電 力総研 水 力あれこれ(北陸)
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と はずがたりな掲示板 (利 水スレ電 力スレ )
23.5.10運開

片貝川の水力発電所

黒部川と早月川に挟まれた片貝川である。ミニ早月川と云った風情であり,蓑輪頭首工格に黒谷頭首工があり,小早月川の相当物として別又谷がある。早月川が 最上流で白萩川・立山川・小又川と岐れる様にこちらも東又谷と南又谷に岐れる。又,豊富な水量頼みも共通するのか目立ったダムは存在していない。

(日本海)─(布施川:布施川発電所─布施 川ダム)(潅漑用水:片貝谷 発電所←黒谷発電所─)黒谷頭首工片貝第一発電所(別又谷:別又谷発電所・片貝別又発電所)片貝第二発電所片貝第三発電所片貝第四発電所片貝東又発電所(南又谷:←片貝南又発電所→早月川])─(東又谷:[→黒部川])

発電所名 事業者名 主な取水
河川名
取 水位
放 水位
出力(kW) 発電形式 発電方式 当初運転
開始年月
現行施設運転
開始年月
片貝東又 北陸電力(株) 北又・東又

7,400 水路式 流込み式 1963.05 -
片貝第四 北陸電力(株) 片貝川

17,400 水路式 流込み式 1940.01 1996.10
片貝第三 北陸電力(株) 片貝川

3,400 水路式 流込み式 1939.12 1967.09
片貝第二 北陸電力(株) 片貝川

8,000 水路式 流込み式 1922.08 1987.12
片貝第一 北陸電力(株) 片貝川

4,200 水路式 流込み式 1912.01 2004.11
片貝谷 北陸電力(株) 潅漑用水

7,000 水路式 流込み式 1953.09 1996.03
布施川 北陸電力(株) 布施川

570 水路式 流込み式 1922.03 1995.11
片貝南又 日本海発電(株) 南又


5,000 水路式 流込み式 1989.10  
片貝別又 北陸電力(株) 別又

4,500 水路式 流込み式 2015.12  
合計




50,070




出典:DB

wikiに よると
>かつて片貝川上流に県営の片貝川ダム(堤高146.0m、有効貯水容量23,100m2)の建設計画が片貝川総合開発計画の一環として存在し、 1979年(昭和54年)から予備調査[6][7]、1986年(昭和61年)より事業採択され[8]実施計画調査が実施されていたが[6][7]、 1997年8月6日までに建設省(現・国土交通省)が休工を発表したことで[8]、最終的には着工には至らなかった[6][7]。
とある。どこらに計画されていたのであろうか?居並ぶ発電所群の発電量に好影響与えられたかと思うと可成り惜しい。

<沿川風景>

(日本海・富山湾)

~片貝川~

~布施川~

流域が狭くて本サイトの対象外だが小水力に関しては開発余地ありそう。wikiに よると
>流路は古くから洪水の度に変えてきた。現在の流路になったのは、1328年(嘉歴3年)に発生した大洪水によって独立河川だった布施川と河口付近 で合流する流路になってからである
とのことで,昔は別河川だった様である。

北陸電力(株) 布施川発電所[水力] [DB]     
運開:1922(T11)3[布施川水力電氣(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:570kW     常時出力:200kW[35.1%]←結構高め。
最大使用水量:1.11m3/s[0.81]←意外に高いw
有効落差:64.60m
水車:横軸フランシス水車 出力650kW×1台
導水路:総延長1063.4m
流域面積:13.7km2
取水:布 施川213.62m 1箇所
放水:布 施川145.7m

上流の布施川ダムで流量が安定化しているのか,近隣の多雨地帯がこちらにも張り出しているのか結構良い感じ(単位面積当たりの取水量が大きめで,常時出力 も高めなので増強の余地を感じる)で増強しても良さそう。
但しまあ元々規模感が小さいの限界はある。

布施川取水堰堤[DB
  (主要取水設備) 材質             コンクリート
  (主要取水設備) 高さ     (m)       3.00
  (主要取水設備) 堤頂長     (m)       17.45
取水:EL.213.62m / 流域:13.7km2 / 

布施川ダム[便覧] [ダムDB]      
河川     片貝川水系布施川[場 所
目的/型式     FNS/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     58.5m/219m/900千m3
流域面積/湛水面積     13km2 ( 全て直接流域 ) /10ha
総貯水容量/有効貯水容量     1350千m3/1000千m3
着手/竣工     1970/1992
サーチャージ水位 (EL. m)     287.000
常時満水位 (EL. m)     282.600
最低水位 (EL. m)     271.800


片貝谷発電所は潅漑用水上に立地する発電所の様である。

なんと日重化の所有する発電所であった。伏木に工場と貨物の専用線があった(今も工場はある様だ)。2002年2月に東京地方裁判所に会社更生手続き開始 を申立したが,それに 先立つ1993年に北陸電力に譲渡された。経営不振とは無関係な動きかな?

北陸電力(株) 片貝谷発電所[水 力][場 所]    
運開:1953(S28).7 日本重化学工業(株) 譲渡:1993(H5).7 北陸電力
水路式・流込式
    認可最大出力:7,000kW    常時出力:1,600kW
    最大使用水量:11.40m3/s
    有効落差:74.48m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力7700kW
    導水路:総延長3687.7m
    流域面積:92.7km2
    取水:片貝川[片貝第一発電所→黒谷頭首工?─(黒谷発電所?)→][こ こら] 202.8m
    放水:灌漑用水、片貝川[こ こら]122.5m

サージタンクは稀少なジョンソン差動型サージタンクだそうな。[→堰斎


魚津市土地改良区(水土里ネット魚津)  黒谷発電所[ど こでも参上]   ▲
流込式(小水力)
出力:449.9kW
発電量:250万kWh/年(2.5GWh/年) (63.4%)
水量:8.70m3/s←でけえww
総落差:6.90m←ちいせえw
損失落差:0.56m
有効落差:6.34m
水車:S型チューブラ水車
取水:片貝第一発電所208.90m
放水:一号幹線用水路202.00m


分水工?[地 理院ス トビュウ
取水:黒谷頭首工・片貝第一発電所放流水(一号幹線用水路) ←地図 などより推定
放水:片貝川・黒谷発電所(一号幹線用水路)・片貝谷発電所 ←地図などより推定


黒谷頭首工場 所][ス トビュウ][とやま おでかけ日記][大黒屋]   
>魚津市黒谷を扇頂に形成された、片貝川扇状地の農地(約1,500ha)をかんがいする農業用水を取水する施設で、発電用の取水も行っています。[富 山県]
堤高    堤頂長    堤頂標高
5.5m     50.5m    EL.202.80m
集水面積    92.7km2
1976年(昭和51年3月)竣工
ダム事業者:富山県(用水障害対策事業)

北陸電力(株) 片貝第一発電所[水力]    
運開:1912(M45).1 日本電氣工業(株)
水路式・流込式
    認可最大出力:4,200kW    常時出力:1,200kW
    最大使用水量:9.74m3/s[111.6]
    有効落差:52.50m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力5372kW
    導水路:総延長2022.4m
    流域面積:87.8km2
    取水:片貝川[場 所]、別又谷[場 所]266.65m 取水は二箇所なので以上。この辺[無 名谷1無 名谷2無 名谷3]とか取水出来そうなのに。。と思ったけど流石に前言撤回。無 名谷2とか細い流れすぎるわwこっち(無 名谷1=沌滝川?)は水流れてないし,無 名谷3に至っては見えないw
    放水:片貝川[黒谷頭首工→片貝谷発電所、灌漑用水(1号幹線用水路)] 211.53m


~別又谷~

[建設中]北電技術コンサルタント(株) 別又谷発電所[G マップ][北電技術コン サルタント
所 在 地 魚津市東蔵他地内
出力:400kW
電力量:約214万kWh/年
着工 2021年5月
運開 2024年6月(予定)
取水:別又谷[片貝別又発電所]・一ノ又谷
放水:別又谷[片貝第一発電所別 又谷取水口(地理院)直上と思われる]

出典:北電技術コン サルタント

北陸電力(株) 片貝別又発電所[水力
着工:2013.5.15
部分運開:2015.12.11(3,000kW)
全面運開:2016.4.7(4,500kW)
水路式・流込式
認可最大出力:4,500kW      常時出力:   kW
年間発生可能電力量:約18300MWH(1830万キロワット時)
最大使用水量:1.80m3/s
有効落差:297.80m
水車:横軸単輪二射ペルトン水車×1台
取水:別又谷[これであろう:地 理院EL.599m・G マップ
放水:別又谷[ここらか?地 理院EL.300m・G マップ



北陸電力(株) 片貝第二発電所[水力]    
運開:1922(T11)[富山電氣(株)] 設備改修:2016.9.92号水車取替により出力増加(8300kW)
水路式・流込式
    認可最大出力:8,300kW(出力増加前8,000kW)      常時出力:2,000kW([25.0%]出力増加前データ)
    最大使用水量:8.35m3/s[1.35]
    有効落差:124.90m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力8800kW(出力増加前データ)
    導水路:総延長3155.0m
    流域面積:62.0km2
    取水:片貝川[片貝第三発電所] 407,26m
    放水:片貝川[片貝第一発電所]278.34m


北陸電力(株) 片貝第三発電所[水力]    
運開:1939.12[日本海電氣(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:3,400kW    常時出力:610kW[17.9%]
    最大使用水量:9.46m3/s[1.76]
    有効落差:45.50m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力3600kW
    導水路:総延長986.4m
    流域面積:53.6km2
    取水:片貝第四発電所、東又谷 459.17m
    放水:片貝第二発電所 409.78m

東又谷と西又谷出合直上付近東又谷で取水して出合直下の片貝川で発電・放水している。
南又谷からも取水出来そう(今も片貝第四を通じて間接的に取水してるけど。)

~東又谷~

北陸電力(株) 片貝第四発電所[水力
運開:1940.1[日本海電氣(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:17,400kW   常時出力:2,900kW[16.6%]
    最大使用水量:9.46m3/s[1.97]
    有効落差:220.32m
    水車:立軸フランシス水車×3台 総出力18060kW
    導水路:総延長6536.8m
    流域面積:47.9km2
    取水:東又谷[片貝東又発電所]・南又谷[東又谷、土倉谷→南又谷[片貝南又発電所]・小沢] 690.89m
    放水:片貝第三発電所 458.43m



北陸電力株式会社 片貝東又発電所[場 所][水力]     
    昭和38(1963)年5月:運用開始
水路式・流込式
   認可最大出力:7,400kW    常時出力:1,200kW[16.2%]
    最大使用水量:3.80m3/s[1.9]
    有効落差:236.00m
    水車:立軸ペルトン水車 出力7650kW×1台
    導水路:総延長5631.9m
    流域面積:20.1km2
    取水:北又谷→笠谷→滝倉谷→東又谷→阿部木谷→宗次郎谷 947.9m
    放水:片貝第四発電所 690.6m


~南又谷~

日本海発電(株) 片貝南又発電所[水 力]  
運開:1989.10[日本海発電(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:5,000kW      常時出力:200kW[4.0%]
    最大使用水量:3.00m3/s[2.72]
    有効落差:208.00m
    水車:立軸ペルトン水車 出力5230kW×1台
    導水路:総延長1759.0m
    流域面積:11.0km2
    取水:南又谷916.0m[地 理院
    放水:南又谷[片貝第四発電所]703.0m[地 理院

200m超の高落差。勿論ペルトンである。
倍率も凄くて2.72。
このくらい水量積み増ししておくと常時が4.0%しかなくなるw