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23.3.20運開

那賀川上流のダム開発

上流の電 源開発(ダム抜き)はこ ちら海川谷(23.3訪問)[海川谷ダム(諸元湛水域)・海川谷発電所(+8.7MW)]南川(23.3訪問)[南川ダム(諸 元湛水域)・南川発電所(+65.4MW・混合揚水)]

>上流には梓川張り(!)のダム3連発があって(考えたら奈半利川も物部川もダム三連発である。)水量の安定性はなかなかではなかろうか。寧ろ 2005年には記録的な渇水に悩まされたそうな。もう一箇所ぐらい上流にダム造っても良いかも!?
と書いていたが,すっかり忘れてたが改革民主党政権の前史的に小泉内閣があったが更にその前史的に行革橋本内閣が存在していた事を。そしてその時に中止さ れたのがここ木頭村の反対で葬り去られることになる細川内ダムであった。

~細川内ダム~
細川内ダムは洪水調節、流水の正常な機能の維持、都市用水の確保、発電を目的とするダムとして計画された。昭和46年8月に台風23号による洪水のため下 流部の鷲敷町、阿南市加茂谷が災害を受けたこともあって、建設省では昭和47年5月に実施計画調査に着手した。ダム建設予定の地元木頭村内でダム建設への 賛否が半ばする中、昭和50年、51年と連続して台風による出水で堆砂、濁水などの問題が顕在化し、建設反対の声も増幅され、昭和51年12月には村議会 でダム反対決議が採択された。[四国資本アーカ イブ

長安口ダム[wikipedia
細川内ダム
台風23号による記録的な被害や、高度経済成長による水不足の可能性を背景に当時の建設省は、小見野々ダム上流の木頭村西宇地区 に高さ106メートルの重力式、総貯水容量6,800万トンの巨大な特定多目的ダムを建設する計画を1972年(昭和47年)に発表した。こ れが細川内ダム(ほそごうちダム)である。このダム計画に対して木頭村は発表直後から絶対反対の姿勢を貫いた。特にサラリーマンから木頭村村長となった藤 田恵は、ダム反対条例などを制定して反対運動の先頭に立ち、建設省と一切の妥協を許さなかった。この細川内ダム反対運動はやがて全国に知られるようにな り、多くのダム反対活動家や日本共産党、朝日新聞がこれを支援した。1996年(平成8年)、第2次橋本内閣の建設大臣であった亀井静香がダム建設の凍結 を発表し、2000年(平成12年)に計画は正式に中止となった。ダム中止の背景として、治水事業としてのコストがかさむことと、利水事業として水需要が 伸び悩みこれ以上の需要が見込めないという理由があった。

連年の渇水と洪水
皮肉なことに、細川内ダ ム中止後から那賀川流域では深刻な水不足が頻発するようになった。下流の阿南市では2002年(平成14年)には25日間、2004年(平 成16年)には6日間、2005年(平成17年)には113日間、2006年(平成18年)には1月から2月に掛けて厳しい給水制限が行われる程の水不足 であった。特に2005年の場合は長安口ダムの貯水率は最大で4パーセントにまで下落、小見野々・川口両ダムもダム湖がほぼ枯渇する有様となり、阿南市の 工業地帯における被害総額は約100億円以上という深刻な被害であった。また2004年には台風により流域は総雨量1,200ミリという猛烈な豪雨が降り 注ぎ上流で土砂崩れが多発、長安口ダムには大量の流木と土砂が流入したが、このことも貯水容量に影響を与えた。ダムを管理する徳島県は貯水池上流に堆積し た土砂を掘削して排出する「長安口ダム貯水池保全事業」を実施しようとしたが、漁業への影響が懸念されるとして漁業協同組合が反対し頓挫した。このため県 はダム本体の改良を柱としたダム再開発事業を計画したが、財政難ということもあって着工するのは厳しい情勢であった。

国土交通省への移管
万策尽きた感の徳島県は飯泉嘉門知事が国土交通省に対し2004年、長安口ダムの国土交通省直轄ダム化に 言及。徳島県議会も「長安口ダム直轄事業化促進決 議」を採択して国への移管を要望した。これに対し国土交通省は2006年、平成19年度予算概算要求において四国地方整備局分の予算に長安口ダム改良事業 の予算を要求することとなり、ダム事業の国直轄化が現実化した。そして2007年(平成19年)4月、渇水の危険性が示唆される中管理業務が国土交通省四 国地方整備局那賀川河川事務所に移管された。四国では愛媛県の柳瀬ダム(銅山川)・鹿野川ダム(肱川)に次ぐ県営ダムの国直轄化である。

国土交通省は「長安口ダ ム改造事業」に着手することとなった。内容としては新たにゲートをダム右岸部に1門新設して洪水処理能力を強化する他、選択取水設 備を設けて下流への濁水問題を解決しながら利水能力を強化するとともに、最大の問題である貯水池内の堆砂除去を図るのが主な内容である。

こんな図もある。降雨量が早明浦ダムより多いのに貯 水量は1/8しかなく少なすぎるのである(→これみると吉野川方面へ導 水したくなるね。。)

出典:国 交省

また壮絶な渇水の記録。ファイル名,その名もgekito.pdf である(笑)
出典:国 交省

大渇水期は基本的に春先からの小雨が問題のようである。冬に掛けて渇水期なのに更に春からも雨が降らんのでは流石に堪らんな。。
   


貯水量を倍増以上させられた細川内ダム(V=6,800万 m3)の中止は惜しい。木頭村の主要部分が水没しない代替策を検討する中で上流の推進していきたい。

長安口ダム改造事業[国交省

資料を先ずは提示して下でコメントを記す。






Ⅰ.洪水調整能力の増強
予備放水位を1m下げる事で洪水補給容量を1,096万m3を1,200万m3に増やせるという事だそうである。6,800万m3の内どれだけを洪水容量 に回してたかは不明ではあるが1,200万m3は取れた様である。
この水位での「湛水面積」は104万m2=104haとなるか?(長安口ダムの公式の湛水面積は224ha。6m程水位が下がるだけで随分面積が減るんだ な。。)

私がダムの貯水量に作成して使ってる推計用エクセル(基本的にダム湖を円錐の中間部として上底と下 底の面積と水位から推計)にデータをぶち込んでみると実際の洪水調整容量1096万m3に対して推計値982万m3が出た。俺様謹製のエクセルの精度なか なかすげえぞw

予備放流高を9m下げる長安口ダム地点での1,100m3/sカットが可能になると書いてある。新設の緊急時の洪水吐が201mなら予備放水位を下げるの が可能したと云うよりは,容量を規則上増やしたのが効いているのであろう。これまでが1,000m3/sカットだったようなので104万m3増えたという ことは豪雨は104万m3÷100m3/s=2.8h詰まりは大雨の持続は3時間弱ということを想定しているということなのか?ストック変数の貯水量(万 m3)とフロー変数の流量(m3/s)が何の断り無しに毎度結びつけられてるけど何か隠された暗数があるという事の筈である。


Ⅱ.流水の正常な機能の維持







まずこの長安口ダムであるが,改造工事を終えたばかりではあるが更に1~2m程嵩上げしたい。嵩上げは引原ダム等で行われているが,長安口ダムは現状で湛水面 積224ha=224万m2であるから2m嵩上げすれば450万m3程増 やせる。今回の改造で増えた貯水量は上の表だと細かくて読みづらいので探し直して再掲すると以下の通り。有効貯水量は160万増え てる。合計で600万程。以下の南川ダム(満水位EL.450m・ 利用水深40m・堤 体河底標高EL363m)でV=2,064万m3高の瀬峡ダム(満水位EL530m・利用水深 20m[暫定]・堤 体河底標高EL476m))でV=533.6万m3(利用水 深30mでV=663万m3)。細川内の半分ぐらいの容量は確保出来たと云えるかも知れない。洪水と渇水の双方に対応するには矢張り 6,000万m3程欲しい,例えば三浦ダムがその規模,のかも知れないけど,まあ社会資本整備にもコストは掛かるので文句は云えない。。早明浦クラスは欲 しいんだけどね。。
出典:土 木研究所
ということで更に小見野 々ダムの嵩上げで(計算中)海川谷ダム(満水位 EL.460m・利用水深20m・堤 体河底標高EL.388.8m)で956万m3川成ダム(満水位EL.m・利用水 深m・堤体河底標高EL.m)でV=万m3辺り迄やってみる。


長安口ダム[便覧(元)][便覧(再)]
河川    那賀川水系那賀川
目的    FNP
堤高    85.5m
流域面積/湛水面積    538.9km2 ( 直接:494.3km2 間接:45km2[古屋谷川]) /224ha
総貯水容量/有効貯水容量    5,427.8万m3/4,349.7万m3→3,680.0万m3
ダム事業者   徳島県(元)・四国地方整備局(再)
着手/竣工 (元・再)   1950/1955 ・ 1998/2028

~坂州(さかしゅう)木 頭川~
現地の様子はこちら参照
現状では広野がデカい。

四国電力(株)広野発 電所[水 力] [DB
昭和35(1960)年5月:運用開始
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:36,400kW(更新前357,00kW)   常時出力: 0kW
    年間発生電力量:110000MWH(1億1千万キロワット時)
    最大使用水量:14.3m3/s[1.41]←高い♪
    有効落差:292.70m
    水車:立軸フランシス水車 出力36500kW×1台(案内板)
    導水路:総延長17088.7m
    流域面積:101.7km2
    取水:坂州木頭川(川成堰堤)→藤ヶ内谷→樒谷(3箇所)→新居谷(3箇所)→[沢谷(沢 谷第二)→影泉川(沢谷第一)→]→泉谷→大美谷川[大美谷ダム]→発電所[計13箇所(1箇所不明)] 526.00m
    放水:発電所→坂州木頭川[長安口ダム]220.00m

川成の下流にダ ム適地(EL.459m)がある(様に見える。当方飽く迄素人)。満水位500mでの堤頂長が112m程で行ける。ただ,500mだと広野PSで の取水位526mに及ばないばかりか実 際の川成堰堤の取水位と思われる540m程にも遠く及ばない。
若し此処にダム(川成ダム=仮称)を作るとすれば,王滝PSと牧尾ダム,新庄PSと日吉ダム,八ッ場ダムと松谷PS的な関係に川成ダムと広野PSはなるで あろう。更に,牧尾ダムと木曽ダムの様に,川成ダムと此処から5km程の小見野々ダム(満水位314m)の間で混合揚水発電なんてのをすれば,川成ダム─ 小見野々発電所─小見野々ダム─蔭平発電所─長安口ダムと混合揚水を連ねた矢作第一・第二的な連続揚水発電所となるかも♪




~古屋谷川~

こちら参照



四国電力(株) 蔭平発電所1号機[水 力
運開:1968.5
ダム水路式・混合揚水式(1号機)
認可最大出力:46,500kW      常時出力:0kW・ ─
年間発生電力量:120,000MWh(1億2千万キロワット時)
最大使用水量:60.00m3/s(1号機) 最大揚水量:40.00m3/s(揚水)
最大有効落差:89.70m/37.24m
導水路(1号機):総延長5086.4m
上部貯水池:林谷川→那賀川[小見野々ダム]314.00m
下部貯水池:那賀川[長安口ダム] 218.33m

蔭平発電所(1号機)は混合揚水であり,最上流の混合揚水と云うと益田川(飛騨川)の高見大井川の畑薙等が思い浮かぶ。
畑薙の上流に更に二軒茶屋とかあるように,高見の潮流に更に野麦とか構想した様に那賀川でも開発を試みる。こみののダムの満水位は314mで未だ未だ低い のである。

四国電力(株) 蔭平発電所(2号機)[水 力][四 電
所在地:小見野々ダム直下
増設:2010(2号機)
ダム式・河川維持流量式
認可最大出力:150kW(2号機)
最大使用水量:0.58m3/s
最大有効落差:37.24m
流域面積:271.3平方キロメートル
取水:那賀川[小見野々ダム]314.00m
豊水:那賀川
小見野々ダム

上流のダムの逆調整池としては小見野々ダムとなるのが自然であろう。今は発電所の調整池であるとともに長安口ダムを下池とする混合揚水発電の上池でもあ る。(発電専業のダムである。)


小見野々(こみのの)ダム[便覧]
河川     那賀川水系那賀川
目的/型式     P/アーチ
堤高/満水面標高/利用水深:    62.5m/EL314m→EL.317m/18m
流域面積/湛水面積     270.8km2 ( 直接:266.8km2 間接:4km2 [林谷]) /89ha(890,000m2)
総貯水容量/有効貯水容量     1,675.0万m3/1,142.0万m3→3*890,000=178万 m2 増の1,320万m3  
ダム事業者     四国電力(株)
着手/竣工     1965/1968
満水位: 314m


この小見野々も嵩上げしたい。
今,ざっと見て一番湖面に近いのがここ,助大橋の北岸[地 理院す とびゅう]であろう。家は2,3軒と云った所。
此処を立ち退きして貰えば5m程は嵩上げ出来そう。

先ず助大橋の下流側からの遠景。橋の傾きから左岸(写真右手)の助側の標高が低そうなのが判る。私の写真の腕前の下手さは定評があるものの,傾いているの はそのせいではない(筈)。


~海川谷川~(23.3訪 問)

小 見野々ダムの傍(直上)で本流に合流する海 川谷川。那賀川から海川谷を遡ると海川(かいかわ)聚落になるが,この海川,多雨地帯真っ只中のようである♪
出典:四電

海川の聚落からダムの構想地を見るべく霧越峠方面へ向かう。
途中,トンネルを出て直ぐ林道を岐ける。ソウト谷線。こ こ[地理院]をソウト谷というようだ。ピンぼけの写真しか撮れなかったが。。


さて途中で海川谷川は東西に岐れ,R193は海川谷東俣に沿う。他方の海川谷西股に沿うのは海川野久保林道[林 道への案内板]であり,この林道(舗装されてて整備されてるようだ)は名前の通り峠を越えると野 久保谷川を下る道になっていてそれらを介して南川を遡る南川線へ通じている 様だ。
川股部には一寸した砂防ダムがあって大雨の日でもあってそれなりの迫力,見応えだった♪
23.3
西俣方面,林道海川野久保線

起点。全面通行止めだそうな。。

おい,お前は通れるとなっとったやんけw
出典:とくしま 林道ナビ
西俣方面を望む。

この橋,落合橋というらしい。

一寸低い場所に旧橋が架かっていた。しっかりしてるように見えるが。。

ここも塞がれ通行止めにされていた。

この旧橋,地理院には載ってないが,ナビの地図にはしっかり載っていた。

この東西に岐れる川俣部でEL404mである。その辺で貯水してみる。


[私案]海川谷ダム
河川    那賀川水系海川谷川
目的    FNP
堤高/堤頂長   90m程度 / 190m
河底標高 EL.388,8m
満水位 EL.450~460m / 利用水深 20m~30m
流域面積/湛水面積    28.7km2 (直接:24.6km2・間接:4.15km2[出原谷川・後谷(L=2.64km)]) /54.4ha
有効貯水容量    956万m3~1220万m3

流域は測ると24.6km2程度。(狭くはある。。)
後から検討する南川ダムは流域面積が広いが貯水量はもう一寸欲しい。
ということで両ダムの満水位を揃えて導水路で結ぶと良さそう。途中,後谷や出雲谷川から取水等も出来,7.27km程で繋がる。

牧尾ダムと三浦ダムが併せて流域面積304km2で貯水量1億2,960万m3を一冬掛けて放流している。5カ月でその水量平均で10m3/sという計算 になる[王滝川]。
ここは流域25km2と1/6。貯留量は1000万として1/12である。貯留量が少ないけど冬場も一定雨が降るなら2m3/s程を給水,あんま降らない なら1m3/s程度の不特定利水出来るんちゃうか。

もう一寸真面目に計算してみる。
概ね3000mm/年の雨が降って25km2なので3*25,000,000=75,000,000m3の雨が流域に降る。7,500万トンである。 6~9月の4カ月に年間の60%の雨が集中とのことで,この間は月平均で1,000万トン以上降ることになる。
出典:国 交省(那賀川流域計画変更案)

詰まり9月末の段階でダムを満水にしておける。(勿論雨なので地中に滲み込んだりして全部はダムに貯めとけないだろうけど。)
残りの8カ月で40%,年間7,500+0.4=3,000万トンが降る。平均して350万トン/月か。
1~2月の一番の渇水期は100万トン程度の雨しか降らないのであろう。10月はダムの水は使わず,11月~3月,特に12月・1月の最渇水期にこの 1000万トンを利用すると11月から順に200万・300万・350万・150万ぐらい使う感じだと割と平準化できるのではないか?
例えば300万トン/月使うとすると一日10万トン。10m3/sで2.7h使えるので尖頭需要に対応出来る。一ヶ月30日では無く平日の20日とすると 4h位発電出来そう。また平日一日16hとかにすると2.5m3/s程か。下流への用水の補給として役に立てそう。

~出原谷川~
お隣,出 原谷川も小さいが,海川と併せて発電してみる。4.1km2。
この川の那賀川流入点が下の出原である。
流域が先程と併せて28.7km2となる。ピーク対策に10m3/s程とるとすると出力が11,700kW程となる。でけえw
まあ10m3/sはやり過ぎな感じもするが5m3/sでは物足りない感じもするのでアドホックだけど中間を取って7.5m3/sとしておく。


[私案]海川谷発電所
出力:8,700kW[+8.8MW]
水量:8.0m3/s
落差:128m
取水:海川谷川[海川谷ダム]・ソウト谷 EL.450m
放水:那賀川[小見野々ダム]EL.317m

この場合は上は追わなくていいだろう。場合に拠ってはこの辺(南 川上流大谷川EL.800m付近)に上池を建設して混合揚水なんてのもお洒落かも知れない。まあ大谷川を上池に使うならお相手はこの辺(海 部川EL215m)やこの辺(同 じく海部川EL.166.7m)かな~。高低差400~450m程取れてよさげ☆
更には那賀川の渇水期に海部川が豊水だったら取水出来る副産物もある。まあ電気どんだけ喰うねんって話しではあるけど。。


EL320mの出原橋(地 理す とびゅう)から
下流

上流

海川口


直角コーナー(上 ミ屋地橋西詰)
橋を快適に渡った後,斜面にぶち当たるw

此 処である。バイパスの調査・設計中とのこと。

この先の聚落で見かけたのがこの看板。細河内ダム反対資料館!上流にもダムが欲しいと思ってた所にこれであるw
22.6
帰宅後調べて見ると,このトンネルでショートカットして避けた箇所[水源連]が将に ダム建設の予定地の様であった。やれやれ。

~細川内ダム~
細川内ダムは洪水調節、流水の正常な機能の維持、都市用水の確保、発電を目的とするダムとして計画された。昭和46年8月に台風23号による洪水のため下 流部の鷲敷町、阿南市加茂谷が災害を受けたこともあって、建設省では昭和47年5月に実施計画調査に着手した。ダム建設予定の地元木頭村内でダム建設への 賛否が半ばする中、昭和50年、51年と連続して台風による出水で堆砂、濁水などの問題が顕在化し、建設反対の声も増幅され、昭和51年12月には村議会 でダム反対決議が採択された。[四国資本アーカ イブ

→ なんとさっきの上ミ屋地橋はダムの為に建設されたのかwwあれが直進すると旧道を水没させ ることができたのである。。

長安口ダム[wikipedia
細川内ダム
台風23号による記録的な被害や、高度経済成長による水不足の可能性を背景に当時の建設省は、小見野々ダム上流の木頭村西宇地区 に高さ106メートルの重力式、総貯水容量6,800万トンの巨大な特定多目的ダムを建設する計画を1972年(昭和47年)に発表した。こ れが細川内ダム(ほそごうちダム)である。このダム計画に対して木頭村は発表直後から絶対反対の姿勢を貫いた。特にサラリーマンから木頭村村長となった藤 田恵は、ダム反対条例などを制定して反対運動の先頭に立ち、建設省と一切の妥協を許さなかった。この細川内ダム反対運動はやがて全国に知られるようにな り、多くのダム反対活動家や日本共産党、朝日新聞がこれを支援した。1996年(平成8年)、第2次橋本内閣の建設大臣であった亀井静香がダム建設の凍結 を発表し、2000年(平成12年)に計画は正式に中止となった。ダム中止の背景として、治水事業としてのコストがかさむことと、利水事業として水需要が 伸び悩みこれ以上の需要が見込めないという理由があった。

連年の渇水と洪水
皮肉なことに、細川内ダ ム中止後から那賀川流域では深刻な水不足が頻発するようになった。下流の阿南市では2002年(平成14年)には25日間、2004年(平 成16年)には6日間、2005年(平成17年)には113日間、2006年(平成18年)には1月から2月に掛けて厳しい給水制限が行われる程の水不足 であった。特に2005年の場合は長安口ダムの貯水率は最大で4パーセントにまで下落、小見野々・川口両ダムもダム湖がほぼ枯渇する有様となり、阿南市の 工業地帯における被害総額は約100億円以上という深刻な被害であった。また2004年には台風により流域は総雨量1,200ミリという猛烈な豪雨が降り 注ぎ上流で土砂崩れが多発、長安口ダムには大量の流木と土砂が流入したが、このことも貯水容量に影響を与えた。ダムを管理する徳島県は貯水池上流に堆積し た土砂を掘削して排出する「長安口ダム貯水池保全事業」を実施しようとしたが、漁業への影響が懸念されるとして漁業協同組合が反対し頓挫した。このため県 はダム本体の改良を柱としたダム再開発事業を計画したが、財政難ということもあって着工するのは厳しい情勢であった。

国土交通省への移管
万策尽きた感の徳島県は飯泉嘉門知事が国土交通省に対し2004年、長安口ダムの国土交通省直轄ダム化に言及。徳島県議会も「長安口ダム直轄事業化促進決 議」を採択して国への移管を要望した。これに対し国土交通省は2006年、平成19年度予算概算要求において四国地方整備局分の予算に長安口ダム改良事業 の予算を要求することとなり、ダム事業の国直轄化が現実化した。そして2007年(平成19年)4月、渇水の危険性が示唆される中管理業務が国土交通省四 国地方整備局那賀川河川事務所に移管された。四国では愛媛県の柳瀬ダム(銅山川)・鹿野川ダム(肱川)に次ぐ県営ダムの国直轄化である。

国土交通省は「長安口ダム改造事業」に着手することとなった。内容としては新たにゲートをダム右岸部に1門新設して洪水処理能力を強化する他、選択取水設 備を設けて下流への濁水問題を解決しながら利水能力を強化するとともに、最大の問題である貯水池内の堆砂除去を図るのが主な内容である。藤田恵やまさのあ つこなどのダム反対論者は、小手先の問題解決としてこれを否定、究極的には長安口ダム撤去が最良であると主張している。これに対し、当の那賀町住民達の間 では、長安口ダム撤去を要望する声は極めて少数派である。


いやあ,6800万トン,魅力的ですなぁ。。洪水対策,渇水対策,自然エネル ギー自給対策に是非欲しい所であった。
旧木頭村中心部が沈まない形で是非なんらかの貯水設備を建設したい・・。目標6800万トンか。。堤高108mとはいえ岩盤部分も含んでのことであるので 川面が390m程度だとしても水面が500mも高いとは思えない。満水位500mだと木頭村の主要部の国道回りは此処以遠軒並み水没するが480m位迄な ら木頭北川が湖畔の素敵な 街として生き残れそうだったのにねぇ。。

で,実際にその場所に意識して通ってみる(23.3)
23.3
門前の小僧で私に連れられて水力発電所を巡っている息子(自然破潰としてダム建設には批判的)があ~これは良さそうな場所だと声を上げる。
この日は大雨でなかなかの水量。

~南川~(23.3訪問)(→上 流篇はこちら)

さてこの南川,割りと懐深い川である。林道の最尖端は地 理院でここ,ストビュウでも地 理院だとここ迄来てるけどこ んな風景。荒れ果てぶりには流石に草w
グーグルカーならぬグーグルバイク,良くこんな所迄機材担いで入り込んだものだww
隧 道もある[G]ようだ。まあ人間の威光がなんとか通用するのは宇 井ノ内[地]の聚落を出て舗装されてるこの柄 谷の橋辺り[G]迄かな。。
御朱印谷のどん詰まりは御朱印山でその向こうは高知へ抜けられる林道のある千本谷で ある。

23.3に訪問してみたが,林道入口付近だけでは川は遥か下を流れており殆ど視認できなかった。結局この時は南川橋から畦ヶ野経由で平野に出てお仕舞い。
いつか山の奥深く攻め入ってみたい。その時にはジムニーとか欲しいなあ。。愛車のフィットも軽くして小さくて結構何処へも入り込めるけど限界ってものがあ るw

南川周辺の林道全体図はこちら

過疎も著しいと思われる畦ヶ野へは地理院の地図には載ってない真新しい林道(橙線)で結ばれており,税 金の無駄遣いかよと現地では思わなくも無かったが,唯一の入口の南川橋もこの現状な のでまあしゃーないのかもしれない。
将来的には以下の様に老朽化が著しい南川橋は廃止されて平野のR195にお鍋の滝・天霧の滝・美那川キャンプ場入り口等の看板が立つのであろう。
21.6
いざ進入(この時点では新道が出来てることを知らないので南川橋より)。  林道南川線 起点より11.5km地点 全面通行止とある。11.5km先は計測してみるとこ の辺[地理院] 。。まあ十分奥地だ。

以下23.3
程なく古そうな隧道(トンネル)が現れる。これが蛇行しながら隣り合わせの南川とR195を短絡しているのである。

トンネル出口。熊が出没しています等の看板があり,右へ行くと南川上流(林道南川線),左へ行くと 畦ヶ野(林道平野畦ヶ野線)で,南川・那賀川の合流点の直上でダムを建設したいと思って居る私は左へ向かう。

この先ちらっと下に川が見えたが,その後全く見えないとは思いもよらず撮り逃がしてしまった。

だらだら進むと畦ヶ野である。細々と蜜柑を作ってる感じで,既に定住者はいなくて蜜柑畑に通ってくる様な印象である。

特に川に出られそうな道も無く道は続いていて聚落の外れに出てずるずると何処迄も行ってしまいそうになる。
小さな峠に出て後は下迄,しかも仮に辿り着いても南川では無く那賀川であると行き過ぎと判断して転回し,聚落に戻ってくるとなんと先程通った時は見逃して た所期の目的にベストフィットな看板があるではないか!笑
上の地図の灰色線の道路である。

死亡フラグの罠のようなお誂え向きの転回だが流石にここまで撮り逃した焦りもあってそろりと進入する。
狭く急勾配の道を降りてまあ転回とか絶対嫌だしバックは不可能だなというところで,道路が枝下の樹木で塞がれていたw

帰りがけに撮った写真はこれ。この写真では雰囲気が伝わる感じはしないけど,ガススタの洗車場みたいな感じでくぐり抜ける。枝がびちびち大粒の雨が当たっ た時の様な音を立てて天井を叩く。
運転席からこれから突という所で撮っておけば良かったww

抜けると薄暗い広場になってて大木があって,「やまんばの伝説」の看板が立っていた。の 次はやまんばである(笑)

>昔,高さ22m,幹回り6mと云われる桂の木の洞にやまんばが住んでいて毎早朝,火種を貰いに来るのを嫌がった家の人が代わりに火箸を渡したので やまんばは驚き「桂の木の枝が千本になったら戻ってくる」と云って山奥に逃げていったらしい。
>以後,人々は毎年枝を切って千本にならないようにしている。
とのことだそうな。田舎の人の残酷さというより昔の人の厳しい生活環境を示唆するような話しであるのかも。

この辺が潮時と引き返すが,地図から判断するにこれではなくここから岐れる歩道があったのかも知れない。

川迄は行けなかったが,素人の私がさらっと見ただけでダムの適地かどうか解る筈も無く,水没想定標高に人は住んで無さそうということでまあ所期の目的は達 したと思いたい。

本流を避けて此処にダム建設を検討する。那賀川と南川は激しく蛇行しながら絡み 合って合流す る。合 流点はEL.356.4mである。
細川内ダムはここ水源連]に計画され ていたようである。EL.390m ちょいであろう。ここに堤高108mのダムを建設する予定だったとのこと。
こちらはEL.362m 辺りに満水位450mでダムを建設してみたい。堤高は矢張り100m程にはなるであろう。
 
私の信頼性の或程度確かめられた!?エクセルでの貯水量推定ファイルで推計してみると V=2,064万m3と 出た。ダムの堤長は同じ位で貯水量は1/3以下なので勿論効率は悪いということになってしまっている。
人が住んでる平べったい旧木頭村を沈める代わりに,勾配が急な支流を使うということで已むを得ない結果である。

[私案]南川ダム
目的: PWIFN
堤高/堤頂長 約100m/
有効貯水量:2,064万m3(+海川谷ダム:956万)
流域面積:: 158km直接70.1km2/間接88km2(那賀川)[+(海川谷)28.7km2]
湛水面積/常時満水位    72ha / 450m


直接流域面積は70km2程取れそう。導水も行ける。(10m満水位を上げると海川谷ダム と満水位を併せられるので何かと便利っぽいがその場合(南川の満 水位を10m上げるより)海川のそれを10m下げた方が良さそう。)

420m付近に落とす為に水源を探してみる。100mもあれば良いだろう。528mで集めると以下の通り:

北回りで放水と南回りで放水では南回りが近い様だ。北側にも取水可能域あるしこれを奇貨にダムへ導水して貯水する事にしてみる。那賀川本流をサイフォンで 渡河する必要はある。
間接領域は88.0km2もあった♪併せて158km2となる。

水量はアドホックである。混合揚水も考えるなら蔭平に併せて60m3/s位にす ると良さそう。

[私案]南川発電所or出原発電所
出力:21,800kW[+21.8MW] or 65,400kW[+65.4MW]
形式:一般水力 or 混合揚水
水量:20.0m3/s or 60.0m3/s
落差:128m
導水:
面積:158.1km2 (直接70.1km2・間接88.0km)
取水:南川[(私案)南川ダム]・栩谷川・折宇谷川・那賀川(折宇谷) 450m
放水:那賀川[小見野々ダム] 317m

更に ダムなし下の私案と同じ箇所の柄 谷御 朱印谷南 川大 谷川野 久保谷川から集めて53.5km2。ダムの満水位450mに向けて落差74mで発電すると3.7MW程度。。
ダムなしの私案[+5.2MW]と比べて(ダムの満水位に併せるの に伴い)たった30m落差を下げただけなのに随分出力が減ってしまっている。。
もう一寸上で取る。熊 谷の南側の沢(2箇所)神 戸丸の西側の沢大 谷川石 原丸の東南側の沢湯 桶沢南 川御 朱印谷柄 谷のEL.570m。
取水高度を上げるのに伴い面積が減ってそれに伴い水量が減ってしまうので落差を30m以上上げたけど面積は当然一寸減ってしまう し,沢が分流して取水堰も増やさないとあかんくなるが4.9MWと目標の5.0MWには肉薄する♪

もうちょい欲しい。
高度をもうちょい上げてみる。先程の第二案の取水位625mである。導水 距離と面積を比較して今回は御朱印谷を含めて野久保谷川を除く。

[私案改良案]南川第二発電所
出力:6,300kW[+6.3MW]
水量;4.4m3/s
落差:170m
面積:33.3km2(御朱印谷を含み野久保谷川を除く)
導水:南川─御朱印谷1.9km・大谷川支流~野久保谷川1.9km
取水:大谷川支流・大谷川源流・大谷川支流・大谷川支流・湯桶谷・南川支流・南川・御朱印谷 625m
放水:南川[(私案)南川ダム]450m

なかなか♪


南川橋の直ぐ北側の栩谷の入口


雨量計でも設置されてるのか地名が印されてる日浦を越え,木頭北川を超えると人家の多分殆ど全てをや り過ごした事になる。もうダムを建設しても大丈夫では無かろうか?
こ の辺,上北川一号橋の手前にある東川千本谷線分岐の更に手前辺りの狭窄部(EL.496.1m)にダム建設を検討してみる。ダム名は高ノ瀬峡ダム としてみたい。満水位は 530m程,最低利用水位500mを想定する。V=645万m3と推定された。
導水は南側経由として船谷川・栗宇谷・髪無谷から補給して那賀川の折宇の南川ダム取水口付近で発電。北側は久井谷川から高の瀬峡ダムへ導水してみる。

先ずは湛水面積(39.1ha)と国道の付け替え案。


[私案]高ノ瀬峡ダム
有効貯水量:645万m3
常時満水位:EL.530m
湛水面積/流域面積:39.1ha/48.8km2 →流域も多少小さめ。。

他の源流部のダムと比較すると矢張り本州よりは面積が小さい?四国でもあり,小さ い。。
高の瀬峡ダム・南川ダ ム・海川谷ダムの3ダム,更に坂州木頭川で構想した小畠ダム併せて以下の様な感じになった。

有効貯水量
流域面積
満水位
その他摘要
高ノ瀬峡ダム 645万m3
48.8km2
EL.530m

南川ダム 2,064万m3
70.1km2
EL.450m
流域は直接のみ
海川谷ダム
1,220万m3
28.7km2
EL.460m

南川+海川
3,284万m3
98.8km2


那賀川小計
3,929万m3



小畠ダム
1,050万m3
64.2km2
EL.500m
流域は間接含む
合計
4,970万m3



南川ダムの満水位を10m嵩上げして南川ダムと海川谷ダムを兄弟ダムとして運用すると98.8km2でV=3,284万m3となって,割と良い感じになる かも♪
となると高ノ瀬峡ダム(第一案)は規模的にも大したことないし流域面積も大したことないし此処に建設する意味はあんまないかも。


~千本谷~
南側へ抜けられる道はその先にある。地 理院す とびゅ(直進側)
国道からズレてる旧道上にあるので華麗にスルーしてしまった。。東川千本谷林道と云ってこれで越えるを別役(べっちゃく)に至る。伊尾木川の 最深部である。延々と廃村というか無住の地が続くらしい。こんな訪問記[HEYANEKO]も見かけた。お隣 安芸川の正藤(しょうとう)辺りが最奥になるのかな。。安定のaikis.or.jpも 勿 論取り扱っている。
23.3に行った日は通行止めであった。。が,特にそんな表示は出てなかったw 行けるのに通行止めとか書いてあるなんちゃっても多い中,罠に掛けてくる スタイル,ガチだ♪


~高ノ瀬峡~
いよいよこの辺は先程引き返しを余儀なくされた剣山 スーパー林道の反対側の入口である。
入口には看板があって初めて全体像を理解した。


四駆で車高車以外通行困難の表示。この先に渓谷がある。まあダム想定地辺り迄は最低限進入を試みて写真の一 枚も撮って来たい所である。


ダム建設無しの前提で の那賀川上流部電源開発篇[私案]那賀川第四発電所とし て取水を検討した辺りにダムを建設して最上流から安定化を図ってみる。
斜面の等高線と標高に乖離があるが,ここ(川 面標高EL.546m)に等高線で満水位650m程(表示だと630~40m程度)の堰堤を建設すると堤頂長は150m程。
満水位は660mとして利用水深30mで計測してみるとV=820万m3。隣の久 井谷EL666mから導水するとして間接流域含めて32.2km2となる。南川ダム・那賀川(折宇)取水堰(仮称・EL.450m)に持って行く とするとダム附きで水量を強気の4.5m3/sとして有効落差が200mで7,6MWってところか。
まあ及第点ではなかろうか♪

湛水面積:444,460m2


[私案]


流域面積:32.3km2


[私案]木頭発電所
出力:7,600kW[+7.6MW]
水量:4.5m3/s
落差:200m
流域:32.3km
導水:
取水:那賀川[高の瀬峡ダム(案)]660m
放水:那賀川[南川ダム那賀川導水取水堰(案)]EL.455m


高の瀬峡ダム・南川ダ ム・海川谷ダムの3ダム,更に坂州木頭川で構想した小畠ダム併せて以下の様な感じになった。

有効貯水量
流域面積
満水位
その他摘要
高ノ瀬峡ダム(第二案) 820万m3
(32.3km2)
EL.660m
流域は南川ダムの間接流域に含まれる。
南川 ダム 2,064万m3
158.1km2
EL.450m
流域は間接含む
海川 谷ダム
1,220万m3
28.7km2
EL.460m

那賀川小計
3,929万m3
186.8km2


小畠ダム
1,050万m3
64.2km2
EL.500m
流域は間接含む
合計
4,970万m3
250.0km2