電 力総研 水 力あれこれ
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20.9.17運開

宮川ダムと宮川の電源開発!

1.現況(宮川ダム宮川第一PS宮川第二PS宮川第三PS) 2.上流部開 発 3.中下流域

さて雲出(くもず)川水系の君ヶ野ダムに引き続いて安濃(あのう)川の安濃ダムの調査も完成。

三重県営ダムの主な3 ダムの内2つが完了☆
残るは宮川ダムと相成った。

此処らは何と云っても多雨地帯。
年降水量は、上流山間部で約3,400mm以上、平野部ですら約2,000~2,500㎜を叩き出す。強気の使用水量で攻めることが出来そうである。
出典:宮 川の現状と課題(2013年)


さて此処ではどんな感じかなと覗いて見ると,まずは宮川ダムが引っ掛かる。おお,結構でかい規模で 発電してるぅ♪♪(第一第二)
最大使用水量も伸び伸びして るw

そこで先ずは核となる宮川ダムを見て見る。

<宮川ダム・宮川第一発電所・宮川第二発電所>

宮川ダム[Wiki] [便覧
河川     宮川水系宮川
目的:     FNP →潅漑は不特定利水に含まれる様(こちら参照)である
堤高/堤頂長/堤体積     88.5m/231m/389千m3
流域面積/湛水面積     125.6 km2 ( 全て直接流域 ) /200ha
総貯水容量/有効貯水容量:     7,050.0万m3/5,650.0万m3
ダム事業者     三重県
本体施工者     西松建設
着手/竣工     1951/1956
事業主体 三重県
電気事業者 三重県企業庁→中部電力(2014.1)
着手年/竣工年 1952年/1955年


宮川第一発電所[水力
認可最大出力:25,600kW 常 時:7,000kW
最大使用水量24m3/s
有効落差121.666m
取水位標高:280.00m[宮川ダム]
放水位標高:147.05m[宮川第二P/S])

宮川第二発電所[水力
認可最大出力:28,600kW 常 時8,100kW
最大使用水量24m3/s
有効落差134.736m
取水位標高:138.65m[宮川第一P/S]
放水位標高:1.35m[三浦湾])


と云う事で水力発電がどんな感じか探してみる。ダム堰堤の側に取水口がないなあと思ってると,なんと南 の方にあるではないか。。

何処行くねん,宮川の下流とは逆やで,と思ってる水路を辿ると,なんと海 辺に着いた!!!!

俺の阿佐での海辺まで持ってって発電構想は荒唐無稽でもなかったんやな~♪

これは素晴らしい☆
お隣の尾鷲第一・第二銚子川第二などを含めて掲示。


また上流の発電所もなかなかワイルド。宮川ダムには垣外俣谷・大和谷・父ヶ谷・宮川(本流)・桑木谷などがあるが,大和谷と宮川本流には発電所がある。

<大和谷発電所>
流石多雨地帯。その辺の沢をぐるっと回るだけで3m3/sぐらい直ぐ集まっちゃうようである。
https://maps.gsi.go.jp/#15/34.294931/136.150110/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

~大和谷~

大和谷発電所[水力]
所有:三重県企業庁[運開]→2015.4中部電力株式会社[現在]
運開:1985.5
水路式・流込式
認可最大出力:6,400kW 常時出力:180kW
最大使用水量:3.00m3/s
有効落差:262.0m
流域面積:17.9km2
取水:地池谷→大和谷→焼山谷→三滝谷(557.80m)
放水:大和谷(298.30m)→宮川ダム(北側)


<宮川第三発電所・不動谷ダム>
うほっ。凄い水圧鉄管♪高低差公営発電所最大だったそうな(今は中電)
https://maps.gsi.go.jp/#16/34.234220/136.168488/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


宮川第三発電所[水力]
所有者:三重県企業庁→2015.4中部電力株式会社[現在]
運開:1962.3
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:12,000kW  常時出力:1,100kW
最大使用水量:3.00m3/s
有効落差:477.179m
流域面積:28.6km2
取水:与八郎谷→堂倉谷(宮川)→小不動谷(多 分此処)不 動谷川[不動谷ダム](779.0m)
放水:宮 川[宮川ダム(南側)](280.0m)

最大使用水量は28.6km2に対して3.00m3/sである。物部川の法則的にはまあ妥当な感じであるが,実は堂倉谷で銚子川・船津川方面へ1m3/s程取水したいと(私が勝手に)思って 居る。
標高が高く面積確保がシビアなこの辺だけど,概ね3,200mmに覆われていて,しかも昨今の平谷や北又渡的な取水ポリシーの元では 28.6*0.1*32/30*1.3=3.9m3/s程本来確保出来そうである。しかも3200mmで計算した堂倉谷付近は実際は3400mm。詰まり 発電所新設で1m3/s取水を入れ込む余地はぴったりあるということである。


不動谷(ふどうだに)ダム[場 所[水力]
河川:不動谷
着手/竣工:1958/1961
総貯水容量:7.1万立米 有効貯水容量:4.0万立米
流域面積:27.8km2
湛水面積: 1ha



<宮川ダム発電所>
また宮川ダムに附属して河川維持流量を用いた小水力も開発されてるようだ。
宮川ダム発電所[水力]
所有者:三重県企業庁
運開:2003年
ダム式・河川維持水量式
認可最大出力:316kW
最大使用水量:0.500m3/s (以前は0.277m3/s)


<未開発領域>

宮川ダム(280m)から三瀬谷発電所(83.0m)まではがら空きである。
125.6 km2だと3400mmとしても 最大使用水量24m3/sで海へ吐き出した後では余り余裕は無さそうである。
詰まり一旦仕切り直しもやむなしってとこか~。

さて先程の資料(宮 川の現状と課題)に拠ると
流水管理・水利用の現状と課題
宮川水系河川水の適正な利用
○…中流部では粟生頭首工から宮川用水とし て最 大約10m3/sの取水が行われている。

渇水時における対策の推進宮川ダムの運用状況
○宮川の水利用の近況は、近年安定的に推移しているが、2005年、2007年、2011年には渇水となり、河川管理者、ダム管理者、水利使用者により構 成される「宮川渇水調整協議会」を設置し、水利使用の調整などについて協議を 行い、取水制限を行いながら、発電用水から農業用水への水融通が行われた。

宮川ダムの運用状況
○不特定潅漑については、潅漑期間中 (4/11~9/10)に於いて伊勢市他4町4,700haの耕地に750万m3を上限として、最大4.62m3/s供給されている。
○2003(H15)年4月には、発電水利権の更新に伴い貯留制限流量(ダム直下0.5m3/s)が、設定さ れている。
○現在、粟生頭首工直下において、 3.0m3/sの流量確保を目標に、発電容量より年間1,000万m3の範囲内で補給することが検討されている。

宮川ダム貯水池容量配分図


少なくとも5カ月は4.62m3/sが確保されている。放水はEL.248.2mで行われるようだ。コンジットゲートで も使うのか?
またこれらとは別に?宮川用水に最大10.438m3/sも(主に宮川ダムか ら?)供給もされるようだ。
更に河川維持流量も0.5m3/sあるがこれが不特定潅漑水量に上乗せされるかどうかは不明。

制限水位期は雨降ったら満水位まで貯めずに放流も発生という感じである。
さしあたって制限水位270mで4/10~10/15迄半年間は5m3/s程度は見込めると想定できそうか。
こちらで 検討。

この大熊谷発電所構想は宮川ダム次第ということになるがこれ以下は宮川ダム以下の水を集めてそれに付加的に宮川ダム放流水を上乗せする感じに出来そう。

更に中下流部はこちらで,上流部開発はこちらで検討。