電 力総研 水力あれこれ(紀伊半島) とはずがたりな掲示板 ( 利 水スレ電 力スレ )
十津川第一発電所 十 津川第二発電所 奥吉野発電所 北山川 熊野川 吉野川上流 吉 野・紀ノ川綜合開発
20.09.12運開
十津川・天ノ川・川迫川の水力発電開発と逍遙② (20.9.24)
源流~河合発電所(①)九尾ダム~長殿発電所②(目次沿川風景)開発篇風屋ダム~十津川第一発電所二津野ダム~十津川第二発電所北山川熊野川

水力発電所ギャラリー 新宮川[熊野川]水系
http://www.suiryoku.com/w_system/kinki/shinguu/shinguu.html

発電データベース(1級河川:2010(H22)年3月31日現在)
https://www.mlit.go.jp/river/toukei_chousa/kasen/jiten/suiryoku/kkr.pdf

弥山川 源流] ―弥山川取水堰(0.557m3/s・ 844.7m)→弥山発電所(0.42MW・ 0.557m3/s・747m)・(行者還岳・神童子谷[川迫川源流]─)川迫ダム川合発電所(放水位:598m・水量:6.72m3/s)─(【未利用落差65m】)─九尾ダム(取水位:533.55m)→和田発電所篠原取水堰堤─(→猿谷ダム川原樋川導水路十津 川・紀の川綜合開発(別頁)]・川原樋 川[川原樋川発電所]→)長殿発電所(放水位:332m)─未利用落差43m(+5.9MW)】(旭川[奥吉 野発電所])(●[新川原樋川導水]風屋発電 所構想!?)─(滝 川・栗平川→)風屋ダム(満水位290m)─(芦廻瀬川 →)十津川第一発電所(75MW・ 60m3/s)─二津野ダム【開発(案):西川・上湯川開発(+11MW)】十津川第二発電所─(三 越川)─(四村川[四村川発電所]・大塔 川)(45m)─(北山川合流)(27.7m)→[熊野(新宮)川
 
~沿川風景~

上流(①)はこちら

川合発電所と九尾ダムの間は数十メートルの未利用落差がある。

何やら不穏な雰囲気な箇所があったが調べてみると大災害があったようだ。
出典:国交省

坪内谷
大規模に崩落した様で大々的に治山事業中であった。

林道が通行止めになってた弥山だけど此処坪内谷から山道を行ける様だ。まあ一日掛かりだ から実用的なルートと云う訳では無さそうだけど,どうしても見学したくなったら検討w


九尾(つづらお)ダム[便覧]  
河川     新宮川水系天の川(場 所:EL568m)
目的/堤高/堤頂長/満水位     P/ 26.5m/98.2m/571.00m
流域面積/湛水面積     120.4km2 ( 直接:111.4km2 間接:9km2→どれ!?可能性あるの九 尾谷ぐらいしか見当たらないんだけど ) /15ha
総貯水容量/有効貯水容量     113.7万m3/64.8万m3
貯留量:358,665m3 →何処かのダム(例えば茗荷谷ダム) では利水標の貯留量≒水力.comやダム便覧の有効貯水量はほぼ同じだったけど此処は随分乖離がある。水害でダム底が埋まったのか?(直ぐ上流部分には山 腹崩壊と復旧工事の気配がストビュウにはあり)取水量7.49m3/sで取水した場合13.3h程和田発電所とダイレクトに繋がる長殿発電所を動かすこと が出来る。
ダム事業者     関西電力(株)
送水:和田発電所・長殿発電所(7.49m3/s)
着手/竣工:1936/1937 →1年で完成するんかっ。まあそれ程大きくは無いダムだけど。




間接:9km2であるが,九尾谷だけではそんなに行かずその西の西之 谷を含めると大体9km2程行きそ うであった。現地でも確認は出来なかったがその様な導水路があるのかも知れない(あるかなぁ。。懐疑。。)。


桑の谷
谷の入口付近。取水後の沢の水量の様子とピントが合って仕舞ってる何かの葉っぱ。

取水堰堤の様子

利水標



和田発電所[水力][DB]   
奈良県吉野郡天川村和田 [場 所]
運開:1937     設備改修:1994
事業者:関西電力(株)
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:2,100kW      常時出力: 300kW
最大使用水量:7.490m3/s
有効落差:34.30m
水車:出力2180kW×1台
取水:九尾ダム(7.49m3/s)・桑の谷(0.31m3/s)571.00m 経 産省資料には取水口3!?・DBも3箇所。後一箇所何処にあり得るんだ??九尾ダムの後一箇所の間接流域か。九尾谷と西之谷を併せて面積的に等し くなるとしても箇所数的には合わないんだよなあ。。
放水:長殿発電所への導水路(533.55m)→ここで水のやりとりはなさそうなので長殿の取水量はそのまま7.490m3/sっぽい(長殿の 最大使用水量は9.46m3/sであるから残りは篠原堰堤その他での取水となる)。

21.5
此処でも川合発電所他と違ってダム取水量=発電所利水量となっている。舂米発電所と同じ使用法である。途中の谷で取れた水量分だけダムの取水量を減らし て貯水量を節約するスタイルか。

ここから画面奥の山を越えると大塔町の東のどん詰まり篠原である。意外に近そう。地図だと川瀬峠があるので昔は山を越えた往来はあっただろうが今は自動車 が通わぬ忘れ去 られた(多分)峠である。
調べてみると「舟 ノ川郷は…婚姻や物流なども含めて川瀬峠を越えた天川村と近い関係にある」(くりんとのフィールドノート)とあった様にこの意外に近そうと云う感 覚は正しそう。
和田 発電所から篠原の存在を知って南を眺めると,宇井から延々と狭隘な県道を走る事を余儀なくされた僻地篠原も一山越えた直ぐ向こうという感覚が湧いてくるか ら面白い。道路交通だけで眺めると全然違う風景が現れる。現在ではこの峠の下を黙々と水が通って(下り一方通行だけど)ゐる。

さてこの発電所も出力がイマイチである。。長殿発電所への継送的な発電所と云っても良いかも。九尾ダムの調整池の貯留水量は直接的には和田発電所の調整力 であるけど実際には長殿発電所と連動させた運用には成ってゐるのであらう。

簾 橋・そこそこ立派な鉄橋が架かってるんだけどこの先,天辻へは道が狭小で抜ける事は出来ないようだ。


猿 谷ダム[→紀の川・十津川綜合開発]
河川     新宮川水系熊野川
目的    NP(発電:坂本取水口西吉野第一発電所16.7m3/s) →洪水も潅漑も入ってないという謎の目的。。
堤高/堤頂長     74m/170m
流域面積/湛水面積     214.9km2 ( 直接:82.9km2 間接:132km2 ※) /100ha ※:洪水期・川原樋川取水停止時など変化が或る模様。。[→こちら
総貯水容量/有効貯水容量     2,330.0万m3/1,730.0万m3
ダム事業者     近畿地方建設局
着手/竣工     1950/1957

川原樋川
(川原樋取水堰→紀の川綜合開発[こ の辺参照])川原樋川発電所(川原樋川)347m

川原樋川発電所[水 力]・[場所]
運開:1986.8
事業者:関西電力(株)
水路式・流込式
認可最大出力:11.400kW  常時出力:1,000kW
最大使用水量:8.00m3/s
有効落差:174.10m
水車:2台 総出力12000kW
流域面積:71.7km2
取 水(639.0mは何処だ?):川原樋川[大股取水堰](636.4m)→ 北股川[地下で合流?](647.9m)→ タイ谷(636.1m) (此処か?)
放水:川原樋川(454.10m)

川原樋川取水堰堤(454.3m)[場 所
計画取水量5.8m³/s[国 交省]
流域: 総流域 101.5km2 (一次:29.8km2・二次71.7km2)
取水:川原樋川
送水:猿谷ダム

川原樋川は猿谷ダムを通じて紀ノ川への水源というイメージが強いけど電発が取水堰設けて導水で引っ張って来ているのであり,取り逃がした水は名前変わって 十津川への水源となっている。川原樋発電所の最大使用水量8m3/sは同地点での電発川原樋川堰堤の計画最大取水量5.8m³/s[ソース]を上回っており,川原樋川から十津川へ 向けて開発余地あり!と云えるのである。電 発の取水堰は関電の放流口の上にあるようにすら見えて,もしかすると8m3/s全量取水可なのかもしれない!
この辺の実態が知りたくて現地訪問を決行したが川原樋川脇の林道はどちら側からも通行止めで進入は阻まれることとなった。
→現状では取水はしてそうであるが,最大取水量5.8m3/sなので4.2m3/s程度は取水出来そうと思っている。



~小原川~

関電:篠原堰堤(531.7m) 
河川:小原川(舟ノ川)
http://maps.gsi.go.jp/#16/34.171867/135.820391/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

小原川は舟ノ川とも云う。五條市大塔町宇井から岐れて十津川村沼田原(ぬたはら),その後再び大塔町に入り中坊傍示,惣谷を経て篠原へ至る行き止まり県道 r235篠原宇井線で結ばれる篠原に取水堰がある。此処にも利水標は見当たらなかった。
ここの取水量は結構知りたかったんだけど。

遠景

近景

(旭川)←揚水:奥吉野発電所
(高時発電所!?)奥吉野発電所・旭ダムから3m3/sで発電出来ると3,700kW程

長殿発電所[水 力][新 エネ財団]  
事業者:関西電力(株)
所在地:奈良県吉野郡十津川村長殿場 所
運開:1937.12,設備改修:1993.3(運開後56年),2011.3:豪雨災害で破潰,2018.7:復旧
水路式・流込式
認可最大出力:15,300kW(被災前)→16,200kW[ソー ス]    常時出力:4,030kW(被災前)
最大使用水量:9.46m3/s
有効落差:196.00m(被災前)
水車:3台 総出力18000kW(被災前)
取水:天ノ川[和田発電所](533.55m)舟ノ川(小原川)(531.7m)   経 産省資料には取水堰6!?!?
放水:十津川[風屋ダムHWL=295m](329.60m・ 被災前→332.08m・災害後)
流域面積:157.4km2
導水路:和田PS小原川(篠原堰堤)こ の辺?大 谷?(こ れ!?)─こ の辺?こ の辺?─長殿(9km程)

→探してる人居たわw先ずは大 谷は確定で,その脇に超 ちっこいのがある様だwこの沢かな?? この辺,3箇所中2箇所で取水か。

付近の山津波で完全に破壊された長殿P/S。地上部分には余り何もない殺風景な(割と新しい,とは云っても1968年運開・・)木曽発電所みたいになっていた。

但し,圧倒的な水圧鉄管が歴史(1937運開)を強くアピール♪




~旭川~

~瀬戸川~

瀬戸ダム…奥吉野発電所上部貯水池[nef (関電)
所有者:関西電力(株)
堤高:110.5m
着工/竣工:1971/1978
総貯水容量:1,479万立米(建設時)    有効貯水容量:1,128万立米(建設時)
流域面積:2.9 平方キロメートル/ 湛水面積: 0.52平方キロメートル
利用水深:34m   満水位(奥吉野取水位)の960mと併せて最低水位は926mか


奥吉野発電所[水 力.com][nef (関電)
所有:関西電力(株)
運開:1978.6
揚水式水力(ダム式・純揚水式)
認可最大出力:1206.0MW
最大使用水量:288.00m3/s 最大揚水量:229.20m3/s
有効落差:505.00m
ポンプ水車:6台*207MW 総出力1242000kW
上部貯水池(河川)・下部貯水池(河川)/瀬戸ダム(瀬戸谷川)960m/旭ダム(旭川)430m

 旭ダム…奥吉野発電所上部貯水池[ダ ム便覧(旭ダム)][nef (関電)
所有者:関西電力(株)
着工/竣工:1971/1978
総貯水容量:1,547万立米(建設時)    有効貯水容量:1,263万立米(建設時)
満水位標高:462m/ 低水位標高:430m (利用水深:32m)
流域面積:39.2km2    湛水面積: 0.56km2
水門設備等
    洪水吐(クレストゲート):最大放流量1200立方メートル毎秒
    放流管(表面取水設備付):最大放流量約10立方メートル毎秒
    放流管:最大放流量約100立方メートル毎秒

その下池の旭貯水池であるが,旭川を堰き止めて作られている。が,旭川の本流をトンネルで切り回してる様だ。
出 典:国土地理院

何か可能性を感じたがこのトンネルは排砂バイパスらしい。
ダム建設後、流域の崩壊地の拡大で何ヶ月にも及ぶ濁 水長期化現象や、当初の予想を上 回るダム堆砂が進行。このため、出水時にダム湖上流からの砂をバイパスによりダム下 流に排砂。1998年から実施。[ダ ム便覧]

この排砂バイパスの排水能力は140m3/sだそうな。[関電

詰まりは水を捨ててる訳では無く,旭ダムに土砂や材木が流れ込むのを防いでいた訳だ。なんか勿体ないが純揚水とはそういうものである。

更に旭ダムの流域面積は39.2km2 あって,下池なだけにまだ上流に標高は追える。是非開発したい所である。開発案件はこちらで扱う。



【未利用落差活用(長殿)】     
長殿が被災復旧しちゃった中で間(マ)の悪いとこだが,風屋ダムとの間の未利用落差を利用し尽くしたい。。
長殿発電所の新放水位は,昔より少し上がっていて329.60m・ 被災前→332.08m・災害後となっており風屋ダム(HWL=291m)と一寸差があるのだ。
松尾川第二PSの吉野川放流や新丸山D建設に伴う笠置Pの対応などで水面下でも放水出来る仕組みは作れるようだ。

今こんな感じで導水すると6.5km程になる。また川原樋堰堤付近の猿谷ダム導水分の残りの放流水の4.2m3/sも計上できよう。

ダムで導水距離へらしつつ調整力確保するかはオプショナル(B案・マウスオーバーの赤線)。
B案ならもう一寸水量増やしても良いかも知れない。

[私案(B)]田長瀬ダム[場 所315m
満水位:333m 湛水面積:0.36km2(36haa) 利用水深3mで有効貯水量108万m3

[新設案]河津発電所
出力:7,400kW[+7.4MW]
水量:25m3/s
落差:35m
流域:91.6km2+長殿放流水9.46m3/s+川原樋放流水取水4.2m3/s+(奥吉野以遠)42.1km2
導水:6.4km/4.5km
取水:十津川[長殿発電所放流口](A)/[田長瀬ダム(長殿発電所・新川原樋発電所)](B)・旭川・河津谷333m
放水:十津川(河津)[風屋調整池(十津川第一ダム)]293m

これなら行けそう。別途発電に使いたい川原樋川からの放流水をなしとすると20m3/sとなって出力は 5,900kW。ダム作って導水距離減らして調整力も確保したいとなりそう。
ダム造ればもう一寸水量も盛れそう。



[暫定成案]河津発電所
出力:6,500kW[+6.5MW]
水量:22m3/s
落差:35m
流域:127.2km2(13m3/s相当)+長殿放流水9.46m3/s
導水:4.5km
取水:[田長瀬ダム(長殿発電所・新川原樋発電所)]・旭川・河津谷333m
放水:十津川(河津)[風屋調整池(十津川第一ダム)]293m

旭川ダムで取水して風屋方面に導水して発電する場合は4m3/s程度減少。その場合は5,400kWともうちょい小さくなる。






風 屋ダム・十津川第一発電所 
認可最大出力75.0MW 最大使用水量60.0m3/s 有効貯水量:8,900.0万m3 満水位:295m

二津野ダム・十津川第二発電所 
認可最大出力58.0MW 最大使用水量75.0m3/s 有効貯水量:1,100.0万m3 満水位:

(北山川)合流,以下(熊野(新宮)川)24.7m