電 力総研 水 力あれこれ
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
20.9.27運開

木曽川中流域の発電所(21.5[柿其] /21.10[読 書]/22.8[落合・山口]訪問)

王滝川─[奥木曽─]─上流域(中流 域)[読書ダム蘭川発電所読書発電所山口ダム賎母発電所山口発電所落合ダム落合発電所(中下流域)大井ダム─大井発電所─丸山ダム─新笠置発電 所─兼山ダム─[飛騨川・]今渡発電所・美濃川合発電所─…(河口)]

~沿川風景~
(上流域より)

先ずは読書ダムから始める(それより上流域はこちら)。 巨大木曽発電所の水を受け止め,増強された読書発電所に水を送る木曽川中流域 の結節点である。R19を脇にそれて木曽川が長い時間掛けて穿った深い谷底にゆっくりと降りていってゆったりと拡がるダム湖が現れるとテンションがあが る。これから木曽路だと云う山口ダム 脇のR19を疾走している時のハイテンションとはまた違った興奮である。多目的の大容量ダムみたいな深さは余り感じ無いが平べったくなかなか広い!(とは いえ山口ダムも読書ダムも木曽ダムすらも冷静にみればそれ程大きくは無い。三浦ダム等で水量安定化が必須だった訳で有る。)

読書(よみかき)ダム[便覧][利水標
目的     P
堤高/堤頂長     32.1m/293.8m
流域面積/湛水面積     1341.8km2 ( 全て直接流域 ) /51ha
総貯水容量/有効貯水容量     435.8万m3/267.7万m3
取水量:読書1~3G(号機)・計45.91m3/s 4G(号機)・75.00MW
総貯水容量:435.8万m3 有効貯水容量:267.7万m3(ダム設計時)
取水(位):木曽川(483.00m)
ダム事業者     関西電力(株)
着手/竣工     1958/1960

Gとはgeneratorの略で号機goukiの頭文字ではない(と思う)。敷地内の利水標に 出てて,望遠レンズで必死に薄れた文字読み取る際に数字の後の文字がなんであるのかしばし悩 んだ。
 国土地理院の地図では導 水管がダムから2本出てゐる様に見える。そしてその内の山側の一本はそのまま山 口ダムに吐水して終わりに見える。
が,実はこちらが地下式の読書第二発電所(現在の読書発電所4号機(4G))用の導水路(最大使用水量75.00m3/s!)であり,しかも今ではより効 率的なこちらがメイン(だと思われる)の発電ユニットな のである。

21.10
利水標
21.5
豪雨の翌日に行ったので各地の水発がゲート開放してなんなら凄い水量を前に取水止めてる位の勢いだったし木曽川も凄い水流だったが読書ダムは割りと悠然と していて,ゲートも全開ではない様子だった。山口ダムや木曽ダムと比べても水量で優位である。
21.5
二つ並んだゲートであるが左手(上流側)は開いていて右手(下流側)は閉じている様だった。全部閉じてなかったとしても右よりは少量である。
第四のゲートが地図より上流にあるのでこの二つが1~3Gと4Gのものだったら4Gの方がフル稼働してて1~3Gは止まってるか低稼働ということになる。


元々読書発電所は流込式で新設されて戦後読書4Gが読書第二として増設される際に一緒に建設された取水門である。その際にもともと無圧の読書の流込式の導 水管を圧力導管になってしまう調整池からの取水とするに際しそのまま使える様に工夫したらしい。
どうやら水路には圧力と無圧力の2種類があって,ダムの水中から取水する場合圧力がかかるらしいがそれを無圧にする工夫が水路式からダム式に変更になった 読書ダムにはあるらしい。詰まり無圧の水管に圧力掛けるとまずいことになる様だ。

Jp.05_木曽川水系IEA水力実施協定ANNEX 11水力発電設備の更新と増強第二次事例収集(詳細情報)
https://www.nef.or.jp/ieahydro/contents/pdf/4th_a11/jp/05.pdf


120m3/s程度で6時間分貯水可能。120m3/sで流入しても118.9m/sで発電してれば運用上問題無さそうな規模か。
こんな感じのダムが上松辺りにあれば問題ないんだけど。。

~柿其川~

途中,柿其川で取水する。読書ダムが出来る前の取水堰時代から取水されて いた様だ。4号機設置後はそちらに供給される様になった模様。
小川(上松)も木曽発電所に送るようになったのと同様か。
21.5





~与川~
小さな発電所がある。


読書発電所[wiki] [水 力
1923年(T12)に建設された地上式発電所(此処では地上部)と、1960年(S35)に増設された地下式発電所(旧・読書第二発電所・此処では地下 部・地図上では排水口しか見えない・・)からなり、合計119MWを 発電する。読書第二発電所は、1965年(S40)6月1日付で読書発電所に統合された。
発電所は山口ダムのダム湖畔にある。

最大発電量:11,900kW
 地上部(1~3号機):44,400kW (1998年改修増強+2,300kW)
 地下部(4号機):74,600kW (2004年増強+2,700kW,2014年増強+1,900kW)
設備
 地上部:導水路:総延長8426.8m、柿其水路橋(こんな感じ([松 本市[風に吹かれ])の橋(=重文) らしい)
最大使用水量:118.91m3/s
  地上部:45.91m3/s
  地下部:75.00m3/s
有効落差
 地上部:112.12m
 地下部:111.89m
取水
 地上部:読書ダム第一取水口・柿其水路橋支水路(wikiに は「この柿其川にも取水堰があり、支水路が水路橋の上流で本水路に合流する」とあるが確認出来ない    )
 地下部:読書ダム第二取水口・柿 其川

読書発電所のモダーンな建屋(=重文)。第二発電所は木曽発電所と同様の地下構造との事である。
21.10
昭和っぽいトラス橋(昭和30年代ぐらいに掛け替えられた様だ。脇に廃橋台が残ってゐた)を渡って直ぐ傍迄行ける。


放流地点は既に山口ダムの湖面である。

~蘭川(あららぎがわ) (→詳細)~

関西電力(株) 妻籠発電所[水力] [場所][wiki (木曽発電)
運開:1934.11.23[木曽発電(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:2,800kW 常時出力:1,690kW
最大使用水量:1.94m3/s
有効落差:182.00m
水車:出力3208kW×1台
導水路:総延長3333.0m
流域面積:48.7平方キロメートル
取水:蘭 川、他3(621.00m)
放水:蘭 川[蘭川発電所取水口]420.60m

関西電力(株)蘭川発電所[水力] [地 図
運開:1925[木曽電気(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:1,200kW  常時出力:770kW
最大使用水量:2.78m3/s
有効落差:55.60m(以前は55.64m)
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力1600kW
導水路:総延長1437.6m
流域面積:69.0平方キロメートル
取水:蘭 川[妻籠発電所]420.18m
放水:蘭川361.67m

流域面積69.0km2に対して取水量が2.78m3/sしかなく発電規模も小さい。。水量を倍増させても2.4MW程度だとなると暫くはこのままであろ うか。。
蘭川と妻籠は連動しているので両者連動して同時に2倍にすれば 4.0MW→8.0MWと[+4MW]出来る。

蘭川 69.0km2 2.78m3/s 4.02%
妻籠 48.7km2 1.94m3/s 3.98%

また橋の上から通過しただけだとお向かいにある読書発電所もどっちも木曽川に面しているように見えるが,蘭川の方が蘭川上で放流してるのが地図から判明す る。
20.10

近寄ってみると旧道の脇にある様だった。
21.3

詳しくはこちら


山口ダム[便覧
河川     木曾川水系木曾川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     38.6m/181.4m/61千m3
流域面積/湛水面積     1534.5km2 ( 全て直接流域 ) /31ha
総貯水容量:348.4万m3   有効貯水容量:126.4万m3
ダム事業者     関西電力(株)
着手/竣工     1955/1957
満水位:362.0m
取水:木曽川(与川PS:1.67m3/s・蘭川PS:2.78m3/s・読書PS:118.91m3/s)[合計:123.36m3/s]
送水:賎母発電所43.97m3/s・山口発電所78.00m3/s[合計:121.97m3/s]

wiki (山口ダム)][wiki (賎母発電所)
大 正・昭和戦前期、木曽川では当時の大手電力会社大同電力によって水力開発が進展した。同社における木曽川最初の発電所が、前身会社木曽電気興業時代の 1919年(大正8年)に完成した賤母発電所であり、これは高さ7メートルの堰堤から取水する水路式発電所であった。(賎母発電所)完成(直)後の 1920年(大正9年)3 月、大同電力は賤母発電所の下流側、岐阜県内に5地点の水利権を獲得する。このうちの一つが「落合」地点で、当初は水路式発電所で計画されたが、実際には ダム式による落合発電所として1926年(大正15年)に竣工した。この落合発電所建設に際し、元の「落合」地点の水利権は分割され、上流部分が「坂下」 地点として未開発で残された。この「坂下」地点は水路式発電所で使用水量44.52立方メートル毎秒・有効落差13.03メートルにて出力4430キロ ワットを得るという計画であった。

「坂 下」地点の開発は長く実行に移されず、計画は日本発送電を経て戦後関西電力へと引き継がれた。関西 電力ではこの開発計画を見直し、発電所を岐阜県坂下町(現・中津川市坂下)から対岸の長野県山口村(現・中津川市山口)に移すとともに、賤母発電所と共用 の調整池を南木曽町吾妻に設置し、ダム(山口ダム)によって総貯水量348万4000立方メートルの調整池を築いて最大4万2000キロワットを発電する というものであるという方針を決定、1951年から建設準備が始まった。その準備として、ダムに干渉する木曽川左岸の国道19号付け替えを1955年(昭 和33年)6月に実施し、同年12月には地元山口村と補償に関する協定書を交わした。そして補償協定成立に伴い12月坂下発電所建設に着手した。ダム建設 に際し、①当時取水口に土砂が堆積して渇水期には十分な取水ができない状態となっていた賤母発電所についても改造し、このダムから取水する よう変更されることとなった。

工期は2年間で、1957年(昭和32年)11月30日にダムでは湛水式が挙行さ れ湛水を開始し、12 月2日には発電所の水車試験も完了して、発電所は12月29日付で仮認可を得て営業運転に入った。運転開始に伴いこれまで「坂下発電所」としていた発電所 名を、山口村の要望を取り入れて「山口発電所」へと変更している。また発電所出力は当初から最大4万2,000キロワットである。

以上の経緯により山口ダムの下流でも引き続き2ルートに分かれ合計121.97m3/sの水量を使用する。上流部の増強案の計3ルート120m3/s超も それ程荒唐無稽では無さそうである。(ただ木曽川水系の流量が減少気味という気になるデータもある。。木曽ダムを王滝川沿いから木曽川本流沿いに移して, 木曽福島の取水ダムの下流に背高堤防建設してあのレベル迄水を貯めたりする必要があるかも。。)

さて,22.8に現地訪問。結論から云うと山口ダムの周辺は廃道だらけて接近は出来なかった。
先ず地図を掲げるとこんな感じ。

Aから木曽川南岸(左岸)を経由してCに至るのが旧道の様だ。とは云へこの道も山口ダムが出来てから作られたのではないか?(上の引用文の「その準備として、ダムに干渉 する木曽川左岸の国道19号付け替えを1955年(昭 和33年)6月に実施し」とある部分の道路である)ダムで上がった湖面よりは上である。
この道路,進入禁止の様であった。

A地点の様子。進入禁止である(山口ダムだけ見た順番に下流側から遡って記述)。これは通行出来ないというよりは通れるけど入るなというニュアンスを感じ る。
22.8

気を取り直してB地点の橋へ向かう。19号との立体交叉迄あるが工事中で交通規制をしていた。クルマを停めて様子を窺うが,大丈夫そうだ。すみませんと頭 を下げて通して貰う。


さて,こんな立派な立体交叉まであって山口ダムへの取り付けは完璧じゃあないかと函渠を通り抜けるとダムが見える。

結構な勢いで放水されていたが,後から思うと,賎 母・山口の最大使用水量が過小っぽい」という問題点があるので落合発電所(新落合発電所)で利用出来るように積極的に水を放流した りはあるのかも知れない。まあこの日は一寸水流が多かったぐらいかもしれないけど。。
最上流の三浦ダム・牧尾ダム・味噌川ダム辺りの貯水量は大きいが其処から下流には余りデカい貯水池は存在していないので途中からの集水は暴れ水なのであ る。(中流域ででの問題点はこの辺参照)

さて,橋であるが,正面は異変が発生しており,地図に明記された橋はこの通り。廃橋もいいとこである。。森に襲われ判りにくいので主役のダムを差し措いて の大きめ画像で ご紹介w

どうやらこのBの橋は山口ダムへの正面ルートでは無く,19号旧道に接続する為の県道6号の旧道の様である。

湖面とゲート背面。19号の路側帯が拡がってたので駐車して写真を撮ってみた。天端付近は落ち着いて写真を撮れる感じではなかった。取水口は反対側である し。

対岸(南岸)に確認出来る道路(跡)

そしてC地点。歩いて辿るぐらいは出来そうだけど最早少なくとも道路としては使ってない雰囲気である。

此処迄来るともう蘭川P読書Pである。



賎母(しずも)発電所[場 所][水力] [wiki (賎母発電所)
運開:1919(T7.名古屋電灯) 1922増強(4号機)   1957(山口ダムに取水を変更)
認可最大出力:16,300kW  常時出力:0kW  年間発電量:62,000MWh
最大使用水量:43.97m3/s
    有効落差(1~3号機):46.36m 39.6m3/s?
    有効落差  (4号機):49.69m 5.64m3/s
設備
    水車(1~3号機):最大出力5100kW×3台・最大使用水量13.2立方メートル毎秒、回転数360rpm
    水車  (4号機):最大出力2350kW 最大使用水量5.64立方メートル毎秒、回転数514rpm
導水路:総延長3128.7m(②ダム水路式[山口ダム]に変更 前は4,794.29m)
取水:山口ダム:362.0m  
放水:木曽川310.25m(4号機は307m 程か?)

①②と云う事はこ の辺の川洲に廃取水口があるのかも!?

旧道の古いコンクリート橋の脇に3本の巨大な水圧鉄管がズドンと落ちていた。これが1~3号機の発電機に繋がっていて4号機は別の所にあるらしい。(木で 見えにくいけど画面右手がその様だ)


関西電力(株) 山口発電所[場 所][水力
運開:1957.12.29
最大認可出力:42,000kW   常時出力:16,400kW
最大使用水量:78.00m3/s
有効落差:62.39m
導水路:総延長3070.8m/放水路:総延長1911.2m
取水:木曽川[山口ダム]362.0m  
放水:木曽川[落合ダム+4.5m]293.49m

これまで4,5回通りがかっている筈だけど奥地を求めて高速度で通過する場所で見た事は無かった山口PSであるが,入口はR256(小川路峠へ通じてるや つ[もへじ]だ♪)の分岐弥栄 橋の直ぐ先の此 処にあった。
坂を下ると山口PSが現れる。半地下なのかすっきりとした(寧ろがらんとした?)印象。
22.8
地理院ではそ の場(EL.304m)で放水するように描かれてる様にも見えるのだが,現地でも特に放水は確認出来なかった。

放水路は諸元から確認するに2km 程下流にあるようだ。こ れ[G]か?地 理院の地図だと此処ら[EL.294m(←諸元と整合的)]か。

【賎母・山口・落合問題】

さて,東濃用水取水後にも拘わらず落合・新落合では合計183.48m3/sで 合計23,600kWを叩き出す。こちらは賎母・山口で 121.97m3/sしかない。その差61.51m3/sもある(つまり賎 母・山口の最大使用水量が過小っぽい)。フル稼働が続くと水が足りなくなってしま う。
(落合ダムでの100m3満水からこれら4発電所フル稼働の場合,ピーク電源としては十二分な4時間15分程運転継続出来る計算にはなるけど。勿論これら 以外に 与川・蘭川等の流入があるので貯めとける時間は実際はより長いものになる。)
また賎母発電所の放水位 は山口発電所よりも20m弱も高く発電効率に劣る(これは検討した様に良くある 事ではある)。前から出来ていた賎母が今では尖頭用になっているのであろう。
また新しくて次位水発と連檐している筈の山口発電所の放水口すら 落合ダムの満水位より4.5m程高そうなのである。

さて,取水量の差に関しては山口ダムと落合ダムの間の流域面積も勿論ある。測ってみると結構広くて170km2程もある(計測しなくても)。16m3/s 程度はこれの流入 で賄える と考えれば残るは50m3/s程ではある。


諸元で比較してみるとこんな感じ。地図実測よりも面積増がデカいのは何故だ。。??

貯留量
使用水量(面積比)
流域面積
面積増
水量増
読書(・読書第二)
267.7万m3
118.91m3/s(0.89)
1,341.8km2


賎母・山口
126.4万m3
121.97m3/s(0.79)
1,534.5km2
192.7km2
3.06m3/s(0.16)
落合・新落合
100.0万m3
183.48m3/s(1.05) 1,747.0km2
212.5km2
61.51m3/s(2.89)
大井・新大井





山口ダムではもう30m3/s 程使用水量(取水量)増やしても良さそうである。また落合ダムの取水位はもう1,2m上げても良さそうである。

ということで色々増強案を検討したい。
流域が広いのは北側の川上川,南側の落合川支流湯舟沢川 が広いからでこの辺を絡めて新規発電を検討してみたい。
下で見る様に逆に木曽川左岸ルートで距離は伸びるが各沢で取水しながら水量増やすことも可能。

難点としては賎母を廃止して迄ってのはある。。
川ごとに仔細に見て行く。先ずは川上川。

~川上川~

先ずは川上川上流で取水してみる。497m以 上を取ると〆めて23.5km2也。2.5m3/sを落合ダムの288mに落とした所で有効落差200mで4,100kW程度。良い線は行ってるものの, もう一寸欲しい。


付知川の方で良いこと思いついたのでそち らも参照。これはEL= 410mでの取水。10m3/s程度で10,000kW程度。 なかなかイイ感じになる♪


ということでもっと取水位を上げてみるが,野心的に取水位をEL.1000mにしてみる(呆笑)
結構広く,掻き集めると23.25km2程もとれたw
付知川上流や柿其川上流なんかでも取水してるがまあ影響は軽微で有ろう。全体で2.5m3/s程と仮定する。
落水ポイントを探すが山口ダム360mが良さそう♪
流石に640mの有効落差w 柿其川上流や川上川上流にダム建設して揚水発電にしても良いぐらいの落差かも知れない♪
差し当たっては一般水力として発電してみる。余りの高落差に水車がいいやつあるかなぁ。。葛野川が714mとかだそうな。
嘗て公営水力最大の宮川第三で477m,水車はペルト ンの様だ。同じく高落差の松尾川は382,392に分けてペルトン。630mぐら い大丈夫かな?ダメだったら松尾川みたいに田立第一・第二に分ける必要がある。

[私案]田立発電所
出力:13,100kW[+13.1MW]
水量:2.5m3/s
落差:630m
取水:坪 川柿 其川(柿 其東谷)(丸 野東谷)(銅 穴向谷)川 上川(堰堤で導水距離短縮可)(銅 穴東谷)(銅 穴西谷)(東 丸野川東谷)(東 丸野川西谷)(丸 野川)横 川谷(付 知川)東股谷 1000m
放水:木曽川[山口ダム]380m

まあこれは山口・賎母発電所の増強からは外れた案件となる。まあ別途やってもいいだらう。


次ぎに落合川である。先程の地図のを選択すると落合川からも取水可能である。

~落合川~
先程左岸ルートか らもう4.4km程伸ばすと落合川支流の湯舟沢川からも取水可能。更に850m程伸ばすと落合川からも取水可能。
但し落合川の支流の湯舟沢の方が流域も広い。

[私案]新山口 発電所(賎母 発電所リプレース)
最大認可出力:34,700kW[+18.2MW]
最大使用水量:60.00m3/s(+16.03m3/s)
有効落差:69m
取水:木曽川[山口ダム](362.0m)
放水:木曽川[落合ダム](288m)
この導水路の集水面積は結構でかくて59.8km2。4.8m3/s程度は期待持てるのでは無いか。

賎母 発電所リプレース+落合川導水の64.80m3/sで+20.9MW増強して37.2MWの水発が出来そう♪
とはいえ未だ現役の立派な賎母発電所水 圧鉄管を実際に見てしまうと廃止してしまって良い のか?!と云う気分には なるw
廃止しないとなると一寸オーバースペックな感じもする。
リプレースは今の所,出来の悪い思考実験に留まると云えよう。。→愛知用水絡みで落合川に取水口(岐阜県が水道水を喞筒揚水している)あるが,それ絡みで 落合川側のプランを思いついたので川上川は分離しても良さそう。



分離して考えると良い案を思いついた。
山口発電所の上流に賎母発電所の放水位(EL.310m)で堰堤を設け,一旦川上川 や賎母発電所の放水を プール。EL.311m程度で取水してそこから落合ダムへ(288m程度)への放水をすれば有効落差20m近く採れそうで ある。今渡・美濃川合的な若しくは佐久間第二的な低落差大水量の発電所を作るのである。
落差を稼ぐ為に放水路を長く延ばしたいのでどちらかというと佐久間第二発電所的 か。

この手の発電所は落差がない分水量の確保が(出来れば安定的な水量が)肝となる。今は比較的新しい,とは云え後補の発電所 群の中で比較的古く落合ダムとの逸失落差もある山口ではなく,一番古く放水位も高い賎母発電所1~3号機(放水位:310.25m)と連携する形 で落差をそして発電量を稼ぎたい。川上川・付知川方 面からの水も併せて常時水量を厚めに確保して行きたい。付知川上流西野川でのダム建設も安定的な水量確保に資する筈である。山 口発電所よりは古いが賎母1~3号機よりも新しい4号機は有効落差が一寸大きく,古い1~3号機よりも3m程低位で放水している様であるが,4号機を水面 下でも放流できるような仕組みが必要になる。松二や笠置でもやっている事なので行けるであろう。


[増強私案]賎母発電所(新4号機or5号機)→既存4号機を廃止しないなら既設4号機は水面下でも排水できるような措置が必要となる。
認可最大出力:12,000kW[+12.0MW]
最大使用水量:30m3/s(→典拠)
有効落差:46.36m(1~3号機と同じ)
取水:木曽川[山口ダム]:362.0m 
放水:木曽川[坂下堰堤(新設案)]310.0m

[私案]坂下第一発電所(→付知川発電所私案を変更)
出力:9,400kW[+9.4MW]
水量:12.5m3/s
落差:90m
導水:10.1km
取水:付知川・横川谷・川上川411m
放水:木曽川[坂下堰堤(新設案)]310.0m

付知川115.0km2   9.2m3/s
横川谷12.5km2   1.0m3/s
川上川29.6km2   2.3m3/s
全体  157.1km2  12.5m3/s

[私案]坂下堰堤
貯留量:0.21km2
利用水深:3m →貯留量:60万m3程
取水:木曽川[賎母発電所99.6m3/s・坂下第一発電所12.5m3/s]
放水:坂下第二発電所(落合ダム)115m3/s



[私案]坂下第二発電所
出力:9,300kW[+9.3MW]
水量:85m3/s
落差:18m
導水:
取水:木曽川[坂下堰堤(新設)]311m
放水:木曽川[落合ダム]287m


落合発電所・新落合発電所・落合ダム[wiki
>落 合ダム附設の発電所は落合発電所と新落合発電所の2つがある。落合発電所は最大使用水量83.48立方メートル毎秒・有効落差22.02 メートルにて最大14,700kW、新落合発電所は最大使用水量100.00立方メートル毎秒・有効落差22.10mで最大18,900kWをそれぞれ発 電する。
>1980年になって設置された新落合発電所は、落合ダムと落合発電所の中間(落合発電所より上流約255メートルの地点)に位置 する。取水口と導水路の一部を落合発電所と共用しており、取水量に応じた負荷の切り替えなど同発電所と一体化した総合運転が行われている。
とのことである。落合ダムの有効貯水量が少ない割に最大使用水量が多くて,

落合ダム[便覧
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     33.3m/215.1m/45千m3
流域面積/湛水面積     1747km2 ( 全て直接流域 ) /45ha
総貯水容量/有効貯水容量     387.2万m3/100.0万m3
ダム事業者     関西電力(株)
着手/竣工     1925/1926
取水:木曽川[賎母発電所(EL.310.25m)山口 発電所(EL.293.49m)
送水:落合発電所(289.88m)・新落合発電所(289.88m)・東濃用水

ダム正面・こ の橋の上から。
22.8
同じ場所から下流側大井ダム方面を望む。


側面から・手前は発電所への導水路・この導水路がある為にダム式ではなくダム水路式になってるようだ。G 空撮図に拠ると手前の水門と水路が落合発電所のもの,その隣の水門が新落合発電所のものの様だ。


落合Pの水圧鉄管とサージタンク。



~東濃用水~(詳 しくはこちら)

東濃用水取水口
落合ダム(満水位:EL.289.88m)に取水口を設け,ここから喞筒(ポンプ)アップしている。その鉄管を対岸の丘陵面から臨む。元々山口ダム(満水 位: EL.362.0m)から取水の予定を変更したようである。
山口ダムからにすれば勿論,水路の維持管理費用は余分に掛かるものの上から流れてくる水を未来永劫電気を使って汲み上げる必要も無いし環境に優しいのでは ないかと思わなくも無いが,山口ダムが渇水期に結局汲み上げる必要が出たりすると困ることはこまるか。
成るべくバックウォーターから取水するとしても水路の延長が伸びて色々勘案して電気使ってポンプとなったのであろう。二つ並ぶ鉄橋は中央本線のもの。


拡大

あの水圧鉄管の頂上に行ってみる。

落合取水場
喞筒アップされた水は一旦落合取水場で吐き出されて中津川浄水場[場 所(EL.351m)]に送られる。

さっきは対岸から遠望したその場所から対岸方向を臨む図。発電所なら上部水槽的な位置だ。上の写真には高圧電線まであるし水を高所から落とす水圧鉄管の様 に見えて水力発電所の様にしか見えないがが,水流は逆でここではダム湖から吸い上げているのである。
高圧電線も上武吹奏部にあるのは変だしな。(まあ河岸段丘の上の方に変電所があるケースもちらほらあるけど)
それにしても3本も鉄幹があって豪勢である。

更に上手にある制水門と水路。この辺から水を送り出すっぽい。


東濃用水サイフォン
落合川を中央本線と並んで渡るがこ の辺は川面で290m程度であり,サイフォンなのであろう。


中津川浄水場=未見[場 所EL.351.4m



落合ダムで発電するのは落合発電所と新落合発電所である。三尾発電所(1963・30.9m3/s・ 37.0MW)・木曽発電所(1968・60m3/s・116.0MW)・読書第二発電所(1960・73m3/s・74.6MW)・山口(1957・ 78m3/s・42.0MW)・新落合発電所(1980・100m3/s・18.9MW)・新大井発電所(1983・85m3/s・32.0MW)・新丸 山発電所(1971・93m3/s・63.0MW)・美濃川合発電所(1995・220m3/s・23.4MW)が後補の発電所群である。その中でも新大 井と並んで新しい方である。(一寸特殊な巾広い川の反対側の(ほぼ飛騨川の)水を利用する美濃川合等がその後に出来てはいるが)木曽川開発の掉尾を飾って る発電所と云えよう。新落合の新規開発分(増強分)は18.9MWしかなく開発も段々頭打ちになってきてる感じは否めない。落合地点の落差が20m余りし かなくあんま発電能力は高くないと云うことはある。

関西電力(株) 新落合発電所
運開:1980.2.20
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:18,900kW  常時出力: 7,300kW
    最大使用水量:100.00m3/s
    有効落差:22.10m←放水位は落合より0.29m(29cm)高いのに逆に有効落差は落合より0.98m(98cm)大きくなってて半世紀の技術革新 を感じる。より大きな使用水量でも無効落差を小さく出来る様になったのであろう。
水車:立軸カプラン水車 出力19500kW×1台
    発電機:立軸三相交流同期発電機×1台
    導水路:幅6.00m×高11.09m、延長11.8m
    放水路:幅20.00m×高19.00m、総延長27.8m
    取水:木曽川[落合ダム]289.88m
    放水:木曽川[大井ダム+8.3m]266.78m

関西電力(株) 落合発電所
運開:1926.12.1[大同電力(株)]
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:14,700kW   常時出力: 0kW
    最大使用水量:83.48m3/s
    有効落差:22.02m
水車:立軸単輪単流フランシス水車×2台 総出力18000kW
    導水路:台形 幅20.05m×高9.50m、延長187.1m
    放水路:幅44.09m×高3.00m、総延長53.6m
    取水:木曽川[落合ダム]289.88m
    放水:木曽川[大井ダム+8.01m]266.49m



~落合川~

山口ダムからの導水で新規開発したいと云うのがあったので山口ダムレベル(362.0m)に併せると一緒に発電出来るのだけどまあそれに囚われずにより上 流から発電を目指す。
450m付近で取水することにする。

[増強私案]落 合川発電所(落合川導水のみ)
最大認可出力:5,400kW[+5.4MW]
最大使用水量:4.2m3/s
有効落差:155m
導水路:7.9km (0.68)
取水:落 合川・沢1(蕨平)・沢2(蕨平)・沢3(蕨平)・湯 舟沢川中 島上 田(450m)
放水:木 曽川[落合ダム](290m)

流域:53.8km→4.2m3/s程度かな


さて,東濃用水の状況を知ると一寸様相が変わってくる。
本来山口ダムから引っ張って来る心算だったのが何故落合ダムになったのかに関しては不明であるが,電気代使って汲み上げてるのを解消する為に,落合川から 導水して東濃用水に給水しつつ発電する事にする。
勿論木曽川より水は不安定なので渇水の状況に於いては落合ダムから汲み上げる形にする。
詰まり,発電も揚水も出来るようにするのである。殆ど混合揚水のノリである。若しくは雨竜川 の朱鞠内発電所的な感じか。流域面積は約60km2程


更に水道の水源にも使う為湯 舟沢川にダムも建設する。満水位400m・取水位を360mとするとV=380万m3程度と推定出 来る。
この380万は

まあなんかそれっぽいではないか♪
自治体
人口
水源地
河川
流域面積
有効貯水量
使用量
その他備考
中 津川市
恵那市
瑞浪市
土岐市
多治見市
笠原町
31.6万
湯舟沢川ダム
湯舟沢川
59.0km2
380万m3

WP








宝塚市水道
22.5万
川下川ダム
川下川
27.8km2
265.0万m3

W
神戸市水道
153.7万
千苅(せんがり)ダム
羽束川
94.5km2
1,161.2万 m3
W
西宮市水道
48.8万
丸山ダム
船坂川
 7.9km2
205.0万m3

W
三田市水道
11.3万
山 田ダム 山田川
 13.5km2
17.4万m3

AW
兵庫県水道

青野ダム
青野川
51.8km2 1,410.0万 m3

FNW
伊丹市水道は淀川よ り取水。・神戸・芦屋・西宮も阪神水道公団を通じて淀川からも取水。出典:武庫川水道水源地

発電用の余裕は無いかもしれないけど水道用としてはそこそこではないか。もう発電としてはすっぱり諦めて水道用として割り切った方がいいかな。。


ミニ揚水発電所として。上池が莫大な量なのに比べどっちも小さいし,出力も大したことないけど100万m3しかない落合ダムが480万m3分となる。まあ 発電所の能力的にそんな沢山水を供給は出来そうに無いけど。
発電所
上池
下池
出力
落合川発電所
湯舟沢川ダム380万m3
落合ダム100.0万m3





三尾発電所
牧尾ダム6,800.0万m3 木曽ダム67万m3(184.4万m3)
(利用水深1.5m)
37,000kW
30.90m3/s
穴内川発電所
穴内川ダム4,330.0万m3
(利用水深:40m)
繁藤堰堤
(利用水深:2.0m)
12,500kW
22.00m3/s





周辺と比べて貯留量が少ない落合ダムの救済に,坂下ダム(私 案)と共に役に立ちそうでもある。

[私案]落合川発電所
形式:混合揚水
出力:8,800kW[+8.8MW]
水量:10m3/s
落差:105m
取水(上池):落合取水場(揚水)[EL.360m]・湯舟沢川[湯舟沢ダム(揚水)[EL.400m]]・落合川
放水(下池):落合取水場(水道用水供給2.4m3/s)[EL.360m]・ 木曽川[落合ダム(発電)[EL.288m]]

~中津川~

王子エフテックス(株) 川上発電所[水力][DB
運開:1926.10[王子製紙(株)→王子特殊紙]
水路式・流込み式
認可最大出力:2,400kW  常時出力: 800kW[33.3%]
最大使用水量:1.53m3/s[0.495]
有効落差:200.06m
水車:横軸二輪ペルトン水車 出力2400kW×1台
導水路:総延長2,224.9m(無圧トンネル、水路・水管橋)
流域面積:30.9km2
取水:中 津川 763.8m
放水:中 津川 551.1m

<未利用落差:約90m>

王子エフテック(株) 中津川電所[DB
運開:1926.10[王子製紙(株)?]
水路式・流込み式
認可最大出力:1,200kW  常時出力:300kW[25.0%]
最大使用水量:2,64m3/s[0.44]
有効落差:59.75m
導水路:総延長1,729.0m(無圧トンネル、蓋渠、水路・水管橋)
流域面積:60.0km2
取水:中 津川 449.01m
放水:中津川 384.70m

(中津川市街)


(中 津川合流259m)

今は恵那市を気取ってるけど恵那郡の中心は本来中津川であんなとこは本来大井である(同じ様に土岐市も土岐郡の中心は多治見であって土岐ではない。同じ様 に駒ヶ根市は赤穂だし,美濃加茂は美濃太田である。南木曽は三留野の方がいいし,下呂は益田でしょう。)。もう何が云いたいのか良く判らなくなってきた煽 りはさておき,その大井がダム名にはちゃんと残ってるのは激アツである。(小さい頃家族で何度も飯地高原に泊まりに行ったことがあるので実は恵那と云えば 恵那市である。飯地高原のことを「えなさん(恵那山)」とすら呼んでいたのであるw I LOVE ENA ♪)以下,中下流域で扱う。