電 力総研 水 力あれこれ
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
20.11.20庄川よ り分離

御母衣周辺の発電所現況篇(22.9訪問)

本頁の対象は御母衣ダム周辺である。200m3/s以上でガンガンに発電していく下流の主要部はこち ら参照開発妄想篇はこちら

目次:(源流)───尾上郷川・大黒谷川:尾上郷発電所]・大白川(上 流)御母衣第二発電 所公文森茂川・六厩川崇教 真光第一・第二発電所御母衣ダム御 母衣発 電所──[大白川(下流):平瀬発 電所]新平瀬PS(案)[+4.1MW][荒谷:荒谷発電所]鳩谷ダム→(下流へ)



~沿川風景~

庄川の源流は山 中峠,山の向こうは長良川支流の吉田川である。自治体としては元明宝村で,源流部の東側は馬瀬川の 源流とも接している。

<荘川市街>

~御手洗川~

荘川付近で合流する支流が御手洗川であり,蛭ヶ野高原から流れ出てきた川である。蛭ヶ野高原では長 良川源流と接している。

<蛭ヶ野高原>



~尾上郷川・大黒谷川~     

初めての本格的な庄川攻略を企図したのが22.9,台風接近の中の連休中日である。生駒から庄川を狙うには先ずは最上流からが良さそうである。この日は先 ずは長良川の最上流,高鷲の大堰堤をさらっと見学してから,大黒谷ダムを狙って, しかも林 道経由蛭ヶ野 からの直接アプローチを試みた。
先ずは看板のお出迎え(多分此 処ら)。工事中の為尾神(尾上?)方面へ通り抜け不能,大日谷林道まで行けますとのこと。設置者は飛騨森林管理署。昔の営林署か。この手前の道路 でも可成りの凸凹が出来ていて十分に肝は冷えていたが此処迄来てと云うのはある。

もう一寸進むと一時的に舗装道路になったりしたが,如何せん未舗装部分のヘアピン部分の雨に削られての凸凹が酷い。こ の辺迄進むも息子も不安がるし引き返すことにした。将来,4駆で車高の高い車を買って再挑戦しよう。。

大黒谷(おおくろだに)ダム[便覧][水力
河川     庄川水系尾上郷川支流大黒谷
目的/型式     P(尾上郷発電所・)/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     34m/140m/280千m3
流域面積/湛水面積     64.6km2 ( 直接:5.2km2 間接:59km2[ア マゴ谷大 日谷小 シウド谷大 シウド谷尾 上郷川海 上谷]他? ) /9ha
総貯水容量/有効貯水容量     1070千m3/320千m3
ダム事業者     電源開発(株)
本体施工者     伊藤組土建
着手/竣工     1969/1971
     堤頂標高:971.00m
    満水位標高:967.00m
    低水位標高:964.00m

電源開発(株) 尾上郷発電所[水力] [DB] [電 発
着工:1969.5  運開:1971.11.4[20MW]
更新着工:2024.5.10 同完成・運開:2024.12.10[+1.3MW]※
ダム水路式・貯水池式
    認可最大出力:21,300kW     常時出力: 1,870kW[増強前数値]
    最大使用水量:12.10m3/s     常時使用水量: 1.91m3/s
    最大出力時有効落差:198.50m     常時出力時有効落差:210.80m
    水車:立軸単輪単流フランシス水車 最大出力21200kW×1台
    支水路トンネル:総延長8533m
    導水路トンネル:延長3538.0m
    取水位標高:967.00m
    放水位標高:756.00m
    流域面積:64.6平方キロメートル
    取水:海上谷→尾上郷川(別山谷)→大シウド谷→小シウド谷→大日谷→アマゴ谷→大黒谷[大黒谷ダム]計11箇所(4箇所不明)
    放水:尾上郷川[御母衣ダム]

※:「最新の解析・設計技術を用いて水車ラ ンナの羽根形状を改良し、発電出力を20,000kWから21,300kWに1,300kW増加させました」とのこと。

入口は閉鎖されていた。。営林署の許可が必要らしい。釣り師は許可とって"侵入"(笑・進入の誤りであろう)とかもするのかな?[白川渓
尾上郷川沿いの立地ということになってるけど実際は御母衣湖のバックウォーターと云った所である。

22.9
[左]入口(国有林線用林道で車輌通行禁止の他工事中の為,蛭ヶ野方面へ通り抜け不能と ある)と[右]看板(上の写真の裏側)
あのまま進んでも通り抜けは能わずだった訳だがこちらから入れないのも残念である。


入れずに残念だけど電発のニュースリリースより洒落た山小屋みたいな発電所の建屋を紹介。
出典:電発




~大白川~      
「大白河」とも書き(後風土記),「おおじらかわ」ともいう。上流部にある白水の滝は日本三名瀑の1つ,だそうな。[JLogos

22.9,長らく懸案だった庄川に挑むに際して,当然,ここも攻略対象となる。平瀬で庄川に流れ込む大白川に沿って西へ山を分け入るr451白山公園線で ある。[turkey6][youtube][ニコ動
台風が近づき雨も降り始める中,勇躍角を曲がると…

看板がいっぱい。。

白山方面(県道白山公園線) この先大型車(除:全長8m未満の車)通行不能

通行規制 御母衣~大白川地内 13.1km,連続雨量80mm・時間雨量30mmで通行止(一部抜粋)

そもそもなんか消えてるけど通 行止 県道白山公園線とあ る。

更に進んでみると

無念。それにしても大量の看板である。山火事に噴火に災害復旧工事と。


夜間通行止冬季通行止もあるw


まあ此処迄確り閉鎖されているとまあこちらとしても納得である。

白水(はくすい)ダム[場 所][便覧] [公文書
河川     庄川水系白水谷(大白水谷・小白水谷)
目的/型式     P/重力式コンクリート・フィル複合
堤高/堤頂長/堤体積     18m/81.1m/22千m3
流域面積/湛水面積     11.5km2 ( 直接:9.4km2 間接:2km2 ) /1ha
総貯水容量/有効貯水容量     29290千m3/9290千m3
ダム事業者     電源開発(株)
本体施工者     間組
着手/竣工     /1963
取水:大白水谷・小白水谷・ワリ谷(集水路・Max.0.3m3/s)
送水:大白川ダム(Max.20m3/s)

>開 水路(白水支水路)によって白水湖へ流れ込む構造
とのこと。

大白川(おお しらかわ)ダム[水力] [便覧] [場 所][公文書
電源開発(株) 目的:発電
堤高/堤頂長:95m/390m
流域面積/湛水面積:44.7km2 ( 直接:20.1km2 間接:24.6km2 ) /67ha
総貯水容量/有効貯水容量:1,420万m3/1,100万m3
標高
   堤頂標高:1235.00m
    満水位標高:1230.00m
    低水位標高:1205.00m
面積
    流域面積:44.7km2 (直接:20.1km2/間接:24.6km2)
  湛水面積: 66.5ha
着手/竣工:1961/1963
取水:大白川・白水ダム(Max.20m3/s)
送水:御母衣第二発電所(Max.15m3/s)

山奥から御母衣ダムへ有効落差450mで最大15m3/sを叩き込んで60MW弱の電力を叩き出す為のダム湖。

近隣の下小鳥と本流の脇の高い所から本流へ向けて発電するのは一寸似 てるけど向こうより標高が段違いであってその分,貯水量も下小鳥の1億2,303.7万m3の1/10以下の 1,100万m3であり使用水量も65m3/sに対して15m3/sと1/4以下と少ない分最大出力も小さい。

間接流域として24.6km2あるが,ちょっ と水路を延ばして小白水谷・大白水谷からも取水している(白水ダム)事を指すようだ。

まずワ リ谷迄600m程脚を伸ばすと4.0km2の水源がある(狭いけど。。)。この辺迄は確実に伸ばしたい…と思ったらワ リ谷上 流,林道終端部(この辺?EL.1396m)取 水口があるようだが。。??G だとこれか?流 石にこんな高低差ロスする形で取水するかねぇ。。でも他に取水する施設なんて無さそうだし。。(→公文書館で 謎を解明してきた。)[元々水路トンネルでワリ谷に取り付いて常時3.0m3/s水量を取水する 計画だったが地質の悪さからトンネル案を断念,取 水点を1.3km程上にして常時水量を0.3m3/sと激減さ せて開渠で導水することにしたとのこと。]
これに拠って大巾に常時水量が低下している。。現代の技術でトンネルでワリ谷迄更に間古屋谷迄伸ばして常時水量を増加させたい。。


更にその北側間 名古谷から取るには追加で2.4km2程伸ばす必要がある。4.8km2程取れる


また南側のアワラ谷(北 沢南 沢)から取水するにも3.0km程伸ばす必要がある。4.7km2程ある。→これも公文書館で調べたら既にやっていた。但し一旦ダムに貯める形で はなく発電所に直送である。


合計して6.0km程の導水延長で13.5km2程の水源域を確保出来る。

但し,これらの拡張と直接ぶつかってしまうのが平瀬発電所(後述)である。

平瀬発電所大白川取水堰堤(仮称)[場 所EL.819m
流域面積:77.1km2(直接:45.2km2程度?[とは計測]・大白川ダム・白水ダムで44.7km2だとすると32.6km2になりそうだがもう 一寸広そうなのは何故だ??詰まり12.6km2程未確認の水源がありそう。とすると上で計算した合計13.5km2と ほぼ同じ面積で既に取水している??→調べてみると御母衣第二発電所の取水口は11箇所もある!?うえで構想した取水先の多くで既にやられてる可能性高いな。。間 名古谷は遠い上にその手前のワリ谷の取水地点がえらく上流だからないのかもしれないけど,ここではなくアワラ谷に加えて一寸高度が足りないけどその隣のタ キ谷か,御母衣湖への流入増にはならないけど福 島谷辺りからも取水していると恰度12.6km2程になるのかもしれない。)→公文書館へ行って調べてきた(後述)
取水量:6.96m3/s
取水位:826.0m
発電所運開:1926.11





御母衣第二発電所[水力] [DB]     
電源開発(株)
着工/運開:1961.6/1963.12
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:59,200kW   常時:1,800kW
最大使用水量:15m3/s    常時:2.93m3/s
最大出力時有効落差:460.10m    常時出力時有効落差:476.9 m
流域面積:44.7km2
取水:ワリ谷→(大白水谷+小白水谷+他)[白水ダム]→大白川[大白川ダム]15m3/s 1230m 計11箇所!(→公文書館で謎を解明してきた。:ワリ谷0.3m3/s(計画 3.0m3/sを変更)→(大白水谷+小白水谷+他)[白水ダム]20m3/s→大白川[大白川ダム]15m3/s─(アワラ谷・計5箇所・ 2.0m3/s)─(福島谷・計3箇所・1.0m3/s)→発電所15m3/s)
放水:庄川(御母衣ダム湖)739.60m/752m

道路のヘアピンの先にあった。柵の向こう側にはトンネルが見える。地下式発電所である。山が険しい。
22.9

ワリ谷の取水点,その他計11箇所も判明。序でに御母衣ダムの取水口4 箇所の内,謎の3箇所中二箇所判明。牧谷と不動谷

4A-46-45-56建-3 水利使用計画の認可等
(電源開発株式会社)庄川水系大白川及び大白水谷における水利使用(御母衣第二発電所)に係る命令書の変更について
作成・取得部局     建設省河川局水政課
年月日     昭和40年11月23日
文書番号    岐河第150号
出典:公 文書館


第  号
岐阜県知事
昭和40年10年19日付け40河第1350号で承認の申請のあった庄川水系大白川及び大白水谷における水利使用(御母衣第二発電所)に係る命令書の変更 については,承認する。
昭和40年11月23日
建設大臣

(申請の内容)これは電源開発部式会社の御母衣第二発電所について常時使用水量を変更するものである。
常時使用水量が変更することとなった理由は,普通河川ワリ谷(とは註:うおっ,早速出て来た。解説・検討は此処 参照)からの取水地点が1.5km上流で移動することとなり,その取水量 が減少することになったためである。


昭和40年10月19日
建設大臣 瀬戸山 三男殿
 岐阜県知事 松野 幸泰
…取水量毎秒3.0トンを0,3トンに減少し,これに伴う工事の変更等をしようとするもの…

水利使用規則(案?)


貯水池の水位は2,標高1,230m(常時満水位)以下を保つようにすること。


命令書改正案
許可番号 (空白)
許可年月日 (空白)
御母衣第二発電所
昭和37年6月7日付岐阜県指令第3826号を以つて交付した水利使用許可命令書の一部を次のとおり改める。



本取水口
(1)大白川 右岸 15m3/s
 アワラ谷(2~6) 合計最大2.0m3/s
(2)アワラ谷 右岸 2.0m3/s
(3)クロヒバ谷 右岸 2.0m3/s
(4)小豆谷 右岸 2.0m3/s
(5)滝谷西谷 左岸 2.0m3/s
(6)滝谷西谷 右岸 2.0m3/s
 福島谷(7~9) 合計最大1.0m3/s
(7)福島谷 左岸 1.0m3/s
(8)北俣南谷 左岸 1.0m3/s
(9)北俣北谷(北俣谷) 左岸 1.0m3/s
最大使用水量 15.0m3/s
常時使用水量 3.02m3/s→2.93m3/s?(▲0.9m3/s)

集水用取水口
(1)ワリ谷 右岸(ワリ谷取水口) 3.0m3/s→0.3m3/s
(2)大白水谷 右岸(白水ダムから大白川ダムへ)20.0m3/s(支川ワリ谷からの取水含む)

注水口
(1)小白水谷 左岸(ワリ谷から白水ダムへ注水)
(2)大白川 左岸(白水ダムから大白川ダムへ注水)

放水口
福島谷 右岸(発電所から御母衣ダム湖へ)

概念図(→御母衣ダム御母衣第二発電所)   

地形図(→御母衣ダム御母衣第二発電所)   








尾上郷も大白川も庄川右岸の高地からの水源であるが,左岸にも水源が無い訳では無い。但し右岸ほど標高が無い上に降水量もやや少なくて水力開発は遅れた。
昨今小水力促進の中で宗教団体が建設したりされたようだ。

~森茂川・六厩川~[→こちらへ移転]        

廃道探索サイト山行が十和田八甲田山連絡道路(寸 又もそうだったけどなんで八甲田で変換出来ねえんだよ,ATOKは。)や塩那道路と並んでそのスケールに圧倒された印 象深い六 厩(むまい・むまや)攻略。
ヨッキは09年の11月下旬に攻略している。

岩瀬秋町線 (御母衣湖右岸 道路)[山行が]2009.11.22
六厩川橋攻略作戦[山行が] 2009.11.24

当時,既に廃道化は進んでいて国土地理院には破線で描かれてた様だが,2020年の今,森茂も六厩も実 線[地理院]で描かれてる。。2018年の山レコでも酷い有様である。。

2018年07月15日(日) [日帰り]
六厩川橋まで廃林道歩き(1日目:森茂林道)[山レコ]


と此処で,衝撃の事実が!
その後この集落跡の土地所有権は転々としたが、今は高山に本山を置く 宗教団体「崇教○光」の所有になっており、その団体がこの土地を流れる川で水力発電の工事をはじめている。[隠居]

水力発電だと!?ヨッキが通った時も何か宗 教団体が畑を耕作してたけど,耕作から小水力へとランクアップしたらしい。

小水力発電所完成式
2019年06月03日
本日午前、清見町森茂に建設中であった「崇教 真光 第1小水力発電所」が完成し、完成式典が挙行されました。
森茂地内には、2ヶ所の小水発電所が建設されており、第2発電所は、 平成26年に運転開始しています。
既に完成し稼働している第2発電所と合わせて約670キロワット(約 500世帯分の電気使用量にあたる)の発電が可能となりました。
>[国島高山市長ブログ]

どうやら先行運開した第2小水力発電所はより上流の様だ。[OUTDOOR番外地
ということで第一の位置が気になるがこの画像を 見る限りはっきりとは解らないけど,ヨッ キが8:48に越えた三の谷林道 分岐であるが,今は本線側(六厩方面)はロープで緩く止められてるらしく(この頁の真ん中辺),森茂 集落跡の方へ誘導されるがそっち側に発電所はある様だ。

発電所名
出 力
水量
落差
その他
崇教真光第一小水力発電所[場 所][ 670kW
472.1kW
1.13m3/s?
49.94m?[kissf5]
2019.6運開・森茂川支流三ノ谷?
崇教真光第二小水力発電所[場 所][ 199.5kW[kissf5]
0.39m3/s?
60.10m?[kissf5] 2014.10運開・森茂川支流?


御母衣ダム[wiki] [便覧][世 銀]   
電源開発(株)
堤高/堤頂長:131m/405m
流域面積/湛水面積     442.8km2 ( 直接:395.7km2 間接:47.1km2 ) /880ha
総貯水容量/有効貯水容量     3億7,000万m3/3億3,000万m3
ダム事業者     電源開発(株)
本体施工者     間組
着手/竣工     1957/1961
取水:庄川・牧谷不動谷概念図地形図
送水:御母衣発電所(130m3/s・P)

湖面


着手は昭和27年である。日本は戦後まもなく全てが乏しい中,資金調達は世銀の貸出1千万ドルの他、日本政府がニューヨーク市場で国債を発行し調達した3 千万ドルもあてられた,とのこと。発展途上国として外国に資金を借りて開発したのである。

第二御母衣発電所を改造して御母衣ダムと大白川ダムとの間で揚水発電が出来ないかと思ってるのであるけど・・。
大白川ダムの水で発電する御母衣第二の形式が貯水式となっている大白川ダムであるけどそれ程大きい貯留量を持っている訳では無い。余った電力を高度 1200mに位置する水に変換できたら使う時は一気に(まあ大白川の水が合口ダム等に辿り着くのには勿論タイムラグはあるけど各発電所にダムが付随しているので反応は瞬時に行ける♪)御母衣はおろか遠く小牧辺り迄落と して発電出来るのだ♪

またいざという時の貯留量を引き上げることにもなる。因みに上池の大白川 ダムの有効貯水量 1,100万m3は混合揚水の高根第一発電所(最大使用水量 300m3/s・340MW・有効落差137m)の小さい方の調整池である下池の高 根第二ダムの貯水量578.5万m3よりも大きい。

非常用の吐水吐というのか越流工とでもいうのかと取水塔


その水のジャンプ台と遠くに御母衣発電所。

発電所アップ


堤体と変電所(地下に発電所)


御母衣発電所[水力]     
電源開発(株)
運開:1961.1(160MW)・同5(215MW)
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:215,000kW 常時:49,500kW    平均年間発生電力量:約5億2千万kWh)
最大使用水量:130m3/s    常時:38.49m3/s
    最大出力時有効落差:192.10m
    常時出力時有効落差:138.2 m
放水路:口径7.20m、延長8939.8m
流域面積:442.8km2
取水:庄川[御母衣ダム]760.00m
放水:庄川[鳩谷ダム]548.59m

ダムが巨大すぎてダム直下にあるけどダム水路式で,更に地下深くに発電所を設けて放水路を長く取る,放水路式(私が勝手に呼んでる)である。平瀬発電所を越えて鳩谷ダムバックウォータ付近,寧ろ荒谷発電所の近くにある。

関西電力(株) 平瀬発電所[水力]      
運開:1926(T15).11.26[大白川電力(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:11,000kW 常時出力:1,100kW[10%]
    最大使用水量:6.96m3/s (250立方尺) [2.14]
    有効落差:201.21m
    水車:横軸フランシス水車×3台 総出力13410kW
    導水路:総延長3855.8m
    放水路:総延長315.8m
    流域面積:77.1km2(上流の御母衣第二PS集水域44.7km2を含む・除くと32.4km2となる。ガッチリ水を取られる大白川ダム・白水ダムよ り上流を除くと45.2km2程度っぽい)
    取水:大白川826.00m
    放水:庄川EL599.1m(一 部は放水路途中から白川村小水力発電所へ)608.33m→平瀬PS放水位が608mで鳩谷ダム満水位が550.00mなので頑張ればもう一寸有効落差取 れそう。

戦前完成の中では庄川水系最奥部の平瀬発電所。250立尺の水で有効落差664尺使って1,100万瓦を叩き出す。考えて見ると尺貫法はメートル法に変 わったけどワット(瓦)という単位は戦前から変わって無いんだな~(尺貫法に電力の単位がないから当然なんだけどw)。
御母衣が電発謹製なのに対して,ここからは戦前開発で関電のテリトリー。潮流主義で陸電管内だけど関電が丸ごと発電所を掻っ攫って行った。まあ関西に電気送る為に開発したのに電力不足の戦後に関西から切り離したら大混乱が起きただろうけど。

山から落とした水はEL.608.33m程。なお鳩谷ダムの満水位550.00m迄 60m近い落差が存在する。
放水路の様子。

聚落内の国道の旧道と思しき道路に架かるこの橋も放水路橋と云う名であった。向こう側の古いアパートは旧社宅か?

画面背面にはなにやら中電の事務所もあった。


平瀬発電所放流水の約7m3/sの内の一部,2.3m3/sが小水力発電に利用されている。現地でどこにあるかよく解らなかった。

白川村 白川村小水力発電所「しらみずのチカラ」[水力] [岐 阜県クリーンエネルギー相談センター][ひろし
運開:2005.7.1
水路式・流込式
認可最大出力:150kW →温泉施設「しらみずの湯」へ供給
稼働率:80~90%(83%・H18年度)
    最大使用水量:2.30m3/s[0.33]
    有効落差:8m
    水車:横軸マイクロチューブラ水車×1台
    取水:平瀬発電所(Q=6.96m3/s)
    放水:庄川


【平瀬 付近開発】    

さて,今平瀬PSの放水位が608mで鳩谷ダム満水位が550.0mなので未利用落差が50m程ある。
更に平瀬PSの取水位826.0m以下で,御母衣ダム以下で550m以上の流域が39.5km2程ある。
こんな感じで発電所が作れそうである。10m3/s程度の水量と50mの落差で4.2MW程度期待出来そう。


更に以下で見る様に,現状では鳩谷発電所の下,椿原ダム(CA=665.7km2・eV= 578.8万m3)から脅威の200m3/s体制が始まる訳だが,鳩谷ダム(CA=580km2・eV= 438.7万m3)を水源に新鳩谷発電所を建設して200m3/s体制を一段階上げる計画が存在した。
但し,流域的に60m3/s程度の面積から200m3/s取る訳で完全に調整力電源であり,長引く景気低迷で取りやめになってしまった。
しかし現在,再び再エネ時代である。九州をはじめとする太陽光や全国の風力の間歇性をフォローする必要性は激増している。勿論,現代的には系統蓄電池でこいつの量産効果(レアメタルの流通整備を含む)に期待する所大であるが,水発の有効性もある筈である。
そんな中で200m3/sを中途半端に一段階鳩谷に上げるだけではなく,eV=3億3千万m3の御母衣ダムにお出ましを頂き,御母衣ダムから200m3/s体制を構築すると良さそうである。そういう観点から主要部篇の方で上流部開発(案)を策定してみた。

~荒谷川~



御母衣ダム放水口[場 所



関西電力(株) 荒谷発電所[DB][→庄川主要部]    
運開:1998.10
水路式・流込式
    認可最大出力:11,200kW   常時出力: 1,300kW[11.6%]
    最大使用水量:5.00m3/s[2.79]
    有効落差:273.60m
    水車:立軸ペルトン水車 出力11600kW×1台
    導水路:総延長2,449.8m[4.6]  放水路:総延長61.6m
    流域面積:17.9km2
    取水:荒谷川、小谷川(この辺に取水口あるのか?)、中沢川(どれ?!)833.00m
    放水:庄川552.50m



鳩谷ダム[→庄川主要部]     
関西電力
目的:発電
堤高/堤頂長:63.2m/331.5m
流域面積/湛水面積     580km2 ( 全て直接流域 ) /151ha
総貯水容量/有効貯水容量     3,353.9万m3/438.7万m3→有効水量は少ない。。
着手/竣工     1954/1956

以下,庄川本流の発電所群はこちら。以下基本関電の発電所群となる。