6.6 奥越地方の発電および農業水利(発電のみはこちら) 出典:国 交省 真名川の五条方には、堀兼用水、大 井用水のための取水口があり、森政領家地区には明後用水の 取水口があった。これらの取水口は、洪水のたびに破損し、修理を行っていた。 昭和24年(1949)頃に3用水を合併し合同の堰堤を造る案が出 てきて、各用水組合で協議を重ねた。当初はなかなか決まらなかったが、ようやく組合を存続するという形で工事を行うことで決着した。 取水口は堀兼用水の取水口とし、ここに3用水の合同頭首工を築造して、北陸電力五条方発電所(とは註:1953年運開)の落水をも合わせて取水することと なった。… 昭和29年(1954)に着工され、昭和33年(1958)に竣工し た。この工事の完成によって、日照りが続いても2ヵ月は大丈夫といわれ水不足や水争いも解消され、… 昭和31年(1956)には木の本原野196haの開拓のため、真名川用水を利用することとなった。 出典:国 交省 >1958 年には,図-2 に示す真名川から真名川から堀兼,大井,明後の 3 用水の合口堰が竣工し,真名川用水の取水量は夏 12.49 m3/s,冬 3.50 m3/s となった。[早瀬 2017] >建設省の真名川ダムと県営真名川発電所の建設に伴う真名川用水路の取水協定がまとまり、2 月3日市民会館で真名川土地改良区連合、北陸電力、県企業庁による協定書の調印式が行われました。協定では真名川へ常時毎秒2㌧の河 道用水(河川の環境を守るための水)を流すことが 織り込まれており、昭和45年(1970年)から「地下水かん養源を守るため、真名川に水を流してほしい」と建設省へ要望してきた市民の宿 願がようやく実を結ぶことになりました。…五条方地点で夏冬を問わず常時毎秒2卜の水を本川に流すことが織り込まれています。 >また、取水の基本原則として第1に真名川土地改良区連合が農業用水に夏は毎秒12.49㌧,冬は3.5㌧を取り、次いで河道用水を本川に放水した 後に北電富田発電所が取水することになっています。 >今までは農業用水を確保した後は富田発電所が取水し、残った水だけ本川に流していたため渇水期には川にほとんど水が流れませんでした。 >現在貯水を続けている真名川ダムが放水可能な状態になりますと、真名川本流へは木落・五箇・横枕用水の1.6㌧, 魚道の0.56㌧,河道用水2㌧,計約4㌧が常時 流れることになり、地下水のかん養対策で最も重要とされてきたことが実現することになります。[1977 年(昭和52)大野市議会報] 真名川ダム建設により(恐らくダム地点ではなく真名川頭首工地点での)河川維持流量的な毎秒2.0m3の放水が実現したらしい。 木落・五箇・横枕用水ってのが本流を流れるのか? 現状では冒頭の図の様に少なくとも木落用水は発電用水から取水している様である。 横枕は大 野IC付近[→G]で真名川本流から取水はあり得そう。 五箇は勝原駅前に五箇公民館があるが,九頭竜川沿及び打波川沿 いの地名である・・・。この五箇を指す訳ではなさそう。。 >問 来年(1982年)3月末に行われる建設省と真名川土地改良区連合との水利権更新に際して,市はどのような対策と対応を考えているか。 >答 水利権更新時の許可水量については,現在県奥越耕地事務所で調査し,資料を作成中と聞く。この結果を踏まえて,真名川土地改良区連合とも十分協議したい。 特に冬場に同連合から得ていた生活用水(非潅漑用水)の3.5tを,1t前後増量してもらえるよう働き掛けたい。困難性はあると思うが,真名川の綜合開発 等に伴う地下水の枯渇,河川水の変動など生活用水に大きな後遺症が出ている。[1981 年(昭和56)大野市議会報] 現在,Q=12.3m3/sとなっている真名川土改連 の取水量であるが嘗ては灌漑期12.49m3/s・非灌漑期3.5m3/sだった様だ。真名川ダム運用開始後の1981年の大野市の要望が実現したかは不 明。利水票には灌漑期と非灌漑期を詳細に分けて書いている場所も多いが,真名川頭首工の利水票はそうなっていなかった。(冬期に12m3/s超も取水は出 来無いと思うので通年同量というより詳細不記載なだけだと思われる。) |