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2022.2.10運開
神 三ダム・神共水路と合口用水・牛ヶ首用水・大久保用水と[私案]神通川第四発 電所構想
神 三ダム神共水路合口用水・牛ヶ首用水大久保用水[私案]神通川第四発 電所構想

1.神三ダムと神通川第三発電所

~神通川~(→神通川トップはこちら)

神三(じんさん)ダム(別名:神通川第三ダム)[→レポ
堤高/堤頂長     15.5m/242m
流域面積/湛水面積     2,063km2 ( 全て直接流域 ) /26ha
総貯水容量/有効貯水容量     145.5万m3/80.6万m3
ダム事業者     北陸電力(株)
着手/竣工     1953/1954
        堤頂標高:88.00m
    洪水時満水位標高:86.60m(サーチャージ)
     常時満水位標高:86.00m
    予備放流水位標高:82.90m
      最低水位標高:82.50m
       越流頂標高:79.00m
送水:神通川第三発電所・神通川第三左岸発電所(神共水路)・大久保用水(大久保発電所)


北陸電力(株) 神通川第三発電所[→レポ
運開:1955,1
ダム式・調整池式
認可最大出力:9,400kW   常時出力: 0kW
最大使用水量:110.00m3/s
有効落差:10.22m
水車:立軸カプラン水車 出力10200kW×1台
取水:神通川[神三ダム]86.00m
放水:神通川74.90m

もう殆ど落差は残って居らず有効落差は10m余である。それでも大容量110m3/sで9.4MWを叩き 出す。
ただ常時出力は0kWでどんな運用をしているの か。神通川本流に流す水は常にあるだろうに。同じく神三ダムから取水する神通川第三左岸大久保両発電所の50%を越え る常時出力とは好対照であり,神三で逆調整された水は農業用水に使われる一方で,神三P本体は尖頭需要用電源である事を示しては居るが特に 下流に逆調整池っぽいのは無い様な。。
放流せず瀬切れでも起こすの??維持流量はある筈だしそれ位は放流すれば良いのに。維持流量小さすぎて水車回す水量に達しない??

訪問時,神通川第三と思われる取水口の水は澱んでて取水はしてない様子だった(週末の昼遅め)

一方で堰堤からの放水はしていた。

神一ダム(下の写真)は放水はしていなかったが水はダム直下に貯まっていた。

副ダムみたいなの作って瀬切れを起きないようにしつつ今は放流してる水で発電などすれば良いのに。。
因みに神三Pの放水路は延長300m程である。こ の辺か。
基本神三ダムが逆調整池なのでここで流量は安定化される筈なのに常時出力は0kWと何やら尖頭発電用の様な雰囲気。
安定化した水は神共水路大久保用水に渡されるのかもしれないが,もし神三発電所で尖頭発電するとして,特に逆調整池の様なものは見当たらないが,広い川巾を利用して特に逆調整とか不要なのかも。

【神通川本流部開発】
更に,神三の放水位でまだ75mである。ここで放水したピーク用?(→推定)の110m3/sをそのまま使えるのではないだろうか??
神通第三の放水口(74.90m+1m)で取水・発電,道路の下などを用いて大久保発電 所放水位57.24mで放水。落差18mなので14m程度の有効落差は取れそう(佐久間第二は最大使用水量306.00m3/sと大きくはあるが総落差16.01mに対して有効落差12.3m,放水距離は3.2kmと以下の私案と割と似ている)。
こちらはピーク用という建て付けで大久保や神三左岸とかの絡みを考えない。

[私案]新神通川第二発電所(or神通川第二左岸発電所or長川原発電所)
出力:18,400kW[+18.5MW]
水量:60m3/s
落差:36m
導水:3.5km2
取水:神通川[神二ダム]・大谷川116.80m
放水:神通川[神四堰堤]75m

[私案]神四堰堤[場所]
満水位:75m(新神二発電所60m3/s・神三発電所110m3/s)
湛水面積:28ha 有効貯水量:28万m3

神二PSのmaxQ=172m3/sを神三ダムのV=80万トンで受け止めているので新神二PSがmaxQ=60m3/sで神四がV=28万トンでもまあなんとかなるであろう。同じく神四に流れ込む形の神三PSの水はそもそも今は逆調整不要のようであるし。

[私案]神通川第四発電所
出力:21,300kW[+21.3MW]
水量:100m3/s
落差:25m
水路:導水路・放水路3.5km
取水:神通川[神四堰堤]75m
放水:神通川[神通付近]45m

[私案]神通堰堤[場所
逆調整池

新神二が神三と,神四が大久保と完全にかぶってしまうのが悩みどころ。。





2.神共水路・牛ヶ首用水・左岸合口用水

どうも判りにくい。水 力さん国交省の水発的目線だと神三ダム→牛ヶ首用水って感じだけ どもう 一寸複雑らしい。
出 典:婦 中土地改良区

神三ダム→神共水路→成子発電所─神共水路→牛ヶ首用水→
                  └→左岸合口用水取入口→左岸合口用水

という感じである。神共水路途中,神三左岸Pよりも下流のこ こ(EL.69m)に取水口っぽいのがある。用水路の取水口って落差を稼ぐ為に上流に作られて延々と引っ張って来る感じがあるけど,神共水路以下 の牛ヶ首用水に取って神三ダムの満水位は必ずしも不要で,標高は結局この辺の水位でも良さそうである。また神三の放水口も此処のようである。神三左岸の最 大使用水量=下流の薄島発電所の最大使用水量=52.31m3/sなので基本は此処で水のやりとりはせず,神三左岸の水路に事故があったりした時はここで 緊急に取水したりしてるのであろう。

~神共水路~

北陸電力(株) 神通川第三左岸発電所[水力] [DB
富山県富山市葛原
    昭和31(1956)年1月:運用開始
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:7,100kW  常時出力:4,200kW (60.6%)
    最大使用水量:52.31m3/s
    有効落差:16.00m
    水車:立軸カプラン水車 出力7550kW×1台
    導水路:総延長1768.5m(圧力トンネル・暗渠)
    放水路:総延長1294.0m(無圧トンネル・暗渠・開渠)
    取水:神通川[神三ダム]86.00m
    放水:神 共水路[薄島発電所] 67.20m →放水路長等より判断

左岸発電所は平べったい場所にぽつねんと佇んでいた。


一体どうやって落差を稼いでるのかと云う感じだが,こ の辺の標高は72m程度。神三の取水位から圧力トンネルで地表の勾配に沿って徐々に下げてここで一気に落としてるのかな?此処から先は地下の標高 67m付近をゆるゆると放水先迄下っていくのであろう。

北陸電力(株) 薄島(うすじま)発電所[水力
富山県富山市八尾町薄島[場 所
運開:1937.1[高岡電燈(株)]←戦時中の運開
水路式・流込式
    認可最大出力:5,000kW   常時出力:2,600kW[42.0%]←神三左岸よりは低稼働率
    最大使用水量:52.31m3/s ←神三左岸と同一
    有効落差:12.00m
    水車:立軸カプラン水車×2台 総出力5400kW
    導水路:総延長1379.7m
    取水:神共水路[神通川第三左岸発電所放水口]・神通川?[取水口っぽい(地理院)のがある]67.20m
    放水:神共水路[成子、成子第二発電所]53.44m

こ こ[G]・[地 理院]で二手に岐れて神共用水(牛ヶ首用水方面は成子発電所・合口用水側が成子第二発電所ということのようだ。)

北陸電力株式会社 成子発電所[水力]     
富山県富山市婦中町成子
運開:1922.1[神通川水力電氣(株)]→薄島なんかより古い
水路式・流込式
    認可最大出力:1,400kW      常時出力: 680kW
    最大使用水量:22.26m3/s
    有効落差:7.80m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力1628kW
    導水路:総延長860.4m
    放水路:幅11.00m×高4.00m、総延長31.0m
    取水:神共水路[薄島発電所]53.00m
    放水:牛ヶ首用水[五平定発電所]44.20m
 
北陸電力株式会社 成子第二発電所[水力
所在地:富山県富山市婦中町成子
運開:1934.1[高岡電燈(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:1,900kW      常時出力: 680kW
    最大使用水量:22.82m3/s
    有効落差:10.33m
    水車:立軸カプラン水車 出力2023kW×1台
    導水路:総延長834.0m、主要導水路 幅14.35m×高2.85m、延長834.0m
    放水路:幅14.00m×高3.00m、総延長403.0m
    取水:神共水路[薄島発電所]53.00m
    放水:合口用水41.16m

~牛ヶ首用水~

北陸電力株式会社 五平定発電所[水力]    
富山県富山市婦中町広田[場 所][
運開:1922.1[神通川水力電氣(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:1800kW      常時出力:1000kW
    最大使用水量:22.82立方メートル毎秒
    有効落差:10.70m(事業者様データ)
    有効落差:10.20m(水力発電所データベース)
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力2040kW
    導水路:総延長1220.2m
    放水路:幅24.00m×高2.00m、総延長25.0m
    取水:牛ヶ首用水[成子発電所]44.20m
    放水:牛ヶ首用水[四津屋発電所]33.10m


北陸電力(株) 四津屋発電所[水力]    
富山県富山市婦中町広田(婦中町地角)[場 所][
運開:1922.12[神通川水力電氣(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:1,500kW      常時出力: 570kW
    最大使用水量:22.26m3/s
    有効落差:8.50m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力1730kW
    導水路:総延長1345.1m
    取水:牛ヶ首用水(五平定発電所)33.10m
    放水:牛ヶ首用水(下井沢発電所)23.80m

北陸電力株式会社 下井沢発電所[水力]    
富山県富山市婦中町田屋[場 所][
運開:1935.4[高岡電燈(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:800kW      常時出力: 0kW
    最大使用水量:23.93m3/s
    有効落差:4.30m
    水車:立軸プロペラ水車 出力829kW×1台
    導水路:総延長944.1m
    取水:牛ヶ首用水(四津屋発電所)23.27m
    放水:牛ヶ首用水(合場川)18.20m

この後,牛ヶ首用水は井 田川をもぐり[地 理院][], 更に山 田川も潜って] 続いて行く。

こちらが水力発電が多数立地してるのは遠方まで送る為,比較的水量と高度が保たれてたからか



~(左岸)合口用水~


八ヶ分水場




漆島分水場EL27m
十二ヶ用水(北東)と本郷用水・鵜坂西部用水(北西)に分岐

この辺から先は市街地化が著しい。

3.大久保用水(→レポはこちら)
地理・地勢
旧大沢野町の上大久保、下大久保を主な受益とする標高35m~75mのエリアです

神通川右岸の合口化

戦後、経済活動による電力需要に応えるために、昭和28年北陸電力(株)は神通川上流の猪谷から笹津までに神通川第一、第二、第三と3つの発電専用ダムの 建設計画を発表しました。

第三ダムでは大久保用水の取水口が水没するため、新たな取水口を第三ダム(神三ダム)右岸に設置することになりました。これに合わせ、新保用水土地改良区 の幹線用水路である新保用水路と合口化することになり、昭和31年に 県営かんがい排水事業として着手しました。第三ダムから大久保発電所までの合口幹線水 路の建設、大久保用水路、新保用水路の改修を10年の歳月をかけて昭 和41年に完成しました。

その後、合口用水路の老朽化に伴い、一部には危険箇所もあったことから、昭和63年から平成12年(2000)にわたって県営かんが排水事業 神通川右岸合口地区として、大久保用水と新保用水の合口用水路および新保用水との分岐点から大久保用水路にあわせて7145メートルが改修され、現在に 至っています。

出 典:と やまの水土里ネット

記念碑 「県営かんがい(潅漑)排水事業 大久保 新保 合口用水改修記念碑」とある。(こ こ)

合口用水の流れ。なかなかの満水



基本,大久保用水と新保用水の合口用水を導水路として使用し,発電の水は(台地の上の大久保用水ではなく)河岸段丘下の新保用水で使われるようである。

北陸電力(株) 大久保発電所[水力
富山県富山市中大久保(塩地区)
竣工:1899.3[富山電燈(株)]・運開:1899.3.27(120kW[1号機])
増強:1916:2号機運開(520kW) /廃止:1931.6:1号機廃止(400kW) /更新:1999.3:2号機廃止、入替(500kW)
水路式・流込式
認可最大出力:500kW    常時出力:290kW (58%)
    最大使用水量:3.11m3/s
 有効落差:20.50m
    水車(現在):横軸フランシス水車 出力530kW×1台
    取水:神通川[神三ダム](86m)→大久保用水79.15m
    放水:新保用水、神通川57.24m

発電所への取水門(だったと思う)


上部水槽?の水門



上からの鉄管と建屋

下から上を見上げる。落差はそれ程無さそう。。実際スペック上は20mあるけどもっ と小さく見える。。


神三から大久保発電所取水口まで一寸離れてるのでこの間で発電出来ないかとも思ったけど7m程度では無理か。。

大久保用水の使用水量が判れば大容量低落差の佐久間第二みたいなの出来ると思うけ ど,こ のままでは単なる小水力程度である。