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2020.10.11作成

天竜川中部の貯水

さて,前回の検討の結果,天竜川下流域の3発電ユニット,佐久間,秋葉,船明を検討して以下の 結論を得た:

>豊川の検討で 見るように,佐久間ダムの 水利用率は90%を超えていて結構シビアである。ところ が,水利用率は90%が示す様にある水はほぼ使い切ってるのに稼働率は53%程度である。
要するに容量がデカすぎて水が足りないのである。

>以下でみるように秋葉の問題点は水量の不安定性である。佐久間から13億m3/年 も増えてるけど使い切れていない。秋葉ダムは佐久間の逆調整池であり有効貯水量は大したことないのである。。何とか増やしたい。

佐久間の水量対策としては水窪 発電所経由で取水を増やす為の門桁ダム建設豊川用水 大入導水分5m3/sの新豊根発電所・豊川用水佐久間導水経由化大千瀬 川導水建設,更に佐久間第二のみの施策として下で見るように佐久間第二は天竜川から取水等を提案させて貰った。

だが,秋葉ダムの容量不足で佐久間~秋葉間で増える13億m3を処理し切れてない問題を解決は秋葉ダムの堰堤高上げる?ぐらいの自信の無い妄想wぐらいし か出来なかった。

またこの不安定さは佐久間第二の能力増強にも影響がある。
結局ダムで安定化させない水流では大した数量を確保出来ない上に,有効落差の小さい佐久間第二では物量で攻めないとあんま増強する意味がないのである。

<水窪ダム貯留>
今時難しい巨大ダム建設だけど,ささやかな堰堤だけど結構水面広そう な箇所見付けてきたしもしたけど,本命は水窪ダムっぽい。

今ダムの流域面積172.3km2(間接流域含む)に対して貯留量2,280万m3である。

水窪ダム・水窪発電所
稼働率 19.9~27.3%
流域面積 172.3km2
貯留量 2,280万m3
水使用率 97~100%

そこそこの稼働率の大井川発電所・大井川ダム・寸又川ダムと比較してみる。また稼働率や水使用率などは判らないが木曽川代表として読書ダムにも登場を願 う。

大井川発電所
稼働率 73% 66%
大井川ダム+寸又川ダム 
流域面積 1018.9km2
有効貯留量 50.3万m3+52.2万m3=102.5万m3
水使用率 62~76%

読書ダム
流域面積 1341km2
有効貯留量 267.7万m3 

大井川ダム・寸又川ダムは運用は一体である。大井川ダム・寸又川ダムの流域面積にやや不審な点があるものの,ざっくり比較して流域面積に対して水窪ダムの 貯留量の多さが光っている。
異様にデカイといってもよい。

大胆に水を持って行って貯めるとするとこんな感じか。

ここで1億tは有効活用で来そう。杉川と門桁辺りに貯留可能な堰を作るともう一寸行けるかも。

今は余り活用出来ない有本堰堤だけど戸中川発電所構想で 白倉川からの取水を増やせそうである。まあ規模は小さそうで濁流時は取りやめとなると精々2000万m3/年ぐらいか。


更に有本から延伸。新規水源は翁川9,1km2である。降雨量は1km2 =400万m3/年とすると3600万トンとなり,6割程度取水出来るとすると2000万t弱。

小沢川・河内川はとりま保留。

水窪ダムへの新規流入は1億5000万t/年辺りは期待出来るか。

<佐久間ダム貯留>

水窪ダム絡みはこの辺迄で,今は頼りない西渡に頼ってその後秋葉に流してる水利用を佐久間ダムに持って行く方途である。

52.4km2あるが翁川の9.1km2を除くと43.3km2で降水量は1億7000万トン/年で5割取水出来ると8500万トン。佐久間ダム湖の余裕 の確保が必要である。

佐久間河内川からの取 水:
流域:6.21km2  導水距離:1.76km 取水位:250m

6.21km2*300万m3/km2(1km2辺り年間水量)*(5/12)(堰係数)=776.3万m3/年

併せて9000万トン/年程度か。

<その他>

[仮称]中部天竜ダム[場 所
堤防をEL=140m位として実際の運用上限は135m満水位,取水位は佐久間第二の取水レベル122mに対して124m位にしとくと11m×113万 m2=1,243万m3を此処に貯めておける。
これは秋葉(775万m3)と船明(360万)の有効貯水量を合わせた量(1,135万m3)を凌駕する♪

佐久間第二は低落差なので水量がものを云う。この貯水量で大千瀬川流域をガツンと安定化させたい。


例の如く,牽強付会の可成り妖しい推論でどの程度このダムの効果があるか見て行く。

上流で水窪発電所の門桁が取水してしまってるけどそれ以外は水量の判明してる豊岡から色々推計してみる。

73.3km2の内,53.9km2の水を8m3/sで取水されて残りの水量を4m3/sで取水した場合の余り

概ね1/3が発電,1/3が7月と9月の放流,1/3がそれ以外の10ヶ月の放流って感じになっている。

降雨量の6割りが7,9月。
より正確には水利用率は35%。放水量は65%。65%の6割だから全体の40%。残る10カ月の放流量は25%って感じである。

一方全て推計値だけど大千瀬川流域で37.2km2で1.30億m3,74km2で2.60億m3程降ると推定出来る。

詰まり豊岡の流域面積では概ね2.6億m3程振ると想定出来て,実際には1億3080万しか扱ってないとなると1億3080万が門桁での推定取水量とな る。
ほぼフルで取水出来てると仮定すると1カ月1000万m3程度。正確には1090万
3,4,10,11を1090万,6~9月を1180,12~3月を1000と補正

以上で豊岡発電所の集水地域の月別降水量が計算できる。これを面積74km2で割ると1km2辺りの推計降雨量が出る。


4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
12月
1月
2月
3月
近傍の1km2辺り降雨量
32.7 20.4 20.3 59.3 28.4 54.3 23.6 21.2 23.2 18.8 29.3 21.9
佐久間第二取水域(116.6)平均月別量 5,029.68 3,138.35 3,117.57 9,124.08 4,364.59 8,355.08 3,637.16 3,263.05 3,574.81
2,888.95
4,510.08
3,366.97
更に平均週間雨量量
1,117.71 697.41 692.79 2,027.57 969.91 1,856.68 808.26 725.12 794.40
641.99 1,127.52
748.22

一番少ない月で3000万m3,一日100万m3は11.5m3/sに相当。116.6km2の概ね10%が11.6m3/sと云う物部川の経験則にも合 致してるなw

この使用水量をどの程度上げられるかが課題。目標としては23m3/s程度に置いてみる。

梅雨の6月の数値が低いのが一寸危うい(推論に穴があることを示唆している)けど目をつぶって行く(誰か流域区間別の降雨量の実測値下さいw)。

貯留量が1,135万m3なので一日200万m3だと5日分ぐらい貯められる。一回の雨で1135万位迄なら貯められるので平均値の5日分ぐらいまでなら 逸失しないで使える。
一週間も雨が降り続けることは余りないので1週間ぐらいで取るとまあ割りと平均的な週降雨量を出せると仮定してみると概ね7月9月以外は大丈夫そうであ る。
全部で4.1億程の内,取り逃がすのは7月と9月の1000万m3/週ぐらいでこれが2カ月で9週間程あるので9000万m3程は放流。残る3億2000 万程は利用。水利用率は78%となる。なんかすげえそれっぽい数字が出てきたw
13億の内,1.3億の6割位は佐久間ダムで貯蓄出来て,大千瀬川の4億半の内3億半程は安定化出来る。

領域
地域
面積
推定水量由来


振草以上
74.4km2
1.30億m3
領域 ①図

佐久間ダム大千瀬導水流域
37.2km2
1.30億m3
領域 ②図

それ以外大千瀬~佐久間第二以上流域
116.6km2
4.09億m3
領 域②③図

水窪川流域(水窪ダム蓋渠での取水無し仮定)
121km2
4.2億m3
領域 ④図

佐久間第二以下水窪以外
59km2
2.11億m3


全体
408km2
13.00億m3


<大千瀬川ダム>



[妄想色強し]
極限まで水窪川の流れを削った上にトドメは標高120m級からの佐久間第二への導水であろうw

湛水位140mの下水窪ダム。推計有効貯水量141万m3

集票流域は水窪からの新導水路を造らない前提だと54.75km2。
西渡を廃止する事は大前提になるし色々投資効果考えるとどうやろな。。
ただ佐久間第二を20m3/s分強化するのと同じ増強を施してやれば秋葉の稼働率もそれなりに上がりそうである。

<気田川貯留>
気田川秋葉導水:

現在,気田発電所での使用水量は年間9,000万t程度,その上 流の豊岡発電所での通過水量(放流量込)は1億万t/年程 度。
最低でも1億トン程度は秋葉ダムに流し込んで発電出来るであろう。上流の杉川・京丸川で水窪ダムに取水するとしても,まあ2億トン程度は秋葉ダムに流し込 みたいところである。
専任で集水出来る面積が230km2もあるので出水時用に30~40m3/s程の水利権設定しておきたい所である。出水時を中心に取水するとする。
単純平均で 1km2当たり423万m3と仮定すると,年間に取水堰を9億7000万tの水が流下する計算となる!?
この仮定の導出計算をしたデータによると秋葉から船明の間に増えた水は5億トンしかないのに気田川だけで9億トンも増えてるのはかなり可怪しいが,秋葉ダ ムから取水される「三方原用水以外にも、工業用水や浜松市上水道用水」(静 岡県)が年間4億トン程度使ってるのか?!

貯留量の足りない秋葉ではあるけど,,

<秋葉ダム貯留>