電力総研 水力あれこれ とは掲(発 電スレ 利 水スレ)
20.10.25運開

天竜川水系遠山川関連

こういうのにちゃんと向き合ってる所は流石長野県である。歴史や公共事業問題や自然環境問題と向き合いながら電源開発していきたい。
信州遠山郷 秘境の旅[遠山.com
昭和18年、第二次世界大戦のさなか。 日本発送電株式会社 は、政府から緊急の電源開発を命じられ、翌19年に飯島発電所の建設工事に着手しました。同年に来村した作業員1500名の中には、朝鮮半島や中国大陸で 徴用された労働者が多く含まれていました。彼らの給料は日本人労働者の半分にも満たず、監視つきの小屋で寝泊りをしながら、過酷な労働を強いられたといい ます。
同じ時期に建設が進んでいた下流の平岡ダムでも、同様の状況でした。満島には捕虜収容所や飯場が立ち並び、建設中の事故や病気で多くの外国人労働者や連合国捕虜が命を落としました。
飯島発電所は終戦後の昭和22年に完成し、現在でも最大認可出力12,700kwで発電をおこなっています。
遠山川での電力事業は、水利権の補償金や村税として、南信濃村の経済と切っても切り離せない存在です。
平成3年に北又渡発電所が完成したこともあり、現在の村税収入の半分以上は、中部電力からのものです。 (執筆当時)
自然環境をめぐって、脱ダム論議が盛んになっている現在。その一方でわたしたちの生活が、外国人労働者たちの過酷な犠牲の上に成り立っている事実も、忘れてはならないことなのではないでしょうか。

1.現況

(天竜川[平岡ダム付近])

中部電力株式会社 飯島発電所
http://www.suiryoku.com/gallery/nagano/iijima/iijima.html
運開:1947.5[日本発送電(株)]
水路式・流込式→梨元堰堤があるしダム水路式・調整池式ではないのか?
認可最大出力:127,000kW   常時出力:2,000kW
最大使用水量:9.80m3/s
有効落差:153.17m
水車:出力13000kW1台
導水路:総延長8710.6m
流域面積:241.0平方キロメートル
取水:遠山川[梨元堰堤](490m)
放水:遠 山川(324.61m)

梨元堰堤遠山.com][場 所(490m)
取水堰
取水量:9.80m3/s→上流の北又渡P/Sでは11.5m3/sなのに減っている。漁業などへの配慮なのか?それとも開発の時期の問題?(先に(戦後 の混乱期に)開発された飯島が過少な能力で運開してしまった?)

<ここに開発余地!160m程>
この辺も漁業が盛んなよう([釣り師松っちゃんのブログ]) なので配慮は必要。


北又渡(もう調べてないけど多分「きたまたど」)である。笹間渡・西渡・奈川渡・黒川渡どれも「ど」 と訓(よ)み,合流点(の近く)に多い渡なので落合や二俣(二又),川合(河井etc)と同じ様な合流点で渡河を昔からしてた由来の地名かと判断してたけ ど調べてみたら場所(土・ど)という案もあった。成る程ねぇ。。
>日本語の「ど」は、「喉のど」「竈くど」「宿やど」「井戸いど」「窓まど」「陰ほど」等の例からして「ある場所(the place)」を示していることは間違いない。
目からウロコの地名由来

中部電力株式会社 北又渡発電所[水力
運開:1991.11
水路式・流込み式
認可最大出力:24,200kW   常時出力:3,000kW
最大使用水量:11.50m3/s
有効落差:256.00m
水車:出力24900kW1台
導水路:総延長11530.0m
流域面積:86.3km2
取水:遠山川(便(たより)ヶ島)易老沢発電所北又沢兎洞沢(937m[易老 沢稼働前は975.00m])
放水:遠山川(666.5m)


遠山川最奥部に張り巡らされた取水罔(もう)の一部だった北又渡の易老沢からの導水路は落差が30m程 あったので小水力化した様だ。なかなか素敵だ☆

中部電力(株) 易老沢発電所[水力
運開:2003.6.10
水路式・流込式
認可最大出力:250kW     常時出力:31kW
最大使用水量:1.20m3/s
有効落差:28.67m
水車:出力276kW1台
流域面積:8.8km2
取水:易老沢(975.0m)
放水:遠山川[北又渡発電所取水堰堤](937.5m)

2020年版の山と高原の地図43『塩見・赤石・聖岳』に拠ると,遠山川沿いの林道は2018,19の台風被害に拠り芝沢ゲートから奥はクルマの通行が不可となっているそうだ。
易老渡を経て便ヶ島迄は車道の表記となっているけど。。易老沢の取水口のは元々道路も無いとこの様だけど易老沢発電所や便ヶ島の取水施設とかの巡視も徒歩になったのか?
あと,国土地理院では林道を経て繋がってる兎洞の調整池だけど上記の山の地図だとこの辺迄しか描かれていない。奥地の開発は兎も角その維持はなかなか大変そうである。


2.開発

先ずは北又渡発電所666mと梨元堰堤490mの間にある170m程度の有効落差が開発余地となる。
北又渡発電所は流域面積86.3km2で最大使用水量11.50m3/sで,比率は0.13%。易老沢は流域面積8.8km2で最大使用水量1.20m3/sで,比率は矢張り0.13%。可成り良好。
雨量を確認してみる。大野に1800mのラインが通っている。この辺から北西側は一寸想定取水可能量減らした方が良いかも。



取水:
加加良沢[場所
この一寸変わった地名だけど支流に加加森沢があり上流に加加森山があって加加良銅山跡なんかもある。踏鞴(多々良・たたら)と響きが似てるし鉱山系の地名?
14.8m3/s。指数0.13%を使うと驚異の1.9m3/s。


遠山川[場所
124.6km2。指数0.13%を使うと驚異の16.0m3/s。
そんな大量で大丈夫か?!まあ16.0の内,11.5m3/s位は北又渡P/Sから供給される訳だが。
南側は光(てかり)岳で直ぐ南隣りになる寸又川の時に見かけたやつだ。


上村川・神灯沢[場所
46.8km2。指数0.13%を使うと6.0m3/s。但し此処は大野よりも北西側なので減らす。4.6m3/sぐらいかな。


導水路は梨元─遠山川─加加良沢への本導水路が10.4km,上村川への支路が3.64km。合計14.02km

梨元─遠山川への本線導水路が8.5km。遠山川を渡河する必要があるが加加良沢への支路が0.98km,上村川への支路が3.64km。合計13.12km
0.9km短縮する代わりに渡河が必要になる。どっちが良いのか。こちらは加加良へ分岐する為に川沿いに寄る為,ボッタ谷や下栗の沢から取水が出来るけど面積は僅少である。わざわざ取水口造る程でもないな。

と云う事で新発電所は以下の様なスペックに。すげえな,おい。実際にはこの水量で取れることは少ないのかもしれないけれど。。

[新規構想]梨元発電所
出力:31,800kW[+31.8MW]
水量:22.5m3/s
落差:170m

其れに伴って今でも小さい飯島発電所は大増強すべきである。勿論川の事もあるから鮎だのウグイだの育つ時期に合わせてきめ細かな河川維持流量保証は必須であるけど。

梨元発電所の取水口~梨元取水堰の間の流域面積
これだけで54.5km2,ここも大野より西側なので5.4m3/s分の流量があるとする。27.9m3/s

更に5.6km程度の導水路で池口川・梶谷川を流域に加えられる。

さてこちらの流域は36.5km2であり,此処は1800mm領域に入っている様子なので4.7m3/s程取水出来る。合計27.9+4.7=32.6m3/sである。


[増強構想]飯島発電所
認可最大出力:12,700kW→42,200kW[+29.5MW]
最大使用水量:9.80m3/s→32.6m3/s
有効落差:153.17m
放水:遠山川(324.61m)

一寸北又渡の特殊要因で水量が過大に見積もられてる可能性を否定できないけど,まあこれで行く。

ここまで水量が大きく取れるとなると平岡ダム迄の20m弱でも発電したくなる。
因みに梨元以下に51.0km2程の流域がある。5.0m3/s程足せる。


[新規構想]遠山川発電所
出力:5,100kW[+5.1MW]
水量:37.6m3/s
落差:17m
放水:天竜川(平岡ダム)305m
導水距離:2.83km

旧南信濃村の財政をしっかり支えた発電所達であったが増強の折はより広域自治体となった現飯田市の財政をしっかり支えて呉れることになるであろう。