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とはずがたりな掲示板(電 力スレ利 水スレ)
22.6.14独立
矢作川(上村川)の利水(22.5訪問)
~上村川・飯田洞川・上矢作ダム・平谷発電所~

さて前回は矢作ダムから上流に向けて上村発電所と根羽方面を見て行ったが今回は上村ダムから上 村川上流へ向けて見て行く。木曽川に対する王滝川みたいなもので水力発電的にはこちらがメインである。wikiに 拠ると、流域面積と延長は、本流側の上流よりも規模が大きいそうでなんでこちらが水系一貫の法制時に矢作川にされなかったのか謎であるが,前から根羽方面 が矢作川と呼ばれていたのか?少なくとも矢作川の長野川では根羽川とか呼ばれてるので上村川を矢作川にしてしまって向こうを矢作川の部分も含め根羽川にし てしまってもよさそうな感じはするけど。。

降水量分布図  流域図  利水模式図 水力発電所[下村発電所下村堰堤飯田洞川島発電所上村発電所上矢作ダム上村堰堤平谷発電所合川[合川堰堤平谷堰堤](→矢作水力等開発水発一覧) 上村川上流開発案検討

年平均降水量分布図           
出典:国 交省

流域図           
出典:愛知県河川整備計画流域 委員会

利水模式図           
根羽川(矢作川本流)ではなく上村川(更に上流では平谷川・柳川)が発電上の本流であることが解る。
出典:国 交省


~上村川~           

中部電力(株) 下村発電所[水力] [wiki]            
所在地:岐阜県恵那市上矢作町下
運開:1920.12[矢作水力(株)=最初に建設・水利権:第四水力]
  水路式・流込式
    認可最大出力:4,700kW      常時出力:2,500kW[53.2%]
    最大使用水量:6.68m3/s[0.36]
    有効落差:83.82m
    水車: 出力4840kW×1台
    導水路:総延長4454.8m
    流域面積:187.5km2
    取水:上村 川[下村堰堤]397.67m
    放水:上村川[矢作ダム288m]308.62m→未利用落差20m
22.5
建屋

水圧鉄管


放水口。一寸だけ離れた所にある。G 空撮だと関係性がよく解るが現地では??だった。



下村堰堤[水力] [訪 問記]           
岐阜県恵那市上矢作町漆原
水系:矢作川水系上村川
目的:P
堤高/堤頂長: 4.3m/54,3m
事業者:中部電力(株)
竣工/改修: 1920年/2003年
流域面積:187.5km2

1920年(大正9年)に竣工(矢作川の電力開発を進めた矢作水力は福沢桃介率いる大同電力が中心となって設立された電力会社だがそれが初めて手がけた発 電所とダムとのこと)
新堰堤竣工…2000年(平成12年)の東海豪雨による河川改修に合わせて固定堰からゴム堰に改修されたそうな

ラバー式の低落差。あんま真剣に取水も貯水もする感じはしない。取水量は187.5km2に対して6.68m3/s。まあ軽く流してる感じだ。
もっと本気で川と向き合ってぶつかって欲しいけど初期の開発案件だとこんなものなのかもしれない。。

下流方面。流石に水量は少ない様だ。。

吊 り橋。通行禁止

川 脇の道路。恐らくR257の旧道。通行止めになっていた。

堰堤と魚道


向こう側に取水設備がある。吊り橋が解放されてれば渡れるのに。。

R257 (現道)とダム湖

取水設備近影を目指してそのR257の現道の赤いトラス橋を渡って下流側へ移動。満々と水を湛えた水路が現れる。こ の辺(gsi)

福沢桃介先生関係の碑も現れる。木曽川の桃山発電所辺りと云い桃介だらけである。。

水路は肝心の取水施設手前で柵で閉じられててそれ以上は近接出来ず。混凝土で覆われてる平べったい道路様の部分が水路の蓋である。


下村発電所は取水量が少ない上に,放流後矢作ダム迄20m程無為に流れ落ちている。8km程の導水で使い切れてない水を使って発電したい。こちら[根羽篇]で検討。いずれにせよ上村川の上矢作ダムは絶対に欲しい所である。

この上村堰堤,上村川が飯田洞川。木ノ実川等を併せつつ弯曲した場所にある。あんま土地勘は無かったのだが,阿木川方面からR257 (現代の遠美線である♪)は木ノ実峠を越えるとここで上村堰堤に連檐する形で島発電所もある上矢作町であった。旧 道はもう一寸西側に短めの隧道を穿ってあって新道の長いトンネルが古い峠の下を穿って造られた様に見える。

中部電力(株) 島発電所[水力][wiki]            
所在地:岐阜県恵那市上矢作町
運開:1927.12[矢作水力・水利権:第五水力]
水路式・流込式
認可最大出力:1,600kW    常時出力:380kW[23.8%]
最大使用水量:4.09m3/s
有効落差:49.17m
水車: 出力1865kW×1台
    導水路:総延長3305.5m
 流域面積:78.7km2 (52.0)
    取水:上村発電所(矢作川) 455.50m
    放水:矢作川[下村堰堤]398.82m

下村ダムの流域面積:187.5km2に対してこちらは78.7km2 しかないが,これは上流の上村発電所の水をそのまま使用して島発電所が上村川沿いにあるけど全く取水しないからである。上村発電所前の矢作川の様子を見に 行ったけど取水・放水の施設も見当たらなかった。
今,上流の上村発電所が3倍の12m3/sを検討し,更に上矢作 ダムで水量を安定化となると島発電所の水量も4倍増ぐらいは 出来そうである。取水を16.4m3/sに 拡大で出力が6,400kW[+4.8MW]出 る♪

また島は矢作川水力の第五水力(水利権名)で,飯田洞がちょっと外れてるけど第六水力である[→一覧はこちら]。 飯田洞の放水位(448..06m)が概ね島の取水位(455.5m)であり,将来的に飯田洞から島迄導水とか考えられたりしてたなら面白いんだけど,僅 かに飯田洞が低いから難しいか。上村発電所での放水位である455mよりも途中からだと低くは出来そうだけど448mは無理かな?
いずれにせよ,第六だけ

22.5

水は上村発電所からそのまま来る様である。


~飯田洞(いいだぼら) 川~           

中部電力(株) 飯田洞発電所[水力] [wiki][DB]            
所在地:岐阜県恵那市上矢作町
運開:1921.10[矢作水力(株)・水利権:第六水力]
 水路式・流込式
認可最大出力:630kW[η=78.7%] 常時出力:220kW[34.9%]
最大使用水量:1.95m3/s[0.38] 常時水量:1.11m3/s[56.9%]
有効落差:41.89m(旧データ43.27m)
水車:出力821kW×1台
導水路:総延長1,525.7m[0.41]
流域面積:50.9km2
取水:飯 田洞川496.33m
放水:飯田洞川448.06m





取水堰堤そのものは暫く川を遡ってから当たりを付けて私道みたいな道路を川の方へ下っていくと見つかった。

メインの施設がある向こう岸には鎌瀬橋と云う狭い橋を渡って行く必要がある。この堰堤のある急流は鎌瀬とでも云ったのかもしれない。

めっちゃ苦労した利水標ゲット。
水 路を囲むフェンスの内側に内向きで設置されててお前,公共の目的医供する気ないやろと突っ込みながら,マダニに指されるリスクを冒して叢 (くさむら)を 掻き分け,発電所の敷地を避けて川側に抜けて水路のフェンスと川の縁の敷地からやっと撮影。

標識アップ


堰堤部。合流する支流の様に見える方が飯田洞川で,本流の様に見えるのが阿岳本谷である。

こ の橋の上から眺めた阿岳本谷の流れ。飯田洞 川上流にも阿岳本谷上流にも標高を活かした発電所を建設したい所であるので現地視認もして置きたかった が,行き止まりの林道で早くも3時を回り更に平谷発電所をメインにしつつ静岡県の掛川迄帰る予定にしていたので視認は省略して引き返す。計画は引き続き机 上で行う事にする。
【本谷の謎】    
因みに本谷という名前,益田川上流にもあって小坂発電所が集水路を伸ばしている大坊 谷の上流が大坊本谷,支流が方願谷である。
また益田川の更に上流の支流青家川は上流で二又川と九蔵川に岐れるが,二又 川の上流で長倉本谷と岩井谷,九蔵本谷と小俣川に岐れる。いずれも異なる名前の川が合流した片方に付けると云う法則がある。
河内(こうち)や渡(ど)みたいに中部地方に拡がる一定の地名の法則がありそう。また天竜川水系にはそのまんま本谷川という名前の支流が阿智川に流れ込ん でいるのもある。その合流点にあるのが昼神発電所である。本 谷のほうが川筋は直線である。
ここも本流格の飯田洞川に本谷が名前の上では流入しているが,阿寺本谷側が直進である。

また今は飯田洞川と呼ばれている飯田洞川の上流は昔は違った名前で呼ばれたりしていたかもしれない。
昔は上村川の合流点迄阿岳本谷と呼ばれてて本流格だった可能性もあるけど,飯田洞って地名は合流点のちょい下流にある(こ こ(gsi))のでこの合流後の区間が飯田洞川の由来だからここが阿岳本谷だった可能性は引くそう。
ただ,阿岳との関係を思われる阿寺という地名もこの区間(こ こ(gsi))にある。水発趣味者にとって阿寺と云えば木曽川中流のここ[→ 阿寺]だけど♪
ググってみると
>「阿寺(あてら)」の地名は、「日照が少ない陰地」や「日差しが不十分な谷」に由来するという説が有力で、「アテ(陰地)」に「ラ(場所)」が付 いた形です。
だそうな。こんなブログ[目からウロコ]も。 阿 岳とは関係ないかな。。


下の一覧に拠ると常時流量1.11m3/s(流域の21%)はなかなか高めで現在使用水量は小さいけど本来は水量豊富なこ とを示唆するものと 考えられる。

この後,川は二手に岐れて超高度に駆け上る。


(というか超高度から駆け下ってくる。)
(というか両者の合流地点に水量を確保出来ると取水点にしたのだろう。)
800mで24.56km2。下流の発電所のしょぼい取水量を睨んで1.2m3/sぐらいは行けるかな?

【飯田洞 川開発検討】           

飯田洞川・阿岳本谷上流から取水,発電を試みる。800m付近から取水。約24.4km2になる。
飯田洞発電所を無視しても良いけど,導水の都合で此処で放流すると良さそうなので飯田洞堰堤で一旦発電してみる。上村発電所(高落差)と島発電所(低落 差)の上村発電所みたいな感じとなる。

[私案]阿岳発電所
出力:8,900kW~10,700kW
水量:3.5m3/s[1.43]~4.2[1.79]
落差:300m
流域:24.5m3/s
導水:5.13+0.54=5.67km (0.51→1.30)
取水:飯 田洞川阿 岳本谷800m
放水:飯田洞川[飯田洞発電所取水堰]496m

300mだし近所には最新の(とは言え20年前の)平谷の様な流域面積辺り に高取水量(なんと67.2km2で8.5m3/sも取れている)の発電所もある。
降水量であるが山向こうの天竜川中流のデータだと2,400~2,600mmの間の様で ある。 2,200mmよりは高いと云って良いだろう。300mの高落差に恃んでここは最大10.7MWで楽しめるかもしれない♪


実は直ぐ南側の上村川の上村発電所の上部調整池がこの辺にあって[地 理院(EL.767m)・], そこへ流し込むのも良いかも知れない。
上村平谷を使う開発 (案)もあり得る。平谷の取水(取水位は更に高い900m)もあり得 る。
先ずはこちらは保留だな。






中部電力(株) 上村発電所[水力] [wiki]      
所在地:岐阜県恵那市上矢作町
運開:1925.11[矢作水力(株)・水利権:第三水力]
 水路式・流込式
   認可最大出力:9,800kW    常時出力:3,800kW
    最大使用水量:4.09m3/s[0.52]
    有効落差:306.23m
    水車:2台 総出力11190kW
    導水路:総延長7975.8m
    流域面積:78.7km2
    取水:上村川[上村堰堤]773.81m
    放水:島発電所、上村川458.29m

平谷発電所からの放流水量などを考慮すると今の2倍増,更に飯田洞川流域からの導水平谷発電所取水口以下の流域面積からの取水も考えると3倍増 は行ける。12.3m3/sに すると29,400kW[+19.6MW]と なる♪

22.5

二条に分岐する水圧鉄管と余水吐


放水口は見当たらなくて(手前にあって見えてないだけかも),島発電所に向かう水路の気配もなかった。強いて言うと石垣ではなく混凝土の部分が発電所の目の前でそこに導管が走ってたのかも




【上矢作ダム[計画凍結中]】        


[早期着工を!]上矢作ダム[国 交省][堤 体場所477.8m
堤高:150m/堤頂長:470m
満水位:?
総貯水容量: 5,400万m3
有効貯水容量: 4,800万m3・洪水調整容量:1,600万m3
計画高水流量(ダムへ流入する最大の洪水流量): 1,020 m³/s
流域面積:102km2/湛水面積:1.44km2

貯水池容量配分図
出典:国交省

完全从属発電だと。自民党政権的な税金の無駄遣い公共事業である。こんな計画廃棄して発電をメインに据えて計画練り直しである。
民主党政権の脱ダムは正しかったといえよう。
湛水面積1.44km2で洪水調整容量が1,600万m3とのこで,15m位は洪水用という感じである。堤高150mから満水位を600m程度とすると常 時満水位580m程度と推定。

[想像]上矢作発電所
出力;29,800kW[+29.8MW]
水量:20m3/s
落差:175m
導水:6.0km
取水:上村川[上矢作ダム(凍結中)]580m
放水:上村川[上村堰堤]398m




達原トンネル


災害で抛棄された旧道


上村ダム(堰堤)[水力] [訪 問記]           
取水位:773.81m
流域面積:78.8km2

平谷発電所の取水堰がある合川の入口付近にあった看板。上村ダムと明記されており,尚且つ合川と平谷川が合流して上村川となるようである。森に阻まれダムそのものはしっかりとは見えず。(画像クリックで拡大画 像)


ダムと云うより頭首工程度の雰囲気に見えるが。。水力さんの 写真と雰囲気が違う様な・・

これ↑は地下水路トンネルの入口前の沈砂池脇のなんかの施設↓(余水吐?)の様だ。

その向こう側に上村ダム堰堤部が現れる。道路に沿って長細く立地してる小さな堰堤である。

お約束のモノ

堰堤裏っ側。河道貯留含め貯留量は殆どなさそう。矢作川の特に上流の発電所はあんま真面目に取水してない(使用水量が少な目だ)からなぁ。。

上村堰堤取水位773.81m平谷発電所 放水位が777.10mであるから利用水深5m程度,堤高現状+10m程度のダム建設して貯留して欲しい所。
道路を移設さえすれば可能っぽい。


相川出合             
県境の橋が架かる川がお目当ての合川である。脇が一寸した広場になっている。

そして山歩きか釣りと思われるクルマが何台も停まっている。

水汲み場があった。実家に帰る途中で,女房が無駄に買い換えた電気ポットを反原発でどうしても電気ポットを拒否する実家の老母の家に無理矢理残置する為に 恰度持参してたので水を汲んで見れば良かった。。
まあ新車の車内が水浸しになるリスクは絶対に避けたいが。

一枚目の写真に既に写っているが県境の先にはいきなり廃屋が。,

振り返って愛知方面を見ればここから荒天時,交通規制区間であった。

途中の達原渓谷の達原トンネルは旧道が完全に破潰されて長大なトンネルでぶち抜いた[youtubeyoutube]そうであるし厳し い自然環境ではある。

中部電力(株) 平谷発電所[水力] [DB] [中 電]     
所在地:長野県下伊那郡平谷村五軒小屋
運開:1996.4
水路式・流込式
  認可最大出力:8,100kW    常時出力:790kW[9.75%]
    最大使用水量:8.50m3/s[1.26]←流域水量比率高い♪
    有効落差:113.50m
    水車: 出力8380kW×1台
    導水路:総延長4,275.8m[無圧トンネル]・主導水路4,048.6m[無圧トンネル・巾3.00m×高さ6.05m] ※
    流域面積:67.2km2 (=18.4+48.8) 
    取水:平谷川[平谷堰堤]、合川[合川堰堤897.00m
    放水:平谷川[上村堰堤]777.10m

※:主導水路の高さ,高すぎやろ。。後,地図で計測してみると2.55(上部水槽~平谷堰堤)+1.74(合流部~合川堰堤)=4.29kmと,ほぼL= 4.3kmは確認出来たけど,逆に主導水路以外の導水路227.2mがどこの区間を指すのか判らん。。



ほぼ合流部にあるが,ギリギリ合川沿いに平谷発電所(の放流口)はある様だ。[G] では合川では無く上村川となっており,こちらが本流扱いか?
放流口そのものは見えないが,混凝土の建造物はまあそれとみて間違いはないだらう。


流域面積(の0.1掛けによる基準)に対する水量比が驚異の126%!
この辺は遠山郷の北又渡発電所(運開:1991.11・水量:11.50m3/s・流域 面積:86.3km2・比:133%) と共通する性質ではある。
近年の安倍川清内路にも共通する 性質なのかも。(ちゃんと面積調べてないけど。→こっちで纏めた。)

~ 平谷川~
取り合えず,平谷村の中心を通って流域面積も河川長も長そうな平谷川側を本流と看做して先頭で扱う。

平谷堰堤[場 所][国 交省][中 電]           
流域:48.8km2(とは推計)
堤高:5.0m ゲート高:2.0m ゲート長:26.93m
取水量:6.0m3/s (流域水量比: 123%)
取水位:

建屋

利水標

ダムの正面側からは川に近づけず。建屋脇の背面から川面に近づいてみた。


さて,後はこの平谷堰堤(EL.897.00m程度・地 図(EL896m))に向けて開発の余地があるかどうか,である。
残り最大でも平谷堰堤の取水域の50km2弱。一つの目安であるH=200mとなると1,100m級となる。
平谷発電所を気に入ってはいるけど中途半端な落差でしかも水量を厚めに取ってしまってるのでそれ以上ここに新設は(上に被せるにしても並行するにしても) 難しい様だ。

ということで矢作川の遡上の旅もこれで終了。
柳川と入川が合流して平谷川になる。それぞれの川のどん詰まりは峠になっていて向こう側に道は通じている。
~柳川~

<治部坂峠>→R153[和知野川(和合発電所浪合堰堤)方面]

~フロヤ坂・岡平(おかん)沢~

<五座小屋峠>→[和知野川支流・鈴ヶ沢(豊発電所)方面]

~入川~

<平谷峠>→[和知野川支流・売木川(岩倉ダム)方面]

~大椋沢・小椋沢~

<ヤハズ峠>→[矢作川上流・根羽川方面]

~西川~

<赤坂峠>→R153[矢作川支流小川川方面]


~合川~
県境の橋の上から上流を望む

この川の上流に取水堰堤がある。

上述のクルマの停まっている広場の先に下で見る様に合 川白井沢林道という林道があり,で 取水量の多い平谷発電所の秘密を解き明かしたい場面ではあったが,門扉で閉ざされ自家用車での侵入は不可。
歩いて2キロ程歩けば堰堤に辿り着けそうではあったがヘタレたw


国有林にして保安林の地図。何故か上村川と合川は載って居らず飯田洞川が名称不記載で描かれて いる。
現状で道は繋がっていない様だが,合川白井沢林道と名告らされてる所を見ると飯田洞川の支流の白井沢と一本に繋げる予定があったのかもしれない(クリック で拡大画像)。


合川堰堤[場 所][国 交省][中 電]           
流域:18.4km2(地図計測)
堤高:6.50m ゲート高:1.6m ゲート長:17.28m
取水量:2.5m3/s?(とは推計・理由は下記)

平谷発電所の流域面積:67.2km2で最大使用水量:8.50m3/s。 (流域水量比:126%)
平谷堰堤の 流域:48.8km2で取水量:6.0m3/s (流域水量比:123%)
合川堰堤の流域:18.4km2で合算だと仮定すると取水量:2.5m3/s(流域水量比:136%)となる。
まあ割りとそれっぽい。これ以上大きいとすると流域水量比が大きくなりすぎ駄科。勿論3.0m3/sとって平谷川と合川の補完性を狙い,取り過ぎた時は余 水を捨てると云う運用もありではあるけど,,


【合川堰 堤導水】
先ずは合川堰堤の直ぐ脇の沢から取水して見る。導水距離0.1kmで1.1km2程取れる。
面積は小さいが兎に角近いので効率は悪くないようだ[1]。これはこれでやれば良さそ う。




【上村川上流開発案検討】           
可能性があるのは飯田洞川上流である。まだほんの入り口付近で極小の飯田洞発電所が稼働しているに 過ぎない。飯田洞川上流から取水して見た(→開発案)らそこそこ良い案が出来たが,飯田洞や阿岳は山深い。
平谷発電所向けの導水案[Ⅰ](取水位900m)や その下で開発が検討されている上 矢作ダムを活用する案[Ⅱ](取水位610m)も検討してみる。上村発電所(取水位770m)へは現行水量 が小さいので見送った
量も大部になる上に,あっちこっちへ検討先は飛ぶので頁を改めて検討してみる。ここには結論だけ提示する。

[Ⅰ]平谷発電所導水:[→効率表

飯田洞川上流から平谷発電所に導水も可能。合川堰堤から飯田洞川(gsi)迄3.0km延ばすと 10.9km2程取れる。

更に,飯田洞川から阿岳本谷迄2.3km延ばすと8.0km2程取れる。


それぞれの効率は以下。上で考案した阿岳発電所 (案)よりは導水して平谷発電所の方が発電量も効率も高い。また調べたが両立は困難のようだ。

但しこの導水に,特に飯田洞川と阿岳本谷併せて18.81km2からの取水が2.0~3.0m3/s程度上乗せされるとすると現行の施設で導水出来るか不 明(2.0m3/s程度行けそうな感じもする,特に平谷の主導水路の高さが異様に高い(H=6.0m),けど拡張の可能性?飯田洞流域の将来の取水拡大も 視野に入ってたら胸熱♪)。

もし増強が必要になると大いに効率が低下して逆に阿岳発電所(案)の方が良いとなる。発電量もそんなに減らない。今の所,ネット上の情報では平谷の主導水 路は高さ6.0mの区間があって結構デカくつくってありそうというだけである。

平谷発電所導水(案)比較


流域km2
導水km
発電量
効率
摘要
[0]
合川堰堤脇の沢
1.1
0.1
12.5
124.9

[1] 飯田洞川(gsi)
10.85
3.01
463.3
153.9

阿岳本谷(gsi)
7.96
2.26
339.9
150.4

合計
18.81
5.27
803.2
152.4

[2]
[1]+ 平谷P導水増強

2.4
803.2
104.7

[3]
阿岳発電所[→私案
24.5
5.67
735.0
129.6


飯田洞発電所は,[3]は何の問題もないばかりか寧ろ増強が要請される状況だが,[1][2]の場合は流れてくる水量が減ってしまう。この時飯田洞発電所 の諸元はこんな感じに:

[[1][2]のケース] 飯田洞発電所
認可最大出力:630kW
最大使用水量:1.95m3/s[現行:0.38→導水後:0.61]
有効落差:41.89m
水車:出力821kW×1台
導水路:総延長1525.7m
流域面積:50.9km2→32.0km2
取水:飯田洞川496.33m
放水:飯田洞川448.06m

過小だった取水量が十分とは云えないまでも改善はしている。

[Ⅱ]上矢作発電所導水(案):[→効率表]

寧ろ,上矢作ダム[凍結中]へ導水した方が良さそう。
3km程の導水で飯田洞川(gsi)へ 至る。

更に1.6kmで阿寺本谷へ。13.16km2。その先の白井谷へは0.83kmで9.37km2。


上で構想した阿岳発電所をこの上矢作導水へ接合してみる。放水位が上がって大部出力は 下がるがその分上矢作ダムに 貯めて発電に使える様になる。

[修正私案]阿岳発電所
出力:5,800kW[+5.8MW]~6,600kW
水量:3.7m3/s[1.51]~4.2[1.79]
落差:185m
流域:24.5km2
導水:2.7+1.2=3.9km
取水:飯 田洞川阿 岳本谷800m
放水:飯田洞川[飯田洞発電所取水堰]610m

修正私案の第二案として取水位を900m[つまり平谷導水の時の面積]でやってみたが導水距離が5.5kmと延びた割には出力上がらずボツ。

平谷発電所への導水を止めて上矢作ダムへ導水して発電するとこんな感じ。


流域km2
導水km
発電量指数
効率
摘要
[4]
飯田洞川
20.9
3.0
365.7
124.2

阿寺本谷
13.2
1.6
230.3
144.3

白井谷
9.4
0.8
164.0
198.8

合計
43.4
5.4
758.0
141.6

[7]
阿岳[→修正(案)
24.5
3.9
453.2
116.2

[8]
([8'])
[7]+[4]
(+飯田洞廃止)

9.3
1,213.2
(1,176.5)
130.9
(127.0)


発電量的に,もし平谷発電所の導水路の改修が必要になるなら効率的にも,こちらが良さそうである。
但し,この施策(飯田洞川の上流域から43.4km2取水)後の飯田洞発電所は7.5km2程度に激減。その分の発電量は減ることに成る。
廃止せずとも粛々と運転して水車の更新時期が来たら小さい水車に取り替えるというのが基本かな?廃止すると数値は減る。

結局,発電量/効率は
[1]平谷発電所導水(飯田洞・阿岳本谷取水・導水路増強不要)…803.2/152.4
[8]上矢作ダム導水+阿岳発電所…1,213.2/130.9
[3]阿岳発電所(現案)のみ …735.0/129.6
となった。

効率とは云っても導水効率のみで,堰堤や発電所のコストは(とっかかりがないので)無視している。
また貯水のメリットも反映出来ていない。[8]と[3]は僅差であるが,貯水のメリットを考えるともう一寸[8]の方が差を付けての優位であろう。
また大井ダム和田川堰堤での過剰取水等で判明したのであるが許可水量の1.5 倍以上の水路容量があるそうで,どこもそんな感じで冗長性持たせて建設されてるとしても,現状18.4km2(推定2.5m3/s)の合川堰堤に 18.81km2(同じく2.5m3/s程度の取水を想定)の流域を追加しても最大取水量は3.75m3/s程度に抑えられる感じかなという印象である。 そもそも本来1.8m3/s程度で良いのに最初から目一杯2.5m3/s取水としてしまってる感もあって,本命は上矢作ダムへの導水と阿岳発電所の建設び [8]案である。