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とはずがたりな掲示板 ( 利 水スレ電 力スレ )

伊奈川の利水須原(橋場)問題篇(→旧ルート篇新ルート篇)

問題点合流部遠景合流部地 図橋場発電所諸元導水を示す文献橋場付近拡大図橋場発電所現況追 記(導水の現物発見?)開発案=別頁】

さて,伊奈川の利水を見て,気付く点は以下の3点。
①伊奈川発電所放水点(EL.539.50m・最大放流量11m3/s) で,次の大桑発電所取水堰堤(仮称:須原堰堤・取水位EL.524.34m)との間に未利用落差15mが存在し ている。更に桃山発電所取水堰堤(仮称:小野堰堤・上松PS放水且つ桃山PS取水地点)と放水点の間に41.8km2程の未利用流域面積が ある。(更に寝覚・上松の放水量の内,桃山・須原で使い切れない水量が30m3/s近くある。)
②橋場発電所放水点(EL.525.94m・最大放流量4.09m3/s)が伊奈川に放流しているとすると大桑発電所 (取水位EL.524.34m)で使えそうなのに使われていない(→調べてみると使われているようだ)
③これらの放流水と比較して大桑発電所(最大使用水量38.4m3/s・有効落差39.09m)が少なめである。 また須原の伊奈川の木曽川合流地点で橋場発電所取水点(≒田光発電所放水点)以下の伊奈川流域65.8km2分の水が惜しくも全く利用されずに読書迄流れ ている様に見える。



伊奈川合流部遠景   


地理院図       
最後の橋場発電所である。場所的には殆ど須原。


関西電力(株) 橋場発電所[水力
運開:1929.2.14[伊奈川電力(株)]※
水路式・流込式
認可最大出力:1,900kW[→発電効率84.9%]  常時出力:220kW[11.6%]
最大使用水量:4.09m3/s
有効落差:55.80m
水車:出力1935kW×1台
導水路:総延長1913.6m
流域面積:119.5km2
取水:伊 奈川[田光PS](588.48m)
放水:伊奈川[大桑PS]525.94m

wiki (木曽発電)に拠ると
>伊那川電力株式会社(いながわでんりょく)の社名で1928年(昭和3年)に設立され、製紙会社樺太工業が経営した長野県木曽地域での電気供給事 業を引き継いだ。
とある。wiki (中央製紙)に拠ると
>橋場の水力発電所と田光発電所は(とは註:中央製紙が設置し樺太工業が継承した)木 曽工場(の 1928年7月の)閉鎖後、大同電力系の伊那川電力(後の木曽発電)が継承し、橋場の水力設備については改造されて橋場発電所となった
とある。
元々橋場には田光発電所を設置した中央製紙の水力発電設備があったが橋場の水力発電設備は発電所では無かったというのか?また伊奈川電力の設立時期から考 えて木曽工場廃止に伴い伊奈川電力も設立されたのかも知れない。

須原で取水されないのでもっと下流まで流せないか,廃止して改造や!とも思ったけど発電所そのものは84.95%と高効率であった。廃止は非現実的か
水量も検討してみる。田光発電所取水口以下で取水出来る流域として測ってみると27.55km2を得る。ここから伊奈川ダムへ導水したい浦川11.6km2を除くと約16km2ってとこ。
田光の2.78m3/sと橋場の4.09m3/sの使用水量の差,1.29m3/sを埋めるには恰度良い程度の大きさか。基本,伊奈川ダムに貯められた水 による相之沢PSからの尖頭発電の一端を担う感じであろう。

さて冒頭の問題②に関して橋場の放水設備の小改造で須原での取水を増やせ る。。

大桑の増強と併せてもっと剛胆に行くとこんな感じ(堰堤建設・大桑第二発電所建 設)もありかも。
と思ったが,調べて見ると発電容量が大して出なくて断念。。(→私案諸元はこちら・2.5MW 程度では,,)

②は調べて見ると
>(大桑発電所の)取水堰は1か所あり、その高さ(堤高)は7.12メートル、長さ(頂長)は138.47メートル。…上流須原発電所の放水(放水 路に直結)と支流伊那川 橋場発電所の放水(取水堰上流へ放流)を集める。[大同電力(株)沿革史][wikiwand
だそうである。
橋場 Pから放流水は大桑Pで使える構造になってるようだ。
ということで,23.10調べに行ってみた。

地味だけど本日のメインの橋場発電所。伊奈川の水で発電している。この放流水をちょい上流で木曽川か ら取水してる大桑発電所でも使ってるらしいのであるがどうやってるのか不明だったので来てみたが良くわからない、、変な積み出し施設の廃墟が発電所正面に あった、、 pic.twitter.com/byXGR9GbHb

— とはずがたり (@tohazugatali1) October 29, 2023

橋場発電所現況    

発電所建屋


水圧鉄管


水圧鉄管と建屋


謎の構造物[→ ストビュウ
23.10

余水吐
=見忘れた

須原堰堤(仮称)遠景
=準備中

現地を彷徨いてみたが構造物は確認出来なかった。

仮に使えるとの記述が正しく今でも取水していたとしても大桑PSの使用水量は須原に毛の生えた程度(問 題③)なので両 発電所ががんがん発電する 尖頭期には溢 流させてることも多そうではあるが,,

追記(実は既に見ていた?)     
見付からなかったを繰り返した私であるが,伊奈川発電所の写真を求めて一番始めに木曽路を走破した20.10の古いフォルダを漁っている所,伊奈川発電所 は写真撮ってなかったが須原堰堤(正式には大桑堰堤か?)の直ぐ近くまで迫っており,何やら気になるものが写っている写真を発見した。画面手前である。
20.10
当該箇所の空 撮(G)。どうやらこれがそうかな??
但し堰堤は殆ど水を貯める機能は無さそうで,橋場で使った水が大桑で使われるのには可成りの渇水の必要がありそうw
またここなら私の妄想(赤線部)がどんぴしゃと云う事になるな♪

これら(導水はある)を前提に新発電所を構想たのがこちらになる。