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23.5.21独立
有峰・和田川有峰(和田川左岸)ルー ト拡張篇(=preliminary)

常願寺 川概観常願寺川・称名川立 山付近有峰開発和 田川第一 ルート[水量小](別 頁):和田川第二ルート[水量中]有峰 ルート[水量大]現況篇・拡張篇(本項)有峰引水]・小 口川・祐延ダム(神通川水系)熊野川(神通川水系)跡津川【計画】常西用水・常東用水
 
【有峰ルート】
【現況篇・新小俣開発】
●有峰ダム有 峰ルート(和田川左 岸ルート)[水量大](本 頁):有峰ダム有峰開発有 峰 第一74.00m3/s→有峰第 二 74.00m3/s→小口川ダムV= 146.9万m3▲→有 峰第三26.00m3/s→(有峰ダム右岸和田第二 ルートと合流)小俣ダムV=58.7万m3▲→ 小 俣ダム発電所30.00m3/s→小俣30.00m3/s─ (和田川第1ルートと合流)上滝発電所放水池→常西用水
第一期増強案:新小俣ダム新小俣発電所(+44.7MW)開発

現況篇最後で見た様に,現在有峰ルートの逆調整地点を小口川ダムからもう一寸下流に移すことで調整力を増やすことが出来る。


[私案]新小俣発電所or有峰第四発電所
出力:44,700kW[+44.7MW]
水量:50m3/s
落差:105m
取水:小口川[小口川ダム]429m
放水:小俣川[新小俣ダム]318m

[私案]新小俣ダム
堤体場所:小俣川(EL.245m 付近) 満水位320m 湛水面積:8.4ha 有効貯水量:88万m3

例の鳥瞰図★★に書き込むとこんな感じである。こ の 色 々ごてごて追加して検討 した 結果辿り着いた必要最低限の投資の機能美を みよ♪(笑)



以下では現状,小俣ダムで逆調整した分と小口川で逆調整した分を小俣発電所に向けて流しているのでそれが小俣ダムと小口川ダムと新小俣ダムに変わるだけで 特に齟齬なく行けそうである。
本項ではこれを受けて更に拡張を検討する。先ずは横江もしくは松ノ木に向けて発電してそこで逆調整する。その後,その施策の結果空いてしまう小口川ダムの有効活用を検討する。但し本項,未だ纏まっていないので準備段階という位置づけである。

【開発案】  第二期増強案:横 江堰堤横江発電所[+20.8MW] (案) 松ノ木堰堤新 松ノ木発電所[+9.7MW](案) 比較較検討 小口川ダムの有効活用 有峰増強・和田川増強・統合案[+21.4MW]



【尖頭需要・調整力様電源の更なる増強】       
更に全量を尖頭用として使い切る為にも新小俣案に加えて更に下流に逆調整池を探す。上の地図にもフライング気味に書き込んである横江頭首工に向けて新小俣発電所で発 電後の新小俣ダムの水や新中知山や有峰第三で発電後の小俣ダムの水,合計30m3/s程度を送って発電するのも良さそう(→横江案) 。もしくは松ノ木発電所脇に新松ノ木発電所と松ノ駅堰堤を建設する案もあり得よう(→松ノ木案)。
現状一長一短であり,保留という感じか。

【横江堰堤案→発電所堰 堤問題点】    
湛水面積は満水位240mで17.1ha程取れそうである。利用水深4mとして浚渫などして60万m3程取れそ う。ギリ30m3/sで尖頭発電出来そうで ある。
内5m3/s程度は新小俣から溢れる分なのでその分を小俣ダムで止めて貯めて置くと,有峰第三からのピーク時水量26m3/s(こちらは小俣ダムと小俣ダ ム発電所(最大30m3/s)を通じて導水)と併せてピッタリ 30m3/s分となる。

さて,横江案を踏まえると鳥瞰図は 以下の様に拡張されよう。

75m3/sの有峰ルートの水は50m3/sは新小俣発電所を介して新小俣ダムに流れ込む。25m3/sは有峰第三を通じて小俣ダムに流れ込む。
新小俣の内5m3/sが余るのでこれと小俣ダムに流れ込んだ25m3/sを使って合計30m3/sで横江発電所で発電して逆調整である。あとは雄山第一と 中滝を経て上滝放水池に至ることになる。横江発電所の諸元は以下のような感じか?

[新設私案]横江発電所     
出力:17,900kW~20,800kW[+20.8MW]
水量:30~35m3/s
有効落差:68m
取水:小俣ダム発電所・新小俣ダム310m
放水:横江堰堤238m

[新設私案]横江堰堤    
流域面積:
貯留量:60万m3

横江堰堤(案)()の運用上の問題点は3点ほどあって,①点目は 均された水による小俣ダムの発電量が減ってしまう(横江堰堤から小俣へは送れない)と②水そのものは小俣が停止時に全量横江頭首工から取水出来ように設備 容量は確保されているものの発電量が少ない(横江から上滝発電所放水池の間に雄山第一及び中滝の発電所があるが,水量的にも有効落差的にも劣後するので水 が無駄になってしまう。)そして③逆調整の機能を下流に移す分,小口川ダムの施設が遊んでしまうという点も出てくる。

③に関しては下で解消策も提示しているが,新小俣ダム90万m3と横江堰堤調整池60万m3で折角ぴったり小口川ダムの150万m3分を確保出来たけど別 案も検討してみる。ちょっと上の松ノ木に堰堤を設置してみる。

【松ノ木堰堤案[→発電所堰堤水流量纏め]】    
常願寺川方面の開発は称名川放水点で称名川から,瀬戸蔵で小見,本 宮で松ノ木の水を新たに取水するぐらいは思いつくのだけど取水した後はな かなか難しい。既存の水路を増強するのは大変そうである。
調整電源化した場合はどこかで逆調整池を設ける必要があるがその候補が常願寺脇に川が流れている松ノ木PS(取水位300.26m)の脇に堰堤・調整池を造るぐらいである(上滝だけ調整力電源に出来る)。
横江・松ノ木と本流に調整池を連発しても大丈夫かな??
砂防堰堤の強化で随分安全な川には成った印象はある。砂防堰堤は絶えず土砂の流入で埋まっていくし不断の整備が不可欠かも知れぬ。

一方で横江堰堤案にも問題はあるので代替案を模索する中で松ノ木堰堤を有峰ルートの逆調整池とする可能性も 考えられる。
となると小俣ダム発電所(放水位317m)から松ノ木PSの脇に新松ノ木発電所 (松ノ木発電所3号機)を建設して松ノ木発電所と新松ノ木発電所の共用の逆調整池を建設,その後平準化した水で上滝発電所で発電する感じとなろう。

古くて趣のある(一応登録文化財のようである)松ノ木発電所建屋前の河原は現状で低利用地である。。

松ノ木堰堤(案)であるが,松ノ木発電所の放水位が247.58m(結 構低い,,)であり, 上滝発電所の取水位は247.58mとなってい る。つまり両発電所は完全に一体化して運用しているようであるが,現地では叢(くさむら)に隠れてこの辺に溝があってこの辺は地図だと251mであるのが この辺の標高が248m程度なのかも。
21.7
水面下数mなら放水出来るという例のごとくの松 尾川笠置発電所の例などを見ても放水が水面下数mならなんとか成り そうの法則発動して此処らに満水位255m程度の調整池を設置する。満水位250m以下ぐらいになれば松ノ木発電所から放流する等でよさそ う。満水位255mで湛水面積15万m2とれそう。全体で42万m3程度と いう感じである。

概ね上滝の取水が可能とおぼしき247m程度迄の水深を使うとして有効貯水量はやや小さめの42万m3程度の推計値であった。諸元を提示すると以下のごと くなる。

[私案]新松ノ木発電所or松ノ木発電所3号機[→和田川新ルート]    
出力:9,700kW[+9.7MW]
水量:20m3/s
有効落差:57m
取水:小俣ダム発電所317m
放水:常願寺川[松ノ木堰堤]255m

[私案]松ノ木堰堤      
流域面積:
湛水面積:14ha
有効貯水量:42万m3
満水位:255m

現行松ノ木発電所の脇の常願寺川に放流・逆調整するので松ノ木へ通じる,真川・小見・和田第一・亀谷・中地 山・松ノ木を流れる一連のの水も此処で逆調整出来る事になる(松ノ木発電 所地点で水量は17.59m3/sである・意識的に調節出来る水量としては和田川第一の6.8m3/sと真川の有峰からの6m3/sと 12m3/s程度か?)が,貯水量は余りとれないのでこの面は深追いしない方がよさそう。
問題点としては①小俣を通ってた水の一定量が松ノ木に流れてしまうので小俣の発電量が減ってしまうと云う事。②上滝の水が増えるので処理しきれるかという 点がある。

【現行】
尖頭時:
有峰ダム→和田川新ルート30m3/s(195.5MW)→小俣ダム(逆調整)
有峰ダム→有峰ルート75m3/s(385MW)→小口川ダム(逆調整)

平常時:
小俣ダム・小口川ダム(逆調整分)─有峰第三・小俣ダム・小俣30m3/s(56.8MW)→常西用水

という流れである。これを

【増強案】
尖頭時:
有峰ダム→和田川新ルート35m3/s(小口川分含む)→小俣ダム
有峰ダム→有峰ルート75m3/s→小口川ダム(10m3/s分逆調整)─45m3/s分→新小俣ダム(逆調整)
                        └20m3/s分→小俣ダム─20m3/s分→松ノ木ダム(逆調整)
平常時: 
新小俣ダム・小口川ダム(逆調整分)・新小俣ダム・小俣ダム─24.5m3/s→常西用水
松ノ木堰堤─5.5m3/s→上滝発電所→常西用水

という形にするのである。小俣発電所の発電量減少分は30%程度で後述の小口川ダムへの導水で十分対応 出来そう。

有峰ルートを動かさない場合(例えば有峰ダムが低水位の場合)でも松ノ木堰堤に向けて20m3/sは水を送り込める。つまり尖頭発電がより下流迄出来るよ うに成るのである。勿論その分平常時(非尖頭時の発電力は減るのだが,これら は尖頭時という発想ではなく調整力という発想の方が良いかも知れない。)


【小口川ダム有効活用】
新小俣ダムと松ノ木堰堤で今小口川ダムがやってる逆調整を下流に持って行くことで調整力電源を充実させることが出来た。
一 方で,有峰第三・小俣ダム・小俣で尖頭発電に使った水を均して安定的に発電していた部分は小俣と上滝になり,その部分の発電量は減ってしまう。また小口川 ダムの使い途が減ってしまい小口川ダムでは新小俣(案)では50m3/s分V=100万m3分ほど,松ノ木堰堤(案)だと130万m3程容量が空くが,上 流の24,7km2からの水を新に貯められるようにはなる。年に2億トン/100km2という怪しげな推計値を使うと小口川上流から5,000万トン程年間流れてきて月平均400万トン。月3回転程できるので週周期的な運用は可能っぽい。

更により抜本的で,且つ中途半端に小見辺りを強化するよりは効率的だと思われる案に常願寺川本流からの導水が考えられるであろう。
小口川ダムの満水位は429.0mである。これに向けて送水するとなると和田川はこ こら(和田川第一~亀谷間),常願寺川はこ こら(瀬戸蔵砂防堰堤付近)となる。約7.9km(ちょいと長い。。)。

称名川発電所の使用水量が少ないばかりか,称名川SP放水点で取水もしてないなど,改善の余地ありの小見の増強など色々考えたけどこいつがあれば小見の取り損ねた分を取水できるので不要か という感じではある。
小口川に貯めた水は時間帯に応じて有峰第三・新小俣・小俣ダム発電所・小俣へ(更に新設するなら新松ノ木or横江)と流して発電出来る。特に発電所(容量)の増強は不要で発電量は増 やせるしちょっと導水距離は長めだけどやる価値はあるかもしれない。
この辺は導水路が四通八通しているので柔軟に水を流せそうで,横江頭首工に水が足りないとなると発電を取りやめて新松ノ木で発電した後そのまま松ノ木堰堤 から横江へ流すことも出来る。

また7.8kmが遠いなら4.2km程度で和田川からのみというのも手かもしれない。


【和田川新ルート増強・有峰増強すりあわせ】
さて,有峰増強の結果新小俣ダムと更に拡張するなら横江or松ノ木で松ノ木,和田川新ルートでの増強で松ノ木or横江で松ノ木となったが,横江調整池がV =60万m3程で松ノ木堰堤が両方ルートの受け皿になるほどの規模ではなく42万ほどであった。

ということで攻めるなら両方つくってしまえ,となる。鳥瞰図は以下の様になる。

また上の水流量案は以下の様に変更になる

【増強案】
尖頭時:
有峰ダム→和田川新ルート35m3/s(小口川分含む)→小俣ダム
有峰ダム→有峰ルート75m3/s→小口川ダム(5m3/s分逆調整)─50m3/s分→新小俣ダム(逆調整)─5m3/s分→横江堰堤
                        └20m3/s分→小俣ダム─20m3/s分●→松ノ木ダム(逆調整)
有峰ダム→和田川新ルート・小口川35m3/s→小俣ダム(10m3/s分逆調整)─25m3/s分●→横江堰堤

平常時: 
・小口川ダム(5m3/s逆調整分)・新小俣ダム(45m3/s分)・小俣ダム(逆調整分10m3/s)─16m3/s─小俣発電所→常西用水
松ノ木堰堤(20m3/s分)─5.5m3/s→上滝発電所→常西用水
横江堰堤(30m3/s分)─8.1m3/s→雄山第一発電所→常西用水

小俣発電所経由がそこそこ減ってしまうが,或る程度は小口川ダム導水で対応は出来るのではないか?現行で逆調整して小俣ダムと分担して貯留量で比をとると 平均20m3/s分ぐらい供給出来ていそうである。更にやるなら本宮堰堤→小俣ダムの導水で 小俣への水量を確保するのもありか。
そして本件では重複する小俣ダム発電所の能力を+15m3/s程した方がよさそうである。

[増強私案]小俣ダム発電所 [→ 和田川ルート]    
ダム式・調整池式
認可最大出力:4,800kW[+1.6MW] 
最大使用水量:45.00m3/s[+15m3/s]
有効落差:13.00m
水車:出力3350kW×1台+1750kW×もう1台
取水:小口川[小 俣ダム]330.3m
放水:小 俣発電所(Max30m3/s)・新松ノ木発電所(Max20m3/s)・横江発電所(Max30m3/s) 317.0m

[新設私案]横江発電所
出力:17,900kW[+17.9MW]
水量:30m3/s
有効落差:68m
取水:小俣ダム発電所・新小俣ダム310m
放水:横江堰堤238m

[私案]横江堰堤・頭首工
満水位:240m 利用水深:6m 有効貯水量:62.5万m3
取水:常願寺川・横江発電所
送水:常願寺川両岸分水工

この現行では小俣へ向かう30m3/sが,新小俣(45m3/s分)・小俣ダム(15m3/s)から小俣へは16m3/s,松ノ木堰堤(20m3/s分) から上滝PSへは5.5m3/s,横江堰堤(30m3/s分)から雄山第一へは8.1m3/sという様に分かれるというのが上の水量試算である。

常時通水量が増加して雄山第一の使用水量を8m3/s程増やせるであろう。余裕を持たせて10m3/s増強の場合,現状3.4MWを5.3MW程度には出 来るかも。

[増強私案]雄山第一発電所[→ 常願寺用水
出力:5,300kW[+1.9MW]
水量:28.0m3/s[+10.0m3/s]
有効落差:22.90m
導水路:総延長1860.0m
水車:立軸カプラン水車 出力3500kW×1台+追加1台2000kW程度のやつ
流域面積:448.5km2
取水:常願寺川[横江堰堤]→幹線水路235.1m
放水:幹線水路[両岸分水工] 204.60m

これもまあ和田川新ルートの調整力を上げる為に,有峰ルートの投資と整合性を持たせて最低限の投資をするとこんな感じであろう。
しかし新小俣のみで止めておけば割と単純だけど,その後30MW程度(新松ノ木・横江新設,小俣ダム増強)の調整能力の追加で随分大規模な投資を強いられ るものだ。
電力総連を含む原子力ムラの連中が原発絶対に固執しそれ以外の意見を頑として受け容れない(縮小すると固定費用を賄えなくなるから縮小すら断固拒否で話し 合いにもならない)のも,こういうの調べて行くと解らなくもないが…。