電 力総研 水 力あれこれ
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
20.9.28運開

天竜川中・上流域の発電所(22.10平岡訪 問)(23.7泰阜・米川訪問)(→下流篇)

流域降雨量 平岡地区遠山川和知野川万古(まんご)川泰阜地区'(天 竜峡)・阿知川(阿智川)・小渋川・南 向発電所大田切川【増強(+27.6MW)・伊那 谷地区(沢川(箕輪)・横川)・三峰川
22.10平岡ダム看板

流域の降雨量はこんな感じ
出典:天竜川上流河川事務所

飯田盆地を中心に1800mmを下回る地域が目に付くが,南アルプスの山間部に入れば1800mm更には2200mmもある。更に中央アルプス側は最高 3000mmもある多雨地帯である。

(佐久間ダム・佐久間湖)


平岡地区現況と改造構想
天竜川本流に平岡と泰阜がありその間で天竜川に流れ込む和知野川に三箇所の発電所が存在している。
発電所名
取水
運開
出力
常時(率)
取水位
放水位
落差
水量[面積比]
流域面積
水源
貯留量
早木戸
早 木戸川
1985
11,200kW
1,190kW
596.5m
262.0m
325.6m
4.20m3/s
33.5km2
早木戸ダム
なし
平 岡 天竜川 1952 101,000kW 23,900kW[23.7%] 308.0m 259.6m 45.65m 256.0m3/s[70.1] 3,650.0km2 平 岡ダム 482.9万m3
飯島
遠山川
1947
12,700kW
2,000kW[15.7%]
490.0m
324.61m
153.7m
9.87m3/s[41.0]
241.0km2
飯島堰堤
なし
和知野
和知 野川
1939
6,300kW
2,000kW[31.7%]
397.0m 320.17m
72.25m 10.50m3/s[63.6]
165.0km2 和知野ダム
なし


1936
14,500kW
5,500kW [37.9%] 732.0m
405.08m 304.83m 5.54m3/s[42.6] 129.5km2 岩倉ダム

和合

1937
3,000kW
1,600kW[53.3%] 936.0m
734.5m
187.0m
2.00m3/s[55.6]
36.0km2


泰 阜 天竜川 1936 52,500kW 12,900kW[24.5%] 355.0m 316.51m 36.86m 200m3/s 2,980.0km2 泰 阜ダム 155.3万トン

取水位EL.308mの平岡ダムに流れ込む,飯島発電所と和知野発電所であるが,放水位はそれぞれEL.324m,320mであり,10m超の未利用落差 があるが,泰阜ダムの放水位が316mしかない。
少なくとも8m位は平岡ダムの取水位を上げても良いのではないか。サーチャージ水位を5m取るとして13m程嵩上げ。詰まり平岡ダムの満水位をEL.316m に。湛水面積258haなので258万m2。8m上がっただけで2000万m3程確保出来る上に湛水面積も増えるので2500万m3程確保出来そう。
この嵩上げに寄って飯田線温田駅の南西の南宮大橋の西岸(関西弁だと西詰って便利な単語がある)辺り[地 理院] が立ち退きが必要になりそうだけど,逆に言うとそこら辺以外は水位上がってもいけるんちゃうか?ここだけは立ち退きや堤防の嵩上げなどが必要になりそう。

また平岡ダムの堆砂は酷くて1952時点では480万あった貯水量が2000年時点では260万m3になっている。50年で200万トンの土砂が埋まった 計算である。年平均で4万トン。この50年で新たなダムも出来ているので増加率は減っていると思われるが,そうでなくとも下流での河床低下は甚だしく,磐 田用水(阿蔵・神田)や浜名用水では取水点を船明ダムに付け替えている。
平岡駅から天竜二俣駅や天竜川駅に向けて土砂を発送して,天竜川河川敷に置いて洪水で流すとかやっても良いかも知れない。河砂利として骨材にしても良いけ ど遠州灘の砂丘が痩せ細ってしまうのも避けたい。また年間4万トンは大した量ではないかもしれないけど飯田線に貨物列車を走らせることも出来る♪飯田の座 光寺にあった石油やセメントの専用線基地も復活出来るかも知れないwただでさえ恵那山トンネルが危険物車輌通行禁止で石油は松本の方から供給してる筈でコ ストが掛かってるものと思われる。

早木戸発電所は放水は天竜川だが取水は支流早木戸川で,水系的には早木 戸川に接続する。
中電では無く電発なのは佐久間ダムの勢力圏内であることを示唆する。 標高もほぼ同じ。

取水先に他とあるが柴沢川とヨガラス沢川の支流の名 称不明の川からは取水しないのかな??流域面積が狭いのか,一寸標高差あって取水し難いのか?

国土地理院の地図に導水管の記述がないが早木戸川の取水堰はそこで間違いないであろう(ス トビュウではこちら)。地図上では標高601m。

電源開発(株) 早木戸発電所[水力] [場 所][→早木戸川]   
水系:早木戸川/水路式・流込み式
着工/運開:1983.1/1985.6.28
 認可最大出力:11,200kW     常時出力:1,190kW[10.6%]
 最大使用水量:4.20m3/s[1.25]
有効落差:325.60m
導水路:総延長4362.8m
流域面積:33.5km2
取水:早 木戸川芝 沢川ヨ ガラス沢川、他596.50m
放水:天竜川[佐久間ダム:満水位260m]262.00m

結構高出力の早木戸発電所。1985年運開の電発の案件だ。流域面積に比して多めの水量を積んで落差も大きめに取って大出力を出せる様にするこの時期の平 谷北又渡赤石沢などと 共通する設計思想を感じる。こちらは中電では無く電発だけど。

600m近い取水位なのでその下ががら空きとなる。

既に本流堰き止めて256m3/s使ってる平岡P/Sにとって,まあもうこれ以上,誤差みたいな少量の水量を上げる必要は余りないし少々上がっても意味な いのかも知れないけど水量上げる導水路案:
3.9km程で早木戸川他3沢から取水。17.6km2。早木戸P/Sの取水後分含めると2.0m3/s程行けないかな?とはいえ,平岡ダムの容量は少な いし使用水量は巨大で2m3/sばかり水量増えてもあんまプラスにはならないかも。。しかも日代沢など沢が300m程で流入するので堰堤で嵩上げするか複 数の取水口を設ける必要がある。
比較的新しい早木戸と違って戦前派(日本発送電運開)の和知野発電所 (6.3MW)に送れる水位(EL.400m弱)で取水して和知野PSを増強した方が良さそう。ただ上部水槽・発電所等設備一式が和知野川の向こ うなので水を送るにしても大掛かりにサイフォンで渡す必要があるけど


(早木戸川合流) 伊那小沢駅付近

~早木戸川~(→こちら参照)


早木戸発電所取水堰堤[場 所


早木戸川と合流点より上流の天竜川であるが,未だに佐久間ダムのバックウォーターでありゆったりしてい る。
22.10天竜橋の上より
橋は古く狭い。。古色蒼然たるトラス橋が緑に塗られてハゲかかっていた。

この古い橋も改良の対象となっている様だ。対向車は殆ど居ないんだけどねぇ。。早木戸 川沿いで続く改良工事(足瀬トンネル神原トンネル)の続きのようだ。


飯田線の廃線(改良跡)があった。暫くすると平岡発電所が見えてくる。

■平岡発電所[水力
所有者:中部電力(株)
場所:長野県下伊那郡天龍村長島
運開:1952(1月:1、2号機運用開始,10月:3号機運用開始。61.5MW),1976年:4号機運開(101.0MW)
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:101,000kW  常時出力:23,900kW
最大使用水量:256.00m3/s
有効落差:45.65m
水車:出力26800kW×3台、出力27400kW×1台
    導水路:総延長889.1m、主要導水路 圧力トンネル 口径6.80m、延長445.1m、2条(水力発電所データベース)
    導水路:延長約490m×2本(案内板)
流域面積:3650.0平方キロメートル
放水:天竜川259.6m[佐久間ダム満水位以下だ。。]
取水:天竜川[平岡ダム]308.0m

対岸より望む。サージタンクが巨大である。
22.10
発電所の東側は公園みたいになっていた,


●平岡(ひらおか)ダム[利水標][便覧][wiki] [水 力
取水:天竜川・遠山川・和知野川・万古川
着工/竣工:1940.5(1938?)/1952.1(1951?)
堤高:62.500m←戦前に建設・計画された天竜川水系のダムの中では最大[wiki
貯留量:260.1万m3(2000-12時点[水力])・ 482.9万m3(建設時[1952か?]時点・利水標より)(→まあ貯水規模は大し てデカくない。。)堆砂率は、平成15年(2003 年)12月31日現在84.8%で、総貯水容量500万トン以上のダムの中で最も高い[wiki
目的/型式    P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積    62.5m/258m/252千m3
流域面積/湛水面積    3,650km2 ( 全て直接流域 ) /258ha
総貯水容量/有効貯水容量     4,242.5万m3/482.9万m3
ダム事業者    中部電力(株)(←日本発送電←矢作電力系天竜川電力)

ダム堤体
22.10

利水標


説明板


平岡ダム管理棟


~遠山川~

飯島発電所

梨元堰堤

北又渡発電所

易老沢発電所



~和知野川~(→こちら参照)    

和知野発電所

和知野(わちの)ダム

豊(ゆたか)発電所

和合取水堰堤

和合発電所

~売木川(=和知野川支流)~

売木川堰堤(丸畑堰堤)

~岩倉川(=売木川支流)~

岩倉ダム


(万 古川合流EL.309m)

~万古(まんご)川~      
EL.630mで取水すると24km2程とれそう。
平岡湖水面で発電有効落差310m程取れて3.0m3/sで発電すると8.0MW近く行ける。ありだ。


[私案]万古川発電所
出力:8,000kW[+8.0MW]
水量:3.0m3/s
落差:310m
流域:24.0km2
導水:
取水:万 古川馬 小屋沢(一 石の滝があるのでそれでグ グった)・栃 中川(・下沢)EL/630m
放水:天竜川[平岡ダム](この辺EL313m)


平岡ダム泰阜発電所の間に落差8mありw
さて,冒頭でも見た様に,泰阜の持つ178m3/sを用いれば仮令え平岡迄の僅か8mの落 差でも6m位の有効落差が取れれば8,800kW級の開発が出来そうだが。。
流石に佐久間第二でも12mの有効落差あるからなあ。。
結構距離があるので何か出来ないかかんがえてしまうんだけれども。。

→この8mは泰阜の放水位EL.316mと平岡の取水位EL.308mの差だけど,取水位と放水位の設定をみると取水位は最低位,取水位は最高位で設定し てたりする様(ここから)ので泰阜の取水位をEL.320m,平岡の放水位を EL.305m程度にして15m程の有効落差を確保出来そうな感じがしなくもない♪
落差のロスがあるとしても佐久間第二並の12mは取れるかも。

もっと云うと平岡ダムの上の発電所は全部EL320m程度の放水位(泰阜PS:316m,178m3/s・和知野PS:320m,10.5m3/s・飯島 PS:324m,9.8m3/s)である。この辺迄平岡の水位を上げてるか,ダムを作ってこの辺の水を併せて200m3/s超の水で低落差発電を構想して もも良いのではないか!?

この場合,一番満水位に近い場所が水没しないように配慮が必要。ざっと見た限り南宮大橋の西詰めの南側に家 がある。ここらが一番水面に近そう。
地理院だとEL.319m の 此処らに何やら家屋が。G 空撮では特に何も無しこ の辺(EL.323m)辺りの家が一番低そうか?行ってみた。
R151と岐れてr244をひたすら降りて行く。

途中に阿南村役場もある。更に中腹でr1と合流

途中阿南高校や県立病院等もあって南宮大橋に着く。南宮が阿南町の中心市街と云う訳か。それなりにデカい感じ。阿南という阿南から遥か離れた阿智川の南と いう辺縁的な地名を名告っているのに売木や平岡(天龍),下条,泰阜を含めた中心都市という位置づけなのかも知れない。藻寄駅は対岸の温田であり泰阜村で ある。

件の場所へはこの交叉点を右折する。更にもう一度交叉点を左折するとこの風景。路は狭く急勾配で河へ向かって下っていく

ここが一番低い人家。

ストビュウに拠るとこの先迄道路は繋がっているが特に無さそうでここを嵩上げすれば10mぐらい平岡ダムを嵩上げしても十分余裕がありそう。これより下に はゴミ集積場ぐらいしか無い。

家の入口と道路の取り付け部のサグ(V部)を埋めて平坦に道路から敷地に入れるようにすれば完璧であろう。

川べりの様子。下流方向

同じく上流方向


南宮大橋からの眺め。上流側。

この辺(桃色楕円囲み部分)は一寸低いけど地 図を見てもEL.325mはありそう。護岸したり削られないようにする対処は必要か。

結論として平岡ダムを 10m程嵩上げは出来そうである。

平岡地区現況と改造構想((案))
冒頭の表の縮小版に改造(案)を書き込んでみる。
発電所名
取水
運開
出力
常時(率)
取水位
放水位
落差
水量[面積比]
流域面積
水源
貯留量・摘要
平 岡 天竜川 1952 101.0MW→140MW 23,900kW[23.7%] 308.0m→317m 259.6m 45.65m 256.0m3/s[70.1]→300m3/s 3,650.0km2 平 岡ダム 482.9万m3→約3,000万m3(258ha*10m)
飯島
遠山川
1947
12.7MW
2,000kW[15.7%]
490.0m
324.61m
153.7m
9.87m3/s[41.0]
241.0km2
飯島堰堤
なし→無 効落差を減らせる
和知野
和知 野川
1939
6.3MW
2,000kW[31.7%]
397.0m 320.17m
72.25m 10.50m3/s[63.6]
165.0km2 和知野ダム
なし→同上。ギリギリには成るが問題なく放水出来る
泰 阜 天竜川 1936 54.5MW 12,900kW?[24.5%] 355.0m 316.51m 36.86m 178.0864m3/s[59.7] 2,980.0km2 泰 阜ダム 155.3万トン→0.5m程度の水面下になるがその程度の
放水は良くある
この3000万トンをどう活用するかである♪夏場はピーク電源を増強できそうだし,渇水期の冬場は水量絞って一冬の間中安定的に供給増出来ると良さそう。

泰阜発電所と泰阜ダム

さて,泰阜である。立地としては門島にあって,泰阜村の役場は東側の河岸段丘の上のR151からも飯田 線からも離れた高原にある様だ。西側の河岸段丘のR151沿いには陽阜(ひさわ)という変わった訓(よ)みの地名もあるがそっちは下條村の様である。
田中康夫の妨碍で市町村合併が余り進まなかった地区もある長野県であるが,この辺も飯田市が一寸拡がった他は広域合併は余り推進しなかった。その事の善し 悪しは歴史が判断することになろうか。 
泰阜という一寸変わった地名は京都の精華町などと同じ漢文の素養を踏まえた地名のようで,明治期に筑摩県下17村合併時に制定したようだ。
>村名の泰阜村は、漢詩にある「泰山丘阜」からきており、泰阜の「泰」は、水路を自分の両手で拓くという意味があり、「阜」は、豊かで盛んな様を意 味しています。[泰阜村

勾配が無理な鉄道の飯田線は谷底を縫うように走るが,温田から門島へも,門島から唐笠へも道路は急勾配で山の上まで上って段丘の上を走ってから降りて繋 がっている。
基本,災害に強く,日照もある段丘上部の高原状の場所が好まれたようで,ダム建設も勾配もあって谷底を通さざるを得なかった飯田線は不利である。
天竜川に沿う竜東線(r1の旧道だそうな)が 廃れて県道1号が東側の高原状の場所を縫うように変更された[山行が]のも合理的なのであろう。(谷底を走ってる佐久間~温田は山でその様な聚落 は発達していない。西側はR151がある。)

成立の経緯からここが泰阜という場所は無いようで,ダムと発電所が門島にあって門島ダム・門島発電所でも良かった様に思うが,平岡程デカい聚落でもないよ うで(街はがらんとしていた),自治体名を付けたようである。

■泰阜発電所[水力] [DB] [中 電]       
中部電力(株)
所在地:長野県下伊那郡泰阜村門島
運開:1936 (1月1号機。4月2~4号機)
区分:ダム水路式・調整池式
認可最大出力:52,500kW→54,500kW[+2.0MWしてる!] / 常時出力:12,900kW (12.9/52.5=24.5%=1/4 ほぼ発電所一台分である)
最大使用水量:178.0864m3/s(6,400立方尺毎秒)→200m3/s[増量されてる!?]
有効落差:36.86m→35.02m[減ってる。。治水に配慮して満水位下げた?]
水車:出力16000kW×4台→計算してみると200m3/sに増強後の効率は79%台とちと低めである。。
導水路:総延長2240.6m(4条の延べ距離の様である) 延長約650m×4本(案内板)
    放水路:幅12.12m×高15.80m、延長132.0m
放水:天竜川316.51m→放水路の高さが15mもあるので180m3/sの水を流した時EL.330m位迄の水量はあるのかも?少なくとも320m程 度から余裕で取水出来そう。
取水:天竜川[泰阜ダム]355.0m
流域面積:2980.0平方キロメートル

常時水量は43.75m3/s程度と思われる。発電機を一台だけでも一寸下流に移設して発電量増やすとかどうよ??2MW程は増やせそうw
→一応平岡ダムの水位を上げる方向で対処♪


建屋と水圧鉄管(4本)…4台在る水車に対応してる。特に交換し た様子も無いので45m3/s弱を50m3/sに増やすぐらいの余裕はどこも持って作ってあるのかな??(水量,約1割マシマシ♪)


調圧水槽(4槽[単位解らんw])と飯田線


ダム直下の濁流


●泰阜(やすおか)ダム[便覧][水力]     
場所:天 竜川(350m)
目的:発電
事業者:中電
着手/竣工:1931/1935
堤高:50.000m、堤頂長:142.950m
総貯水容量/有効貯水容量     1076.1万m3/155.3万m3(建設時)
貯留量:110.8万立米(2000-12現在) 
満水位:EL.355m

現状200m3/sで110万m3とすると1時間半ぐらいで空っぽになる水量しか貯められてないのか。少なすぎるな。。

泰阜ダム。洪水中で全門開放で凄い迫力! pic.twitter.com/9x44jdom6X

— とはずがたり (@tohazugatali1) July 13, 2023


堤体


同じく裏側


利水標…帰宅後整理してて取水量が増えてるのに気付いた。



湖面



取水口


奥の方
米川発電所の入口となっている様だ。


入口付近

工事の看板。自民党で二世政治家の宮下一郎との並びが不快だ。

拡大…ダムズラブって何?スラブがスラブ軌道のスラブだとすると河床みたいなもの??

ダム脇で気付いたが取水量が増えている。色々手を入れてる様だ。
建屋の下流側の施設が真新しい。なんなんだ?変電施設でもないようだが。。

裏側から見た図。う~む,謎だ…


『山行が』の小渋川の項で よっきは以下の様に記述している
>小渋川が合流する天竜川は、もともと「あばれ天竜」と呼ばれるほどの急流河川であり、洪水を多発させてきたが、発電面では早くから有望視された。 昭和10(1935)年に最初の本流ダムである泰阜(やすおか)ダムが完成し、昭和31年には国内最大の佐久間ダムも出現している。だがこれらのダムが出 来たことで、堆砂問題が明るみになった。これはダムの上流に土砂が堆積し河床が上がってしまう現象である。
>もっともこの堆砂問題が深刻だったのは、伊那谷の出口に築かれた泰阜ダムで、沿岸にある飯田市川路 や竜丘地区では僅かな出水でも洪水が頻発するようになってしまった。ダムの建設が洪水の遠因となってしまったのである。

国 交省の資料にも
>土砂の河床への堆積とダムの堰上げに起因して、地元の人々は天竜峡の河床が上昇、洪水が頻発するようになったと訴え、ついに1950(昭和25) 年の水害を契機に「泰阜ダム撤去」運動が起こった。堆砂率は1993(平成5)年で80.4%に達している。
とある。竣工が1935年と僅か15年で其処迄堆砂が一気に進むとも思えないので水害多発は戦後直後の国土の荒廃が原因な様な気がしなくも無いが…

wikiに 拠ると小渋川と泰阜ダムの堆砂が結びつけられている。また戦後暫く経っての36災害(1961)にも災害が発生しており,終戦後の国土の荒廃のみが原因で もないようだ。
>泰阜ダムは平岡ダムと同様に日本で有数の堆砂が進行しているダムであり、発電運用に支障はないものの、堆砂率は84パーセントにも及ぶ。これはダ ム湖上流、中川村で天竜川に合流する小渋川によるものである。小渋川上流は日本屈指の土砂崩落地域であり、ここに建設された小渋ダム(国土交通省中部地方 整備局)も急激な堆砂に悩まされ、目下排砂のためのトンネル建設が進められている。
>ダム堆砂と水害の関連も示唆されており、特に1961年(昭和36年)の「三六災害」による飯田市などの浸水被害は泰阜ダムの堆砂が原因ではない のかという指摘や批判が相次いだ。原因は結局天竜峡の狭窄部や小渋川の治水対策の遅れなどによるものとされたが、ダム堆砂対策は今後の課題となっている。

川路は天竜峡の北側右岸,竜丘はその北側のようだ。天竜橋の狭窄部を前に水が流れにくくなってるという面はありそうだ。。

さて,泰阜ダムの直下には2本程川が合流している。

先ずは直下で一直線に合流してくる★★のが印象的 な直下の牛ヶ爪川。


もう一つはその更に下流で流れ込む大沢川(とその支流)。


200m3/sの巨大な水量を相手としてる泰阜ダムに導水してもあんま意味ないかも知れないけど,360m程で取水してみるとこんな感じ (19.5km2)である。

20km2弱しか無いので高度を取って取水しても発電は期待出来ない。


中部電力株式会社 米川発電所[水力] [DB[→米川]
  運開:1940.2[日本発送電(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:3,200kW   常時出力: 570kW[17.8%]
最大使用水量:1.67m3/s[0.576]
有効落差:246.06m
水車:出力3450kW×1台
    導水路:総延長4601.2m
    流域面積:29.0km2 
    取水:米川[米川堰堤]628.50m・他1(こ の辺か?)
    放水:天 竜川[泰阜ダム付近]365.00m

戦時中の運開である。
落差が250m近くある。昨今の流れからは使用水量を3倍は言い過ぎにしても2.5倍ぐらいにはしても良さそう。
とはいえ雨の少ない地域で常時出力は最大の17.8%である。矢 筈川矢 筈川支流紅 葉川鼬ヶ 沢川など取水点を増やして3倍増と行きたい。

~米川~[→米川]

水力さ んは発電所迄歩いたらしいが,クルマ乗り回す私にそんな元気もなく,代わりに水力さんがレポしてないサイフォンと取水堰をレポ。

矢筈川サイフォン[場 所




米川堰堤[場 所




~阿知川 (阿智川)~

阿知川発電所


三穂発電所(立石発電所)


駒場発電所


昼神発電所


黒川発電所



◆落差:114m
この後,天竜川本流を用いたダムは暫く姿を消す。飯田盆地に入る天竜峡迄の間に未だ山間部は残っているのであるけど高低差が殆ど無い(天竜峡で360mと 10mしか稼げない。。)のだ。

そしてその後は飯田市の市街地が拡がってしまう。。そしてこの天竜橋が天竜川の上流と下流の境目とされているようだ。本項では佐久間以北天竜峡以南を中部 と呼ぶ事にしたい。

無理矢理入れ込むとこんな感じかな??

[妄想系私案]天竜峡発電所
出力:16,600kW[+16.6MW]
水量:100m3/s→流石にこのくらいは使えるのでは無いか?120m3/sなら20.0MW。
取水:天 竜川[天竜峡ダム・天竜峡付近](380m)
放水:天 竜峡(358m)
有効落差:20m
導水距離:3.78km







(松 川合流)…この辺からEL.400mで取水出来ないかなと検討した跡w
堤防は400m程迄嵩上げして395m地点位で取水出来るとお洒落。


松川第四発電所2.78m3/s

松川発電所5.5m3/s




~小川川~

上流には三遠南 信道[道路族]の 矢筈トンネルがある。いよいよ道路も全通が近づいて道路族の方も更新したいけど,いつかにぬけんと息子と帰省の途中で現地調査に行って橋脚の写真とか撮っ たんだけどその時の写真は何処行っちゃったかなあ・・(にぬけんの結婚前でまあの誕生後だから結構時期は限定出来る筈なんだけど。まあが帽子を川に落とし て拾ったことや橋脚に巨大なスズメバチの巣があったり色々記憶には残っているけど写真が見当たらない。。先日草木トンネルは息子を連れて再訪した。)
23.4には矢筈トンネルを通過。蜂の巣は健在だったw

砂防ダムは河川法上のダムの扱いでは無いのだそうな。またもう土砂に埋まって貯水機能は殆ど無いらしい,,

年間降雨量は1600~1800mm程度と心許ない感じ

矢筈砂防ダム[地 理院][「長 野県防災史2020」写真集][遍路[手当次第]
矢筈砂防ダム 小川川(喬木村矢筈)
昭和48 年度~昭和53 年度←着工/竣工?
堰堤高33m 堤長110m 堤体積46,846m3 重力式砂防堰堤
流域:10.47km2 水位:829m

巨大な堰堤
23.4

割と満杯な湖面




小渋第二発電所(8.0m3/s)→小渋川参照

生田発電所(14m3/s)→小渋川参照



(片 桐松川)




(小渋川合流)



■中部電力(株) 南向発電所[水力
所在地:長野県上伊那郡中川村葛島
運開:1929.4(電力王福沢桃介が最後に手がけた発電所とのこと)
水路式・流込式
認可最大出力:26,700kW      常時出力:10,100kW[37.8%]
最大使用水量:37.70m3/s[0.21]
有効落差:79.35m
水車:2台 総出力13800kW
導水路:総延長10534.9m
流域面積:1793.0km2
取水:天竜川[南向ダム]550.00m
放水:天竜川464.74m

(与田切川合流[EL.519m])
~与田切川[TWTW] ~

長野県企業局  与田切発電所[水力
所在地:長野県上伊那郡飯島町七久保
    昭和61(1986)年4月11日:運用開始
水路式・流込式
    認可最大出力:6,300kW      常時出力:1,100kW[17.4%]
    最大使用水量:2.40m3/s[1.33]
    有効落差:321.32m
    水車:横軸ペルトン水車 出力6580kW×1台
    導水路:総延長1708.5m
     流域面積:18.0平方キロメートル
    取水:与 田切川1245.37m←高い!
    放水:与 田切川912.80m




●南向(みなかた)ダム[DB
場所:長野県駒ヶ根市[551m
所有:中部電力(株)
種類:取水堰
貯留量:0.0m3?
  (主要取水設備) 材質             鉄筋コンクリート
  (主要取水設備) 高さ     (m)       7.57
  (主要取水設備) 堤頂長     (m)       123.51

◆落差:30m

□大久保発電所[水力
所在地:長野県駒ヶ根市東伊那[場 所]
所有者:中部電力(株)
運開:1927年(天竜川本流に出来た初めての発電所とのこと)
水路式・流込式
認可最大出力:1,500kW      常時出力:740kW
最大使用水量:33.39m3/s
有効落差:5.70m
水車:出力1746kW×1台
流域面積:1571.4平方キロメートル
取水:天竜川[大久保ダム]587.58m
放水:天竜川581.52m

(中田切川合流[EL.542m])
~中田切川~



○大久保(おおくぼ)ダム
所有:中部電力(株)
種類:取水堰
貯留量:0.0m3?

~小田切川~



初めて出来た発電所だけに大量の利水権を確保している割りには物足りない。こんな感じで取水と放水をずらしてリプレースできないかな??

■新大久保発電所
最大出力:4,100kW[+2.6MW]→大久保は廃止で
最大使用水量:33.38m3/s
有効落差:15m
導水:2.97km
取水: 天竜川(590m)
放水:天 竜川(571m)

天竜川本流の発電所はこれで最後である。(春近発電所(→高遠川参照=未作成)は高遠川からの導水である。)

(太田切川合流[EL.579m])
~太田切川~

ノォマークだったけえが凄いの二連発やんけ!新大田切発電所放水位918mから天竜川迄未だ400m位あるのでぶちかましたい。とおもったけど新大田切は 扇状地の起点にあって,こういうのは基本やりにくいやつや,,
まあ意外に短距離で途中の水路に送り込めそう。勿論,配慮は必要。放水点から小田切川への潅漑用水路なんかも必要かも知れない。



[私案]宮田発電所
出力:11,900kW[+11.9MW]
水量:6.7m3/s
落差:210m
流域:12.1km2(間接:44.3km2)
導水:5.1km
取水:大田切川・新大田切発電所・新大田切余水吐・黒川・寺 沢 EL.923m
放水:大沢川699.0m

中部電力株式会社 新太田切発電所[水力
所在地:長野県上伊那郡宮田村新田
運開:1958(S33).12[旧発電所・運開:??(大正期)・伊那電気製鉄(株)1500kW]
水路式・流込式
認可最大出力:14,100kW(以前は14,000kW)      常時出力: 3,700kW[26.2%]
    最大使用水量:5.50m3/s[1.24]
    有効落差:315.0m
    水車:立軸ペルトン水車 出力15000kW×1台
    導水路:総延長5013.42m
    発電所標高: 923m
    流域面積:44.3km2
    取水:中御所川、太田切川、黒川 1246.60m
    放水:太田切川 918.00

>昭和33年(1958年)12月に旧発電所に使用していた中御所川(上流約5km)と大田切川(上流約10km)の水に黒川(上流約5km)の取 水を追加して現位置につくりかえられました。
>発電機は50/60Hzの両用機で昭和50年代までは東京方面にも送電していましたが、
とのことである。

上流の中御所発電所と比較すると最大使用水量が見劣りする。ここは増強したい。

[増強私案]新太田切発電所
水路式・流込式
認可最大出力:20,500kW[+6.4MW]      常時出力: 3,700kW[18.0%]
    最大使用水量:7.9m3/s[+2.4m3/s]
    有効落差:315.0m
    水車:立軸ペルトン水車 出力15000kW×1台+6500kW×1台(新設)
    導水路:総延長5013.42m
    発電所標高: 923m
    流域面積:44.3km2
    取水:中御所川、太田切川、黒川 1246.60m
    放水:太田切川 918.00

次の中御所も中電得意の高落差大水量(流域当たり)の発電所である・1980年運開と一連 のさきがけとなった感じである。

中部電力株式会社 中御所発電所[水力
所在地:長野県上伊那郡宮田村新田
    昭和55(1980)年9月:運用開始
水路式・流込式
   認可最大出力:10,200kW      常時出力: 1,900kW[18.6%]
    最大使用水量:4.00m3/s[1.74]
    有効落差:310.28m
    水車:立軸ペルトン水車 出力10500kW×1台
    導水路:総延長5,396.25m
    流域面積:23.0km2
    取水:中御所谷、黒川 1,571.40m
    放水:中御所谷[新大田切発電所]1,250.0m

本谷から取水して増強出来そう(冒頭の地図に既にこっそり書き込んであるw)。導水路3.3km で追加流域5.7km2。(まああんま効率的では無いのは認めざる得ないが。。それでも3.1MW強化出来る)

中部電力株式会社 中御所発電所[水力]
水路式・流込式
   認可最大出力:13,300kW[+3.1MW]
    最大使用水量:5.2m3/s[+1.2m3/s][1.81]
    有効落差:310.28m
    水車:立軸ペルトン水車 出力10500kW×1台+3200kW×1台(新設)
    導水路:総延長5,396.25m+3.3km=8.7km
    流域面積:28.7km2 (+5.7km2)
    取水:中御所谷・黒川・本谷 1,571.40m
    放水:中御所谷[新大田切発電所]1,250.0m

もう一発上を狙えそう。



[私案]北御所発電所 or しらび平発電所 [←名称は発電所の位置に依存]
出力:6,200kW[+6.2MW]
水量:2.6m3/s
落差:280m
流域:13.05km2
導水:4.63+1.05=5.68km
取水:伊 勢滝黒 川日 暮ノ滝濁 沢1,860m
放水:北御所川[中御所発電所]or中御所川[中御所発電所]1,570m



(犬田切川合流[EL.613.m])
~犬田切川~





(三峰川分岐625m)→ 寧ろ三峰川が本流格の赴きもある。。

[私案]箕輪発電所
出力:5,700kW[+5.7MW]
落差:174m
水量(流域):4.0m3/s (38.2km2)
取水:沢川[箕輪ダム]850m
放水:天 竜川672m

(沢川分岐686m)
~沢川~

長野県企業局 信州もみじ湖発電所[長 野県]←名前キモッ(;´Д`)
    所在地:長野県上伊那郡箕輪町
    最大出力:199kW
    年間発電電力(計画):1,100千キロワットアワー(約310世帯分)
    最大使用水量:0.47m3/s
    最大有効落差:52.00m
    型式:ダム式
    水車型式:横軸フランシス
    運転開始:2021年6月1日


箕輪ダム[旧称:沢川ダム][便覧
河川     天竜川水系沢川
場所: 850m
目的/型式     FNW/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     72m/297.5m/307千m3
流域面積/湛水面積     38.2km2 ( 全て直接流域 ) /35ha
総貯水容量/有効貯水容量     9500千m3/8300千m3
ダム事業者     長野県
本体施工者     飛島建設・日本国土開発・戸田建設
着手/竣工     1974/1992




[私案]横川発電所
出力:7,700kW[+7.7MW]
水量:4.5m3/s
落差:207m
導水:7.55km
取水(流域):小横川堰堤(11.1km2)・横川 ダム(38.8km2)909m
放水:天 竜川(698m)

辰野で分岐する横川の迂回を利用した段差。


(横川川分岐713m)
(辰野市街)
~横川川~

~小横川~ 
小横川取水堰[場 所]  
取水位:908m

横川(よこかわ)ダム[便覧
河川     天竜川水系横川川
目的/型式     FN/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     41m/282m/105千m3
流域面積/湛水面積     38.8km2 ( 全て直接流域 ) /14ha
総貯水容量/有効貯水容量     1860千m3/1570千m3
ダム事業者     長野県
本体施工者     大成建設・大本組
着手/竣工     1972/1986


伊那市で有名な三峰川を岐(わけ)て,その後は辰野で横山川を岐ると程なく諏訪湖である。
川岸→辰野ぐらいでは落差30m,が精々であって,水量がどの程度取れるかは不明だけどパンチには欠ける。。


(諏訪湖)釜口水門[国 交省

1. 諏訪湖の概要
・面積 13.3km2 ・周囲 15.9km
・容量 62,987千m3/s ・流域面積 531.2km2
・流 入 河 川 31河川・流出河川 1河川(天竜川)
・水位調節施設 釜口水門・管 理 者 長野県

2.釜口水門
・ 役割:洪水時の調節及び平常時の湖水位維持や天竜川への放流管理
・ 旧釜口水門(S11完成) → 最大放流量200m3/s
・ 新釜口水門(S63完成) → 最大放流量600m3/s
・ H13.6より暫定400m3/s放流の新操作規則で運用

4.諏訪湖の利水・管理
・釜口水門にて諏訪湖の水位及び天竜川への放流量を管理
計画高水位 2.20m(EL.760.245m)
常時満水位 1.10m(EL.759.145m)
制限水位 0.75m(EL.758.795m)
計画最低水位 0.50m(EL.758.545m)
維持放流量 8.4m3/s

2.1 諏訪湖のなりたち
諏訪盆地の原形は、1 3万年ほど前にできあがりました。諏訪湖の成り立ちは、
① 山活動でできた火口湖
② 八ヶ岳噴出以前に諏訪盆地に滞水して湖をつくり富士川流域に注いでいたものが、八ヶ岳の噴火によって現在の川筋に変えられた。
③ 間氷期の雨量と流水量の増加に加え大地の変動動により、塚間川の扇状地が形成され1万8千年前以降天竜川がせき止められ、諏訪湖ができた。

と諸説があります。諏訪湖は、古墳時代から平安時代にかけて最大になり、その後は減水縮小して現在に至ったと考えられています。