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23.5.22独立
常願寺川農業用水(23.5, 23.7 逍遙)
常願寺 川概観常願寺川・ 称名川立山付近常西合口用水(扇状地の農業用水)[+5.8MW]・有峰開発[和 田川右岸(在来)第一 ルート[水量小]和田川右岸(新)第二ルート[水量中]和田川左岸(有峰) 第三ルート[水量大]有峰引水]・小 口川・祐延ダム(神通川水系)熊野川

例の如く扇状地に辿り着くと放射状に拡がって下流を潤していく。

出典:富 山県『あばれ川との戦い 常願寺川沿岸用水【常東用水・常西用水】』


横江   
直ぐ下流には常願寺川潅漑利水の要,横江頭首工がある。

常 願寺川沿岸用水土地改良区

横江頭首工[場 所
堤 長 144.3m
堤 高 14.1m
取水量 18.89m3/s・46.53m3/s(小俣発電所停 止時[+27.64m3/s小俣発電所からの取水量に全く等しい:用水模式図])
取水位:236m程度?
流域:448.5km2(約349.3km2(直接)・約97.2km(有峰引水)→適当に計測した俺の精度なかなかすげえww(誤差2.0km2程 度!))

巨大な施設であった。有峰ピーク開発でも結局ここで水を確保すべく 準備がなさて いる。
小俣ルートから横江頭首工をパスして常願寺第一に直結するバイパスルートがあるが其処が停止する場合はこちらがフル稼働することになる取り決めになってい る様である。
いずれにせよここから上滝発電所に送られる。

デカい頭首工であるけど,それだけに全体を巧く撮れてなかった…orz

21.7
取水部は1~6番線に岐れていて行った時は5・6番線は取水してない様子であった。

下流の流れの様子。この水はもう大規模には取 水されずに日本海へ流れていく様 だ。

おまけ:富山地鉄横江駅。駅の看板がなければ廃村の廃屋の様な佇まいであるw
21.7
駅舎内。窓口は閉じられてしまっている。国鉄の赤字ローカル線を彷彿とさせる光景である。

嘗ては島式ホーム1面2線だったのが棒線化されてしまったようだ(→愛 本駅も相対式ホームの片方が廃止された様に見えた)。ローカル私鉄の悲哀である。水源地帯に立地して単線電化の私鉄という位置づけが被る大井 川鉄道同様ここも頑張って欲しい。


用水系統模式図
出典:水 土里

さて左岸連絡水路橋(水を右岸から左岸へ)と新旧二つのサイホン(水を左岸から右岸へ)があるのは自然流下で温まってる横江堰堤取水の水と,水管の中を 通って冷えてる発電用水の小俣と上滝の水を相互にブレンドして適温にする為の装置だそうな。



北陸電力(株) 雄山第一発電所[水力
運開:1985.3
水路式・流込式
認可最大出力:3,400kW     常時出力:0kW
最大使用水量:18.00m3/s
有効落差:22.90m
導水路:総延長1860.0m
流域面積:448.5km2
取水:常願寺川[横江堰堤]→幹線水路235.1m
放水:幹線水路[両岸分水工] 204.60m


両岸分水工[場 所EL.194m]
>横江頭首工で取水された農業用水は、頭首工下流約3㎞にある両岸分水工で、常願寺川右岸の常東用水と左岸の常西用水に分水されます。
>この分水工は、堰幅を同じにして正確に5対5で分水する仕組みとなっています。
23.5
説明の看板

常東用水へ・こちらの方が水位がだいぶ低い

常西用水へ

豊水橋直前のスクリーン


左岸連絡水路橋[場 所
>左岸連絡水路橋(豊水橋)は、両岸分水工で分水された水を左岸側の常西用水エリアに送水するために、常願寺川を横断するのに設けられた水路橋で す。いまの 水路橋は、横江頭首工と同様に国営農地防災事業で平成20年に整備されました。


看板




中滝発電所[水 土里
所有:富山県?
施設管理者:常願寺両岸用水土改連
出力:450kW
発電量:2.21GWh
水量:5.5m3/s
落差:11.16m
水車:S型チューブラ
取水:左岸連絡水路橋(豊水橋)189.91m
放水:上滝発電所放水池[常西用水]177.75m



中滝発電所が完成
Posted on 2018年10月16日(火) 17:00
[水土里


…中滝発電所は国営事業で造成された左岸連絡水路橋からの落差約11mを活用し、最大出力470kW、年間電力供給量は221万kWhで…環境負荷の低減 と土地改良施設の維持管理費の軽減に寄与するものです。…

縦断面図



有効落差は11mで450kWとのこと。豊水橋ごと嵩上げして両岸分水工に入る直前の水位(下の橙線・少なくとも水色線)で発電すると豊水橋の水位より低 い位置が今よりそれなりに,5m程は?,高くとれそうな感じもして,半世紀後?の次の改修時期には検討して欲しいw





上滝発電所[水力]    
北陸電力(株)
運開:1924.4[富山県電気局]
水路式・流込式
認可最大出力:10,100kW(2010改修・+500kW)      常時出力:1,400kW
最大使用水量:17.59m3/s
有効落差:66.90m
水車:3台 総出力10580kW
取水:松ノ木発電所247.58m
放水:常願寺川第一発電所、常西合口用水175.68m
23.5
これ以上は近づき様がないようだ。。
放流先はこ の調整?池である(上滝発電所放水地という言い方を見た)。此処で小俣発電所からのピーク用系 統と合流して 常西地区へ農業用水として流れ込むことになる。

この後は農業用水主 体で落差を从属的に利用する感じにな る。

常東用水幹線用水路
場所はこ こ[地理院]
23.5




近くには大川寺駅がある。

なんか新しそう(当社比)に見えなくもないけど,実は結構ガタが来てる。。階段とかなんか歪んでるし。

ホームはロックシェッドの中にある。

半分は外。


常西用水幹線水路
その外側のホームの真下に水路が見えた。
23.5

地鉄の電車を撮ったつもりだったが将にこれが目的の水路ですやん。全然気付かず撮ってたw地鉄の電車は柵に阻まれてちゃんと写ってないしww


この下流で常願寺第2~第4の発電所がある。水車形式など揃えてコストを削減したそうな。松一と松二でもそういう事をやっている(第一は別途開発されて常 西用水とは並行して(別ルートで)水路が建設されて設置されている)。
一個一個オーダーメードの水車は量産効果が効くようだ。全く同じ物は無理でも,計画的に水力発電所を増やして行き日本中に飽和したら今度は更新需要で安定 的に常に受注残があるような状態を作り出すことで永続的に電機産業と共存共栄できるようにしていきたい。




富山市 常西公園小水力発電所[水力
出力:9.9kW←流石にふざけんなって出力だけどw
水量:0.8m3/s
落差:2.0m
取水:常西合口用水
放水:常西合口用水


富山市 東町・東新町公民館小水力発電所[水力] [日本小水力発電(株)
出力:88kW←ちいせえw
発電量:634MWh/年
水量:2.5m3/s
落差:4.48m
取水:常西合口用水
放水:常西合口用水

常願寺第一放流水合流前の常西合口用水。10m3/s程度の流水?


県営潅漑排水事業・県単やすらぎある農村施設整備事業常西地区だそうな・・[場 所

上の写真の背後の設備の別角度からのもの。太田用水・千俵用水の分岐と思われる。

分岐していく水の様子


北陸電力(株) 常願寺第一発電所[水力
運開:1945.2
水路式・流込式
認可最大出力:11700kW(出力増加前11400kW)      常時出力: 2400kW(出力増加前データ)
最大使用水量:30.00m3/s
有効落差:47.10m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力12000kW(出力増加前データ)
導水路:総延長1834.0m    放水路:総延長2393.0m
流域面積:448.50km2
取水:小俣発電所、上滝発電所、常西合口用水175.60m
放水:常西合口用水125.20m

第二の直上で第一からの放水路が合流する。が,写真を取り損ねてた…orz

以下第二~第四発電所が設置されている。
常願寺川第一発電所の放水 路と常西合口用水路の合流地点から、富山市流杉地点までの延長3,460mの常西合口用水路の総落差50.1mを利用して、最大 使用水量40m3/sにて、最大出力5,000田の3発電所を用水沿いに直列に建設し、年間75,600MWHを発電する
もので…
①地形の勾配は1:68の平坦な耕地で、発電所の位置、数が地形に制限されない。
②地下水が地表下約15mに存在するので、経済的に工事を進めるには、発電所の基礎の最大掘削深さを15m以内にすることが必要。
以上のことから、落差割りおよび使用水量について
比較検討した結果、落差は均等3分割、使用水量は40
m3/sとするとともに、主要機器は3発電所とも同一
仕様として設計・製作面で共通化を図り、経済性を高
めたものとなっている。

ター ボ機械1994.12


北陸電力(株) 常願寺川第二発電所[水力
運開:1964.4
水路式・流込式
    認可最大出力:5,000kW      常時出力: 440kW[8.8%]
    最大使用水量:40.00m3/s
    有効落差:15.10m
    水車:横軸カプラン水車 出力5340kW×1台
    導水路:総延長376.0m
    流域面積:448.5km2
    取水:常西合口用水123.00m
    放水:常西合口用水106.40m

北陸電力(株) 常願寺川第三発電所[水力
運開:1964.3
水路式・流込式
    認可最大出力:5,000kW      常時出力: 260kW
    最大使用水量:40.00m3/s
    有効落差:15.10m
    水車:横軸カプラン水車 出力5340kW×1台
    導水路:総延長462.0m
    流域面積:448.5km2
    取水:常西合口用水106.40m
    放水:常西合口用水89.50m

北陸電力(株) 常願寺川第四発電所[水力
運開:1964.3
水路式・流込式
    認可最大出力:5,000kW      常時出力:  0kW
    最大使用水量:40.00m3/s
    有効落差:15.10m
    水車:横軸カプラン水車 出力5340kW×1台
    導水路:総延長427.0m
    流域面積:448.5km2
    取水:常西合口用水89.50m
    放水:常西合口用水72.90m

此処で発電所群は一旦終わり。
常西用水と其処から分岐する放水路?があり,段差がついている。この辺有効活用したい所である。

放水路・この先は常願寺川本流である。


下で見る常西幹線発電所の為に建設された取水施設
(ここには常西用水の管理棟があって,水もあちこちで分水されてる様子)。その向こう側は常願 寺第四発電所である。
23.7

制水門(表)

制水門(裏)


スクリーン



常願寺第五・第六・第七発電所

明日は5月末に冬季通行止め喰らって果たせなかった有峰林道に再挑戦しようかと思って居るが,予習し てたらこんな文章を発見。今でも第四発電所迄しかないようである(放水位72.9m)。計画を復活させたい。
>常願寺川…第5~第7発電所は, 北陸電力の社内事情によって中止された.https://t.co/mn0ZilxFxA

— とはずがたり (@tohazugatali1) July 29, 2023

常西合口 用水の水の転用をめぐる諸問題
─農業用水の合理的利用の事例研究─
北林吉弘
書籍出典:文教大学教育学部紀要 1981(ネット出典:CiNii:国立情報学研究所が運営するデータベース群)

第5章常西合口用水と発電事業の
関連
第1節発電事業の展開

(2)常願寺川第2~ 第7発電事業
常願寺川有峯発電計画の完成を待たずに,北陸電力はまた新たな発電事業をうち出した.
扇状地のもつ急勾配(約100mの落差)を利用するというのであった.具体的には常西合口
用水の幹線用水路を使用して,その各所に低落差発電所を建設する計画である.

1961年,北陸電力は常西合口用水土地改良区に,常西合口用水路を使用する常願寺川第2~ 第7発電所の開発を申し出た.当時ちょうど都合のよいことに,富山県では常西用水幹線水路の改修事業計画を実施することになっていた.低落差発電所は,常 西合口用水幹線水路のわきに建設される予定であったから,北陸電力としては,富山県の用水改修事業計画に発電計画を織り込んでもらうほど好都合なことはな かった.つまり,幹線水路を流下してきた水は,いったんそのわきにある低落差発電所に導水されて発電に供される.そして,発電に使用後,水は再び幹線水路 にもどされるので,水量の損失は全く無い.しかも,県の施行する幹線水路改修事業と発電事業を同時に実施できるという好条件もあった.こうして,1962 年秋に,常願寺川第2~ 第4発電所の建設事業と常西合口用水幹線水路改修事業は併用工事として県営で着手され,翌1963年に完成した.残りの第5~ 第7発電所は北陸電力の社内事情によって中止された.

>上滝地点から常西用水と併用して富山市新庄地先までの約 100mの落差を利用し,6ヵ所の低落差発電所が考えられ,そのうち3ヵ所は現に設置されている。科 学技術振興機構
因みに富山市新庄はこ こ。南北に長くてどこか解らんw
落差は100mだそうで常願寺第二PSの取水位が123mなので概ね標高20m程度の場所である。此 処ら(地理院)か。 恰度新庄町との記載もある,

23.7,上記の歴史調査を踏まえ,現状の事前調査はなしで適当に下流部視察を組み込んだ。恰度常西合口用水と北陸道の交叉部付近にある流杉(ながれす ぎ)PAにs-ICが併設されて流出出来る様になったようだ(2008.3開設・2009.4正式設置)。
これを使うしか無いということで,出て適当に合口用水へ向かうとどんぴしゃ♪常西用水と思しき水路が見えて来た。
更に,なんかあるぞと思ったら最近(2020年)完成した常西幹線発電所とのこと。我ながらの嗅覚である。


常西幹線発電所[水 土里
事業箇所     富山県富山市流杉
運開:2020年7月
流込式
最大出力:460kW
年間可能発電電力量     259万kWh (稼働率65%)
使用水量     最大3.32m3/s
有効落差     最大18.10m
水車形式     S形チューブラ水車
総事業費     14億4400万円

利水標も真新しい

建屋脇の説明板



上流の陸電が40m3/s 使って5MWの発電してるのに3.32m3/sしか使わず0.43MWの小規模発電で禍根を残している。水路には使われてない水が大量に流れているのに。
実際に上流のガチ(5MW*3)で発電している区間では地上に水など流していないのである(1枚目)。
但し土地改良区の資料に拠ると,常西合口用水の利水を殆ど活用している様に書いてある(3枚目)。明らかにじゃばじゃば流れている様に見える水路の水(2 枚目)はなんなんだ!? pic.twitter.com/lK6RkhB0rG

— とはずがたり (@tohazugatali1) July 31, 2023

現地では「水路には未だ使われてない水が大量に流れているのに3.32m3/sしか使って無くて禍根を残している」という印象を持った,この辺の常西用水 の水利権量はその程度で目一杯利用しているようである。この辺の解明は要検討である。
出典:水 土里



上流に遡ると真新しいコンクリートが続いている。この中に水圧管が通っているものと思われる。



【新規開発】
分水工から放水口に沿って水路を建設,北陸道常願寺川橋(EL63.3m)手前で発電,そのまま地下放水路を建設して大日橋手前付近EL.45mで放水辺 りだと良い感じに出来そう。
常願寺川橋から大日橋迄の区間は地下水のある区間を掘る必要がありそうであるがどの程度難しいのであろうか?(地下水層が地下15mにあるので既設常願寺 第二~第四は落差を15mに抑えたとのこと)



[私案]常願寺川第五発電所
出力:5,800kW[+5.8MW]
水量:30m3/s
落差:23m
取水:常西用水72.0m
放水:常願寺川45.0m

問題点は地下水があるだろうし,その辺の工事費と他の用水への給水も必要だろうし放水路でどの程度の水が確保出来るかである。
取り敢えず30m3/s程を想定。