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2020.10.11作成

豊川用水・宇連ダム・豊川水系の発電(21.1/22.3/22.5 訪問)

0.概要 1.設楽ダム・寒 秋川発電・豊川  2.豊川用水 (大入頭首工振草頭首工宇連ダム大島ダム佐 久間導水大野頭首工佐久間導水と相川[別頁]) 3.新規開発構想(鳳来寺庫発電所[試案]三河大野発電所[試案])

さて,佐久間ダムに格斗(貯水水窪導水)してゐる内に,どうも豊川用水と自分の計画(妄想w(;´Д`))が ぶち当たる事に気付いた。今は放置されてる大千瀬川の水を活用しよう等と考えてたのである。

図2-4 天竜川水系の主な水利使用模式図(3/3)
出 典:国 交省
(発電の意味でも)大事な天竜川の支流の大入川や大千瀬川から15m3/sも取水しているのである!地理院の地図にも水 路が載ってて佐久間ダムから豊 川水系の上流迄(入 口は此処か?池 場水位・警報局があるらしい。)辿ることが出来る。

更に,天竜川の本流,佐久間ダムからも最大14m3/s取水してることが判明![水資源
最大分水量
14m3/s (120.96万m3)
分水総量
年間5,000万m3以内(フル受水で41.3日分)
分水期間
5/6~9/20
導水路長
14.2km
何故かこの導水の存在については上の国交省資料は無視して?ゐる。19m3/sも水を取られてしまってはこ ちとら商売(=新規開発妄想)あがったりであるw

宇連ダムの干上がり(貯水量0)があった2019の記事 [朝日新聞]には”天竜川水系の佐久間ダムから豊川用水への導水を始めたことも明らかにした”とあり,緊急時に対応を行うようである。
このことより佐久間導水が14m3/sであり振草導水がほぼ同じの15m3/sであるから緊急時以外は取水しないかと思っていたが,より詳しい記事を発 見。

(佐久間導水に関して)毎年五月六日から九月二十日までの間,天 竜川の維持流量が毎秒八五トンを越えた分について,年間五千万トンを限度に分水できるとの協定を結んでいる。
1994 年9月12日付毎日新聞(夕刊)
とある。(下線部とはずがたり) 大野頭首工の取水量が30m3/sであることを考えると夏期の農繁期には主力として天竜川の水も利用しているっぽい。ま だ愛知用水も明治用水も録に調べてなかった時であったが豊川用水に関しては直接ぶつかる存在として立ち現れたのである。

更に詳しいブログの記事も発見。宇連ダムの残量も依存するそうな。こういう人材が自民党なのがクソだし残念だけど 是非設楽ダム完 工に頑張って頂きたい。
(立憲を私は支持 してるけど立憲も脱原発とは相容れない脱ダムの亡霊の軛から自由になるべきである。少なくとも既存ダムと既 存ダム活用を主張する竹村公太郎さんを活用すべき。)

にわひろあきブログ

佐久間ダムは、水力発電のためのダムですので
佐久間ダムから水をもらうにも
一定の条件があります。

まず、水がもらえる期間があります。

5月6日~9月20日の間だけです。
(9月21日~5月5日までの間は、宇連ダムが空になっても水はもらえません)

そして、もらえる水量も
その期間内での上限が
5,000万㎥までと決められています。
それ以上は、もらえません。

そして、宇連ダムの貯水量によって
佐久間ダムから水がもらえるかどうかも決まっています。

まず、
5月6日~5月31日 の間は、宇連ダムの貯水量が0%になると佐久間ダムから水がもらえます。

6月1日~6月30日までの間は、宇連ダムの貯水量が、1,400万㎥以下になると水がもらえます。
以下同様に、
7月1日~31日の間は、2,500万㎥以下
8月1日~5日の間は、1,000万㎥以下
8月6日~10日の間は、800万㎥以下
8月11日~15日の間は、600万㎥以下
8月16日~20日の間は、400万㎥以下
8月21日~31日の間は、200万㎥以下
9月1日~20日の間は、200万㎥以下

そして、その期間内で
最大5,000万㎥までです。


最大5,000万m3なので14m3/sで取水して992h=丸41日ちょい。取水可能期間は約4カ月半,約135日。一日8時間ぐらい取水すると均され る感じ。
5,000万m3あれば佐久間~船明で どれくらい発電出来るやろか。

天竜川水系からの取水
さて豊川用水は1957(S32)年1月18日に愛知用水公団と(佐 久間ダムを1953に着手し,1956に竣工させた)電源開発(株)の間で締結された覚書により 天竜川水系佐久間ダムからは佐久間ダム取水施設ならびに大入川からは大入頭首工および大千瀬川からは振草頭首工を通じて取水している。[wiki]。

ダム竣工(1956)後,協定締結(1957)後の1958年に宇連ダムは完成し ているが,導水の完成時点は今の所不明。(大島ダムの完成は2001年[便覧]寒狭川導水の試験運用開始は2002年[水 資源機構(pdf)])(→その後の調査に拠ると佐久間導水の運開は1958年(S33)ら しい。)
確かに振草頭首工や佐久間ダムから取水される15m3/sを確保するのは宇蓮ダムの直接流域面積の26.3km2ではなんぼなんでも無理である。。

と云う事で,大入頭首工(大入川上流)→大入導水5.0m3/s→振草頭首工(大千瀬川中流)─振草導水15m3/s→宇連ダム(鳳来湖)─(豊 川)→大野頭首工30m3/s→豊川用水という流れになっている。
まあ吉野川(紀ノ川)→吉野川分水→奈良盆地や川原樋川・天ノ川→猿谷ダム→紀の川とか,四国の愛媛側への導水など,水系を跨いだ大開発は見ているので愛 知県が自分とこの水不足の為に 振草や大入を使うのは至極当然とは云える。
『農 業農村工学会誌第87巻第3 号』に拠ると

流域変更の関係者協議は,事業着手前から始まっており,昭和22 年12 月に愛知県知事が静岡県知事に正式に申し入れを行い,その後幾多の協議調整を経て昭和25 年6 月に「浦川地先において平水量330個(注:「個」とは流量の単位で毎秒1立方尺(0.0278 m3)のことである。)を超える分水に静岡県は異存がない4)」旨の覚書を両者で結び現実のものとなった。このとき同時に,佐久間ダム建設に対し愛知県は 協力する旨の覚書が結ばれている。

佐久間ダムからの導水の調整は,昭和27 年9 月に愛知県が電源開発(株)に「豊川農業水利事業遂行のため,その必要水量を佐久間貯水池より補給されたい」との意見書の提出から始まり,…最終的には当 時の経済企画庁の調整により,昭和32 年1 月に,「佐久間ダムより取水する農業用水,工業用水,上水道用水への分水は,最大分水量:毎秒14m3,分水総量:年5,000万m3以内,分水期間:5 月6日〜9 月20 日,農業用水等の分担金:6 億円4)」などとする覚書が締結され(た。)

とある。先ずは佐久間ダム建設への協力と引き替えに分水に静岡県が同意し,佐久間ダムの事業主体の電発と愛知県の間で最後は経企庁も調整に入り決着をみた もののようだ。

豊川水系に於ける主な取水
豊川には発電所が幾 つかある様なので,宇連ダム以下大野頭首工迄どこに位置するか必死で調べていても堰堤と発電所でてこーへんやん,と思ってよく見たらこちらは宇連 川で豊川(寒秋川)とは別河川であった。なる ほどねえ。
頁を分けて見ていく。寒秋川(豊川上流)はこちらで。

出典:国 交省

更に大島ダムで見かけた看板に載ってた地図。豊川用水と豊川綜 合用水の二つが絡み合ってるらしい。先ずは豊川用水を建設して更に拡張したのが総合用水か?
浜名湖の直ぐ傍に大原調整池というのが描かれていて佐久間ダムに飽き足らず静岡県から更に水を持って行ってるのか!?と思って調べたらなんと割と前から気 に なってた東名の直ぐ脇にあるロックフィルの溜池がそれであった[地 理院]。 (宇利峠の西側なので愛知県下である。)
22.3

振草頭首工大入頭首工も 真冬の正月に訪問した時は可動堰を倒して暫く(冬の間は?)取水しません,みたいな顔をしてたけど,一応豊川総合用水事業の水利使用規則の引用に拠ると通 年取水が規則上は認められてる様だ。
別途指定されてる下流補償量をそれなりの期間,確保出来ないと判断しての措置?それとももっと細かい(上述の佐久間導水 みたいな)規則が更にどっかにあり?

設楽ダムは不要~豊川総合用水事業_参考_水利使用規則.pdf
 http://www.rokujogata.net/nodam/wp-content/uploads/2015/01/%E8%A8%AD%E6%A5%BD%E3%83%80%E3%83%A0%E3%81%AF%E4%B8%8D%E8%A6%81%EF%BD%9E%E8%B1%8A%E5%B7%9D%E7%B7%8F%E5%90%88%E7%94%A8%E6%B0%B4%E4%BA%8B%E6%A5%AD_%E5%8F%82%E8%80%83_%E6%B0%B4%E5%88%A9%E4%BD%BF%E7%94%A8%E8%A6%8F%E5%89%87.pdf
≪参考≫
水利使用規則(河川管理者である国交省が許可する水利用)
H12.7.21
豊川用水事業・豊川総合用水事業
第 3 条 取水量及び使用水量等

(1)取水量等
・佐久間 5 月 6 日~9 月 20 日まで 最大 14.0m3/s 年間 5000 万 m3(→現地の様 子)
・大入 通 年 最大 5.0 m3/s
・振草 通 年 最大 15.0 m3/s
・寒狭川 通年 最大 15.0 m3/s
・大野 通年 最大 30.0 m3/s かんがい 14721 万 m3
・牟呂松原 通年 最大 8.0 m3/s かんがい 4982 万 m3

(2)大野取水 使用水量等
・かんがい 4 月 11 日~20 日 最大 7.72 m3/s
 4 月 21 日~6 月 5 日 最大 13.67 m3/s
 6 月 6 日~9 月 30 日 最大 14.92 m3/s
 10 月 1 日~4 月 10 日 最大 4.02 m3/s
・水道 最大 2.96 m3/s
・工業用水 通年 最大 1.527 m3/s

(3)牟呂松原取水 使用水量等
・かんがい 4 月 1 日~10 日 最大 0.25 m3/s
 4 月 11 日~10 月 5 日 最大 6.04 m3/s
 10 月 6 日~10 日 最大 0.28 m3/s
 10 月 11 日~3 月 31 日 最大 0.23 m3/s
・水道 最大 1.223 m3/s
・工業用水 通年 最大 0.903 m3/s

 https://www.water.go.jp/honsya/honsya/torikumi/kankyo/suisitu/pdf/h21/h21_19toyo.pdf

3. 大入頭首工(→現地の様子)
 位置 愛知県北設楽郡豊根村大字上黒川
 流域面積 75.57 km2
 下流補償流量 2.61 m3/s
 取水量 最大 5.00 m3/s
 構造 可動型コンクリート堰提
 堰長 30.0 m
 ゲート高 3.8 m
 導水路延長 2.6 km


4. 振草頭首工(→現地の様子)
 位置 愛知県北設楽郡東栄町大字中設楽
 流域面積 72.64 km2
 下流補償流量 1.44 m3/s
 取水量 最大 15.00 m3/s
 構造 可動型コンクリート堰提
 堰長 34.0 m
 ゲート高 2.5 m
 導水路延長 6.1 km

7. 大野頭首工
 位置 愛知県新城市大野
型式 重力式コンクリート堰
堤頂長66.21 m
堤高26.0 m
堤体積27,700 m3
 流域面積 129.91 km2(85.25 km2)
 満水面積 0.164 km2
 満水位 EL. 78.00 m
 最低水位 EL. 68.20 m
 有効貯水量 906,000 m

8. 牟呂松原頭首工 9. 幹線水路
位置 愛知県新城市一鍬田
取水量 最大 8m3/s


佐久間ダム[→佐久間ダム(→諸元)
撮影日不明(かなり以前)
西岸にある豊川用水の利水標識



~大入川~(→こちら参照)

大入(おおにゅう)頭首工[水 機構
位置 愛知県北設楽郡豊根村大字上黒川
流域面積 75.57 km 2
下流補償流量 2.61 m 3/s
取水量 最大 5.00 m3 /s
構造 可動型コンクリート堰提
堰長 30.0 m
ゲート高 3.8 m
導水路延長 2.6 km
流域面積:74.4km2[宇連ダムと振草頭首工の数値より]

取水先:大入導水
取水量:5.0m3/s
21.1

21.1

21.1
取水口付近
21.1

此処から一気に山を穿って大千瀬川側に水は送られる。


~大千瀬川二次支流河内川~

山の中にある大入トンネル流出工[正 しい場所(地理院)恐 らくこれ(G)]→地理院はなんとこ こ(EL.540m) に放水口を描いてるけど取水先(の大入頭首工)で すらEL.518m 程度であり,明らかに可怪しい。此処でも地下水路に弱い地理院が間違っていると云える。
上の取水口で取り込まれた水は太金和峠をトンネルで越えて先 程の此処ら(EL.506m付近)で河内川に放流される。
21.1
施設名は近くの看板より。

近くには別所街道が走っており,その旧道沿いに流出工は存在する。2023.2の時点でも地理院だと普通に国道指定の侭でしかも現役となっている旧道トン ネルだけど既に塞がれていた。


河内川は一旦鴨山川へ合流してから大千瀬川に合流する。

~大千瀬川(振草川??)~(→この辺も参照)

大千瀬川は御殿川等と合流して中設楽に至り,ここでもう一度取水される。振草頭首工であるが立地は中設楽で振 草にはないようだ。。中設楽ってのも郡名を背負うデカい地名であるが。。(相楽(そうらく)郡,今の木津川市の相楽(さがなか)を思い出す。)
頭首工の重要な意義づけの為にも中設楽頭首工とかが良かったのではないか!?
ふと思ったが,ちゃんと豊川ではなく寒狭川頭首工と名付ける豊川用水なのでここも正式には(=地元では,という意味・法律なんか糞喰らえであるw)振草川 なんか?!→東栄町内の漁協が振草川漁協だったし遠江側が大千瀬川,三河側が振草川かな~。
場所に寄って名前が変わるのは解りにくいから,せめて大入川と振草川が合流して大千瀬川とか法的に整理できないものか(まあこれやりだすとややこしくなる のかw)。北山川と十津川で熊野川とかなら解りやすいけど紀の川と吉野川の合流点にはあんま良い川ないな~。強いて云えば(大和)丹生川かな?


さてここで折角大入で5m3/s取って振草迄送水するなら(現地訪問した1月上旬は正月休みか冬期農閑期のせいか取水は停止してた様に見えたが・・併し太 金和峠越えると雪景色の 名残だったし冬期の取水も悪くないような気もする。)視野に這入って来るのは大入(EL=516m)と振草(EL=255m)の間の落差と少なくとも最大 5m3/sを用いた発電が可能ということになる。
もっと大胆に6.6km程トンネルを掘って地下発電所を建設して振草頭首工で放水すると10.6MWという結構デカい発電量が確保出来る。

勿論,問題は通年でやってないのではないかということで夏場だけちょろっと動くようではこ んなデカい発電所建設しても稼働率が低くてお話しにならないのではないかという点である。
流域面積 75.57 km 2とそれ程狭い訳で はないがガチで取ってしまうと勿論,新豊根発電所,更には佐久間発電所以下にも影響を与えてし まう。
そもそも大入頭首工での取水量5m3/sってのは普段は維持流量 を確保する為にそれ程取水出来ない為に増水時に大量に取る為に多めに設定してある水 量な可能性が高い(→その後利水調査を進めて行く内に判明したが,発電もそうだが貯水用に取水する頭首工はどこもそんな傾向 であった。)。何しろ大入頭首工での下流維持流量が2.61m3/sもあるの だ。

ここは無しっぽいな。。

大入導水放流水を含んで上流400m付近(河内川の鴨山川への合 流がEL.397m)から取水して振草付近で発電する発電所も考えられるが,大千瀬川上流の御殿川上流の神田川の標高が低くて神 田(かだ)付近でもEL353mである。従って流域が歪になりパットせずである。ボツだな~。


振草頭首工(大千瀬川中流)[水 資源][水 資源
位置 愛知県北設楽郡東栄町大字中設楽
流域面積 72.64 km 2
下流補償流量 1.44 m 3/s
取水量 最大 15.00 m3/s
構造 可動型コンクリート堰提
堰長 34.0 m
ゲート高 2.5 m
導水路延長 6.1 km

流域面積 72.64 km2 →大入頭首工から5m3/sの流入があるとは云え,72.64km2の流域面積で15.0m3/s,詰まり大千瀬川流域からは実質10m3/sはそこそこ 多い取水量である。(138%水準)これは洪水時に発電を停止したりする流込式発電所とは違って出水時の水を貯水池に貯めて置くという運用ということのよ うである。
下流補償流量 1.44 m3/s
振草導水15m3/s

利水標識:
21.1
銘板より:
豊川用水流域変更
振草頭首工
昭和43年3月竣工
形式 フィックスドタイプ全可動セキ
セキ上高 4.6m
セキ長 40.0m
 土砂吐 6.0m×4.3m ローラーゲート1門
 洪水吐 25.0m×2.5m 起伏開閉ゲート1門
   放水口 2.0m×2.0m 起伏開閉ゲート1門
 魚道 2.0m×38.0m 勾配12%
取水施設 3.0m×2.6m ローラーゲート3門

21年の正月早々に訪問したのだが,冬期で水が不要なせいかゲートを倒して一切取水してない様子であった。
2回目は22.5に訪問してみた。
堰堤(マウスオーバーで21.1)
22.5
取水口(マウスオーバーで21.1)
22.5
湖面と魚道
22.5

振草は1.44m3/s,大入は2.61 m3/sの下流補償流量があるということはそれ以下の水量が殆どとなる冬期渇水期は事実上閉じっぱなしで活動を休止するのかも知れない。大雪とか降って流 水量が 上がることもあるだろうけど,融雪の流水は穏やかで一気には増えないし,季節外れの大雨だったとしても待ち構えて水門上げて減ったらすぐ下げるみたいなこ まめな操作ってのは難しいのかも知れない。

とまあ結論めいたものを得た二回の訪問だったが,段々帰省の前後の行く先が無くなってきて延々とR151を北上する事も多くなってきたので定点観測を兼ね て23.7に寄ってみた。梅雨も後半の雨上がりの日であったが,なんとゲートが上がっていた。。


割とこまめな操作をしているらしい。定点観測を続行したい。

<開発試案>
矢張り渇水常習犯故の水量確保に不安は尽きない(設楽ダムはその対策に建設されているのでまあ良いのだが。。)。以下の様に取水域を広げて確 保を足掻きたい。
この辺の大千瀬川流域の佐久間ダムへの導水は色々検討したがかち合ってしまいはする。。ただこの二箇所での取水できた分,大入導水及び佐久間導水の水量を 減らせるとな れば佐久間・同第二・新豊根発電所の発電量を増やせそうである(秋葉以下は同じである)。

川名 導水路 流域 効率
柿 野川 0.7km 5.0km2 7.14
足 込川他1 1.8km  11.1km2  6.16
御 園 1.2km(3.0km) 3.7km2(14.8km2) 3.2(4.93)


まあこの辺は相川にダム造って大千瀬川からも導水する発電所の建設する構想(妄 想)を思いつい たが,その辺や,大入頭首工の取水の立て替えの一環でこの案も貢献出来そうである。




更に 宇連ダム(地図上でEL =235m程満 水位EL=229.15m)と振草頭首工(地図上でEL=255m程)の間には25m程の落差がある。水量は最大15m3/sである。
これをそのまま発電に使うとすると…2,400kW程度である。
ちいせえ。。更に上で見た様に厳冬期は導水してなかった様で,この手の導水は洪水時に大量に取水して貯水池に貯めておくものであり,通常は15m3/sな んぞ通水しておらず普段は完全に設備が遊んで仕舞うであろう。
稼働率そして収益率に不安はある。これはナシだな,,
別の方途を探ってみる。

さて,豊川用水は『農 業農村工学会誌第87巻第3 号』に拠ると
>年間約2 億m3の農業用水と,約1.8 億m3の都市用水を供給する用水
とのことである。
年 間4億トン弱の水を寒狭川上流・大千瀬川上流・大入川上流・足りなかったら天竜川上流(上限5千万トン)から集水している。

出典:『農 業農村工学会誌第87巻第3 号』

1961年(S36.9)なので主に宇連川・大千瀬川・大入川上流を水源として3億トン程の水を確保出来ている事が解る。緊急時用という印象だった佐久間 導水だが,表によると2次変更の佐久間導水設置をきっかけに年間補給量が6,600 万トンから1億 5,000万トン強になっているので割と毎年フルに利用している感じなのかも知れない。(寒狭川頭首工は遥か後の平成になってからの開設で ある。論文に寄ればこの増加は
牟呂用水,松原用水も参画した豊川水系一貫の水利計画が 立てられ水の有効利用が図られることとなる。…具体的には,水稲の作付け計画に特殊早稲,普通早稲などを取り入れるなどしてピーク水量を減じ,また,大野頭首工から常時放流することとしていた下流補償用水1.948m3/s の放流を廃し,河川自流が新たに定められた河川維持流量(石田地点2.0m3/s)以下の場合に補給することとした。これにより都市用水の供給を大幅に増加させ,年間補給水量も農業で14,690 万m3,都市用水で14,820万m3を供給する計画となった。
だそうである。「下流補償用水1.948m3/s の放流を廃」すだけでこれだけ増やせるのか~。毎秒1.948m3/sを一年間に単純計算で6,000万トンぐらいは増やせる計算には成るが,増分はぞれ 以上である。。これはピーク水量減少の効果という訳か?)
最終的には農工で3億トン近い水を利用している感じだ。大島も寒狭もなかった当時,175km2で2億5000万~3億トンという感じか?

流域面積
大入頭首工  75.57 km2 5m3/s
振草頭首工 72.64 km2 15m3/s(10m3/s)
宇連ダム(直接) 26.26 km 2
合計  174.47km2

大島ダム 18.4km2 (2001年完成)
寒狭川頭首工 300.0km2 15m3/s (1997年完成)

大入は流域面積はほぼ振草と同じだが瞬間取水可能量は1/3であり, その振草の1/3程度と云う事になろうか?ただ下流補償流量を見るともっと振草の方が大入より大きそうである。
3億トン中,振草と大入の150km2で2億5000万トン。振草で2億トン/年,大入で 5000万トン/年ぐらいかねぇ。。使い途を考えたってだけでこれ以外に補償流量的なものも計上されてないけど取水はしてる可能性もあるの か?

差し当たってはこの量(2億万トン)を発電込みで大千瀬川流域から宇連ダムへ導水することを考える。大入はここ(相川)こ こ(大千瀬)で新豊根・佐久間経由を色々考えた。

こちらはもう一寸落差を取って発電込みで導水してみる。面積は減るので不足分や大雨時で発電取水を停止した際などは振草頭首工の出番であろう。

振草川・鴨山川(大入頭首工の水の放流先の河内川含む)・下粟代川の合流点のこ こ(EL.342m)での取水が軸になるだろう。落差を100m程度しか取れないけど。。この標高なら御殿川の上流の神田川でも頭首工が分散せず に済む(333mを越えると小さな支流がいっぱい分岐して面積が減ってしまう)。更に足込川にも足を伸ばして取水して見た。

振草頭首工周辺代わりに山間部の足込川を含めたので5km2程しか面積減ってないけど取水量は増やせるぐらいかも知れない。
問題は,最大15m3/sで取水するとして,今は取水を停止していると思われる冬期にどの程度稼働させられるか,である。その辺が投資の収益性に強く係 わってくる。
年間2億トンの水を取水するとして全部使えれば46.8GWh程発電出来て電力単価27円/kWで売り上げ年間12億ぐらいにはなりそうだが,多分そんな には使えない。出水時に大量に押し寄せるのがダムのない川の水なので半分か1/3ぐらいか?

[私案]鳳来発電所
出力:5,900kW[+5.9MW]
水量:7.0m3/s
落差:100m
流域:大千瀬流域:66.95km2 宇連流域:
取水:足 込川振 草川[新振草頭首工]御 殿川(神田川) 335
放水:宇連川[宇連ダム]230m

ひとまず保留という事にしたい。取水点から大千瀬ダムまで流域67km2で7.0m3/sとった後の減水区間と思えば一年中稼働させても良さそうな感じも するんだけどねー。。






~宇連川~

宇連ダムへ向かう。振草から宇連へは山を一つ越えた向こうにあるが,山の南回りだと振草─R151─三河川合─r424─宇連となり,北回りだと振草 ─R473─神田─r32─(分岐点[す とびゅう地 理院])---r424─宇連となる。
残念ながら北回りはあと一寸で分断されている。惜しい。この辺の市町村の編入・合併などの経緯に関しては山行が@ヨッキが詳しくレポしてくれて いる。市町村に関してはこ ういう経緯があったそうな。知らなかった,とても参考になる。
不通区間の踏破も済んでいるようで,レポを期待したい所である。

ということで我々常人は県道が未通区間があって通り抜けは出来ず,三河川合から入っていくしか無い。多分此 処。乳岩川方面へ行ける道路が分岐。
下で乳岩川からの取水も検討することにしたので川の様子だけでも見に行ってくれば良かった。。


宇連ダム[便覧][水 資源]
新城市川合
愛知用水公団→水資源機構
目的:AWI
堤高/堤頂長:65m/245.9m
流域面積/湛水面積: 174.5km2 ( 直接:26.3km2 間接: 148.2km2 ) /123ha
総貯水容量/有効貯水容量:2,911.0万m3/2,842.0万m3
満水位/最低水位:229.15m/178.55m
着手/竣工:1949/1958
湖面標高:230m 程度

.宇連ダム[水 資源https://www.water.go.jp/honsya/honsya/torikumi/tourism/damcard/area/kiso_toyo/ure.html
愛知県新城市川合
型式重力式コンクリートダム
堤頂巾4.5 m
堤頂長245.90 m
堤高65.0 m
堤体積272,800 m3
流域面積26.26 km 2
満水面積1.23 km2
満水位EL. 229.15 m
最低水位EL. 178.85 m
有効貯水量28,420,000 m 3
ゲート    鋼製ラジアルゲート×3門

間接領域の148.2km2だが振草取水口の直接領域は74.4km2程度だから大入取水口の直接領域が74.4km2あるって感じであるか。

22.5
管理棟と取水塔

渇水イメージの強い宇連ダムだが水は22.5末に行ったこの時はたっぷりの満水位だったようだ。

飲水思源ってなんだ??豊橋市長が書いたらしいが。。→" 物事の基本を忘れないという戒めの語。また、他人から受けた恩を忘れてはいけないという戒めの語。"[ 三省堂 新明解四字熟語辞典]しらんかっ た。お恥ずかしい。

何を100%に採った図なのか解らんww
 少なくとも(低付加価値の?)サツマイモと麦類が激減してそれ以前から増えてた甘藍(玉菜)と西瓜が増え,露地メロンは明確に豊川用水をきっ かけに増えた 感じか?
農産物出荷額がこれでは増えてるのか減っているのか解らないが,最盛期よりだいぶ減っていてこんなグラフを出さざる得ないのでは無いかと邪推せざる得な い。
水道給水人口と工業出荷額は増えたと威張っているしなw
農業出荷額も昭和43年(1968)と平成14年(2002)を出して見やがれ。

普段は上の図を含むこ んな看板だが渇水時には「ダムの水がピンチです!」という看板になるそうだ(→『山行が』)

その横にある利水標。利水量は濶大な30m3/s♪と思いきや端数付きの30.9m3/s。
22.5
大島ダム同様,此処で利用する(川の流れから引っ込める)訳では無いのだけど,堰き止めた水を 下流で取水する為に放流するのも利水であり貯水地でも明示するルールらしい。
こちらは自由越流タイプではなくゲートがあるっぽいが,やはり大島ダムと同様取水塔があるっぽくて(利水標の真後ろにある白い3階建ての建物・もっと数枚 上の写真にはちゃんと写ってます)ここで水を流す操作をしているってことだからか。
大野頭首工での取水量30m3/sに0.9m3/s上乗せされてるのは何故だ!?
これは発電してもええやろと思ったら小水力を設置するらしい。

宇連ダムで小水力発電施設整備
http://www.higashiaichi.co.jp/news/detail/1530

08月22日(火)00:01掲載・東愛知新聞

 水資源機構豊川用水総合事業部は、同用水の水がめで新城市川合の宇連ダムに小水力発電施設を整備している。放水する一部の水を発電に使う。駒場調整池 (豊川市平尾町)でも工事を行っており、共に来年3月末までに完成させ、供用開始を目指している。完成すれば同用水で4カ所で稼働することになる。
 同機構は2008(平成20)年に地球温暖化対策実行計画を策定し、温室効果ガスの排出抑制などに向けた取り組みを進めている。東日本大震災の原発事故 を受けて再生可能エネルギーの導入を目指そうと同事業部では12年度までに小水力発電施設導入に向けた調査を行い、採算性のある二川調節堰(豊橋市雲谷 町)と大島ダム(新城市名号)の2カ所を整備して15年度に稼働させた。
 宇連ダムは高低差を利用して水を送って発電する仕組みになっており、計画する最大出力は約760kW。年間で一般家庭890世帯分の使用量を発電できる という。
 工事では放流管から分岐させる管を設置。横軸の水車2台を設けて発電させる。発電した電力はダム内の管理事務所の電源に使われ、今後、余剰電力は電力事 業者に売電する。
 一方、駒場調整池では流入工部分に最大出力53・4㌔㍗の小水力発電設備を整備している。
(安藤聡)

2018年3月、管理用小水力発電による発電を開始したそうだから2017.8の記事か?


(乳 岩川合流EL.154m)

~亀淵川と佐 久間導水~

振草頭首工と並び豊川用水のもう一つの生命線が佐久間導水である。

振草・大入ラインは常設の取水ルートなのに対して(上 で引用したにわ氏の記述などから判断出来るが)こちらの方は危機時の特別対応ルートっ ぽい。
佐久間ダムから延々と15km程の導 水路が建設されていて 亀淵川の上流の支流に放流口がある。

峠の池場を挟んで山の向こうは天竜川水系相川であり,水路橋などがある。

<佐久間ダム>


ここの取水位が不明だが,割と低そうな場所にある写 真[雀の社会見学]を発見!最低利用水位(放流管の位置?)よりは高そう。

<大千瀬川>
22.3
大入渓谷への入口付近であるが,大入林道改め県道は開かずの道路になっている。


<相川>




<亀淵川>
放水口は亀淵川の名称不明の支流にある[地 理院]。池場の聚落がサミットにあるので池場川とでも呼べばいいか?こうなれば勿論峠向こうの天竜川水系大千瀬川の支流の 名称不明の川も池場川である。
巴川が豊川水系と矢作川水系の両方に巴 山を挟んであるように♪(解りにくい独りよがりの諧謔で恐縮だがw)

豊川用水佐久間導水放水口(仮称)
地 理院だとこここ れ[G]に寄ると池場水位・警報局なるものがあるようだ。こんな広い場所があれば通りがかりに駐車ぐらいは出来そうだ。気付かなかったなあ。。
この辺は天竜川水系が大きく三河側にはみ出したりしてるが,ここの分水嶺上に池場の聚落があって,新城と東栄の境界が北側にズレている。川や稜線以外の縄 張りを決める掟てみたいなものがあったのかも知れない。

気には成りつつずっと未訪問だったが,ストビュウでみればそういえばこういう広くなった場所あったなあという確認は取れてて23.6,帰省の帰りに遂に訪 問。
23.6
残念ながら立入謝絶の様であった。。

豊川用水綜合事業部名で立入が禁止されてて確認は出来て満足であった。
とはいえ未練がましく中を覗き込む。

ゆっくりカーブしながら下に降りて行く様子であった。
脇にも罔(あみ)が張られてて,獣避けかも知れないけど,立入は簡単に出来ないし,亦して欲しく無さそうであった。

(亀 渕川合流EL.187.4m)



(宇 連川・亀渕川合流EL.150m)

三河川合付近

~大島川~

愛知用水の水源の一つ。これまで流域些少。。(18.4km2しかない。。しかも大島 ダムには宇連ダムと違って導水路はない)
建設が進む三遠南信道。鳳 来峡IC,その近くに大島ダムはある。近くというかインターへの交叉点,名号交叉点が大島ダムへの道路の入口でもある。宇連ダムへの入口の三河川 合も近く水利上のジャンクション地帯である。
22.3
大島ダムへは県道が指定されていてr519号(七郷一色名号線)の坂を登っていく。この道路,大島ダムの為に指定されたのであろう。中途半端な所で終わっ ていて,r442鳳来佐久間線迄道路そのものは繋がってるのに起点はそれ以前に置かれている。
三遠南信道から見えた立派な赤いトラス橋はこいつのものであった。(こんな利水マニアしているのに行き当たりばったりが身上の私は三遠南信道降りて看板見 る迄ノーマークだったw)

こ こら[G]で道は狭くなり0 キロポストが置かれている[G]のが確認出来る。まあ上矢作でも思ったけ ど,過疎地の道路整備はダム建設等とセットで行うの効率的な行政支出であり,人が少ないのに過大な支出で過疎地を優遇すべきではない,困っている人は都市 部にも過疎地にも沢山いて救貧対策をするなら一律にすべきである,のが王道だと思うが,こんな露骨に県道指定しなくても…とは思う。せめて鳳来佐久間線迄 繋げてやれば良いのにとは思う。
因みにこのr442(愛知県道鳳来佐久間線),静岡県道としてはr390と珍しくナンバーがズレてい る。一時期建設省が県を跨いで同一の線区の路線ナンバーは統一しろとやってた筈だが。。因みに近くのr505渋川鳳来線も静岡県内ではr298になるっぽ い。3本とも突っ込み所のある県道なので纏めて改編してはどうか。一遍にやれば手間賃は削減出来そう。折角ならE69というナンバーを振られている三遠南 信道沿いなので旧一級国道並みのR69を指定してその旧道扱いの国道みたいなのはどうであらう!?笑
いずれにせよ直ぐに全面通行止めの看板に脅される。こ こ

まあ看板は脇に寄せられていて突破されるのが前提のような位置だし,よく見ると大島ダム迄は行けるようだ。

昨今は片側だけ開通してれば良いと云う道も多く,r1飯田冨山佐久間線の対岸のr288大嵐佐久間線とか復旧を諦めて多くの区間が廃道化されてしまった が,ここは両岸が生きていて県道指定が終了したその先で最合流するのである。
一度三遠南信道渋川寺野ICで降りてr296・r505・r442・r519辺りを総嘗めにして見たい所である。r442は阿寺川沿いに大野頭首工のある 三河大野方面へ下っていくが,阿寺って地名は木曽が有名だが仏教用語にでも由来する一般的な地名なのか??

無駄話が長くなったが,間もなくダムに到着する。廃車間際の我が愛しの初代FITの勇姿。左の前輪に力が掛かるとベキベキ云うしABSの警告灯は点きっぱ なしだし既に1月に新型FITを購入し納車待ちである。


大島ダム[便覧][水 資源]
場所:新城市名号
目的:潅漑・上水
堤高/堤頂長:69.4m/160m
流域面積/湛水面積: 18.4km2 ( 全て直接流域 ) /50ha
総貯水容量/有効貯水容量     12300千m3/11300千m3
ダム事業者     東海農政局→水機構水路事業部
着手/竣工     1980/2001
満水位/最低水位:240.70m/205.30m
利用水深:35.4m


利水標もバッチリげっと。

乾期の冬期は貯留して潅漑期に最大19m3/sを供給する体制なのであろう。此処で川から取水する訳でもないけどちゃんと掲げてある。年間を通じて 10m3/s程度見込めたりすると発電も見えてくるが流域面積が僅か18.4km2では発電なんかしてたら直ぐに空になってしまうであろうし,此処での発 電は非現実的であろう。
石碑

看板(冒頭三枚目の図もここから)

此処で川から取水する訳でもないけどちゃんと掲げてある,そう思って子細を見るに,取水塔なんかある。デザイン的にも位置的にも看板の後ろにある建物がそ のようである。

此処で19m3/sも取水するとして何処へ運んでいるんだ!?
どうも自然越流式なのでそれとは別に水需要に応じて取水塔で放流する際にはこの取水塔を使うと云うことらしい。確かに改めてよく見れば堤体はゲートレスで ある。
メインの宇連ダムに対するサブ的な位置づけと思われる大島ダムであるが,たまに干上がる宇連ダムであるのでそういう時に大放出する為に大きめの放流量を 取っているのであろう。流域は直接流域のみで18.4km2しかなく,基本継続的に供給する能力はなさそうな気がする。。(V=1,130万m3なので 19m3/sで放水すると165h=一週間弱である。貯水量はそこそこでかい。)

湖面の様子。訪問したのは3月で,まあそれ程雪解け水みたいなのが豊富な土地柄ではないだろうが,田植えの時期への準備は万全で満水のようである。

管理棟

最後に取水塔アップ。こんなデカいの要るんか!?まあ20m3/s弱だから大量の水ではあるし,ダムをゲート式にするよりは安上がりだったということか。 可 動式の制水門がこの中に納められてると云う感じか?
22.3
最後の最後に堤体下部。副ダム(減勢工?)の様子



(大 島川合流EL.142m)


(三河大野市街)

三河大野は遠美線の経由(予定)地となっていて,遠美線(二俣線)の起点掛川生まれの俺としては縁を強く感じているし,金 指 から三河大野行きの国鉄バスが出ていたのも懐かしい。
そんな三河大野であるが,豊川用水の鍵となる大野頭首工があった。
宇連ダム,大島ダム,佐久間導水で集められた水は此処迄宇連川等各河川を下り,此 処(EL.75m)からは用水路に入るのである。
詰まり,天竜川から給水するにしてもこの標高迄降りてから(各所で発電が終わってから)でOKって事になる(今はダム湖から引いているので佐久間ダムの分 が減じている)。EL.75mで良いなら秋葉ダム直下(EL87m) で良いと云うことになる。此処からトンネル掘るとすると約21km。佐久間導水の15kmよりは長く,途中ずっとトンネルにする必要はあるが,佐久間発電 所・佐久間第二発電所で発電してからで良い(秋葉ダムでも発電出来ると良いんだけど一番標高の高い秋葉第三でも70mとなっているので発電後取水はギリギ リ無理。。惜しいなあ。。秋葉ダム湖から湯谷温泉辺りだと19km程である。まあ今の佐久間導水の施設を廃棄するのは非現実的ではあるけど。。)

三河大野でもまずはお約束の電源開発w
宇連ダムの水量が足りない時に付加的に放水する運用と思われる大島ダム側は流域面積的にも期待出来ないと思われる。
しかし宇連ダム・大島ダ ム・佐久間導水(亀淵川)が連 携して一定の水量を確保する運用の筈であるから全部から取水すれば安定する筈である。

先ずは既に宇連ダムから直下に落として小水力発電しているから,宇連ダム直下を基準取水位として,佐久間導水放水口の下流の亀淵川や大島ダム下流をメイン に発 電。農閑期は兎も角,宇連ダ ムが渇水時には亀淵川や大島ダムから放水がある訳で補完性はバッチリな筈である。
そして大野頭首工近傍に落として発電という感じでは無かろうか?強気の15m3/sはやり過ぎであろうか?(振 草頭首工の冬期は取水をしない様子から冬期は宇連ダムからの放水が殆ど無さそうなので・・。)
途中の大津谷川と槇原川をどう処理するかも鍵。

宇連ダム直接流域:26.3km2(A)
大島ダム直接流域:18.4km2(B)
亀淵川・乳川・大津谷川・槇原川等:24.3km2(C)  (A)+(B)+(C)=69km2
豊川用水水量:15~30m3/s

[私案]三河大野発電所
出力:7,300kW[+7.3MW]~14,600kW[+14.6MW]
水量:10m3/s~20m3/s
落差:88m
取水:大 島川(要サイフォン)亀 淵川・乳岩川・宇連川[宇連ダム]・大津谷川[大津谷ダム(要新設)]・槇原川(要サイフォン)168m
放水:豊川[大野頭首工]76m

豊川用水の30m3/sを考えると10m3/sは少なすぎるかなぁ。。冬期は遊んでしまうこと必至だけど近年の資本財価格の低下の趨勢は冬期の遊休を許容 してくれるのではないか。
更に海老川からも取れそうだな~。


~寒狭川~(こ ちら)

寒秋川頭首工[豊川用水][愛知県
事業主体:水資源機構
目的:水道用水・農業用水・治水(愛知県) 潅漑・水道及び工業用水(利水標)  
取水量:最大15m3/s
竣工:2002年 完成?1997年
堤高:3.9m 常時満水位:83.3m 最低水位:81.0m 計画高水位:91.2m
有効貯水容量:6.4万m3
放水先:宇連川[大野頭首工直上]首工
22.1 



寒狭川導水路放水口[ggl] [gsi
豊川本流寒狭川からの導水の放水口
L=80付近
22.3


大野頭首工[便覧
愛知用水公団→水資源機構
目的:AWI
堤高/堤頂長:26m/66.2m
流域面積/湛水面積: 130km2 ( 直接:85.3km2 間接:44.7km2 ) /16ha
総貯水容量/有効貯水容量:  109.6万m3/90.6万m3  
着手/竣工     1949/1961
大島ダムとともに、豊川用水の水源になっている。ダムから放流された水は、下流の大野頭首工や牟呂松原頭首工で取水され、水路で渥美半島などに運ばれる。 [便覧
大野頭首工は、宇連ダムや佐久間ダムからの水を新城市大野地点で豊川用水へ取り入れるための施設です。[愛 知県
豊川用水の取水施設である。約80キロメートル先の渥美半島や蒲郡まで自然流下で水を届けている。緊急改築事業(1998年度完成)により高低差27メー トルの魚道を設置した。[水 資源
設楽ダム完成後は寒秋川導水を経由してもう15m3/s取水して30m3/s体制になるようだ(→導水路は既に完成済であった。寒狭川側からの給水が更に 安定すると云う事か。)。凄いねえ。。

22.3

大野頭首工に着いた時はもう夕刻で真っ暗。

利水標纏め

取水量
潅漑
その他
水田

宇連ダム
30.9m3/s
6,589.9ha 11,539.4ha 合計18,129.3ha
大島ダム
19.0m3/s
18,130ha
記載は切り上げ?
佐久間ダム
14.0m3/s
記 載無し

大野頭首工
30.0m3/s
6,589.9ha
11,539.4ha
宇連ダムと同じ
潅漑面積からいずれも同じ対象への用水と解釈出来るが,何故か宇連ダムの最大取水量が大野頭首工での取水量より0.9m3/s多い。工業用水・水道用水で 別の場所(牟呂松原?)へ送る水があるのかも。

以下こんな感じで東三河・渥美半島地区に供給される。

出 典;愛 知県

豊川の水利状況を調べてみるとこんな感じ。
出典:国 交省
用水名
用水目的

件数
最大使用水量
(m3/s)
最大取水量
(m3/s)
備考
豊川用水
豊川綜合用水
水道用水

3
2.962
牟呂松原頭首工8
大野頭首工30
合計:38
4市7町
工業用水

2
2.43
3市1町
農業用水

2
23.79
5市7町(約18,100ha)
上記以外 水道用水

9
0.48677
0.48677 豊橋市・豊川市・新城市他
工業用水

2
0.95074 0.95074 三菱レイヨン・横浜ゴム
農業用水

91
1.9359
1.9359
約500ha

80
8.2017
8.2017
その他

7
0.04676
0.04676

発電

(3)
(14.817)
(14.817)
布里,横川,長篠発電所
計(発電除く)

196
40.80387
49.62187

合計(発電含む)

(199)
55.62087