【水窪ダム貯水量】 水窪ダム[→諸元] 目的/型式 P/ロックフィル 堤高/堤頂長/堤体積 105m/258m/2411千m3 流域面積/湛水面積 172.3km2 ( 直接:57.6km2(戸中川) 間接:114.7km2(有本堰堤[水窪川]) ) /84.1ha 総貯水容量/有効貯水容量 2,998.1万m3/2,283.6万m3 他の視点でも検討してみる。 ここでは(貯留量が)デカすぎる水 窪ダムってのが浮き彫りになる。 今ダムの流域面積172.3km2(間接流域含む)に対して貯留 量2,280万m3である。(まあダムとしてそれ程デカい訳では無い。三浦ダムや牧尾ダ ムなど6000万m3程あると一冬持つ感じであるがその1/3程度である。) 水窪ダム・水窪発電所 稼働率 19.9~27.3% 流域面積 172.3km2 貯留量 2,280万m3 水使用率 97~100% 竣工:1969 そこそこの稼働率の大井川発電所・大井川ダム・寸又川ダムと比較してみる。また稼働率や水使用率などは判らないが木 曽川代表として読書ダムにも登場を願う。 大井川発電所 稼働率 73% 66% 大井川ダム+寸又川ダム 流域面積 1018.9km2 有効貯留量 50.3万m3+52.2万m3=102.5万m3 水使用率 62~76% 読書ダム 流域面積 1341km2 有効貯留量 267.7万m3 大井川ダム・寸又川ダムは運用は一体である。大井川ダム・寸又川ダムの流域面積にやや不審な点があるものの,ざっくり比較して流域面積に対して水窪ダムの 貯留量の多さが光っている(開発が初期の大井川ダムはまあ小さめではある。)。 ダムそのものはまあもっと大きなダムはあちこちにあるとはいえ流域面積に比して割と (異様に!?)デカイといってもよい。(まあ大井川寸又川も読書も殆ど 貯留せず高回転でガンガン発電していくタイプのダムなのであろうけど。) 更に松尾川ダム: 松尾川ダム 松尾川 59ha 1,260万m3 103.7km2 伝説的な高落差と取水罔で大容量発電所を賄う松尾川より狭い流域に2倍以上,二倍半程の貯水量持つのが水窪ダムという訳である。ダムの比較はこの辺やこ の辺をも参照されたし。 時々数字が怪しいダム便覧であるが,電発も総貯水量が3000万m3と 云ってるので間違いではないだろう。 なんか知らんが(実現しなかった計画が あったりすると激アツだけ ど…)水が足りていないと云うかもっとあっちこっちから水を取れるポテンシャル(潜 在能力)orリダンダンシー(冗長性)を確保しまくりと云う状況の様である。 結論:水窪ダムに(松尾川ダム張りに)水を集めろ作戦を発動しても良い だろう。(以下で随時見て行く) まあ冒頭で見た様に,現状でもそこそこ手広く集水はしているのだが,水窪ダムに間接領域から導水しているのは現在水窪川上流の有本取水堰堤のみである(水 窪ダムは水窪川にはなくて戸中川にある。これ「となか」とばかり思ってたけど「とちゅう」と訓むそうな。先日,京都の途中峠(有名だから全員知ってる筈だけど「とちゅう」と訓む)の先に 栃生と云う地名があってこれも「とちゅう」と読むことに気付いて,京都から堅田・湖北・若狭へ抜ける途中にあるからではなく栃生の転訛ではないかという可 能性に気付いた所だけど戸中も栃生と同じ語源組なのかも知れない。) と,此処(23.8)へ来て似たダム発見!庄内の赤川の八久和ダム辺りが一寸似てるかも。 八久和ダム 八久和川 186ha 3,329.5万m3 148.4km2 1957 う~む,そっくりだ♪ |
【有
本堰堤での取水量推定とその正常化】 データより平均の年間ダム通過水量は2億3,000万m3となる。 100km2当たり3億トン/年という推計値から見ると水窪ダムの 流域は172.3km2 [直接:57.6km2(戸中川) 間接:114.7km2(有本堰堤)]もあるので少なすぎる。 これは推計値が過大と云うよりは,有本堰堤での取水が過少と見るべきであろう。今戸中川から57.6*3億=1億7,000億程度の通過水量があるとする と有本堰堤では 114.7km2で6,000万トンぐらいしか取水してない。本来3億トン以上通過してるのに1/5以下であると推計出来る。 これを1億トンぐらい取 水して発電に使うだけで稼働率をそこそこ上げられそうである。何よりもこの辺が効率的な施策になりそう。。この際に洪水時に流れ込む水量が 減って救済される のは水窪蓋渠で真面目に取水してるなら佐久間ダム,ここでも大して取水してなければ秋葉ダムということになる(現実的に流れ込む先は秋葉ダムっぽい)。 |
ということでこの項で扱う翁川と小沢川・河内川は参考程度である。。 |
【佐久間河内川】 佐久間河内川(河内という川が水窪にも佐久間にも長野との県境にもあってややこしく,また寸又の 所でも河内が付いた川がいっぱい出てきたが,此処らで河内(寸又界隈では「こうち」と呼んでいた)は沢の事らしい。あちこちにある「ひら」は平らな場所で は無く崖,「なぎ」は風が無い穏やかな凪ぎではなく崩れの事で今の日本語の感覚だと解らないけど生半可漢字を宛ててしまって語感が失われてしまった様だ。 こうちは河内を書くようにかわうちなんだろうけど谷や沢を川の内って呼ぶ感覚がいまいち解らん。)からの取水: 流域:6.21km2 導水距離:1.76km 取水位:250m 標高的に3箇所に分散して取る必要があって不効率ではある。。実際には満水位は260mなのでもっと上から取水した方が良いかも知れない。 出水時ではなく渇水時に水が欲しいのかも知れないけど此処は西渡ダム建設によって佐久間市街地 に流れ込む水を減らしたいってのもある。 流域はこんな感じ。計り直すと随分面積減った。。こ の支流域を諦めたせいか。 堰を造って取水し直せば6.2km2程になる。出来れば260m程度のサーチャージ満水位が欲しいので堤高35m程のハイダムとなる。 極限まで水窪川の流れを削った上にトドメは西渡へ取水した残りの水を標高130m級からの佐久間第二への導水もあり得るかも。 まあ調べると4km程あるけど流石に投資効率に劣るかな。。大千瀬川から大量の水が押し寄せる訳だしまあ大千瀬川用のダムでも造るなら導水して貯めとく意 味はあるかも。→西渡[地名]での水窪川の天竜川合流後にダムを建設すれば良いと云う結論 になった。その場合,西渡の放水をなんとかする必要がある。西渡の放水位 EL106mに対して秋葉ダムの満水位108mであるので想定佐久間第二(西渡)ダム満水位133mはもう地中に沈めて(地下式にするなりなんか の防水対策して)排水は配水管で秋葉に流すか,ダムを西渡の上流側に建設して水窪ダムからの流れは導水路で導く等の対処をする必要がありそう。 |
翁川水窪ダム導水の翁川の取水口(橙色)から更にもう800m程伸ばせば
水窪河内川の標高250m以上510m以下の領域からも
取水可能ではある
(510m以上は水窪発電所に既に導水している)。 この辺は西渡に送る想定ではいるからまあ流石に佐久間ダムに送る投資は不要かな。 2億m3位は降るのでまあ半分の1億は佐久間に導水したい。 また水窪流域の4億の内1億は佐久間湖へ云ったので残り3億。 実際小沢川と河内川(仮称・天竜河内川→天竜市内の河内川をそう呼びこちらは只の (何も付かな い)河内川で呼ぶようだ。。)の流域面積を計算してみた。10.2km2か~。得ら れる水量はせい ぜい0.7m3/sってとこか。 小沢川・河内川導水 導水:5.8km 流域:10.2km2 想定瞬間最大(認可最大)取水量:2m3/s程? ←経験則で100km2で20m3/s程度? 想定年間取水量:3,000万トン程度? 翁川の9.1km2と併せて19.3km2程。増やすことが出来る。導水に関しては九頭竜川水系石徹白川の石徹白ダムは 約100km2で23m3/sを取 る。ここの20km2程度では4~5m3/sってとこか。 ただ今の関心事はどの程度発電量(MWh/年)を増やせるか(水 窪だけでなく佐久間も含めた)を問うているので必 要な量はm3/sではなく年間可能取水量(万m3/年)である。さて,(私の怪しげな経験則:100km2で3億トン/年ではなく)どう やって推計しようか。。 少なくとも今はそれ以上の推計方法は持ち合わせてないので天竜川を佐久間ダムへ流れ込む10.2km2分,約3000万トン/年と水窪川を秋葉ダムへ流れ 込む2,700万トン程は水窪ダムへ貯留出来てその分稼働率を上げられそうである。 水窪発電所の使用水量は26.5m3/sであるから,この5,700万トンを使って約600hは追加で稼働させる事が出来て,稼働率を6.8ポイントほど 上げられそうである。また出力は50.0MWもあるので,30GWh程発電出来そう。 税込 27円/kWh(※公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価)とすると27,000,000円/GWh(2,700万 円)なので年間8億1000万円分の電力供給が可能だ。減価償却が30年だとして水路建設ぐらいペイするのではないか。 まあ優先順位は高くないね。。 |