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王滝川概況 西野川(増強現況)  王滝 川・御岳 木曽川上流 木曽川 中流 愛知用 水等 黒川
22.6.24運開
王滝川の支流域の電源開発

 大規模開発で開発し尽くされてる感があって手薄であったがよく見ると可能性がちょくちょくある様に見える。
味噌川(木曽川源流) 原野 木曽福島  黒川 御岳・王滝川源流部 西野川 小川(上松) 牧尾導水(西野川本洞川小川 (上松))

本項では西野川を中心に,牧尾ダムへの導水等の開発を見て行く。西野川のレポ(開田高原の開発含む)はこ ちら王滝川本流のレポはこちら王 滝川最奥部(開発含む)はこちら参照。

~王滝川~
西野川との合流点付近(下写真は王滝川・左横から西野川が流れ込んでいる)に御岳発電所はある。詰まりこの写真の背後に御岳発電所がある。またこの遊水 池っぽい拡がりは常盤ダムの調整池となっている。本洞川等も流入する水のジャンクションである。
22.7

関西電力(株) 御岳発電所(こちら参照)
運開:1945.6.29[運開時:日本発送電・22.2MW]
改修:2003.4…1号機ランナー交換,2004.5…2号機ランナー交換
最大認可主力:68,600kW  常時出力:16,560kW
最大使用水量34.34m3/s
有効落差229.00メートル(1・2号機)または229.21メートル(3号機)
流域面積:416.1km2
    1、2号機水車:立軸スプリッターランナーフランシス水車×2台 総出力47600kW
      3号機水車:立軸フランシス水車 出力25000kW
王滝川線:総延長17234.0m、主要導水路 幅3.90m×高3.90m、延長16814.9m /137.5km2→西野川流域・小俣川流域・総流 域より引き算
小俣川支線:総延長4242.7m、主要導水路 幅1.90m×高1.90m、延長4001.4m / 47.5km2→とは計測
西野川線:総延長12685.7m、主要導水路 幅2.58m×高2.58m、延長12490.6m /231km2→牧尾ダムの記述により推計
取水:王滝川[王滝川ダム](1044.0m)・下 黒沢濁 川小 谷沢・(小俣川導水路分岐)・千 沢鈴ヶ 沢溝 口川大 又川樽 沢三 郎沢・(西野川導水路分岐)  小俣川導水路:鯎 川小 俣川
  西野川導水路:(A案)西野川[(A)案ダム(末 川西 野川・管沢を含む)] (B案)西野川[(B案)ダム・(A案)に加えて床並・鹿 ノ瀬川を含む)・湯 川白 崩川白 川
放水:王 滝川[常盤ダム(1,2 号機786.2m)(3 号機783.0m)

牧尾ダムの記述により王滝川側(小俣川・鯎川含む)の流域面 積は231.1km2か?

~西野川~

現在,西野川流域では御岳発電所が王滝川上流(牧尾ダム)より上流から取水しつつ御岳山東側裾野の西野川流域からも広く集水している。
降雨量の多い御岳山側南側・西側よりは降雨量が少ないものの一定の水量と広い面積で貯水をしても良さそうである。

現在では?牧尾ダムより下流にある西野川であるが,西野川筋から牧尾ダムへの導水も検討するので先ずは西野川から始める。現況・詳細はこちらに纏めている。
渇水で悩む牧尾ダムに導水したい




(A)案 御岳発電所用に小規模なダムを建設
場所:西 野川EL.1015m
満水位:1040m 堤高:35m
湛水面積:17.4ha・利用水深3m
推定有効貯水量:約50万m3
推定流域面積:140km2以上
推定取水量:10m3/s程度か
取水:堤体付近に新設・旧西野川・末川取水堰堤は廃止


一寸物足りないな,,




(B)案 大規模ダム建設・御岳にも導水路を延ばす(既存施設は廃止)が利 用水深が浅す ぎるので新規に専用の発電所も建設
場所:西 野川EL979m
満水位:1050m
堤高:80m 利用水深:30m
取水[位]:御岳発電所10m3/s[1037m] 西野川(or新御岳)発電所15m3/s[1050m]
流込式で取水位が固定的な御岳と1050~1020m位で可変的に行ける西野川発電所と棲み分け可能である♪
現御岳発電所の取水設備の内,末川・西野川管沢(未確定)・床並(未確定)・鹿ノ瀬の3~5箇所を統合出来る。これらの取水量がいず れも不明確なのが残念だが最大使用水量35m3/s程度で流域の半分以上が西野川流域である,西野川流域の方が王滝川流域よりは降雨量が少ない,更に白川 流域や湯川よりは上流と云う事で多めに見積もっても15m3/s程ではなかろうか?

さて肝心の貯水量であるが,利用水深:30mとしてEL.1020mとして面積を計算すると15.2haとなる。

詰まり,最低でも15.2ha=15.2万m2*30=456万m3は貯留量があって,残りの未だカウントしてない面積は湛水面積44.5ha=44.5 万m2から利用水深面の15.2万m2を引いた約30万m2であり,これが約30万m3の底面積で水深30m(高さ)の錐だと仮定すると30 万m3*30m*(1/3)=300万m3の水量を持つと想定出来る。併せて750万m3程の貯留量を持つダムと いうことになる♪紀伊丹生川ダム,秋神白谷ダム,小坂川ダム,気田ダム,相川ダムなんかと並んでとはずがたりイチオシの新規開発(orリバイバル)案件で ある。実際には錐ではなくU字型である事が多くてこの推計値よりはデカくなる事も屡々であるから900万m3程行けるかも知れない(900万m3となれば 愛知用水の下部の結節点,愛地池と同じ容量となる。)。
牧尾ダム(V=6,800万m3)の味噌川ダム(V=3,100.0万m3・総貯水量は5,500万m3)・阿木川ダム(V=2,200万m3・総貯水量 は4,400万m3)に比べれば勿論小さいが,まあそれらと協業して行けば良 い。
出典:水 資源機構

利水量一覧によるとこの区間には
鹿ノ瀬川0.31m3/s
床並沢0.13m3/s
管沢0.27m3/s
西野川10.11m3/s
末川5.12m3/s
合計15.94m3/s
もあるが,この5河川以外に取水量は32.03m3/sもあってそれらがフルで取水している時は最大使用水量34.4mの為には2.0m3/s程度の放水 で良いまあ実際はそんなに都合良くはなってなくて大半それ以下の水しか取水出来ないのであろう。


(B案)新御岳発電所or西野川発電所
出力:33,200kW[+33.2MW]
水量:15m3/s
落差:260m
導水:7.9km+支水路
放水:木曽川[常盤ダム]783m



常盤ダム[場 所] [wiki]
堤高/ 堤頂長:24.00 m/111.89 m
流域面積    111.9 km²
湛水面積    27.0 ha
総貯水容量    1,288,000 m³ 有効貯水容量    664,000 m³
着手年/竣工年    1939年/1941年
取水:王滝川[御岳発電所(34.34m3/s)]783.0m 送水:常盤発電所(30.90m3/s)


牧尾ダム[wiki] [水力][便覧(現)][便覧(元)
(独法)水資源機構
河川     木曾川水系王滝川
目的/型式     AWIP →AWI:愛知用水 P:三 尾発電所 /ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     105m/264m/2615千m3
流域面積/湛水面積     304km2 ( 直接:73km2 間接:231km2 ) /247ha →新旧ともに同じ数字であるが,新では間接領域の表示が消えた。御岳発電所の牧尾ダム上流の取水領 域を間接領域としていた様に思える。
ダム事業者:着工時/現在     愛知用水公団/ 水資源機構水路事業部
本体:着手/竣工     1957/1961
更新:着手/竣工     1981/2006
総貯水容量    7,500.0万m3
有効貯水容量    6,800.0万m3(貯留量)
取水量:30m3/s
    堤頂標高:885.0m
     満水位標高:880.0m
     低水位標高:832.0m
      河床標高:804.0m
    基礎岩盤標高:780.5m

~本洞川~

またこっちにももう一つダムを造るなら西野川ダムから常盤ダムへ落として発電する代わりに一旦こっちでも発電してもええ。ダムも発電所もこの場合(名前だ け変えて)西野川第一・第二や。西野川第二ダムには導水もすればええ。
ただ[私案]西野川発電所で本洞川まで取水していくと何処迄効率的かは疑問。




~小川(上松)~
現在寝覚で取水している流域面積:77lm2もあるのに調べて見ると3.90m3/sしかない。


875m地点での小川の流域面積。61.3km2。6.0m3/s程度は行けそう。

此処から寝覚発電所や木曽ダムに向けて発電しても良いけど渇水に 悩むことも ある牧尾ダムに送って,三尾発電所木曽発電所の増強に使った 方が良さそう。
三尾発電所はダイレクトに通過水量が増える。木曽発電所は今でも運開時に寝覚発電所小川取水堰堤からの導水管を分岐させて支導水路を繋げたので取水はして いるが,貯水池を経由して飼い慣らした水は確実に稼働率を上げ得る。
これは三尾PSそして木曽D以下にある全発電所に云えることである。上流部の水量安定化は物凄い波及効果(外部経済)を生むのである。導水距離は約5km

この後,現在の寝覚発電所小川取水口の専任の流域面積は16km2,取水量は高々1.6m3/s程度に激減すると思うけど取れる時は取れば良いし牧尾に経 由させる事で水量の安定化に寄与する筈であるので其処は其れで好しとす る。
小川取水分の水量3.90m3/sは既に木曽発電所で取れるように措置されているしその分木曽ダムから寝覚へのピーク発電量の送水で措置できるようされて いる(ここらの推論参 照)のでまあ。それ程心配は要らなかろう。

またこの61.3km2であるが,最上流部は鯎川へ導水して発電すると良 さそう。その水は基本的に御岳発電所・常盤ダム・常盤発電所を経由して木曽ダムへ流れ込むので基本何処(の発電所)にも迷惑は掛からない。牧尾ダム・三尾 発電所の水量は減るが元々無かった導水であるし小川・牧尾導水を建設する際にはそれを考慮にしておけばよい。

さて,その鯎川導水を除いても未だ膨大な領域が眠っている。200~300m程度の落差を取って発電してみたい所である。
EL.1100mで流域は24.8km。

有効落差は215m程で水量が2.8m3/s程とすると5,000kWと云った所。

[私案]小川発電所
出力:5,300kW[+5.3MW]
水量:3.0m3/s[121%]
落差:215m
流域:24.8km2
導水:8.78km
取水:黒 沢赤 沢(赤 沢西谷・仮) 1100m
放水:小川[小川堰堤]875m


常盤ダム

常盤発電所

三尾発電所

木曽ダム

寝覚発電所(こちら)


木曽発電所

読書ダム