度の排水能力のもので対応が可能なのであろう。
帰宅後調べて見たら四 電さんも 「左岸岩盤内に建設されたバイパストンネルから放流を行うため、堤体に洪水吐ゲートはありません」とちゃんと書かれていた。

ダム看板

あらまし
23.3
利水標
23.3

湖面は大雨の直後で完全に濁水であった。

帰宅後調べて見たら四 電さんには 「ダムへ導かれた水は、湖底が見えるほど美しく澄んでいます」と誇らしげに書いてあったがw

放流水。上流10余箇所より導水されてくる。濁水が雪崩れ込んできている。


取水塔遠望
二つあるのは一つはバイパストンネル(放流路)用なのかな?
さっき見た限りでは 放流水は濁ってないよう だっが,もっとダムの上流で取水してた方が四電のいう「バイパストンネル」っぽくもある。
23.3
濁水は完全に上流からの取水の様で,大美谷上流からの水がメインとなる画面左手では早くも濁りが取れている。
放流水は濁りの少ない湖底付近で取水したりし ているのかも知れない。
昭和30年代竣工のダムにそんな環境に配慮した選択的取水施設的なものが備わってるとは思えないが。

上流遠景。正面に見える吊り橋まで行ってから引き返してきた。




追立(おったち)ダ ム[徳 島県
坂州発電所取水ダム・砂防ダム
砂防用の追立ダムを利用したもの。
便覧がダム扱いしてなくて掲載してないのはそのせいらしい。縦割り行政めが。
21.6






~泉谷[場 所]~
県道沿い(r16徳島上那賀線)にあるので一寸寄ってみれば良かったが21.6はスルーしてしまった。。
23.3の再訪時は勝浦川側からアクセスしたが,そのルー トこそが泉谷であった。

23.3
雨上がりで水量は多めだったのであろう。道は細く平日にも拘わらずクルマ通りは殆ど無かった。
峠付近では川は直ぐそこを流れている。

徐々に県道(r16徳島上那賀線)と川の比高が離れてきた。


こ の辺(高野)[地理院]。クリックして拡大。
23.3
取水堰擬定地拡大。地理院だとこ こG 空撮だとこれで間違いなさそう。

所が入口にはこ の先行き止まりというつれない看板が…。道も狭いし歩いておりてくのも大変そうだしということで断念。
ショックで写真も取り忘れたw
次回以降の課題としたい。ストビュウだと道路が凍結しているので冬期は要警戒である。。




~沢谷川~

坂州木頭川随一の支流,沢谷川。その合流部。23.3は大雨の日で川は濁流であった。上流にダム建設して水貯めたいという眼で見てしまうw
大美谷ダムの貯水量は僅少なのである。。沢谷第二堰堤地点で流域面積26.6km2程。 本流,川成堰堤付近で43.6km2,まととに谷付近で30km2程である。


先ずは大轟の滝が現れる。



更に遡って行くと先ずは鉄管(サイフォン)が現れる。21.6は雲早隧道側から来たので最後に通りがかった(大轟の滝には気付かなかった。。)。
23.3は下流から遡ったので先ずサイフォンが登場。

沢谷を越える広野発電所の鉄管
21.6

23.3

さて,最初に来た時は沢谷第二取水設備を先ず見かけて第一はどこやろな,と首をひねりながら結 局パッと見全く想像も付かなかったが。調べて見るとサイフォンの手前(下流側)lにあったらしい。
二回目には停車して見て見た。
23.3
…画面左手の木の階段(マウスオーバーで表示)を上がっていくと見られる可能性は有りそうだ。画面左下には倒れた道路標識もあるし,雨上がりで全般的に濡 れてて長居は遠慮して先を急いだ。
次回の課題としたい。


ここらから県道をあともうちょい上がると沢谷第二取水設備である。第一は極小(地理院に取水元の川が記載されない)っぽかったがこちらはそこそこデカい。

沢谷第二取水設備
堤高/堤頂長:数m/25m内外
取水量:?m3/s
貯水量:なし?
流域面積:約26.6km2程度

大釜の滝(上流は釜ヶ谷川)の川(沢谷川?),へんど谷・菊千代谷の合流点に取水堰がある。
鮎喰川方面からR193(有名な国道上の素掘り隧道である大釜隧道がある)を那賀川側へ抜 けて山を下る と恰度そこに現れたるがこの取水堰である。
21.6
名を沢谷第二取水設備と云う様である。
21.6
残念ながら利水標は無し。また沢谷には此処にしか取水設備はなさ そうなのに何故か第二と付いている。第一が何処かにあるのかと首をひねる。
探してみると発 見![すとびゅう]こ こらにあるらし い。川の名前を 調べる地図では影泉川という様だ。位置的には先程の鉄管の手前である。

~影泉川~

沢谷第一取水設備


~沢谷川・釜ヶ谷川~
この後上流,釜ヶ谷沿いには悪路で有名なR193で鮎喰川神通谷更には川又方 面へ出る事になる。

大釜の滝
 
脇の素掘りのトンネル。R193,国道上にあるトンネルである♪


釜ヶ谷砂防指定地


スーパー林道と交叉。写真は西方面への出入口(ggl に拠ると西コース東側出入口と云うらしい。)

看板。何やら突っ込み所満載。


峠。先程の西コースの東側入口に続き,スーパー林道 の東コースの西側出入口となる。県道側のトンネルを越えると鮎喰川吉野川水系である。スーパー林道を行くと勝浦川上流で落合に出る。




~新居田川[場 所]~


~樒(しきび)谷川[場 所]~

樒谷第一取水設備→第二の存在を前提とすると第 一はこれ[地理院EL.534m]であろう。

樒谷第二取水設備[G]→ だ,第二があるのか!?支 流にあるようだ。

樒谷第第三取水設備→ところが四電の地図だと樒谷だけで取水設備が3箇所もあるようだ。。こ の辺ぐらいしか想像出来ない。

沢谷同様,脇支流が第一,本流が第二という感じで平仄も合う♪第三は残る下流かな。。



~藤ヶ内谷川[場 所]~
県道や林道からちらりちらりとは見えるが到達方法が不明。。


坂州木頭川取水設備(仮称:川成堰堤)
取水位:EL.544.5m(地 理院)
取水量:不明
流域面積:43.6km2程度

冒頭で見た様に多雨地帯の此処らである。しかも山深い。この辺で概ねEL.545m。
未だ40km2を越える流域面積と山頂が2000mに迫る剣山の山襞が奥には存在している。徳島県企業局でも四国電力でも良いが現状で開発を停めてしまっ たのは残念である。

と云う事で,この550mに十分な有効落差を探しつつ上流へ向かう。

最奥部の取水堰

坂州木頭川取水設備というらしい。利水標無し。

しっかり取水中のようであった。


流域水流の安定化に伴う発電力の増強,渇水対策,洪水対策など出来ればこの辺にダムが欲しい所である。ダムに適した場所は狭窄部で其処を抜けると意外に広 いと良いんだけど,残念ながら川成はそんな感じでは無く単調に窄まっていく感じだけど…。
ただ,今川成は 2015年国税調査で8世帯16人である。立ち退きが不可能な人数では無いのでこ こ(川面EL.477m)に堤頂長150m・堤高80m以上(岩盤の位置によって変化)のダム建設を検討してみる。
湛水面積33.1万m2(33.1ha)のダム(川成ダム案(1)) を作れる。利用水深15mとしてV=300万m3程度か。ちと物足りな いかも。

もう一寸下流,こ こ(川面EL.451m)で堤頂長175m・堤高100m以上のダム建設を検討してみる。
湛水面積47.0万m2(47.0ha)のダム(川成ダム案(2)) を作れる。利用水深15mとしてV=420万m3程度かな。。

いずれにせよあんま大きくは取れそうにない。。が,まあ発電用,緊急時の渇水用として合っても悪くないのでは無いか。
問題は最低取水位・満水位かも知れない。
今はEL.535m程で取水しているように見える。折角ダムを造るので貯水量を確保したいのでEL,550mに近いレベル迄貯めたい。となると途中の沢の 取水位が低すぎて川成で取水したダムの水が途中の沢で噴出しかねない気がする。
またダムの水位が低すぎると沢からダムへ水が逆流して仕舞いかねない気がする(これはこれでダムに水を貯められて良いかも知れないが発電には支障が出 る)。沢谷川と大美谷の両取水堰堤の嵩上げは必須か?全部やってったら結構大変か。。となると結局 EL535m程度に,となってしまう。

こうなると広野発電所とは切り離して更に上流にダムを設けた 方が良いのかも知れない。若しくは日吉ダム を通過する新庄発電所や八ッ場ダムを通過する忘発電所,御岳発 電所が通過する牧尾ダムみたいに既存発電所と無関係にダム造る方が結局安上がりか?

樒谷川出合付近にダム建設して取水,追立ダム付近に向けて発電,坂州発電所も増強とかの方が良いかも知れない。その場合,立ち退きも不要である。
ここら(川 面EL397m)に堤頂長150m弱のダムを建設。なんか等高線と標高がズレてる気がするけどまあ無視してEL450mの等高線を信じてやってみ る。が,割と勾配のある場所で面積取れない。バックウォーターがこ の辺にしかならない。
樒谷川を諦めて川 面EL.426mの狭窄部に期待。満水位500mで堤頂長160m・堤高80m程度で行けそう。計測してみると 湛水面積22.9km2と余り広くは取れなかった。(小畠ダム案(当初案))

ちょっと下げて川 面EL.407.6mの狭窄部に期待。満水位500mで堤頂長160m・堤高100m程度で行けそう。 ここだと湛水面積40,.7km2と結構広く取れる。(小畠ダム案(成案))


[私案]小畠ダム
流域:64.2km(直接12.0km2・間接:52.2km2[広野発電所])
貯留量:1,050万m3
満水位:500m
利用水深:30m

流域面積と既存発電所との関係図


[私案]追立発電所
出力:9,300kW[+9.3MW]
水量:5.0m3/s
落差:220m
取水位:坂州木頭川[(私案)小畠ダム]EL.500m
放水位:坂州木頭川[追立ダム(坂州発電所)]EL.276m

現在,追立ダムから取水する坂州発電所は6.3m3/sの使用水量である。そっちをこのダムで水流安 定化して送るとなると増強も出来そうな感じもするが,寧ろ水流を安定化する機能を重視して行きたい。追加投資して増強は差し当たって考えないことにする。
また川成堰堤での広野発電所の取水量を減らしてこちらに回し,逆に沢谷川辺りの取水量を強化する形でトータルの発電量を増やしていくとか考えられるかも。

川沿いにある最上流の聚落と思しき日 浦は既に廃村状態の様であったが,新川成測水所なる小屋があった。

この辺りで流域面積39.80km2らしい。

バス停もあったが既にない木沢村の表記であり,且つ又通例時刻が書いてある四角い部分は元々オンデマンドなのか外されたのか外れたのかなかった。

21.6末現在でもこの先,山 の斜面に拡がる岩倉には住人がいるのか木沢村村営バス代替路線が那賀町営で残っていて予約があれば運行する便が一日2本設定されているようであ る。

那賀町営バス(木沢地区)時刻表
出典:那賀町(pdf)

この日はこの後剣山スーパー林道を経由して高知県へ抜けようと思った。

こ この風景。川は遥か谷底である。岩倉の聚落への村道と思われるが聚落名が書いてないのは何故だ??
結構行き先が村道とか林道とかの青看しばしば見た様な記憶がある。

巨大な文字でも誘導されるw

その後の砂防ダムやガレた谷川やどっかから流されたコンクリート製の樋?が転がった河原などワイルドな光景が連続する。剣山すげえ。

下の写真は此処[地 理院グー グル]だったかと思う。川面付近で地図読みでEL.730m。

写真の腕が下手で呆れる程デカいこの砂防ダムの姿をお伝えし難いのが歯痒いが,堤の裏側はこんな感じ。


更に進んでいく。
川成の取水口から概ね200mの落差を取れる750m付近を探してみると恰度よくまととし谷が流れ込む手前辺りに取水出来そうな場 所[地 理院EL.766m]がある。
ここにも砂防ダムがある(上手にも2,3個連なってるのが見えている)。この辺から取水して 川成の坂州木頭川取水設備の堰堤に放水することを考えて見る。

まととし谷762.2m
この辺で上流は30.1km2である。多雨地帯の四国山地なので物部川の法則に从い,3m3/s程度は取水出来ると想定出来る。近年の平谷・北又渡辺りの 傾向に从えばもっと4.0m3/s程も可能であろう。

ここから雨の多いのが北側斜面か南側斜面か,正確な数値は知らないが,水は黒潮の温かい湿った南側から供給されるとして(雲が北向きの斜面にぶつかって雨 になるのかな??広野発電所は全て坂州木頭川の北側から取水している。。)してなかん谷・きわん谷・あづが谷から取水すると流域面積4.56km2程,導 水距離4.8km程,発電所は川成堰堤傍。広野と一部重複するけど(特に取水量減少等の問題は発生しない),じりそう谷と藤ヶ内谷川とその支流(第二藤ヶ 内谷川[仮称])から取水すると8.34km2程。導水距離は藤ヶ谷川への支水路を含めて4.5+0.8=5.3km程で発電所は藤ヶ谷or3.8+ 1.5=5.3km程,発電所は川成。まあどちらか解らないが面積が広い北回りの方が良いかな。。その辺は実際に作る際に真面目に調査・比較検討して貰え れば良いので有る。
至近のなかん谷からのみ導水して北回りでもいいし,なんなら先程の巨大砂防堰堤で貯水すれば 北回りにするだけでなかん谷を流域に含められる。

なかん谷単独で1.38km2程,きわん谷単独で2.83km2程なのであづか谷単独で0.35km2程。まあ十分狭いし北側でいいか。

砂防堰堤の一覧を発見した。巨大堰堤は37に相当しそう(スーパー林道の垂れ下がり具合がヒ ントになる)。一方まととし谷手前の堰堤は記載無しのようだ。因みに上で見た坂州発電所追立ダムは33である。
出典:国 交省

砂防堰堤の一覧表(2015(H27)年度時点)=坂州木頭川部分のみ抜粋
出典:国 交省

纏めるとこんな感じ。取水点は巨大堰堤(上図37)としてみた。
[私案]川成発電所
最大出力:8,400kW[+8.4MW]
有効落差:198m
最大使用水量:5.0m3/s[1.25程]
導水距離:3.4(本導水路)+1.5(藤ヶ谷)=4.9km
流域面積:40km2程
取水:坂州木頭川[岩倉堰堤(37)]・じりそう谷・藤ヶ谷川・同第 二 750m
放水:坂 州木頭川(548m)[(仮称)川成堰堤]←川成堰堤でどの程度取水しているのかは課題である。5.0m3/s取れてないと此処で水を溢れさせて しまうことにはなる。。ただ広野Pの最大使用水量は多めの14.3m3/sで, 更に一旦は大美谷Dに貯める運用なので多めに取水出来る様に設定されている可 能性が高く,実際に本導水路の鉄管の太さも結構太い(この後に沢谷第二からの水が更 に合流する)と,ここ川 成で5.0m3/s程度は余裕で取水している可能性は高いのではないか?


更にはもう一発上流で稼ぎたい。更に川を遡っていく。

959m付近・本導水路:槍戸川(坂州木頭川)→笹原谷→△1303 直下→にくぶち谷→まろとし谷→発電所(川成発電所取水口付近)5.3km2,支導水路:勘場谷─(渡河)→△1303直下1.6kmでやってみ る。23.8km。2.5m3/s程度は期待持てるのでは無いか。これで源流部の水も那賀川経由の方が有利になりそう。


[私案]槍戸川発電所
出力:4,800kW[+4.8MW]
水量:3.0m3/s
落差:195m
流域:23.8km2
導水:6.9km (0.70)
取水:959m
放水:760m



此処で,那賀川水系坂州木頭川源流に降った雨は,
新発電所(槍戸)196m
新発電所(川成)200m
坂州47.90m
広野292.70m
日野谷 116.35m
川口 20.49m
合計873.44m
の有効落差を稼ぐ。

一方で祖谷渓源流に降った雨は
名頃 47m
松一 382.4m
松二 392,77m
と775.1mの有効落差を稼ぐ(貞光川の大改良と絡めると更にもう40m近くつかう事が出 来るようにはなるが)。
詰まり新発電所が二つ出来れば名頃への導水よりは坂州木頭川経由の方が有効落差は稼げるという事になる。まあこちらの川成槍戸川の両発電所建設を推したい♪

検討を終えて遡上を開始する。
場 所はこの橋(EL.876m)。そして転がってる(端は鉄骨が剥き出しになってて設置されてるようには見えなかった)コンクリートの水路の残骸?


剣山スーパー林道
さて,川沿いの県道はいつしか林道槍戸線になり(地理院だとじりそう谷の一寸先,巨大堰堤の手前で黄 色い着色が途切れている。),こ この三叉路でスーパー林道に合流する(槍戸林道からスーパー林道剣山方面が高知へ抜ける山越えが本線的な感じになっていたけど延々と続くスーパー 林道への取り付け道路的な林道だった様だ。すっとスーパー林道を走ってるつもりで気付くのはだいぶあとに なってからであった・・)。

 その本来のスーパー林道側を望む。此処から川を忘れて剣山へ向けて登り始める。

ここから勾配が更に急になり道路も荒れ始める。

途中から未舗装というか舗装が剥がれた様な箇所はあったが,ここからはずっと未舗装になり勾配も急になり,岩もこれまで以上にゴロゴロと路上を転がり出し た。

実は大学の時,林道部というサークル内なんちゃって部活を主宰して京都北山の悪路を走りまくっていたのだけど,同乗者はその時みたいにいざとなったらクル マ押して くれる屈強な後輩どもじゃなくて大事な息子連れであったが,それにしてはガレた剣山スーパー林道をよく頑張った。最早路肩という概念もない様なスーパー林 道。

谷を大回りして向こう側を眺める。多分此 処からの眺め。あんな所を登ってきたのかww

そして遂に舗装が復活してレストハウス(しかも営業中)みたいなのが現れた!広めの駐車場にはクルマ,ジムニーばかりだった(これ伏線)が,も数台停まっ ている。抜けた!!!

剣山貰った!と意気揚々とトンネルを抜ける。

ところが,である。トンネルを抜けた直後のこ の辺,後はもう下るだけ,と云う所で以下の看板。い,いや此処迄だって四駆で車高あるクルマじゃ無いと普通これないで,と突っ込んでみたくもある が,更に悪路になるという事か?

向こう側を睨み付ける。

なんとか行けそうな感触はあったがなんか霧も掛かってきたし子ども連れだし断腸の思いで撤退を決断。

1時間以上の迂回を強いられた(まあ発電所とダムを沢山見れたのでそれはそれで良かったのだけ ど)。あんな看板出すならもっと20kmぐらい手前に提示し とけってw

この先の出口にあった看板はこれ ↓。現在値は剣山トンネルの西側である。

なんとなく県道に川成辺りで林道が合流してスーパー林道をずんずん上がってきた心算だったが県道はそのまま(スーパー林道では無く)槍戸林道になってその 後スーパー林道に合流すると云う運びだったようだ。

しかもスーパー林道は通行止めになっていて槍戸林道がメインの山の家(奥槍戸)へのルートとなっていたようだ。


この先は抜けるとR195側のこちらとなる。通り抜けられないのは解っていたのでそちらは深追いせ ず早々に引き返してきた。この先4駆のみ通行可能の看板も早めに出ていた。