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大井川水系大井川発電所関 連設備

大井川発電所は上流,駿河徳山~千頭間にある発電所である。その水甕はアプトいちしろ駅付近の大井川ダムと寸又川ダムであり,鉄道マニア的にはもう千頭の先の井川線の走ってる超奥地の源流付近…と云いたくも成るけど,ダムマニア的には未だ未だ中流域,その先には未だ未だ井川も畑薙も二軒茶屋(取水口の標高1700m!)迄あるぞ,ってなもんである。

先ず水源は大井川ダムと寸又川ダムである。周辺地図は以下の如し。
それぞれ水辺に更に奥地の奥泉ダムと大間ダムからの送水で発電する奥泉発電所と大間発電所が立地し有効貯水量用も同じくらいのよく似た兄弟ダムである。
出典:国土地理院

大井川ダム(大井川)[水 力.com]
    1936年竣工,貯水量:総量:78.8万立米・有効:50.3万立米
なんでこんな色々ダムあるのに此処が大井川ダム(に大井川発電所)なんだと思うけどよく考えると大井川本流に出来た初めての本格的なダム(堰堤みたいなのじゃなく)と云うことらしい。

お 盆期間ってのもあるのか割りと満々と水を湛えた大井川ダム湖。右手に見えるのは奥泉発電所。ダムそのものは(戦前派の古いせいもあるのか)それ程でかい訳 でも無くて,こんなものなの?と拍子抜けの部分もあるが,堰堤高を倍にしたりするとアプトいちしろ駅も奥泉発電所も水没しそう。。
寧ろ長島ダムの貯水を一部発電に利用する事は可能な気もするが。
20.8

寸又川ダム(寸又川)[水 力.com]
   1936年竣工,貯水量:総量:98.7万立米・有効:52.2万立米

横沢川第二ダム[便覧][場所
中部電力(株)
目的:発電
流域面積/湛水面積    9.3km2 ( 全て直接流域 ) /1ha
総貯水容量/有効貯水容量    72千m3/61千m3

 機能的には池も狭いし堰堤的(取水口)に見えるがダム(堰堤高15m以上)のようである。

横沢第一堰堤[google][これ?][土木学会画像

国交省作成の概念図では更に200m程上流に横沢川第一堰堤があるようだが,機 能は不明。
『週末はダムに居るかもね♪』も不明と書いている。大水の時には貯めとく感じ?

大井川発電所
 1936年運開。水車:立軸フランシス水車×3台 総出力70500kW(…23.5MW*3か)。ダム水路式・調整池式,出力:認可最大: 68.2MW・常時:28.8MW,使用水量:最大:72.53m3/s・常時:28.89m3/s,有効落差:112.73m[水 力.com] 設備利用率:73.0%(2015年実績)[静岡県]   

県道と交叉する大井川発電所の鉄管。水車が3台あるがそれに併せてか鉄管も3本体制である。このくらいの大きさで一本当たり最大24.18m3/s程流せると云うことかな。(参考迄に56.0m3/s×1の西勝原第三の鉄管はこちら。)

発電所建屋。

発電所から下流方面は川も満々と水を湛えているが,大井川発電所直下に取水口がある。ここから久 野脇発電所に向けて送水される。地図で見ると満々とって印象だったのは川の弯曲で淵になってただけで放水はほぼ囲い込まれてそのまま久野脇に向かうようだ。

元々はダム建設で木材運搬に支障を来すので此処迄線路を引いて此処からは再び材木を流したそうな。トンネルは鉄道規格で矢鱈背は高いものの横幅は狭くて一寸不気味な印象だった(現地ではその情報は知らなかった)けどそういう事情だった様だ。


水量検討
大井川発電所とそれに送水する大間発電所・ダムと奥泉発電所・ダムを此処では検討する。寸又川ダムと大井川ダムが兄弟ダムだとすると奥泉と大間は从兄弟(いとこ)同士である。
水量的には大間・奥泉から83.10流入し大井川の使用は72.53m3/sなので10.53m/s程オーバーフローすることになる。
発電所の稼働率は奥泉はなんとかって所だが大間はやや低め。水量も逸失は貯水量では勝ってる大間で目立つ。これは上流に畑薙・井川・長島という巨大水甕が あるかどうかの違いが大きそうである。面積当たりの水量も奥泉の方が随分高いので雨量が本流筋のほうが多いのかも知れないけど。

大井川ダムも寸又川ダムもそれ程大きい訳では無いものの,まあ頑張っているようにも見える。
発電に使用した水がどちらのダム由来かを分けることが出来ないから正確には分からないけど使用水量16億トンに対して放水量は9億6千万トン。62%である。
例えば河川維持流量が5m3/sだとすると1カ月に1300万m3ぐらいは放流する必要があるが13百万m3を下回ってる月もあるからそんなに高くは無さ そうである。2m3とすると520万トン(5.2)だから下の表にある大井川ダムの下限に近い数字でこの辺が河川維持流量。それ以上がオーバーフローとい う事になる。

併し奥泉に目をやると印象が変わる。なんと水使用率はなんと84.6%。直ぐ上の井川と連動してるせいか可成り高い。一方で発電の設備稼働率の方は大井川よりはやや低め。出力92MWは伊達じゃない調整力電源である。

奥泉ダム
 有効貯水量:60.0万m3 水使用率:84.6% 面積:201.6km2 水量:14億m3  (6.96%)

奥泉発電所
 出力:92MW  稼働率:65.7% 水量60.00m3/s

大間ダム
 有効貯水量:74.1万m3 水使用率:53.5% 面積:510.6km2 水量7億1700万m3 (1.4%)

大間発電所
 稼働率:53.7% 水量:23.10m3/s

大井川・井川ダム合算
 有効貯水量: 102.5万m3 水利用率:62%
大井川発電所
稼働率:73% 水量:72.53m3/s
出典:静岡県

調整池式でそれ程大きな調整力を持っている訳ではないとは云え,大井川ダム・寸又川ダム両ダムの有効貯水量102.5万立米を活かして,設備利用率も高めの70%超。
まあほぼフル稼働と云って良いのではないか。



増強策
川口,更に久野脇の増強を考えたが本来は笹間川ダム(有効貯水量168万立米)境川ダム(同34.3万立米)の様な調整池 では不十分である。ここに更に寸又川ダム(同52.2万立米)大井川ダム(同50.3万)と大きめのダム2つを背景にする大井川発電所があ る。とは言え二つ併せても笹間川には叶わない100万立米程度ではある。。奥泉ダムの調整池を含めて364.8万立米程。奥地迄計算に入れないとなかな か。と云う事でダムを持ち調整や貯水可能な発電所の一覧である。

大井川の調整力を持つ発電所とダム群
発電所名 水車
出力(MW) 水量(m3/s) 妄想最大(増分) ダム名 河川名 有効貯水量
(万立米)
最大 常時 最大 常時 出力(MW) 水量(m3/s)
赤石 1 40.5 0.0 28.00 0.00?

赤石 赤石沢(大井川源流) 120.0
畑薙第二 2 85.0 14.7 60.00 12.12

畑薙第二 大井川源流 360.0
●井川 2 62.0 13.0 80.00 ?? 93.0(+31.0)※2 120.0(+40) 井川 大井川源流 1億205
湯山 2 22.2 3.4 18.92 3.43

千頭 寸又川 434.9
大間 1 16.5 0.38 23.10 ??

大間 寸又川 74.1
●奥泉 2 92.0 35.6 60.00 29.44 138.0(+46.0) 90(+30) 奥泉 大井川源流 60.0
●大井川 3 68.2 28.8 72.53 28.89 104.0(+37.8)※1 110.53(+39) 寸又川・大井川 寸又川・大井川源流 合計102.5
●久野脇 2 32.0 13.0 78.00 29.68 48.0(+24.0) 116.00(+39) 境川 大井川 34.3
●川口 2 58.0 19.3 90.00 30.53 87.0(+29.0) 135.00(+45) 笹間川 大井川 168


476.4 128.18





1億1558.8
井川湖1億205万立米を起点に井川,奥泉,大井川,久野脇,川口と増強するのが良いかな??
※1…久野脇と川口の水車2台 を1台増設して3台に場合,大井川だけは現行3台なのでどうするかってのがある。今1台辺り24.17m3/s使って22.7MW発電している。一台増設 しても39m3/s使い切るには違う発電力の水車を増設する必要がある。大体同じ水車が並んでるイメージなんだけど違う出力並んでても不都合はないの か??もし更新時期が来た順に三台とも置き換えて徐々に移行していくと云う事だと3台とも更新が終わった後には104MW程になる。更新中はフルで水を使 えなくなるけど。。
※2…井川は最大80m3/s使う様だけどその下流の奥泉は最大60m3/sであり差は奥泉ダム湖に貯めると云う寸法らしい。 詰まり永続的に最大で運転は原理的に出来ない(無駄に水を捨てない限り)と云う事らしい。最大出力での運転は時間的に制約されそうである。勿論奥泉ダムの 有効貯水量60万立米の範囲内で,ということになりそうである。

と云う事で次回は奥泉と井川