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天竜川中流域 ( 佐 久間周辺増強周 辺逍遙] 秋葉発電所 船 明発電所  新豊根発電所 水 窪発電所 )
23.06.03運開
大千瀬川支流相川の電源開発と豊川用水佐久間導水
0.佐久間導水概念図 1.開発案(奈根川補水案相川ダム案) 2.現地光景 3.開発後概念図 4.宇連ダム・大野頭首工・豊川用水(別頁)

0.佐久間導水概念図   

平面図

佐久間導水の詳しい運用条件は以下のブログにあり。

にわひろあきブログ

佐久間ダムは、水力発電のためのダムですので
佐久間ダムから水をもらうにも
一定の条件があります。

まず、水がもらえる期間があります。

5月6日~9月20日の間だけです。
(9月21日~5月5日までの間は、宇連ダムが空になっても水はもらえません)

そして、もらえる水量も
その期間内での上限が
5,000万㎥までと決められています。
それ以上は、もらえません。

そして、宇連ダムの貯水量によって
佐久間ダムから水がもらえるかどうかも決まっています。

まず、
5月6日~5月31日 の間は、宇連ダムの貯水量が0%になると佐久間ダムから水がもらえます。

6月1日~6月30日までの間は、宇連ダムの貯水量が、1,400万㎥以下になると水がもらえます。
以下同様に、
7月1日~31日の間は、2,500万㎥以下
8月1日~5日の間は、1,000万㎥以下
8月6日~10日の間は、800万㎥以下
8月11日~15日の間は、600万㎥以下
8月16日~20日の間は、400万㎥以下
8月21日~31日の間は、200万㎥以下
9月1日~20日の間は、200万㎥以下

そして、その期間内で
最大5,000万㎥までです。


1.開発案    

1-1 佐久間導水相川補水    
佐久間導水の途中で相川から補水出来る。

残念ながらこちらは貯水は出来ない。振草への導水★★と併せて大入の水を立て 替えて新豊根・佐久間・佐久間第二の発電量を増やす方向になるだろう。
また奈根川から取水すると相川をメインとした発電は無理になりそう。大入頭首工の水を新豊根・佐久間で発電する為の水確保とどっちが効率的かで決まってこ よう。

矢張り以下で見る相川ダム建設で貯めておくのが良さそう♪

1-2.相川ダム     
上流にダムを建設して相川上流域と更に大千瀬川から取水し て佐久間川合EL.135m辺りへ向けて水を落として発電を試みる。飯田線との交叉や聚 落の水没も勘案して満 水位EL.210mでここにダム建設。この相川ダ ムが210m程で出来ると豊 川用水の佐久間導水分を相川ダムから一部建て替えで送水することでより落差の高い佐久間の水を温存出来る様になる。(勿論流域小さな相川だ から限界あるけど。。)また治水に使えば浦川地点での計画高水の基準が緩くなってその分新豊根に貯められる水も増えるかもしれない。

相川ダムからの発電の流域は60km2程度である。

大千瀬川本流の振草頭首工以下の流域を 加えるとほぼ100km2にある。

但し
足込川・柿野川の16.1km2程度は宇連ダムへ導水が濃厚である。

詰まり大千瀬川からの導水は 40km2から24km2程に減る。なしでも良さそうか?
一方で,大千瀬川流域の佐久間引水★★を止めてこちら への導水とすることも考えられる。


相川ダムから大千瀬川迄の導水路の建設を所与とすると相川ダムへ持って行く方が効率的である。勿論,佐久間ダムへ持って行く方が落差は取れるが,相川ダム へ持って行く分,大入頭首工で取水される水をこっちに持ってこれると考えると寧ろ相川ダムへ持って行った方が有利っぽい。
河川名(取水地)
導水先
導水距離 面積 導水効率 取水位
東薗目川・大入川 佐久間ダム
5.0km 17.0km2 3.4
EL.260m
東 薗目川大 入川 相川ダム(大千瀬川堰堤) 3.5km 20.1km2 5.7
EL.210m
東 薗目川 相川ダム(大千瀬川堰堤)
2.0km
7.4km2
3.7
EL.210m
大入川
佐久間ダム
2.3km
9.1km2
4.0
EL.260m
大千瀬川
相川ダム
2.8km
24km2
8.5
EL.210m
大千瀬川・東 薗目川大 入川 相川ダム
6.3km
44km2
7.0
EL.210m
最初は振草頭首工の所迄伸ばしていた佐久間引水,縮小に次ぐ縮小で遂に無しに!相川ダム(造るなら)への導水の方が優先だな~。

飯田線との交叉や聚 落の水没も勘案して満 水位EL.210mでここにダム建設(相川ダム or浦川ダム)。この相川ダム(仮称)が210m程で出来ると豊川用水佐久間導水路を交叉するが, ここを豊 川用水の佐久間導水分を相川ダムから一部建て替えで送水することで佐久間ダムの水を温存出来るたり,大入頭首工で取水する代わり新豊根で発電してその後佐 久間導水でここ迄運んで宇連ダムの代わりに水を貯めることで大入分の水を発電に使える様になる。
更に佐久間ダム(HWL260m)と相川ダ ム(HWL210m)の落差を利用して発電とか出来ちゃったりすると佐久間ダム→佐久間発電所→佐久間第二発電 所→秋葉ダムに次ぐ第二のルートとして佐久間ダム─(佐久間導水)→相川発電所・相川ダム→佐久間川合発電所→西渡ダム(佐久間第二ダム)→佐久間第三発 電所(西渡第二発電所)→秋葉ダムという第二のルートが形成されることになる。後付け無理かなぁ。。佐久間ダムでの佐久間導水の取水点が結構低い様なので その辺がどう効くのかが良く解らないのだが。。取水塔を改造して満水位で発電出来る時は250m付近からの40m程の水量を利用出来る感じにしておくとそ こそこ良さそうな感じもある。こ の画像の場所に行きたい[アメブロ] トンネルの途中から展望台に行けてそこにあるのかな??豊川用水の利水 標もぶっれぶれだし,分地峠の入口もちゃんと撮れてないしまた行くか ねぇ。。

さてこの計画の中心となるのは勿論相川ダムである。
満水位210mでダム領域を描くとこんな感じになる。湛水面積は28.2ha堤高は約40mって所である。

肝心の有効貯水量であるけど,有峰にある堤高37m・湛水面積7haの小俣ダ ムが有効V=58.7万m3である。大井川にある 堤高33.5m・湛水面積13haの大 井川ダムが有効V=50.3万m3である。
エース木 曽ダムは堤高35.2m・湛水面積42haで有効 V=184万m3である。い ず れもジャンクションとして良い味だしてるダムどもであるが,こちらも良い仕事してくれそうである。
計算してみると利用水深20mでV=約530万m3取れ た。湛水面積が広い分そこそこ水は貯められそうである。

佐久間ダムとの水位差が40m程あるが 14m3/sで発 電したりすると4,200kW程の可能性があるけど後付けで発電出来る様な水路構造になっているかどうかは不明。少なくとも上部水槽みたいなのはないし サージタンク位後補で対応できるんかねえ?

飯田線には掛からないようにと思ったけど相 川第二橋梁奥 山川橋梁間[橋梁名は『日本鉄道名所4 東海道線』1986小学館より=画像準備中]は付け替えを余儀なくされそうである。(一寸(ちょっと)だけ山側にずらせば良い。一寸で良いから安上がり と云う事はないんだけど。。)

発電所は以下の様に成る

[私案]佐久間第三発電所or相川発電所
出力:4,600kW[+4.6MW]
水量:10m3/s→現在大入頭首工5m3/sと佐久間導水14m3/s(何れも限定的な通水)に加えて佐久間ダムの余剰水を貯める形で導水
落差:55m
取水:天竜川[佐久間ダム]260m
放水:相川[相川ダム]210m

[私案A]佐久間川合発電所=西渡ダムを建設する場合
出力:4,400kW
水量:8m3/s
落差:65m
取水:相川[相川ダム]210m
放水:大千瀬川・天竜川[西渡ダム]140m

[私案B]佐久間川合発電所=西渡ダムを建設する場合
出力:4,400kW
水量:8m3/s
落差:65m
取水:相川[相川ダム]210m
放水:大千瀬川・天竜川[西渡ダム]140m


2.沿川風景~相川~

~相川~
この計画の妥当性を確認兼ねて現地入りしてみた(22.3)
豊川用水佐久間導水の相川水路橋(仮称)は,グー グルで見る限り剥き出しのコンクリート製水路橋の様である。恰度(こちらが勝手に想定した)満水位辺りに通っているので洪水時に上流から流れてき た材木などに破潰されないか 心配である。
付け替え一択の鉄道と違ってこういう場合どうするのか素人の私は知らないけど相川ダムで一旦送水を中継して,豊川が渇水且つ相川ダムの水流が豊かな場合 (そんな都合の良い事態が起こるかは不明w)は相川ダムからの水で建 て替えすればより標高の高い佐久間ダムの水は発電に使えて有利である。

こ こら(r1の相川渡河部)[地理院]左 岸側の数軒(特に川側)[G]は立ち退きが必要になりそう。


掛川への帰省の帰りに相川に寄ってみる。大島川大島ダムを見てからR151で東 栄に至りR151からのr9天竜東栄線の分岐の三角形部分。
22.3

直ぐにr1 飯田冨山佐久間線との分岐がある。と云うかこっちが直進。実はこの写真,県境の川,相川の橋付近から撮影したもの。
r9の行き先に熊Kumaとあるが,地元ではくんまKummaと呼んでる事を知っている。我が掛川の公称粟ヶ岳(あわがたけ)が実際はあわんたけと呼ぶ向 きもあるのと同じであろう。鶴舞(つるみゃ~)をつるまと堂々と書く名古屋を見倣って欲しいものである。

利水メインのこのコンテンツなのにそちらは取り忘れの失態。。orz
とはいえ2分後に川の写真は撮っている。こんな感じ。こ こら

川面アップ。水量は,まあ少ない。。3月末の雪の降らない東海地方は乾期である。

暫く行くと豊川用水の佐久間導水路の水路橋が見えてくる。結構混凝土も白くて真新しい??

良く覚えてないが,今写真を見ると裏は結構汚れている。北側で陽の当たりが悪いとこんな違いが出るのかな?

桜が植わっていてゴミや汚物を捨てないで下さいとの看板もあり,公園として元々整備されたのかもしれない。阿木川ダムの堰堤下のスペース(叢の向こうにテ ニスコートとかがあった。)もその内こんな感じになるのかも。こちらの方が未だ雑草の類は少ないが草刈りで保たれてるのか季節のせいなのかは判らない。

オフシーズンなので水は流れていなかった。この大きさで最大14m3/sを 通せるのか~。

豊川用水佐久間導水路4号トンネルとある。佐久間ダム-)---(-大千瀬川-)---(-相川-)---(-豊川最上流(亀淵川支流)かと思ってたけど 数字が一個ズレてる。調べて見ると佐 久間ダムと大千瀬川の間に一箇所明かり区間が存在していた。

個人的には出馬当たりに満水位200m程度のダムを建設して大千瀬川辺りから導水,中部天竜辺りで発電したいと思ってるけど,この水路橋が恰度200m程 度で邪魔になりそうではある。。
大千瀬川はもっと低い標高で渡ってるけどあっちはサイフォンと思われる。
寧ろこいつを利用して発電力のある佐久間ダムの代わりに大千瀬や相川の水を豊川に送るってのもありだし,大千瀬川から出馬ダムへの送水にこの水路を活用し ても良いかもとも思う。

相川の先から水路橋を振り返る。こいつがダム湖に水没してても耐久性とか大丈夫やろか?必要に応じてここもサイフォンに改造,更には必要に応じて此処に取 水施設を建設しても良いかも。
期待の設楽ダムが出来れば佐久間導水へ頼る事もなくなるのであろうか?それとも権利として要求する?宇連ダムの残水量とか色々条件あったけど,勿論設楽ダ ムの容量とかも付け加えるのであろうけどよっぽどの緊急時以外は不要になって此処をサイフォンに作り替える程の投資は無駄になりそうな気もするが。。。

この川沿いの道,r9の旧道みたいな顔してるけどストビュウにも相手にされて無く(入口は此 処)て,この後,脇に反れて奥山川を遡り,グーグルのストビュウだとこ こに出るようだ。深造方面ってのがこの川の上流か?地 理院だとなんと橋が無い!
地理院を信じてしまうと白倉峡の方へ更に道無き道を進むしか無さそうだが,ストビューよりr9へ出て西鹿島の方へ流れる阿多古川の最深部熊(くんま)の里 方面に至る方が簡単そうである。
私も深追いを避けて適当に転回して戻ってきた。

ダムの建設想定地はこの辺。もしくは更に下流の出馬 川との合流部付近か。出馬川との合流部付近ではちょっと人家がありすぎかな,,
出馬川取水点の標高は高めにとって,出馬川の取水の相川ダムから発電所への導水路との合流部迄はなるべく水平にして出馬川の水量が豊富で相川ダムの貯水量 が乏しい場合には出馬川から相川ダムに貯水出来る構造にしておくと良さそう♪十 和田発 電所の渓流の取水口と十和田湖の関係がそうなっている。


因みに,相川ダムを渇水時対策に使いたいのであれば成るべく低水位からも取水出来る様にしたい。
相川ダムの利用水深は20mを想定したので最低水位は190m程。ここで取水すると現在の亀渕川の放水位は196m程なので放水不可能。
今は相川を水路橋で渡っているので開水路と思われるがこれを後から圧力トンネルに変えれるんだっけ??上松PSとかでは戦時中の運開で,後からコンクリー トで巻立てたりしてたけどそれを機会に変えてたかは不明。読書はなんかダム建設後圧力トンネルかしたような記憶が。
兎も角圧力トンネル化して,今の場所からあと数百m延長して亀 淵川との合流点直下辺りEL.186mに放流点を移設することで逆サイフォンを形成する。こうして最低限の投資で相川ダムをフル活用出来そうな感 じがする。

3.開発後概念図      
最後に開発後の概念図を載せておく。(マウスオーバーで現行概念図)


この後,大千瀬川本流にダムの建設を検討すると可成り大きめの貯留量を取れ そうなことが判明♪
そっちをメインとすると当然こっちにも二重投資する訳にも行かない。こっちには取水してそちらに送るダムを検討。このぐらいの小ささになった。


相川ダム(小)
有効貯水量:V=220万m3
直接流域:28.6km2
湛水面積:13.8ha
満水位:EL.220m
利用水深:20m
堤頂長:170m
堤高:30m程度?
川面:196m

まあどっちにしても妄想度は高めだと認めざる得ないけど,大入頭首工で 取水してる5m3/s(推定年間5000万トン程度・取水量ではなく瞬間水量 で決めてる様ではある)を新豊根と佐久間第三PS(仮)で,豊川用水佐久間導水で導水する14m3/s・夏場の半年間で最大5000万トンを佐久間第三 PS(仮)で発電に使えるとそこそこいいんじゃないかなあ。。

大入頭首工分5000万トンは新豊根PS(1,125MW・ 646m3/s)の使用水量21.5h分であるから24.2GWhの発電が可能である。税込27円 /kWh(※公益社団法人 全国家庭電気製品公正取引協議会 新電力料金目安単価)とすると27,000,000円/GWh(2,700万円)な ので年間5億8000万円である。また佐久間第三で佐久間ダム250mで取水,大千瀬ダム210mで発電するとすると4.4GWhとなる。ただ近年,宇連 ダムに小水力発電が完備されたそうなのでその分の発電力は減ってしまう。

佐久間導水の方は結構条件が厳しいからまあ毎年どの程度と期待出来る感じでも無 さそうである。