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とはずがたりな掲示板 ( 利 水スレ電 力スレ )
22.6.22運開
与川(宇礼沢)の利水と発電の可能性

伊奈川の直ぐ南側の川。柿其川蘭川(≒読書発 電所)の間で木曽川に合流する。

また水系の南側で は与川峠を通じて妻籠(蘭川)の奥と繋がっている。
蘭川は清内路や馬籠・神坂,大平等と山岳交通を通じて各所と繋がってる感じはあったけど,こっちは三留野・野尻・大桑辺りとは繋がっていても山の向こうの黒川(清内路)松川(飯田の奥)と直接行き来する道路は無さそうである。摺 古木山[wk]が立ちはだかってる訳だが如何にも歴史や曰くがありそうで古来からヒトが立ち入らなかった訳では無さそう。

読み方だけど行政の資料(url)から判断するに「よかわ」ではなく「よがわ」らしい[南 木曽町(http://www.town.nagiso.nagano.jp/ ... yogawa1.pdf)]。。 ファイル名やら何やら全部yokawaにしちまったぜ。。

また読書発電所の辺りは吾妻という地名(妻籠への分岐交叉点の直ぐ脇の洞門が吾妻洞門)で読 書という地名は与川中流にある。可怪しいと思って調べて見るがgoo mapでは埒が空かない。google mapで調べて見るとどうみても南木曽町全体。。更に調べると衝撃の事実が。。
>読書村は3つの村の合併で誕生した。合併前の村名
>与川(よがわ)、三留野(みどの)、柿其(かきぞれ)、の先頭4文字の合成が「読書」の由来だという。
>村の成立が明治7(1874)年…読書村は1961年に隣接のふたつの村と合併し南木曽町となりました。[持ち 歩記
なんと。。三留野が大きくなりきれなくて南木曽(なぎそ)となったのだなと勝手に思ってた(南木曽駅は元々三留野駅・好きな駅名)けど三留野が大きくなり きれなくて一旦読書になって,そこから更 に田立と吾妻と合併して[wiki]南木曽になったのか!吾妻は妻籠・蘭川地域の村で読書発電所の向かいだけ一寸出っ張ってたようだ。三留野駅が 読書駅となってた可能性もあったんだな~。。一寸他では見ない読書という地名は近代の合成地名であったのか。
更に恥ずかしながらずっと三留野を「みるの」だと思い込んでたけど「みどの」で水殿辺りと 同じ(発音の,多分由来みたいなのも)地名であった(妻籠(つまご)と良い今日はこんなのばっか りだw)。急流の木曽川 だけどこの辺は一寸緩やかなので水が澱んでたりしたのかもしれない。

熊野古道が山の中を突っ切るのは最短距離でもあるし川沿いの道は不安定だったのだろうなあ。

この与川沿いに中山道がある。
>木曽川沿いの中山道は水害でたびたび通行不能となり、その迂回路として三留野から野尻へと峠越えをする与川道(よがわみち)ができました。[南 木曽町
とのこと。
市町村が合併が進んで歴史有る地名が消えてじまっているが,木曽町は木曽福島町,南木曾町は三留野町の方が良いなあ♪(;´Д`)
それはさておき,中 山道が与川を遡るのは良いけどそのまま須 原へ抜けるのではなく態々遠回りして野 尻に抜けるの??野尻の重要性を示唆する事例かも知れぬ。

あれこれ 検討する中で伊奈川とも一寸絡んだ与川。現状では小 さな発電所が一つあるのみ。

関西電力(株) 与川発電所[水力]→ 水力さんは「よかわ」派。かなり正確性の高い水力.comさんなので発電所名としては「よかわ」なのかも。
運開:1926.12.10[T15:信美電力(株)…同じ大同系伊奈川電力に合併]
水路式・流込式
認可最大出力:1,760kW  常時出力:1,220kW[69.3%]→常時が割りと高い。
最大使用水量:1.67m3/s (0.37)
有効落差:135.40m
水車:出力2030kW×1台
導水路(下山沢→与川):総延長306.6m
導水路(与川→発電所):総延長2152.9m
流域面積:44.7km2
取水:下 山沢与 川(567.71m)
放水:木 曽川[読書D・山口D間・柿其合流点下](    )

取水が2箇所あり,それぞれ下 山沢堰堤・与川堰堤と記されている[G]が,内訳とか不明でなんとも言い難い所ではある。調査待ち。

44.7km2から1.67m3/sしか取水せず1926運開の余りやる気のない発電所である(常時は結構高め。。)
普段なら増強の可能性と探るとこだが,こちらで水を取り上げても問題は無さ そう(かも)。上流から伊奈川に取水しても良いかも。。

田光発電所へ送るべくEL.715m程度で取水して見ると17.6km2程度。与川PSの流域面積44km2から18km2取り上げたとして残りが 26km2。最大使用水量1.67m3/sにお似合いの水域にはなりそう。。

ただ色々考えるも一寸遠いな。。

寧ろ与川の流域内で高度を活かして発電出来ないものか?
790m程で取水してみると31.1km2程になる。既存の与川は無視する形で三留野(南木曽)辺り迄持って行くのも良い。残りの流域面積は44.7- 31.1=13.6km2であり,既存の与川PSの使用水量1.67m3/sにお似合い(一寸少なめだけど)である。

良く目を凝らすと三留野へ持って行って更に山口ダム満水位迄10m程を無駄にするよりは寄り近い読書ダムへ持って行って確実に水を利用して貰った方が良さ そうではある。その場合胡桃田川はオプショナルかな。。
気になる降水量であるが,そろそろ木曽駒の小雨地帯に入りかけてる恐れもある。。余りガメらずとも高低差で結構な出力にはなる。
<野尻(案)>
 
<山口(案)) >
 
<与川活用案>
 
<与川・蘭川活用 案>
[私案]新与川発 電所
出力:9,700kW[+9.7MW]
水量:3.0m3/s
落差:380m
流域:22km2程度
導水:9.2km2
取水:上 山沢下 山沢南 沢 875m
放水:木曽川[読書ダム]482m

読書発電所発電貢献分
 認可最大出力:117,100kW
 最大使用水量:118.91m3/s
3.0m3/s分出力:2,950kW[+2.95MW]


合計:+12.65MW

[私案]新与川発 電所
出力:12,600kW[+12.6MW]
水量:3.0m3/s[1.35]
落差:495m
流域:22.2km2程度
導水:本導水路10.0km
取水:上 山沢下 山沢南 沢胡 桃沢 875m
放水:木曽川[山口ダム]363m

[新設]新与川発 電所
出力:7,600kW[+7.6MW]
水量:3.0m3/s[1.35]
落差:300m
流域:22.2km2程度
導水:本導水路10.0km
取水:上 山沢下 山沢南 沢胡 桃沢 875m
放水:与川[与川発電所]567.71m

[増強] 与川発電所
認可最大出力:5,700kW[+3.94MW]
最大使用水量:5.0m3/s←1.67m3/s (0.37)
有効落差:135.40m
流域面積:44.7km2(+22.0km程度)
取水:下山沢・与川(567.71m)
放水:木曽川[読書D・山口D間・柿其合流点下](424.24m)

[新設]南木曽発電所
出力:3,000kW
水量:6.5m3/s
落差:55m
導水:4.8km
流域:14.7km2(読書D・柿其D・与川Dより下流)(柿其D上流の間接域として37.5km2)
取水:木曽川(与川出合)425m※:蘭川PSとほぼ同じ。統合も可能か? → 右参照
放水:木曽川[山口ダム]362m

合計:14.54MW


[新設]新与川発 電所
左同







[増強]与川発電所
左同






[増強]蘭川発電所
出力:4,200kW[+3.0MW]
水量:9.3m3/s(+6.52m3/s)
落差:55m
導水:5.6km
流域:83km3=69(蘭川)+14.7(読書D・柿其D・与川Dより下流)(柿其D上流の間接域として37.5km2)
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力1600kW+1台3500kW(追加)
取水:木曽川(与川出合)・蘭川[妻籠発電所]425m
放水:木曽川[山口ダム]362m

合計:14.54MW




落差はお隣の伊奈川発電所(有効落差:438m)と伊奈川ダム(流域面積:76km2・有効貯水量:50.5万トン)を想起させる。こちらも上山沢辺りに小さめのダム でも建設してピーク電源とし て機能出来るようにしたい気がする。
直接流域54km2・間接流域22km2で合計76km2ある伊奈川ダムに比べてこちらは流域面積が22.2km2程度と1/3である。取水量は3~4倍 欲しい所である。

上山沢ダム
満水位;900m 27.0ha
最低水位:850m 4.6ha
推計貯水量:V=4.6万m2*50m+(27.0-4.6)万m3*50m*(1/3)=600万m3→利用水深50mと頑張った。下手すると有効落差 が363m程になって出力も9.0MW迄になるけどまあ十分であろう。


比較検討

伊奈川ダム(既設)
上山沢ダム(妄想)
その他
堤高/堤頂長 43m/105m 80m/300m

流域面積 76km2 ( 直接:54km2 間接:22km2 ) 30km2以下

湛水面積 6ha 27.0ha

有効貯水容量 50.5万m3 600万m3

取水量・位 伊奈川PS:995m・11.0m3/s
相之沢PS:982.0m・3.11m3/s
与川PS・3.0m3/s


もしこんなに貯められるなら23日分なので年周期的に運用出来る!?
一日4時間なら倍の6m3/s。20MWでも70日分ある。