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2020.11.24独立
2020.8.24作成

水窪川水系低稼働率対策②西渡発電所[検討 篇](→現況 篇)

目次:水窪川概念図(概念略図) 水窪発電所 水窪ダム 西渡発電所 1- 0.諸元 問題(1-1.流域問題 1-2.低稼働率問題 1-3.降水量) 2.現 況(発電所・余水吐・堰堤) 3.沿革・歴史 
4.各種開発私案前提条件】・ 【導水(案)】・【堰堤(案)

概念略図   
(天竜川・西渡)[西渡発電所諸元 光景(仙戸)──(西渡発電所余水吐)──(福沢川)──佐 久間河内川導水──(相月沢川)(横吹・立原)──西渡発電 所堰堤【堰堤(案)】──(→水窪発電所方面)

【前提条件】
前頁の前提条件をまとめると,前提:水窪の増強の検討で水量が低下する
翁川導水:540万m3/年程度の水窪川水量取水
水窪川導水:6,440万m3/年程度の水窪川水量取水
合計:6,980万m3/年の水窪川の流量低下…①

考察結果 豪雨の後の本谷堰堤などはゲートを開放して発電してないように見えた。流込式は雨に弱くて(多分土砂混じりの水で発電すると勿論沈砂は通常する けど量的に間に合わず水車の命である羽根を傷つけたりするのかも)折角の書き入れ時に機能しない可能性がある。水を増やすなら発電使用などと云うスケベ根 性を出さずに直向きに水を集めるのに徹するべきなのかも知れない。有本堰堤がやる気無いように見えるのも大雨時のみ取水することで下流の西渡辺りに配慮し ているかも。
となると,白倉川でも洪水時に主に取水して水窪ダムに貯めるのが仕事だと割り切れば西渡の発電量低下はそれ程気にしなくても大丈夫なのかも。

と云う事で基本,水の確保は出来てるというスタンスであるが,とはいえ直接専任流域(1次流域) 29.2km2で3.26m3/sは微妙に惜しい(足りない)。稼働率28.4%も良しとは出来無い(気田発電所の稼働率は約6割なのである。)。
現実には今でも低稼働率に喘ぐ中, 更に水量を減らすので更に稼働率が低下するのは確実である。そんな苦境の西渡発電所のフォロー(水量 増強)が本項のアジェンダである。

【周辺流域増強図】
上流の水をだいぶ水窪・佐久間に取られてる様子の西渡である。下流域でこまめに取水したい。佐久間河内川・相月沢川・福沢川なんかからの導水の可能性があ る。
出典:電源開 発(株)

【導 水(案)】      
先ず可能性のある流域として相月川(8.3km2),横吹の沢・立原(たっ ぱら)の沢(1.55km2),佐久間河内川福沢川(7.5km2),仙戸の沢の6箇所である。

相月川導水:   
流域:8.3km2  導水距離:0.5km(水窪川渡河) 取水位:210m

水窪川を渡る必要はあるけど川の向こう直ぐに導水路が走っており導水距離は兎に角少なくて済む。此処は確定でいいだらう♪

横吹・立原(たっぱら)(無名の沢)   
流域:合計1.55km2

極小ではあるが同じ右岸側なので導水距離はほぼ不要。

【佐久間河内川導水】     [→西渡ダム]

佐久間河内川(河内という川が水窪にも佐久間にも長野との県境にもあってややこしく,また寸又の 所でも河内が付いた川がいっぱい出てきたが,此処らで河内(寸又界隈では「こうち」と呼んでいた)は沢の事らしい。あちこちにある「ひら」は平らな場所で は無く崖,「なぎ」は風が無い穏やかな凪ぎではなく崩れの事で今の日本語の感覚だと解らないけど生半可漢字を宛ててしまって語感が失われてしまった様だ。 こうちは河内を書くようにかわうちなんだろうけど谷や沢を川の内って呼ぶ感覚がいまいち解らん。)からの取水を検討。

西渡発電所へ送るか佐久間ダムへ送るかの選択。
佐久間ダムに送るより西渡PSに送る方がもう一寸標高が低くて良いので流域は広く取れる。けど流込式の西渡では貯留が出来ず秋葉ダムに直送せざる得ないの で貯留を考えると佐久間ダムへ送った方が良 いことはよい。
もし佐久間ダム導水をやるとすると西渡導水の残りは0.62km2。両立は不可。
面積としては狭小で,ここは西渡の流域確保が優先かな。。佐久間ダムへは取水口3箇所にするか堰堤の建設で一箇所に纏めるかの必要もあるし。 

佐久間河内川・西渡発電所導水:
流域:6.78km2  導水距離:2.4km 取水位:210m

6.78km2*400万m3/km2*(1/3~1/4)=904~678万m3/年

佐久間河内川・佐久間ダム導水:
佐久間ダムは,標高: 堤頂標高:297.00m: 天端標高:270.00m: 満水位標高:260.00mである[→諸元]。
天端標高より高い位の場所から取水するのが基本であろう。
導水路はこんな感じとなりそう。(佐久間)河内川迄1.4km,他2支流含めて約2.0km。

流域面積は5.8km2程度。最大使用水量300m3/s超の佐久間発電所にとっては誤差みたいな水量しか取れないだろうけど。

標高的に3箇所に分散して取る必要があって不効率ではある。。
出水時ではなく渇水時に水が欲しいのかも知れないのでもっと低い位置から取水して洪水時は水門閉じておくなんてのもあり得るかもしれないけど此処は西渡ダム建設によって佐久間市街地 に流れ込む水を減らしたいって側面もある。

となるともっと低い位置から大量の水を取水して水が足りなくて稼働率に不安の西渡に送るという手もある。
西渡発電所の導水路へは2.3km程の道程。一寸導水距離は伸びるが堰は一箇所で済む。

横吹・立原含めてこんな感じ

決め手には欠けるが落差稼げる佐久間ダム経由が良いかねぇ。。

導水先
距離
流域
発電量指数
効率
佐久間ダム
2.0km
5.8km2
84.6
42.3
西渡発電所
2.3km
6.8km2
61.1
25.5
久根ダム
1.1km
8.8km2
22.0
20.0

西渡ダム(久根ダム)の為に佐久間市街に排水路を建設するとするとまあ不要か。


福沢川:   
水窪川への合流点の様子をR152上から。
23.4
流域:7.6km2  導水距離:1.18km(水窪川渡河) 取水位:207m

7.58km2*400万m3/km2*(1/3~1.4)=1,010~758万m3/年


仙戸(無名の沢)・取 水点  
流域:2.2km2


西渡発電所集水域増加策 まとめ(→増加策後諸元→増加策後流域図):

流域
導水距離
距離効率
その他
摘要
相月沢川 8.3km2
0.5km
16.6
水窪川要渡河

横吹・立原
1.6km2
0.0km
+∞

二箇所
福沢川
7.6km2
1.2km
6.33
水窪川要渡河

小計①
17.5km2
1.7km



佐久間河内川 6.8km2 2.3km 2.96
△:ちと遠い
小計②
24.4km2
4.1km
5.95


仙戸
(福沢・仙戸計)
2.2km2
(9.8km2)
1.2km※
(2.4km)
1.83
(4.08)
水窪川要渡河 ※福沢川迄
×:ちと遠い
小計③
26.6km2
5.3km
5.01


結局,福沢川の影響が大のようだ。多少効率は悪いがここは西渡の為にちょい頑張って貰う。

比較

流域
導水距離
距離効率
その他
摘要
【水窪導水】





翁川
9.1km2
2.2km
4.13


河内川・小沢川
(翁川・河内川・小沢川)
10.2km1
(19.3km2)
5.8km
(8.0km)
1.75
(2.41)


小計
19.3km2
8.0km



【佐久間導水】





翁川
(水窪導水なし)
17.4km2
(26.5km2)
0km
+∞
(+∞)


佐久間河内川
5.8km2
2.0km2
2.90


小計
23.2km2
(29.0km2)
2.0km



合計
38.3km2 10.0km


新豊根導水





霧石沢・漆島川 8.8km2 4.5km 1.96

(霧石沢・漆島川・)井戸川 11.1km2(2.3km2) 6.3km(1.8km) 1.76(1.28)

(霧石沢・漆島川・)井戸川・虫川 19.1km2(10.3km2) 10.0km(5.5km) 1.91(1.87)

合計






先程
>純減なのは翁川上流(9.1km2)と下流(17.4km2)の26.4km2である。翁川の減少分+アルファを出来れば増やしたくはある。
と提起し,佐久間河内川を含めなんとか減少分を補填は出来た♪

[増強構 想]西渡発電所
出力:2,300kW
水量:3.26m3/s[0.70]
落差:89.93m
導水:主導水路:4,681.6m 新設水路:5,300m
流域:29.2+17.2=46.4km2(一次流域・水窪発電所や水窪ダム・佐久間ダムに引水される分を控除)
取水:西渡堰堤(水窪川)相月沢福沢川 他2 計5箇所
放水:天竜川[秋葉ダム](106.43m)

流域はこんな感じとなる(55.4km2・仙戸が無しだと53.2km2,更に佐久間河内川も無しだと 46.4km2)。これより上流は水窪ダム経由で佐久間ダムへ 流れ込むし,これより下流は秋葉ダムへ直接流れ込む。


【堰 堤(案)】    
まあこれ以上の投資は更にあり得無いだろうけど,西渡の堰堤で一寸触れたように堰堤を改造して貯水出来る様にして,途中の沢の水を貯留出来たりすると更に おしゃれ♪(まあ無理は 禁物。)
数mの嵩上げは可能っぽい。雪の降らない静岡県の春先は,雪の降る山間部といえどもこんなもん。
23.4
今は205mが取水位であるが,下流部に堰堤を建設して満水位を210m迄上げるとこんな感じ。7万m2(7.0ha)だから利用水深5mで35万m3程 貯留出来る。3h程持ちそうでピーク電源として活用出来る。