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神通川水系宮川の水力発電 宮川主要部・小鳥川篇①[→②支流・上流篇](20.11彷徨)(23.7駆け足)

1.流域の年降水 量 2. 神通川 (神一・神二・神三潅漑用水 [神共水路]) 3. 高原川(跡津川金木戸川・有峰引水) 4. 宮川(4-1.宮川・下小鳥川/4-2.小 八賀川) 5.井田川水系(左岸圏 域) 6. 牛ヶ首用水 7.熊野川  8. 長棟川

【発電所系列】
(宮川上流→[小鳥川:源流部開発(15.3MW)下小鳥ダム(河 川維持流量発電所)[下 小鳥ダム増強]下小鳥発電所)・角川発電所・坂上ダム・新坂上発電所[新設!]・坂上発電所・打保ダム→新 打保発電所[新 設!]・打保発電所・蟹寺堰堤→蟹寺発電所→(高原川・神一ダム・神通川)

<沿川模式図>

出典:国 交省

【概況】
宮川は神通川の二大本流の一つである。猪谷付近から左岸へ合流する。もう一つは高原川である。
神通川の水利権は北陸電力が持って居るがア宮 川は関電が水利権を持っており蟹寺~角川は宮川上に,下小鳥はその宮川支流小鳥川上にある。
更 に宮川の支流の小八賀川は中 部電力が 水利権を保有している模様。
水量的な本線系統は関電の開発した宮川から下小鳥川って感じである。
宮川そのものは宮川町落合・河合町角川付近(どちらも川の合流点を示す地名である)で小鳥(おどり)川と宮川に岐れるが,小鳥川が木曽川に対する王滝川的 存在である(規模は劣るが)。
下小鳥発電所の放水方法がいまいち解らなかったのでまずはそこの調査から始めた(無事解決・→顛末はこち らから)
その小鳥川には有効貯水 量一億トンに迫る下小鳥ダムあって,こいつが木曽川(王滝川)の三浦ダ ム,飛騨川(益田川)の朝日・秋神ダムと同様の役割を果た しており,年間を通して 大きく流量の安定と水の有効活用に役に立っているものと思われる。
一方,小鳥川合流前の宮川上流は

【降水量と開発余地】
水域面積:1,159km2[岐 阜県
降水量:多めなのは小鳥(おどり)川[下小鳥ダム]m少なめは大八賀(だいはちが)川[白線流し・大 島ダム]。上流は多雨に掛かるが途中は少なめなのは小 八賀(こはちが)川[高山市水道]), 
貯水池・既設・下小鳥ダム(流域面積185.7km2 ( 直接:161.7km2 間接:24km2 )・有効貯水量9,495.8万m3)[便覧

既設の上小鳥ダムはもっと徹底的に有効活用したいところであるし,宮川上流は割りと未開発で

左図は下小鳥・角川・坂上付近拡大図(より正確)

出典:北 陸地方整備局


下小鳥のピーク的電源142MWは65m3/sの大量の水を有効落差251m下の宮川付近に叩き込む事で発生させている。
角川発電所も派手さは無いが着実に下小鳥川にまで取水先を拡げて80m3/sの使用水量を確保している。ここで合計145m3/sの最大水 量が発生する。
ところがその後が頂けない。坂上・打保・蟹寺と全て 40m3/sちょいなのである。いずれも小さな打保ダム・坂上ダム・角川ダムで合計299.6万m3の貯水 量があってピーク時には一様にこれらの貯水率が低下してて上から水が降ってきても分担して受け止め可能という事か?
ピーク電源は下流で逆調整池つくって打ち止めがセオリーだけど,宮川の場合はそのまま神通川の三連発に 続ける事ができるのである。高原側には新猪谷ダム(V=141万m3)がちゃ んとあって猪谷発電所に加えて新猪谷発電所迄増設されて神通川三連発を4連発にすることに成功している。ここは大きな宮川の課題である。
先ずは角川発電所の81m3/sを坂上で受け止める為にここに一箇所発電所を設置するか坂上発電所を増強するかしたい。
→と思って巨大な発電所構想を練っていたら関電の野郎,先手を 打ちやがった!(笑)
打保と坂上に平行して新打保と新坂上を建設使用というのである!詳細は下。 ダム式に近い,有効落差の小さい発電所を建設してピーク電源に備えようと云う訳である。勿論歓迎ではあるし,多分水量などを勘案して最適な規模なんだろう け ど無駄になる落差もあるしちょっと歯痒い。

新規開発
2020 年6月10 日
関西電力株式会社
新坂上(しんさかがみ)発電所(仮称)および新打保(しんうつぼ)発電所(仮称)の新設について
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2020/0610_1j.html
出典:関電(pdf)

 当社は、この度、岐阜県飛騨市宮川町に当社が所有する坂上ダムおよび打保ダムにおいて、それぞれのダム直下に 「新坂上発電所(仮称)および新打保発電所 (仮称)」を新設することとしました。

 本計画は、水資源が豊富な坂上ダムおよび打保ダムの水を有効活用するものであり、両発電所あわせて最大出力9,240kWの発電所を新設するものです。

 新坂上発電所(仮称)は2021年3月着工、2024年8月の運転開始、新打保発電所(仮称)は2021年8月着工、2025年2月の運転開始を目指 し、関係当局のご指導と地域の方々のご理解を賜りながら、安全を最優先に建設を進めてまいります。

 当社グループは、「低炭素」のリーディングカンパニーとして、2030年代に国内外で再生可能エネルギー電源の設備容量600万kWを目標に、200万 kW以上の新規開発に取り組んでおり、今後も引き続き、地域の皆さまのご理解を賜りながら、再生可能エネルギーの普及・拡大に貢献してまいります。

【参 考: 新坂上発電所(仮称)・新打保発電所(仮称)の概要】

新 坂上発電所(仮称) 新 打保発電所(仮称) 合計
所 在地 岐 阜県飛騨市宮川町 岐 阜県飛騨市宮川町
水 系・河川名 神 通川水系 宮川 神 通川水系 宮川
発 電所形式 ダ ム式 ダ ム式
最 大出力 4, 300kW 4, 940kW 9.240kW
発 電電力量 1, 300万kWh/年 1, 600万kWh/年
最 大使用水量 30. 0m3/s 33. 3m3/s
有 効落差 16. 4m 17. 2m
CO2削減量 約 6,000t/年 約 7,400t/年 約13,500t/ 年
以上


坂上は既存発電所と新設発電所に大して落差に差がな いから使い切れてるけど打保は50m程無駄に流して いるし蟹寺なんかそもそも今回の増強に含まれなかった。と云う頃で①新打保PS放流位の380mから 蟹寺放水位=神三取水位の180m迄の200mに少なくとも20m3/sの開発余地があるし,なんなら未だ下小鳥・角川の合計 145m3/sに対して70m3/s程度しか対処出来て無くてもう②最大70m3/s程水を捨てる可 能性が残っているということである。下小鳥がフル稼働するとその下で使い切れないのが増強後でも現状なのである。勿体ない。
→更には坂上・新打保が出来ても新蟹寺に相当するやつがない。どうもダム挟んでの高低差がないからっぽいが。。。

この辺も尚残る大きな課題である。個人的には出来れば万波なんかと絡めて,小豆沢辺りにダムと発電所を 考えて居る。
個人的には既存発電所に平行するぐらいの巨大なやちを作ってあげる計画だったので大部規模が減ってしまうがまあしゃーない。。

またややこしいが打保発電所の有る場所が打保で打保ダムがある所は全然打保では無く寧ろ坂上であるのに打保発電所用のダムだから打保ダムになってしまっ て,それに付随して新発電所を作るから新打保が坂上に出来る事になってしまった。
この辺は小俣ダムや殿田発電所と合川ダムや飛騨川など他所でも散々目にするのでしゃーなくはある,,


【沿川風景】

<神通川>

神一ダム[→神一(神通川)

(高原川合流)[→高原川

<宮川>

蟹寺発電所は認可出力51,000kW[51MW]で、1925年運転開始当時は日本最大出力だったそう な[ダム 湖の風 景]

蟹寺発電所[水力
運開:1925.8[日本電力(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:51000kW      常時出力:17100kW
最大使用水量:43.60立方メートル毎秒
 有効落差:133.95m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力59200kW
    導水路:総延長13031.8m
    流域面積:1137.3平方キロメートル
    取水:宮川[打保発電所蟹寺取水堰]325.45m
    放水:宮川181.60m


小豆沢付近




~洞谷~


蟹寺取水堰
堤高:?
流域:1,137.3km2
取水:宮川[打保発電所(42.0m3/s)]325.0m
送水:蟹寺発電所(43.6m3/s)325.45m

打保も坂上も角川もダムと呼称されてるのにここは名前がない。取水堰ところか取水口レベルかも知れぬ。 地 図でもそんな感じが窺われる。

落差がなくて新蟹寺発電所は建設されなかったと現時点で判断してるけど万波開発と併せ てもう一寸下 流域(小 豆沢付近277m)から取水して発電所建設を構想(妄想)中。詳細はこちら

将来的には未利用で残される新打保発電所放流水(EL380m)を取水して小豆沢付近で発電する発電所を建設した い。

さて,23.7駆け足で見て回った。近づくと堰堤が見えて来た♪

アップ

越流タイプである。
予想通り,堤高の低い堰堤である。

ここの池(沈砂池?)

水門[場 所] 水量は豊富であった。


堰堤から水路が延びて居る[場 所


堰付近[地 図]は近づけなかった。。

関西電力(株) 打保発電所[水力
岐阜県飛騨市宮川町打保
    昭和29(1954)年2月:運用開始
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:24,300kW      常時出力:11,600kW
    最大使用水量:42.00m3/s
    有効落差:69.10m
    水車:立軸フランシス水車 出力27000kW×1台
    導水路:総延長5118.8m
    流域面積:1052.5平方キロメートル
    取水:宮川[打保ダム] 402.50m
    放水:宮川325.00m





(仮)新打保発電所[関電
岐 阜県飛騨市宮川町
最大出力:4,940kW
発電電力量:1,600万kWh/年(16GWh/Y)
最大使用水量:33.3m3/s
有効落差:17.2m
取水位:宮川[打保ダム]402.50m
放水位:宮川380m程度(こ の辺と思われる)
2021年8月着工、2025年2月の運転開始予定




打保(うつぼ)ダム[水力
昭和27(1952)年:着手    昭和28(1953)年:竣工
堤高:25.5m、堤頂長:155.7m
総貯水容量:452.4万m3    有効貯水容量:168.5万m3
集水面積:1052.5 平方キロメートル    湛水面積:  0.53平方キロメートル



関西電力(株) 坂上発電所[水力]
運開:1954.2 →意外に新しかった。。
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:8,600kW      常時出力:4,000kW
    最大使用水量:41.00m3/s
    有効落差:24.80m
    水車:出力10000kW×1台
    導水路:総延長1417.9m、主要導水路 圧力トンネル 口径4.50m、延長1417.9m
    流域面積:1022.5平方キロメートル
    取水:宮川[坂上ダム]429.50m
    放水:宮川[打保ダム]402.10m


坂上(さかがみ)ダム[水力]
昭和27(1952)年:着手    昭和28(1953)年:竣工
堤高:23.5m、堤頂長:100m
総貯水容量:183.9万m3   有効貯水容量: 85.3万m3
集水面積:1022.9 平方キロメートル    湛水面積:  0.32平方キロメートル
取水位:429.50m

下小鳥65m3/s+角川81m3/s→坂上41m3/sと此処で使用水量が半減どころか1/3減している。
有効貯水量は85.3万m3。最大146m3/sで流込み,最大41m3/s使えるので差の105m3/sが貯まって行く。
下小鳥川を糾合した下での坂上ダムの集水面積は1022.9kmもあるので坂上ダムの独自の水源(新たに加わる流域からの水)として100m3/s 程度は可能では無いか?
少なめに見積もってもあと40m3/sと倍増は出来そうである。

100m3/s程度,少なくとも40m3/s程度は使える筈!と思って居たら,関電から30m3/s程度を利用する発電所の計画が発表された!→私の予測 がそこそこ合ってた事が示されて(ダム式で有効落差がケチられたのは残念だけど)結構満足であ る。
また貯水量の少なめの坂上ダムに対して余り逸失落差無しに水を打保ダムに移せることにもなったので,坂上ダムに流れ込む角川と下小鳥両発電所の放流水 145m3/sを最大71m3/sで打保ダムに移すことが可能になった。
だいぶ柔軟に運用出来そうである。


(仮)新 坂上発電所[関 電
岐 阜県飛騨市宮川町
最大出力:4,300kW
発電電力量:1,300万kWh/年(13GWh/Y)
最大使用水量:30.0m3/s
有効落差:16.4m
2021年3月着工、2024年8月の運転開始予定
 



~森安谷~
坂上発電所増強・坂上ダム導水

このダムに更に導水増加を仕掛ける。森安谷からの導水で ある。坂上発電所及び新坂上発電所の稼働率向上にも資す事が出来るだろうし。(→まとめ)

上の図では態々坂上ダム迄導水を考えたが,まあ坂上発電所の上部水槽迄導水して増水時には坂上発電所の最大41m3/sの導水管を使って坂上ダムに送れば 良い。
その場合,導水距離は900m程度で良いので効率的である。普段は森安谷の水量に応じて坂上ダムからの取水量を調整すれば良い。






角川発電所[水力] [DB
関西電力(株)
運開:1955.4 →意外に新しかった。。
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:23,000kW      常時出力:4,500kW
最大使用水量:81.00m3/s
有効落差:33.15m
水車:2台 総出力26000kW
導水路:総延長1643.9m
流域面積:983.3km2
取水:宮 川[角川ダム]小 鳥川小鳥川取水堰堤(仮称)]、稲 越川稲越川取水堰堤(仮称)]467.00m
放水:宮川[坂上ダム]429.80m

対岸の国道沿いから見た角川発電所。巨大なタンクがあるけどなんだ??これが上 部水槽というかサージタンクか。ガントリークレーンっぽいのもなんなんだろう??
放水口は画面右手の下流方向にある。
20.11
角川駅の方から発電所を眺める。排水口がよく見える。
20.11
上の写真の川がからからは言い過ぎだけど水量が少ないのに対して最大81m3/sの水を放水後の宮川は頼もしい流れである。

勿論,角川は下小鳥よりも古いのだが,以外に新しく戦後派である。
また使用水量も81m3/sもあって流域面積983km2にもひけを取らないが,考えたら下小鳥が出来る前の小鳥川の水量で設定している可能性がある。
今は186km2分は下小鳥が使うのでまあ800km2分ってことか。


~小鳥(おどり)川~

宮川との分岐は宮川ダム湖のバックウォーター付近である。河合町の中心部も近く,河合町ってのは宮川と小鳥川の合流点のことなのであろう。

(稲越川分岐)

下小鳥発電所放水口[場 所


~稲越川~


関西電力(株) 下小鳥(しもことり)発電所[場 所(稲越川脇)][水力] [DB
運開:19173.5
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:142,000kW   常時出力:8,600kW
最大使用水量:65.00m3/s
有効落差:251.10m
水車:立軸フランシス水車 出力146000kW×1台 ※1
導水路:総延長8536.1m、主要導水路 圧力トンネル 口径4.70m、延長8283.3m
放水口:口径5.10m,総延長566.8m
流域面積:186.1km2※2
取水:小鳥川[下小鳥 ダム]702.00m
放水:小鳥川[坂上ダム]430.30m※3

※1 送電は下小鳥線が庄川の鳩谷へ275kV(27.5万V)で通じているようだ。(関電)

※2 便覧に拠ると下小鳥ダムの流域面積は間接流域込みで 185.7km2で0.4km2程広い。DBによれば取水工数は1とのことなのでどちらかの数字が間違っているっぽい。

※3  水力に も放流先が角川発電所となっているし,そもそも公的な国 交省も解りにくい図を載せ,国 土地理院迄放水路を描いて無くてすっかり騙されたが,放水口此 処らにある。我が混乱の顛末はこちら


下小鳥川でも宮川でもなく稲越(いなごえ)川沿いにある下小鳥発電所。地下式?のなにやら素っ気ない雰囲気の発電所は同じく関電の木曽発電所(1968運開・116.0MW)を思い出させる。
こちらは1973運開。似た様な時期である。規模も同じ様にデカい。この頃の標準的な開発思想なのであろう。立地してるのが川沿いでも立地場所では川との 関わり合いが無さそう(発電所からっぽい放水は一切無し)な点も似ている(木曽ダムは大桑発電所用の導水路から冷却水を取ってはいた。)。
20.11
ただこちらは水圧鉄管は剥き出しになっていたので発電所とは判る。(敷地内で地下に潜って居た。)
20.11

この下小鳥発電所の一寸上流には取水堰があった。これは角川発電所の取水施設であった。

角川発電所稲越川取水堰堤(仮称)
20.11

結局,下小鳥発電所の余水を何処に吐き出すか問題であるが,冒頭の地図に余水吐!?と書いたが角川の脇にでも排水するのかとも思ったが,実際にはそんなも のではなかった(ただの谷川)。また角川に放水となると小鳥川に流すという開発図の 記載にもは反する事になる。
詳細に航空写真を眺めると此処(小鳥川)に吐水口っぽいものがある様にも見える!?地図だと此 処。もう一度見に行かねば。。方向的にはぴったりではある。

冷静に考えてみると角川の放水位(429.8m)下小鳥の放水位(430m)と大差なくこれはほぼ坂 上ダムの取水位(429.50m)でもある(ほぼ)。
小鳥川の航空写真の吐水口っぽいものを現地で確認しないといけないけどまあ下小鳥の放水は角川では使わないという判断でOKであろう。


~二つ 屋谷・井谷~

R471が分岐していく。通行止めであった。wikiに 拠ると毎年冬季通行止めで春先から復旧工事を始めて開通すると程なく冬季通行止めとなり,また冬の間に災害でやられて春先から工事との。賽の河原みたいな ことを税金でやっているのである。
いつまで維持していくのかは要検討な気がする。この先に(神社のマークはあるけど)人家はないのだ。。[峠と旅]上流で水 発でもあるなら兎も角。。
20.11

さて,この二ツ屋・井両谷筋,なかなか奥深く,楢峠越 えた向こう側は室牧川(の上流,大長谷川)で電源開発もされている。

更に飛越県境付近では小板谷林道が分岐し万波川上流への位置口にもなっている様だ。国 境争いがあっ たらしい。楢峠からここまではほぼ富山県を流れる神通川の支流,井田川・山田川の系統なのに飛騨に編入されてしまっているようだ。万波の境界争いがあって 基本的に飛騨が勝ってる様子。

さて水力発電に関しても可能性がありそうであるが,既に利水・取水されてる気配(地 図空 撮で確認出来る堰の存在に加え,謎 の水路橋もあった)もピンピンとしていて,難しいのかも。
また思ったよりは面積も狭い。。:15.8km2
とは言え貪欲に取りに行きたい。この谷[15.8km2]での取水を角川PSまで送ろうとすると,稲越川取水堰付近から小鳥川から角川PSへの送水と合流 するので,既存の送水管の太さ次第では水量が過剰になりかねないけど,小鳥川上流でも稲 越川上流でも取水 して下小鳥ダムへ送水する計画(我が妄想・この場合その分[26km2]の水は下小鳥PS経由になるのでこの導水路の水量は減少する。)なので問 題はないだらう。

とはいえ,貴重な流域の多雨地帯なので活用したい。
堰でも作って色んな取水を一遍に済ませたい所。こ の橋,R360の旧道で既にほぼ機能してないので水没させても構わないだろう。
謎の水路橋は477m程度なので480m程度の満水位でダム建設。角川P/S用にも取水し,サイホン付き水路橋かなんかで小鳥川を越えて送水したい。

二つ屋谷・井谷で確保出来る水量は15.9km2であるが,この分,稲越川と天生谷から下小鳥へ の取水案が実現すれば26km2程度少なくなるので水量がオーバーフローすることは ないだろう。
(元々余裕を持って導水管も造ってあるであろう)
二つの谷を併せて堰を建設して取水し,現在取水している分もそこから取水する形とすれば良い


角川発電所小鳥川取水堰(仮称)[場 所]

遥か下に見えたが近づく道がなかった。あったがダンプ道の様な感じでダンプも出入りしていて近づき難かった。木が邪魔して写真も撮りづらかった。。
川に溜まった土砂を除去している様であった。
近く迄行けてる人も居る[例えば加 藤のひとり旅さん等]ので道はありそうで,再訪を期したい。


R360で天生聚落迄行って其処からr75神岡河合線に折れる。このr75のルート取りも変である。神岡から飛弾古川経由で河合を目指したいなら人跡未踏 な場所を延々と走る保 峠なん か経由せずに湯 峰越え(トンネル新設)したらとっとと稲越川を下れ。詰まりr483角川停車場稲越線(下小鳥発電所の前の道)の方を主要地方道にせえ。下小鳥ダ ム建設前に湖底に沈んだ村でもあってこっち側が重要だった可能性もあることはあるけど,下小鳥ダム建設時に住民の反対運動があったみたいな記述は少なくと もwikiで は見かけないので河合町月ヶ瀬とか天生(あもう)の重要性が昔はあったのかも知れぬ。しかし月ヶ瀬にはr478清見河合線も走っているし矢張り保峠周りの 維持は無駄としか思えないのである。格下げして林道にでもした方が良い。

関西電力(株) 下小鳥 (しもことり・しもおどり)ダム[便覧][水力
河川     神通川水系小鳥(おどり)川
目的/型式     P/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     119m/289.2m/3530千m3
流域面積/湛水面積     185.7km2 ( 直接:161.7km2 間接:24km2[おそらく外ガ谷・月ヶ瀬谷()]) /269ha
総貯水容量/有効貯水容量     1億2,303.7万m3/9,495.8万m3
着手/竣工     1970/1973
送水:下小鳥発電所(最大65m3/s)

ちめいは「おどり」なのにダム名は「ことり」となっている。
西宮や三宮を西ノ宮・三ノ宮とごり押しした国鉄的な中央集権主義・官僚主義に,三浦(みうれ)にあるダムをみうらと読まれる関電も毒されてる様であるので ここも「おどり」ではなく「ことり」と読ませているのかも知れない。
まあ発電施設の名前は駅とは違って需要家に関係はないし,読み間違いが不測の事態を招くリスクを考えたら素直に詠める名前を付けて置いた方が良いんだけれ ども,本稿では勿論,三浦は「みうれ」だし小鳥は「おどり」と(勝手に)呼ぶ♪まあ漢字で書くから関係ないけど


開発に際しては以下の様な経緯があったようである。

関西電力は当初、小鳥川 に3基のダムおよび発電所を建設することを計画していた。上流より順に上小鳥ダム、中小鳥ダム、下小鳥ダ ムを建設し、各地点ごとに 1か所ずつ水力発電所を付設。合計最大9万9,000キロワットの電力を発生するというものである。さらに、3ダムによって河川流量を調整 することができ るため、下流に位置する既設水力発電所の発生電力量を増大させる効果もあると期待された。上小鳥ダムと中小鳥ダムは重力式コ ンクリートダムとして計画さ れ、堤高はそれぞれ102メートル・95メートルと堂々たるものであったが、とりわけ高さ128メートルのアーチ式コンク リートダムとして計画された下小 鳥ダムは、計画された3ダムの中でも最大の規模であった。

ところが地質調査の結 果、ダムを建設する上での問題点が見つかった。下小鳥ダム地点は堅固な地盤が必要とされるアーチ式コンクリートダムを建設するには不 向きとされ、中小鳥ダム地点はアーチ式コンク リートダムよりも地質条件で比較的余裕のある重力式コンクリートダムですら建設に不向きとされた。上小鳥ダム 地点は地質条件の問題はないが、川は上流へ行くほど先細りしているため、水不足が懸念された。

関西電力は計画を見直し、上小鳥ダムと中小鳥ダムの建設を中止。計画を下小鳥ダム1基に絞った上 で、その型式をアーチ式コンクリートダムから地質条件に余 裕のあるロックフィルダムへと変更した。下小鳥ダムは1973年(昭和48年)に完成。堤高を9メートル低い119メートルに抑えたとは言 え、総貯水容量 は1億2,303万7,000立方メートルと、これは神通川水系に建設されたダムの中では最大規模である。送水先の下小鳥発電所は最大出力が14万 2,000キロワットに設定されているが、これもまた神通川水系の水力発電所単体としては最大規模である。
出典:wiki


下小鳥(しもことり)維持流量発電所関電
出力:480kW
年間発電電力量:254万kWh  254GWh
ダム式・河川維持流量式
着工:2019.11(予)・ 運開:2022.11('予)
発電機:1基
最大使用水量:0.64m3/s
有効落差     100.41m

天ノ川の川迫ダムや九尾ダムには貯留量(有効貯水量)が表記さ れていたの に,ここは総貯留量(総貯水容量)が記載されている。。
20.11
ダムそのものは巨大なロックフィル式(岩石遮蔽式)でゲートそのものもなにやら巨大なコンクリート式な無骨なものであった。
20.11

また取水施設があったが濁った水を避ける為の施設だった。



【下小鳥ダム導水増強】(→まとめ)
巨大な下小鳥ダ ムへ の導水・発電量増加を狙う
合計で25.7km2確保。

天生谷:15.3km2
稲越川:10.4km2
てんしょう峠?あまも峠?と思ったが後者のウ音便形である「あもう」峠だった。20に行った時は通行止めだった。。自然公園があるらしい(23.7に走破・急いで いたのに遠回りになったw途中でかもしかと遭遇。野性的な峠であった。これはしょっちゅう通行止めになる訳だ。飛騨河合PAを利用したスマートIC設置の 社会実験は恐らく恐ろしく利用率悪くて常置化されなかった様だ。。恐ろしくニッチだが稲越・天生・角川方面から東海北陸道への最短経路となる。是非常置化 して欲しいw)。
来訪時はからからの好天で11/6からの冬季通行止めには違和感しかなかったが酷 い道らしい(天生峠[峠と旅]の 記述だと1994年は11.25~だったそうで今年の11/6は早すぎる様な・・)。冬季通行止めはけしからんと新しい意味ない道の建設を促す為の通行止 めとしか思えん(怒)
今年の7月にも落石で通行止め になったら しい。白川郷と飛弾古川を結ぶ観光ルートも産業ルートも,白川郷IC─<東海北陸道>─飛騨清見IC(Jct)─<中部縦貫道>─高山IC─<高山国府 BP>─金樋橋西→<古川国府BP> で十二分や。こんな峠を大金掛けて維持しとく位ならR41やR158と云った地域の大幹線の改良を進めた方がどんだけ地域振興に役立つことか。
まあ夏の観光シーズンだけでも通れると個人観光客は呼び寄せられるかな。。今年はコロナもあるし早々に早仕舞いと云ったとこか。。
冬季通行止めのR471楢峠,慢性的に通行止めのr34,廃道化したr59,廃道化した万波林道,不要っぽい保峠の主要地方道とまあ道路整備に色々突っ込 みたくもなる土地ではある。

稲越川は勿論,角川発電所への取水堰と下小鳥発電所が川端に立地してたあの川である。



~小鳥川源流~

開発出来そう→こちら


角川(つのかわ)ダム[水力][便覧]
関西電力(株)
目的:発電
昭和27(1952)年:着手    昭和30(1955)年:竣工
堤高:21.5m、堤頂長:221.7m
総貯水容量:87.9万m3    有効貯水容量:45.8万m3
流域面積:724.5km2    湛水面積: 0.15km2
送水:角川発電所(81.0m3/s?・467.0m)

45.8万m3の貯留量がある。

何 故か堰が描かれてない角川ダム。
20.11
角川ダム事務所?の正面
20.11
上流だが直ぐ川 の脇を国道(R471/R472重複区間)の旧道が通ってるが廃道同然と迄は云わなくても既に通る人は殆ど居なさそうで発電所の入口は北 側の様である。貯水量を上げて水量を増やして旧道を水没させても良さそうな気がする。

【下小鳥・角川発電量増量計画】

補助的な発電量増強を纏めると以下の通り。③と④は角川発電所へ流れ込む水量が減少するが,差し引き10km2程度である。


河川谷名 流域面積 導水距離 発電所 その他備考
森安谷 13.2km2 980m
坂上発電所


二ツ屋谷・井谷
15.8km2
760m
角川発電所
+②-③-④=▲9.9km2

稲越川
10.4km2
2.8km
下小鳥発電所


天生谷 15.3km2
2.6km
下小鳥ダム


元々下小鳥発電所の建設で流域面積が減ってしまった角川発電所であるが,更に10km2程度減ってしまう。
角川発電所の使用水量は81.00m3/sであり,角川ダムの有効貯水量は45.8万m3である。1,5h程度しか水が持たないので殆ど流込式みたいなも のである(暴言w)
エース下小鳥PSに今よりちょっとだけ水を集めるのはプラスには働くであろう。
導水距離はいずれもそれなりに短く出来る。

[戸中川]

[宮川上流]



~小鳥川源流~【上小鳥電源開発】    
中小鳥発電所(+6.0MW)上小鳥発電所(+9.3MW)

次は下流では無く更に上流で発電。
広い割には既に十分高くて勾配がそれ程でもなくて苦労するが,近場で300mとると割と形になった。


[私案]中小鳥発電所
出力:6,000kW[+6.0MW]
水量:2.3m3/s[1.65]
落差:305m
流域:13.95km2
取水:増 谷ソ ウツイ谷[堰堤]1011m
放水:小鳥川[下小鳥ダム]700m

更に上流,上小鳥での発電。ここは長距離導水だけど面積取れる。


[構想]上小鳥発電所
出力:9,300kW[+9.3MW]
水量:8.4m3/s[1.3]
落差:130m
導水:9.87km45.8万m3
流域面積:64.4km2
放水:小鳥川[下小鳥ダム](700m)
取水:小鳥川[夏厩堰堤(案)3.1ha](833m)・ 片野川[片野川堰堤(案)](836m) 840m

更にもう一発奥小鳥をかましたいところやったけど面積の割に落差×水量の数値が足りず保留。
どん詰まりは松ノ木峠,その向こう側は庄川水系六厩川である。