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蘭川の利水と発電の可能性

(木曽川[山口ダム読書発電所])─蘭川発電所蘭川堰堤妻籠発電所下流部開発(+10.6MW)】妻籠堰堤上流部開発(+11.2MW)】―(清内 路峠・R256・[→阿知川上流])

山口ダムに接続する形で読書発電所の対面にひっそりとあるの蘭川発電所。「らんかわ」と思ったら 「あららぎがわ」と読むのだそうな。「どくしょ」ではなく「よみかき」だしな。。
この川には現状二つの発電所がある。蘭川発電所と妻籠発電所である。世界的な(盛りすぎ?)観光地である木曽路の入口の馬籠・妻籠の妻籠に実は発電所があ るのだ。(観光には興味がな いので有名なのかも知れないけど。蹴上にも発電所あるしな。またこの歳になる迄「まごめ・つまごめ」かと思ってたけど「まごめ・つまご」なんだそう な・・。お恥ずかしい。)
此処を改めて纏めようと思ったのは清内路峠を越えた向こう側の阿智川の山深さ (面積と高度)を再認識したからである。

既存の発電所は蘭川妻籠の二箇所とも常時水量は高めで水を使い切れずに流している日も多そうで,面 積当たりの取水量も降雨量がそこそこの地域 (2000~2500mm/年)ではあるのに少な めである。

関西電力(株)蘭川発電所[水力] [地 図]    
運開:1925[木曽電気(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:1,200kW  常時出力:770kW[64.2%]
最大使用水量:2.78m3/s[0.40]
有効落差:55.60m(以前は55.64m)
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力1600kW
導水路:総延長1437.6m
流域面積:69.0km2
取水:蘭 川[妻籠発電所]420.18m
放水:蘭川[→山口ダム読書発電所]361.67m

一回目は橋の上から通過しただけだとお向かいにある読書発電所もどっちも木曽川に面しているように見えるが,蘭川の方が与川上で放流してるのが地図から判 明す る。
20.10

二回目は近寄ってみると旧道の脇にある様だった。
21.3

蘭川発電所蘭川取水堰[場所]
取水:蘭川[妻籠発電所]
取水位:420.18m
認可取水量:2.78m3/s
流域面積:69.0km2

取水堰とその向こうにある妻籠発電所
22.8
取水施設

悶絶,利水標。望遠でワンチャンスを狙ったが恰度妨碍の鉄柵の横棒が…orz
まあここは取水一箇所だから良いんだけどね。。
22.8

関西電力(株) 妻籠発電所[水力] [DB] [wiki (木曽発電)]     
運開:1934.11.23[木曽発電(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:2,800kW 常時出力:1,690kW[60.3%]
最大使用水量:1.94m3/s[0.40]
有効落差:182.00m
水車:出力3208kW×1台
導水路:総延長3333.0m
流域面積:48.7km2
取水:蘭 川、水路途中にある3本の渓流①②③からも取水(計4箇所 [DB])(621.00m)(中 学生が幾つか探してくれてるwでも中電じゃなくて関電の発電所やで!?)
放水:蘭 川[蘭川発電所取水口]420.60m

建屋 さっきの取水堰越しの写真の方が全体が解るな。。


正面。余りに観光客に迎合してて萎えである。関所かよ。未だ読書発電所等の大正浪漫風に纏めてくれた方が良いと思うんだけど。

鉄管


妻籠発電所取水堰

取水口候補:①上在郷[グー グル][地 理院(川すら無しw)] ②押手[グー グル][地 理院] ③額付川…全く判らん。交叉する大きな支流はこれぐらいなんだけど。。

②押手沢の橋,特に取水堰の気配は見つからなかった。

まあ基本緑で視界ほぼ無しw


良く解らんので③や本流の取水口がありそうなこ の辺に到達するのは一つの課題と認識していたが,22.8に決行。
入口付近からなんだか騒々しい。トンネル工事??

下に降りていくと現場あり。

なんと中央新幹線(中央アルプストンネル(尾越))のトンネル工事(仮橋の設置及び仮設工事)であった。

とまあ取水堰を探して回るような雰囲気ではなかった。。諦めて清内路の方へ抜け ることにした。

ただ…隠し絵みたいだけど画面中央お判りだろうか??

結局ここで見付けたのはリスのみ。収穫は薄めだった。。


結局,現地では判らず終いであったが,ツイッターで堰斎さんが,それっぽい怪しい取水口を3箇所発見されていた。未知の取水堰数3本とも合致する。確認は今後の検討課題である。

だいたいこの辺です、本当に妻籠発電所の取水堰かは分かりませんがw🤭 pic.twitter.com/y5tTAd4kYz

— 堰斎(-人- )🇯🇵🇺🇦 (@ensai_xXx) October 28, 2023

現状の課題

蘭川時点で流域面積69.0km2に対して取水量が2.78m3/sしかなく発電規模も小さい。。水量を倍増させても2.4MW程度だとなると暫くはこの ままであろ うか。。妻籠は倍増させると5.4MW程度とそこそこデカくはなる。
蘭川と妻籠は連動しているので両者連動して同時に2倍にすれば 4.0MW→8.0MWと[+4MW]出来る。4MW増やせる投資とは云えるのでは?冒頭で見た様に(降雨量が 2000~2500mm/年)まあそれ程ざんざん雨が降る地域では無さそうであるが,小雨という程でもない。。まあ東海地方なので冬期は乾涸らび ていそうだけど。。
所名
出力
常時
流域
取水量
出力比率
面積比率
蘭川 1,200kW
770kW
69.0km2 2.78m3/s 64.1%
40.2%
妻籠 2,800kW
1,690kW
48.7km2 1.94m3/s 60.4%
39.8%

   
増強私案

先ずは上流での開発を見て行く。妻籠に繋げたい。最大でも50km2行かない程度の流域だけど高度差は取れそう。降雨量がそこそこの地域(2000~2500mm/年)な ので強気で行く。
強気で行けば長めの導水距離もカバーできそうである。

[私案]奥妻籠発電所
出力:11.200kW[+11.2MW]
水量:5.0m3/s[1.76]
落差:270m
流域:28.3km2
導水:8.8km
放水:蘭川[妻籠発電所]620m
取水:蘭 川(堰堤)夏 焼沢(広瀬・大山)桂 川(大平峠)鍋 割沢支流梨 木沢鍋 割川(清内路峠)沢(向ヶ 原)南 沢南 沢支流900m

蘭川取水地点には砂防ダムっぽいのがある。この蘭川の上流は床波高原と呼ばれる高原から流れ出る蘭川本流と与川峠というお隣り与川と接する長者畑川からの流れがメインとなる。
周辺も含む地図はこんな感じ。図中,広瀬と適当に近くの地名を書いただ がここ。どうやら夏 焼沢というらしい。 調べると南木曽町 のハザードマップで夏焼沢・梨木沢の名前が判明♪[南 木曽町(pdf)
ここから更に妻籠・蘭川の出力増強をしたい所だが,古い施設に無理矢理増強するよりはもう別で発電所造ってしまった方が良いのかも。(マウスオーバー)

妻籠は現在48.7km2から1.94m3/sを取ってるけど,上流の28.3km2から取水した5.0m3/sをそのまま使用するとすると残りの流域面積は 20.4km2であり,まあ現行使用水量の1.94m3/sを取るのにまあ順当な面積な のである。
ということで下流に上流で使う水をそのまま流す事にするが,下流も同等の標高差を確保出来るので上で想定した厚めの水量でも同じく採算が取れるであろう。 しかもこちらは上(奥馬籠構想)程距離は取らないのでより有利である。
勿論取水地点を奥妻籠発電所の放水口そして直ちに妻籠発電所の取水口としておけばどちらかに異常がある時は交互に譲り合える。
また途中の雄滝・雌滝の上流からの取水は補助的な補給に徹してに滝の景観も守る必要があるだろう。
ということで以下:

[私案]新蘭川発電所
出力:10,600kW[+10.6MW]
水量:5.0m3/s
落差:255m
導水:7.12km
取水:蘭川[奥妻籠発電所(私案)放水口・妻籠発電所取水堰]・男(だる)川'雄滝上 流)・雌滝上流 620m
放水・木曽川[山口ダム]360m

埵川の様子・大妻籠付近。

この橋の上からの写真


全部で導水は15km程。開発される電力は21.8MWとまあ引き合いそうではある♪
出来れば南沢・蘭川(中 流)・桂川・蘭川(上流)辺りに貯留量を確保して行きたいが,それを諦める代わりの高容量という側面があるから已む無しか。