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東上田ダム(小坂ダム) 中呂発電所 東上田発電所
22.2.21大改造
21.6.11運開
小坂(おさか)川の現況と電源開発史
現況(発 電所)・[水力調査(第一次第四次)・飛騨 川構想(100万キロ150万キロ)] 第二ルート構想[上 流(新秋神構想)下流(佐見川 構 想)に 併せた小坂川増強策はこちら 御岳山麓貯水池構想[小坂川流域 のダ ム建設はこちら

小坂は「おさか」と読む。小坂発電所の所在地であり,国鉄飛 騨小坂駅[出典:wiki]があって小中学生の頃から知ってる(だから国鉄なのだ)のにずっと「ひだこさか」だと思い込んでいた。人生何時迄経っ ても勉強である。(この 良い雰囲気の駅舎[出 典:レトロ駅舎]も今は無人駅のようである。時代は進む)

さてこの辺になると東隣から南隣迄王滝川流域と接していて御岳山を囲繞する流域の一つとなって いる。
詰まり結構雨も降りそうな地域である。標高も山に近いと高い!
出典:国 交省


ポテンシャルのありそうなこの小坂川流域であるが,現状では小坂川PSがぽつねんと存在するのみ である。この小坂川,割りと新しい(1983.11運開。割りと新しいという印象を私と共有して欲しい…汗)発電所である。
飛騨川開発が一段落して主力がLNG火力や原子力に移行した後もちょぼちょぼと開発を継続していた頃の案件である。
矢作川上流の平谷発電所(1996運開・8.1MW・ 8.5m3/s・67.2km2)や天竜川支流遠山川の北又渡発電所(1996 運開・24.2MW・11.5m3/s・86.3km2)と同じ様な設計思想を感じる。
(とはいえ馬瀬川第一・第二PSの運開も1976年とのことで,1986年(S61)どちらかと言えば馬瀬・岩屋に近い時期ではあるのであるが。。飛騨川 一貫開発の掉尾を飾ったという形か。)
使用水量も38.3km2に対して6.0m3/sと高め[156%]であるし,なんと云っても有効落差423.9mからの巨大落差を高落差が得意なペルト ン水車で叩き出 す21.3MWの出力は圧巻。

中部電力株式会社 小坂川発電所[水力
岐阜県下呂市小坂町落合
運開:1983.11
水路式・流込式
    認可最大出力:21,300kW   常時出力: 4,300kW (20.2%)
    最大使用水量:6.00m3/s (156.7%)
    有効落差:423.90m
    水車:立軸ペルトン水車 出力22000kW×1台
    導水路(兵衛谷→濁河川):総延長986.1m
    導水路(濁河川→発電所):総延長5660.4m
    流域面積:38.3km2
    取水:兵衛谷→濁河(にごりご)川 1116.00m
    放水:小坂川 659.35m


さて,これを最後に一段落してしまい後は真面目に開発してない(ちゃらちゃらとした小水力やお茶濁しの河川維持流量みたいなやつばっかり)のであるが,余 地は明らかである。
例えば小坂川PSから小 坂ダムに運ぶだけで水量6.0m3/s以 上,落差155m程採れるのである。これだけで最低7,700kWの発電が出来る筈である。

真面目にやれば流域が136.7km2+38.3km2(小坂川PS流域分・既にMax6.0m3/s取水 中)=175.0km2と なって,新規水源の136.7km2で小坂川と同じ割合で集水出来るとすると 27.3m3/s,御岳直下の小坂川PS程は取れないかもしれぬが14~20m3/s程は取れるのではないか。詰まり併せて20~26m3/s程度期待持 てるということである。
中間の23.5m3/sとしても落差155mで30,000kWも 行ける事になる!
 これはやらない訳にはいかぬ♪

と,ポテンシャルをさっとおさらいした所で,調査で判明した巨大な開発案を踏まえてみる。
今『飛騨川』中部電力(1986)に拠って,上の計画をどう拡張できるのか,検討してみる。楽しみである。

【一次水力調査】この小坂川,1910 (M43)年~1913(T2)年に亘って日本全国で 行 われた第一次水力調査では早くも上で提案したような小坂川中流から小坂ダム付近への発電所が対象に挙がっている。
下記の13が小坂川の開発である。使用水量は106立尺毎秒(2.94m3/s)とそれ程大きくは無いが,この期のものとしてはそこそこである。落差も 87mもあり1,916kWとのこ と。今の小坂発電所(8と10を併せた感じ)や東上田発電所(7が上半分に対応)辺りのご先祖と連繋した計画になっている。私の上の構想案も13に相当する感じだ♪


【第 四次水力調査】     
その次ぎ,1956~1959年の第四次水力調査ではこんな感じになっている。
現在の濁河川と兵衛谷から取水すると云う意味で現在の小坂川発電所(諸元位置図)の原型となるような濁川発電所が構想されている。
一方で目を引くのはこれが1次調査の様に小坂ダム方面に向 かって小坂川を下るのではなく,山を一跨ぎして益田川本流の中呂へ 一気に導水されている点である。
途中,鹿山筋谷で貯留も している様に見える。
出典:『飛騨川』中部電力(株)(1979)

数字としてはこんな感じ。だいぶ良い感じになってきている。

水量
落差
出力
取水(推定)
放水(推定)
その他
濁河
4.17m3/s
203m
7,100kW
濁 河川兵 衛谷椹 谷 1035m程度?
こ の辺か?(828m)

中呂
9.62m3/s
427m
34,200kW
椹谷・若栃谷・鹿 山筋谷(この辺か?)(816m・堰で嵩上) こ の辺でしょう(394m)
より鹿山筋谷に調整池

【飛騨川百万キロ構想】    
戦後の水系一貫開発の流れの中,飛騨川水系を一手に担う気概を見せた中電は1962年に両論併記の開発案を 発表した。曰く"飛騨川百万キロ構想"という。
ただこの時の小坂川の扱いは軽くて,中途半端に鹿山筋谷から萩原という第四次調査の中呂の劣化版みたいなやつし か載ってない。
馬瀬にするか佐見にするかが焦眉の急だっ たのでこちらは手薄になったのであろうか?それにしてもこれだけはないでぇ。。
出典:『飛騨川』中部電力(株)(1979)

この案は,この計画をぶち上げた後,馬瀬川の揚水発電なども浮上し直ぐに練り直されることになる。

3年後の1965年,再び中電は飛騨川筋開発を発表した。今回は"飛騨川150万キロ構想"と呼んでいたそうな。
小坂川の電源開発は再び意欲的なものとなり,小坂川上流域を罔羅し,調整池も2箇所(兵衛谷上流と鹿山筋谷)に構想されている。鹿山筋谷の調整池は第4次調査に引き続きである

諸元は以下の通り。最大使用水量が可怪しい気が。。調整力で取水と放水を別けて考えてる感じである。この辺 はダム貯留水100m3/sで150MWを叩き出そうとしてた佐見川発電所と似てい るのかも知れない。とはいえ小坂第二のダムは結構小さめのようである。

発電所名
最大使用水量
有効落差
発電力
ダム高
有効容量
その他
未設
小坂第一
20.0m3/s
429.4m
73,800kW
104.0m
1,200万m3

未設
小坂第二
21.0m3/s
317.1m
56,600kW
48.0m
37.5万m3


さてこの時の計画であるが,兵衛谷に建設される小坂第一発電所の調整池のデカさが目に付く。

放水は基本中 呂付近(394m)と考えられるから小坂第二のダムは推定常時満水位約715m程で,ダムの高さ(堤高ではないので岩盤からの高さの堤高よりは低 め?)が48.0mなので鹿山筋谷670m程度か。となると地図とは矛盾するけど殆ど若 栃谷との合流部付近となる。
もうちょと上か。また小坂第一の取水位は小坂第二の取水を715mとすると有効落差が430mなので,取水位は結局1145m位になりそうである。ダム高 を考えると概 ね1045m程の地点となって地図よりはちと手前の印象。今の取水点よりは下流になりそうだけどダムで嵩上げする分,取水位は高くなる感じ。

いま,ほんとに小坂川本流の濁河川ではなくその南側の兵衛谷なのかという疑問はあるけど,ダムの概形を推論してみるとこんな感じになった。ダム高104m で20.6haである。それっぽい形にはなったかもwちょっと湛水面積が狭いかな。。


以上を纏めると以下の様になる:
①小坂川の水は小坂に落とすよりは中呂・萩原に落として落差を稼ぐ方が良さそう(そういう計画が嘗てあった)
②鹿山谷筋を初めどこかに調整池が欲しい
③嘗ての想定より一寸低い位置に現小坂川発電所は出来てしまって鹿山谷筋でダムは造りづらいっぽい
こんな感じである。

①に関しては小坂に落としても結局東上田or中呂で発電出来る上に小坂にある東上田ダム(小坂ダム)で貯留も出来るのであるが,この東上田ダムの貯留量も55万m3とそれ程多くない上に,東上田ダムから中呂分岐迄が飛騨川 水系随一の(とはずがたり認定)隘路となっていて,これをスルーする形での直結出来る (しかも同区間の通過水量軽減にもなっている)のは非常に好ましいのである!というかこういう計画があったから敢えてこ の区間を強化しないままに来ててそれが固定化してしまった!?のかも。

詰まり,もしかすると将来の小坂川開発の可能性を睨んで中電のやつ,隘路を放置してたかと思わなくも無い。小坂川からの想定水量20m3/s超ってのは東 上田ダム~中呂分岐の不足分 20m3/sとほぼ同じでもあるのである!!

これらを反映して先ずは小坂川第二発電所格の発電所を益田川沿いに造る。萩原発 電所と仮称する。

[私案]萩原発電所
出力:44,700kW[+44.7MW]
水量:25m3/s
落差:215m
流域:175.0km2=136.7km2+38.3km2(小坂川PS流域分)
取水:小黒川・小坂川[小坂川発電所]・大洞川・大萱谷 660m
放水:中呂発電所・東上田発電所(東上田ダムからの放水を含め最大60m3/sとなる様に運用) 440m

流域がとなって,小坂川と同じ割合で集水出来るとすると27.3m3/s,御岳直下の小坂川PS程は取れないとしても程は取れるのではないか。
抑制的に23.5m3/sとしても落差155mで30,000kWも行ける事になる!

小坂川→中呂へも導水出来るのがこの案のメリットである。
とはいえ60m3/sに処理能力が限られてしまう。中呂発電所の最大使用水量を30m3/sや40m3/sに引き上げて行く必要があるかも。33m3/s 以上なら瀬戸ダム時点でのオーバーフロー最大8m3/sも中呂経由の岩 屋ダムでフォロー出来る。

〔私案〕下呂発電所
出力:66,100kW[+66.1MW]
水量:25m3/s
落差:270m
流域:175.0km2=136.7km2+38.3km2(小坂川PS流域分)
導水:10.7km
取水:小黒川・小坂川[小坂川発電所]・大洞川・大萱谷 660m
放水:益田川[瀬戸ダム] 382.0m

この場合,馬瀬へ水を送るのは東上田ダムからの最大40m3/sのみとなる。この場合,最大65m3/s(中呂をフル稼働させれば45m3/s)の水が東 上田発電所に押し寄せ使用は瀬戸第一の32m3/sのみとなる。
佐見川の瀬戸導水が此処に日の目を見ることになる!最大導水量を20m3/sとか推定したがなかなか良 い線ではなかろうか。

出来れば小坂発電所の濁河川と兵衛谷にダムを造りたい。1965年の150 万キロ構想には兵衛谷の上流にダム構想があったのである。

現在の施設は,小坂川となっているので 濁河川の方の様だ。

水 力データベースより
(主要取水設備) 取水河川             小坂川
  (主要取水設備) 型式             取水堤
  (主要取水設備) 材質             コンクリート
  (主要取水設備) 高さ     (m)       8.30
  (主要取水設備) 堤頂長     (m)       30.40
  (制水門) 型式             スライド・ゲート
  (制水門) 門数     (門)       1
  (制水門) 径間(口径)     (m)       3.25
  (制水門) 高さ     (m)       2.26

小坂川(濁河川)・兵衛谷双方に小さな堰で良いからもう10mづつでも嵩上げ出来ると良さそう。出来ればピーク用に3時間*7日ぐらい持つ水量を貯められ る様にしておきたい。


最上流で貯留出来ると下流全体でメリットを享受出来るのである。

更に,高い標高から小坂発電所放水位に向けて放水・発電してみる。
こちらがわは3000mmも期待出来ない。2500~3000と云った所である。が降雨時を見込んで此処も多めに取水量を積み増ししておく。

[私案]大洞発電所
最大出力:12,600kW[+12.6MW]
最大使用水量:6.8m3/s=4.0m3/s+2.8m3/s
有効落差:224m
導水:10.9km=7.5km+3.45km
流域;56.95km2=33.4km2+23.55km2
取水:[鹿 山筋谷若 栃谷](2750mm)・[カ ラ谷椹 谷](3250mm)830m
放水:大洞川[新小坂川発電所取水口]660m


なかなかイイ感じだけど,ここはダム建設に水を譲って起きたい。可能性として提起するに止めてお く。

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