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21.5.8分離独立

木曽川上流域の発電所増強検討(その2)

水量豊富な木曽川。開発が進み,各区間の水消費量にアンバランスが発生。途中,増強により2ルートに分かれている。
①…─木曽ダム─(木曽川取水ダム[福島]─[木曽川渡河]─)合流点─寝覚発電所─上松発電所─桃山発電所─須原発電所─大桑 発電所─読書ダム─
②…─王滝川ダム─牧尾ダム─三尾発電所─木曽ダム─木曽発電所─読書ダム─

木曽ダム・木曽発電所の完成で再開発は完了したようなんだけど,旧ルート上の大桑発電所を筆頭に水利用上の隘路が発生しているような・・。解消と増強を検 討してみる。 現況レポはこちら

その1では木曽ダム・木曽発電所がスルーしたローカルな水源からの常時水量を積み上げて行ってピー ク電源としての隘路というか増強の余地がないかどうかを 探っていった

どんどん議論が拡散して,最後は旧ルートの方が何故か高効率という変な結論で迷宮入りしてしまった。。(どうやら更新済の桃山と須原の発電効率が高まった らしい。)

 ここでは視点を変えて見る。
今,寝覚発電所は流域面積985.0km2から65.8m3/sを取水して発電,下流の上松PSに 48.65m3/s送水して19.15m3/sは木曽川 に放流している。上松では新規取水はせずそのまま48.65m3/sで発電して桃山に37.57m3/s送水し,11.08m3/sを木曽川に放流してい る。
寝覚と上松併せてピーク水源30.23m3/sを木曽川に流している 事になる。
一方で,上松PS放水地点=桃山PS取水地点で寝覚の取水点よりも新規に75.6km2分の流域が加わっている。これは通常流量として7.56m3/s分の水量が流れている(流域面積km2*0.1 が使用水量m3/sの目安という経験則から)事になる。
発電所の取水で考えると取水する発電所は寝覚・桃山・大桑しかなく,寝覚放流以降の今考えて居る区間ではいずれもその上の発電所の水量を増やして取水する 能力に乏しいのである。寝 覚で取水してから読書まで殆ど新規取水が出来ていない異常事態なのである。


この様に計算していくと木曽発電所の水なども合わさり一旦全てリセットされる読書ダムの 地点で通常水量35.82m3/s・ピーク水量40.40m3/sの大量の水が使われずに流れ込んでると云う事が云える。
(使われて流れ込む水量は通常水量として木曽PSからの60m3/s・ピーク水量として大桑PSからの38.40m3/sとなる。)
流入(読書D)
通常
ピーク

未利用
35.82
40.40
75.82
利用
60
38.40
98.40

95.82
78.40
174.22
利水(読書P)
73.0
45.91
118.91

勿論,読書ダムの水の使用量(詰まり読書発電所の使用水量)と比較するとこれはやや過大な見積もりである可能性が高くて,特にこの辺はそれ程多雨では無いので通常流入量はもっと小さそう。。(半分ぐらい?)

もう一寸正確に測ってみると神戸ダム(新木曽ダム)が出来たとしてそれ以下の面積174.5km2ある。神戸ダムが出来ると通常水量を増やせそうであるが そこはとりま無 視。また越百川沿いの1000m以上の流域も伊奈川経由にする為にカウントしてない。
こうしてみると大桑時点での未利用通常水が半減の17.91ってのは可成り良い線かも♪
流域面積は以下の様になる。

またピークの水量であるが,寝覚PSは木曽発電所が出来る前の主力発電所で,そもそも木曽PS開発後は可成り過大な出力規模の侭,放置されてきてる可能性が高い。30m3/s 程度差し引くべきか?(というか未利用のピーク時水量は伊奈川の 11だけでええんちゃうか。)
この位ざっくり減らすと帳尻が合ってくるw
流入(読書D)
通常
ピーク

未利用
17.91
11.0
28.91
利用
60
38.40
98.40

77.91
49.40
125.31
利水(読書P)
73.0
45.91
118.91

ということで色々要素を削ぎ落として見やすくしてみると使える量の水が貯まるのは伊奈川放 流地点と云う事になる。
ピーク未用水は11m3/sで,通常未利用水は須原堰堤地点での25.84÷2=13m3/sよりやや上流に位置する分やや小さいとなる。

まあ概ね11+13-1=23m3/s としてこれをどう利用するかである。。

[私案]新須原発電所
出力:2,500kW→ちいせえ
水量:23m3/s
落差:13m
取水:木曽川[伊奈川発電所]540.0m
放水:木曽川[須原堰堤(大桑PS取水)]524.0m

これではあかん。。大桑以下の増強も結局不可避である。
更に伊奈川の水も汲んで読書ダムで放水と規模をデカくしてみる。勿論。伊奈川のおこ ぼれでそんなに取れる訳もないのであるけど大桑発電所一個分の落差が乗 ると全然出力が違ってくるな~♪
実際は15m3/s程度にしても良いかも。稼働率を確保出来て良さそう。一応20m3/sにして置く。神戸Dでの水確保も考えると25m3/s位でもいい かも知らん。基本,伊奈川の項で検討したやつの上流からの水をもっと計上した バージョンである。


[私案]新大桑発電所
出力:12,700kW~10,200kW~7,600kW [+12.1MW]
水量:25m3/s~20m3/s~15m3/s
落差:60m
取水:木曽川[伊奈川発電所]540.0m
放水:木曽川[読書ダム]480.0m

まあちょっと高度成長期っぽいイケイケ感が強すぎる感は否めない。
とりま保留で。

更にピーク電源の水量に期待せずに水量確保を期した(案)はこちら[→寝 覚・ 新木曽]