電力総研 水力あれこれ
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20.10.17運開

江の川の電源開発!

神野瀬川・布野川・比和川篇

全体像 新熊見ダムと生田川 神野瀬川・布野川[高暮ダム神野瀬発電所沓ヶ原ダム君田発電所萩川ダム森原発電所 西城川

流域の年間降雨量分布図
瀬戸内側は余り降らないが日本海側はそれなりに降るようだ。神野瀬川は大したもので源流付近は1900mm以上となっている。江の川の発電上の本線筋と 成ってゐるのも故無き事では(当然ながら)無いのである。
更に今は利用されてないけどその隣りに結構長くて1800~1900mm領域に延びて居る川もある。恐らくこれが比和川で あり,活用したい。
出典:国 土交通省河川局


>江川の包蔵水力は約40万kWあるが,そのうちの1割しか利用されていない。残余は,近年になつて急激な電力需要が増加するまでは,集水域の標高 の低いことと降水量の乏しきのために,開発が遅れた。[地質調査総合センター(1956)]
→現在では「2015年時点で、流域で28箇所の発電所で総最大出力約14万kwの電力が供給されている」wikiと あり,3割5分程迄には上昇しているようだ。

http://www.suiryoku.com/gallery/hirosima/kannose/kannose.html
http://maps.gsi.go.jp/#15/34.994162/132.794087/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=1947
http://www.hiroshimapeacemedia.jp/?p=86377
高暮(こうぼ)ダム     
中国電力(株)
江の川水系神野瀬川
目的:発電
堤高/堤頂長69.4m/195.7m
流域面積/湛水面積     159.3km2 ( 直接:156.7km2 間接:2.6km2 ) /185.2ha
総貯水容量/有効貯水容量    3,965.8万m3/3,585.8万m3→発電専用で最上流でこの貯水量♪
着工/竣工:1940    /1944(銘板:1949)
ダム湖名     神之瀬湖 (かみのせこ)
    湛水面積: 1.852平方キロメートル
    利用水深:33.2m

木曽川(王滝川)三浦ダム飛騨川(益田川)朝日・秋神ダ ム信濃川(梓川・犀川)奈川渡ダム大井川井川ダム阿賀野川(只 見川)奥只見ダム・田子倉ダム庄 川御母衣ダムの機能を江川(神野瀬川)ではこの高暮ダムが果た しているようである!(その他九頭竜川の九頭竜(長野)ダム,手取川の手取ダム,常願寺川の有峰ダム,黒部川の黒四ダム,神通川(宮川)の下小鳥ダム etc)

中国電力(株) 神野瀬発電所[水力] [DB] [長 崎大]    
運開:1945.2[日本発送電(株)→一部運開(7,600kW)]
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:20,000kW   常時出力: 6,200kW[31.0%]
最大使用水量:20.00m3/s[1.28]
有効落差:121.08m
水車:2台 総出力25000kW
導水路:総延長3475.9m
流域面積:156.70km2
取水:う つお谷→神之瀬川[高暮ダム]+竹 地谷川(竹地川)中 野谷?・計4箇所 457.20m
放水:神 之瀬川沓ヶ原ダム]327.80m

沓ヶ原(くつがはら)ダム[便覧][水力] [場 所]     
中国電力(株)
目的:発電・高暮ダム逆調整池
堤高/堤頂長:19.5m/106.2m
流域面積/湛水面積     194.0km2 ( 直接:180.2km2・間接:13.8km2[神野瀬PS経由]  ) /16ha
総貯水容量/有効貯水容量:  75.0万m3/32.0万m3
着手/竣工:     /1941
標高
        堤頂標高:332.000m
    洪水時満水位標高:330.990m(サーチャージ)
     常時満水位標高:329.000m
      最低水位標高:326.500m
       越流頂標高:325.800m(クレストゲート)
     取水口敷高標高:324.000m
        基礎標高:312.500m

沓ヶ原ダムの有効容量は32.0万m3。神野瀬がフル発電の20.00m3/sを君田(と森原)が最大の14.00m3/sでフル発電した時。ダムには 6.00m3/sで水が貯まって行く。この時ダムが一杯になるのに14.8h(=約14時間50分)かかる。
これなら沓が原で神野瀬の20m3/sを受け止められるなあ。。
有峰の法則だと20m3/sを受け止めるに必要な逆調 整池の容量が40万m3となるが,沓ヶ原は32万m3で概ね合致してる感じではある。

中国電力(株) 君田発電所[水力] [長 崎大
運開:1941[日本発送電(株)]
ム水路式・調整池式
認可最大出力:9,620kW    常時出力:4,770kW
最大使用水量:14.00m3/s
有効落差:83.71m
水車:2台 総出力11400kW
導水路:総延長6121.3m
流域面積:194.00平方キロメートル
取水:神之瀬川[沓ヶ原ダム]329.00m
放水:神 之瀬川森原発電所](235.89m) 

高暮発の20.00m3/sは沓ヶ原で受け止められるけど。君田発の14.00m3/s の行方は怪しい。
60.85km2の萩川ダム(貯留量恐らく無し)で3.5m3/s程度を取水しつつ森原での受け容れ水量は15m3/sしかなく,君田からの14(ス トビュウに拠るとピントが合わず微かではあるが14m3/sを取水しているように見えるw)を足すと2.5m3/s程あぶれてしまうのである。
また更に萩川の東側には未利用の水源(最終的には西城川)もあってそれも使いたい。

萩川(はぎかわ)取水ダム[水 力]

取水堰
場所:(231.9m)
面積:60.85km2


昨年末,松江道降りたら雪景色ではらはらしながら捜索した萩川堰堤。

取水量3.5m3/sが判明!(←これを探しに行った)。森原P/Sの取水は君田P/S(使用水量14m3/s)と萩川から。単純合計で17.5m3/s 使える筈なのに森原の最大使用水量が15m3/sしかないのはちと勿体ないのではないか?
更に君田に放水する神之瀬発電所は20m3/sなので下流へ行く程使用水量が減って行く(発電に使わず川に放流してる)ことになる。利水も下流に行くにつ れ増えるのかも知れないが,過疎も進んでいるし農業用水も少なくて済むようになってるかもしれない。調整して使用水量と施設を増強して発電量増やしていき たい。


中国電力(株) 森原発電所[水 力
運開:1952
認可最大出力:7,200kW      常時出力:3,160kW[43.9%]
最大使用水量:15.00m3/s
    有効落差:57.75m
水車:出力7350kW×1台
    導水路:総延長6177.4m
    流域面積:254.20平方キロメートル(萩川:60.86km2)
    取水:君田発電所(14.0m3/s)萩川[萩川取水ダム(3.5m3/s)](237.00m)
    放水:西 城川(171.80m)



問題解決と電源開発

上の森原発電所の能力過少問題から一気に解決策を模索する(まあ過少って程でもないんだけど。。)。

(A案)君田PSでの発電・放水後,南東の森原PSでは無く,西側の布野川を経由して一気に新熊見より下流の式付近迄16kmの導水路で運び発電する
(B案)森原PS直下で取水して頑張って江 の川堰堤(新熊見取水口・141.9m)迄引っ張ってくのである。

放水位レベル171.80mの森原よ りも低標高迄降ろせるのでこっち経由が有利となる。
基本こっち経由として森原は萩川からの発電に専念するぐらいの感じで良い。14m3/s中12m3/s程度はこちらへ。君田からの2m3/sと萩川からの 3.5→6m3/sで8m3/s程確保出来る。

取水:君田発電所・布野川(238m)
布野川41.67km2 3.2m3/s程取水

放水:江の川ダム(熊見ダム)142m


[仮称]三次発電所
出力:13.000kW[+13.0KW]
水量:17.2m3/s
落差:91m
取水:君田発電所放水口
放水:江 の川堰堤(新熊見取水口・141.9m)
導水路:15.78km

これで高暮ダム→神ノ瀬発電所・20m3/s・20MW→沓ヶ原ダム→君田P/S・14m3/s・9.62MW→[新]三次P/S・ 17.2m3/s・13.0MW→江の川堰堤→新熊見P/S→と一連の流れで発電所が連檐し,電源地帯として完成する。新規電源は三次の13MWである。

さて,基本的に水を奪われた森原には新水源を宛がってやる必要がある。

湯木川
意外に大きくて22.1km2ある。1.4m3/s程度は見込めるのでは無いか。

更にその向こう側(東側)の比和川。なんとたっぷりの140km2
これは使うしか無い。9m3/sは期待もてるのでは無いか?

以上から水量を計算してみると

萩川(4m3/s)+湯木川(1.4km2)+比和川(9m3/s)=15.4m3/s

となって現行の使用水量を超過してしまう。

勿論多い分には良いんだけど,現行水車が7,350kWなので15.4m3/s迄増やすとギリギリ交換が必要となる。(;´Д`)惜しい。
使用量は合計して15.3m3/sに落としておく。

[水源変更]森原発電所
中国電力(株)
出力:7,200→7,350kW<定格出力上限迄引き上げ>[+0.15MW]
水量:15.0→15.3m3/s
取水:君田発電所、萩川[萩川取水ダム](237.00m)湯木川 (1.4km2)・比和川(9m3/s)
放水:西 城川(171.80m)

まあいずれにせよ新設三次へは君田の全使用量を注ぎ込む形で良いな。導水路図は他の計画が完備する迄お預け w(リンク踏むなよ,絶対踏むなよ←ダチョウ風♪)

第二次拡張

これ以上拡張すると全面改修が必要となるけど,これw
西 城川250m付近から延々15km引っ張ると比和・湯木を巻き込んで萩川へ至ることが出来る。


川北川 35.0km2 2.3m3/sってとこだな。

そして西城川本流。  230km2ぐらいありそう。。10m3/s位は取水出来るのでは無いか?

もうこうなるとどうやって収拾着けていいのか解らなくなるけど,13MW級が並ぶ電源地帯って感じかな。

[大拡張]森原発電所
出力:7,200→7,350kW→13,200kW[+6.0MW]
水量:15.0→15.3m3/s →27.6m3/s
有効落差:57.75m
導水路:15.5km(新設距離) 
取水:君田発電所(普段は0m3/s)、萩川[萩川取水ダム](237.00m/3.5m3/s) 湯木川(1.4m3/s)・比和川(9m3/s),川北川(2.3m3/s),西城川(10m3/s)
放水:西 城川(171.80m)

此処迄増強すると,(更に上流からも連続で発電所の建設を考えると尚更)此処から新熊見発 電所江の川堰堤迄も発電しない訳には行かなくなる。

[新設]新三次発電所
出力:6,200kW[+6.2MW]
水量:30.0m3/s
落差:25m
導水路:11.85km  (0.52)
取水:西 城川(171.80m)27.6m3/s・神野瀬川(布野川合流部)2.4m3/s
放水:江 の川堰堤(新熊見取水口・141.9m)

77.2km2もあるけど平野部なんで2.4m3/sも取れれば十分か。

こんな感じになる。


これより西城川上流はこちらで。