電力総研 水力あれこれ
とはずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
 
2020.09.11作成
十津 川・紀の川綜合開発大和丹生川篇・吉野分水・紀の川用水

1.概要 2.十津川分水・西吉野第一・第二発電所・猿谷ダム・紀の 川用水 3.大迫ダム・津風呂ダム・関電・吉野川分水 4.その他(吉野・紀ノ川開発 紀伊丹生川)

奈良盆地(大和平野・国中(くんなか))の水不足は深刻で江戸時代から300年来の悲願として吉野川の分水があったが難工事でもありなかなか実現せず,戦 前に於いても紀の川の氾濫と丘陵地帯の水不足で悩んできた紀の川の流域民にとっても分水は認められず対立が続いていた。
以下のグラフでも解る様に紀 ノ川は最大流量と最小流量の差がでかく,詰まり氾濫する癖に貯めとかないと水不足という非常に使いづらい川なのである。

出典:国 交省

その中で紀の川の上流域吉野川に巨大2ダムを建設し,吉野川分水で水を奈良盆地へ分水しつつ,更に熊野川水系川に猿谷ダムを建設,十津川分水を行ってそこ から紀の川沿いに紀の川用水を建設して課題を一気に解決しつつ電源開発を行った。

基本資料:国 土交通省資料・概要


脱原発を願う小生としては風力・水力・太陽光・地熱を推進する。勿論これらが自然破潰をもたらす事実を認めざるを得ない。
脱原発もしたいが再生可能エネも嫌だ,では通らないのである。勿論,石炭火発でCO2を地下に埋めるとかもやっても良いだろう。
一定数の水力もまたバランス良い電源構成の為には有効であろう。枯れた技術である。革命的な技術革新は望めないかも知れないけど安定的な電源供給源にはなる。

紀の川でも脱ダムみたいな宣言には惑わされること無く積極的にダム・貯留を検討していきたい。

本頁では猿谷ダムから吉野分水経由,紀の川用水への紀の川を扱う。

2.猿谷ダム・紀の川用水ルート
出典:新エネ財団
猿谷ダムから西吉野第一,第二がメインルートであるが間接流域として川原樋川を持つ。というか天ノ川源流部からは猿谷ダムをスルーして下流へ送水するのでその非利用分と並んで川原樋川が主要な水源となっているようである。
その川原樋川には川原樋川発電所が(電発では無く)関電の手で設置されている。

<川原樋川発電所関連>

川原樋川発電所大股取水口
https://maps.gsi.go.jp/#15/34.109815/135.630637/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

https://www.google.co.jp/maps/@34.1086569,135.6305959,3a,56.3y,99.64h,67.91t/data=!3m6!1e1!3m4!1szgfYeiB2YIn3gUJB2TaIyg!2e0!7i13312!8i6656

ぐおっ。。水利標識が立ってるけどピントがずれてて微妙に見えんぞ。。。(;Д`)
→見に行った

お目当てのものはこれ。


この取水堰のある大股は熊野古道小辺路の伯母子越えルートの入口。r733が未開通な為どん詰まり感が可成り強い>>tw
北股川取水口と川原樋川取水口の間には平聚落があるが聚落経由の山の中を走る村道の方が川縁の県道よりも綺麗で頼もしかった。

川原樋川発電所北股川取水口
取水量:1.7m3/s
https://maps.gsi.go.jp/#16/34.125597/135.642097/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
https://www.google.co.jp/maps/@34.12593,135.6424619,3a,53.5y,154.66h,81.27t/data=!3m6!1e1!3m4!1sE5kCiMyZzBuo_9bFIvOXkQ!2e0!7i13312!8i6656
ぐおっ。。こっちにも水利標識が立ってるぞ。。。(;Д`)行かなくては・・
→見に行った

お目当てのものはこれ。



川原樋川発電所タイ谷取水
https://maps.gsi.go.jp/#17/34.134888/135.674190/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

https://www.google.co.jp/maps/@34.1347997,135.6738565,183m/data=!3m1!1e3
此処は流石に近づけそうにない・・

川原樋川取水堰堤及び川原樋川発電所へ行くにはr734から平へ抜ける林道を通らねばならぬ。
併しもう何 年も通行止めらしい。21.5に行った時も通行止めであった。2015年に水力.comさんは訪問しているが悪路だったようである。
ここ五年程の間に開放を諦めるようになったか。。と思ったら2016年にひろしのダムさんが悪路に難儀しながらも平から這入り,タイ谷迄制覇されてらっしゃる!そっちから見れるか試されている?!
→平側からも阻まれた。。>>tw


川原樋川発電所[水力][ひろし
場所:野迫川村立里・林道川原樋川線沿
所有:関西電力(株)
運開:1986.8(関電)
水路式・流込み式
認可最大出力:11.4MW  常時出力:1.0MW
最大使用水量:8.00m3/s
有効落差:174.10m
水車:総出力12000kW
導水路:総延長7036.7m、主要導水路 幅2.65m高2.65m、延長7015.7m
流域面積:71.7km2
取水(標高):川原樋川[大股取水堰]→北股川→タイ谷 (639.00m)
放水(標高):川原樋川、猿谷ダム (454.10m)

<川原樋川導水路>
川原樋川は猿谷ダムより下流で十津川へ合流する。というか天川村と大塔町内では天(てん)ノ川と呼ばれる熊野川の本流が十津川村との境で川原樋(かわらび)川と合流し以下では十津川と呼ばれるようになるのである。
出 典:近 畿地方整備局

川原樋川取水堰堤(454.3m)[場 所
計画取水量5.8m/s[国交省]

取水堰堤は態々,川原樋川発電所の放水口の直上に設けられている様に国土地理院の地図では見受けられる。 直下に設ければ川原樋川発電所で使用した水量8m3/sをそのまま取水して西吉野第一P/S以下で水を有効活用できるのに,と思うのだが,川原樋川取水堰 堤で取水 した水は紀の川用水で使われて熊野川水系から外れてしまうので色々水利権等の問題があるのかもしれない。川原樋川発電所の運開は(猿谷ダムの竣工が 1957年と比較しても)1986年と新しい。その辺も何かあるのかも知れない。ただ水力さんに拠ると(川原樋川取水堰堤の?)余水吐が川原樋川発電所の 直ぐ横迄来ている様子であり,googleの航空写真でも用水路が発電所建屋の横迄来ている様にも見えて川原樋川発電所で使った水を取水施設側に流すのは容易にも見える。。いずれにせよ川原樋川発電所の最大使用水量は8.00m3/sあり,川原樋川取水堰堤では最大5.8m3/sしか取れないから2.2m3/sは余水吐から放流せざるを得ないことにはなる。




池津川取水ダム(447.2m)[ダ ムの訪問記][加 藤のひとり旅][ダ ム便覧]・[場 所
流域面積:25.4km2 ( 全て直接 )
竣工:1956
最大取水量:1.4m3 /s[国交省]      
事業主:国土交通省
完工:1956

21.5に行って 来た!廃村らしい廃村立里の 眼下といってよい位置にあるが,直接道路は通じていない(建設中というか未成・ 抛棄の道路はあった。)。

周囲は無人の谷であって貯留量はないが貯留して発電に利用する事は可能っぽい。

川原樋川取水施設も同様であろう。勿論,川原樋や池津川から猿谷に運ぶだけでは発電は出来ず,猿谷から西吉野第一に落として初めて電気は出来るのだが此処 に貯めとくことでピーク電源への対応は可能にはなる。

大江谷取水堰堤(594.3m)
取水量:最大0.1m3/s[国交省]
http://maps.gsi.go.jp/#16/34.145926/135.722523/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

キリキ谷取水堰堤(475.1m)…地図上に川もなし。。
取水量:最大0.1m3/s[国交省]
http://maps.gsi.go.jp/#16/34.158782/135.740054/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

増強案

さて,川原樋川発電所は639.00mが取水位の様である。

このレベルだと中原川で11.5km2程流域面積があるので1.1m3/s程取水出来そう。

その南側,池津川だと13.8km2程流域面積があるので1.4m3/s程取水出来そう。

この合計の時点で既に池津川取水堰堤の最大取水量を超えては居る。。
となるとあんま川原樋川に流すとか気にせず猿谷ダム湖畔中原辺りに水力発電所を建設して発電すれば良かろう。

[妄想]中原発電所
推定最大出力:4,100kW [+4.1MW]
最大使用水量:2.5m3/s
有効落差:200m  取水:637m 放水:443m
導水距離:7~8km

貯留量であるが,中原川の平川付近は無人の渓谷であり可能っぽい。池津川も釜落谷との川合部で無人の渓谷でありこれも可能っぽい。
渓流故の漁業権の設定などはありそうであるが出来れば利水ダムを建設したいところ。

さて,残るは川原樋川で本体である。71.7km2から8.00m3/sを取水し,発電に使用し放水,一方の川原樋川取水堰堤は5.8m3/sしか取ってないので2.2m3/s程は余る計算になる。川原樋川発電所の取水堰以下川原樋川取水堰堤以上の間に29.8km2の流域面積があるので3.0m3/sは取水出来そうである。
この合計5.2m3/sの未利用分(標高450m)を谷瀬付近300mで発電してやる。赤谷の水も加えられそうである(0.1m3/s程度推定)。

[妄想]谷瀬発電所
推定最大出力:6,500kW [+6.4MW]
最大使用水量:5.3m3/s
有効落差:150m  取水:450m 放水:300m
導水距離:

ここは猿谷ダム・風屋ダム両ダムへの分岐点となる。是非貯留量を設定できる規模のダムを建設して多目的利水に資したいとこ。


<猿谷ダム>
猿谷ダム(426.5m)
http://maps.gsi.go.jp/#15/34.181169/135.739689/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

猿谷ダムの目的
https://www.kkr.mlit.go.jp/river/dam/sarutani.html

天ノ川(新宮川)[猿谷ダム]

猿谷(さるたに)ダム[水力] [便覧
管轄:国土交通省近畿地方整備局
目的:不特定利水・発電→AやFも無し!?
堤高/堤頂長:74m/170m
容量
     総貯水容量:23,300,000立方メートル(ダム案内板)
     総貯水容量:23,500,000立方メートル(発電所案内板)
    有効貯水容量:17,300,000立方メートル
 標高
     堤頂標高:439.0m
    満水位標高:436.0m
    越流頂標高:425.5m
    低水位標高:412.0m
     河床標高:371.5m
     基礎標高:365.0m
面積…水力.comとダム便覧で多少違う。
 [水力]   平水時流域面積:215.18km2
      直接流域面積: 82.85km2(平水時流域面積の内)
      間接流域面積:132.33km2(平水時流域面積の内)
    洪水時流域面積:203.74km2
      直接流域面積: 82.85km2(洪水時流域面積の内)
      間接流域面積:120.89km2(洪水時流域面積の内、川原樋川取水停止時)      
[便覧]流域面積: 
   214.9km2
直接:82.9km2
間接[河原樋川]:132km2 )
湛水面積: 1.00平方キロメートル
着手/竣工     1950/1957

吉野分水の頭首工



<十津川分水>
坂本取水口(436m)
http://maps.gsi.go.jp/#16/34.207100/135.732393/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


西吉野第一発電所(192m)[場 所][水力
五條市西吉野町黒渕
所有:電源開発(株)
運開:1956.11
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:33,000kW 常時出力:7,800kW
最大使用水量:16.70m3/s
有効落差:231.30m
水車:2台 総出力37,000kW
取水: 坂本取水口(猿谷ダム)(436m)
放水:黒渕調整池(大和丹生川)(186.00m)
流域面積:215.2km2

国道のトンネル脇の旧道を行くと遥か眼下に見えてくる。

説明書き

発電所名 西吉野第一 西吉野第二
所在地
運開年月日
発電所形式
奈良県五條市西吉野町黒渕
1956年11月11日
ダム水路式
奈良県五條市霊安寺町
1955年9月23日
ダム水路式
認可出力(キロワット) 最大 33,000 13,100
使用水量(毎秒トン) 最大 16.7(猿谷ダム) 20.0(西吉野第一16.7・大和丹生川3.3)
有効落差(m)
231 77


全容量[有効容量](m3)
満水位(標高)(m3)
利用水深(m)
23.5[17.3]*10^6
436.00
24.0
0.27[0.11]*10^6
186.50
1.7



名称
形式
堤長高さ(m)
ゲート形式門数
猿谷
コンクリート重力
169.573.2
ローラーゲート4
黒渕
コンクリート重力
37.413.5
ローラーゲート4

<大和丹生川>
丹生川と宗川が合流し更に西吉野第一発電所の放流水を併せた場所にあるのが黒渕ダムである。

ダム名:黒 渕堰堤(185.9m) [加藤のひとり旅]
ダム湖:黒渕調整池
提高:13.5m
提頂長:37.4m
総貯水量:27万m3
貯留量(当初):106,000m3(10.6万立米) →有効貯水量と云う事らしい。
事業主 電源開発(株)

吉野第二発電所へ取水部

利水標


発電所名:西吉野第二発電所(101.2m)[場 所]
事業者:電源開発(株)
運開:1955.9
種別:ダム水路式・調整池式
認可最大出力:13,100kW  常時出力:2,400kW
使用水量:20.00m3/s
有効落差:77.40m
水車:出力14000kW1台
流域面積:343.9km2
取水:丹生川[黒渕ダム](186.50m)
放水:丹生川(100.90m)


さて,この西吉野第二発電所の最大使用水量は20.00m3/sであり,第一が同じく16.70m3/sである。
詰まり,大和丹生川からの取水量は3.30m3/sという事になる。
一方で,丹生川上流は,多数の支流を分岐し可成りの面積を誇る。ざっくり計算したところに拠ると105km2である。

物部川の法則(x km2の時0.1 x m3/sの最大使用水量が得られる)から最大+10m3/s程行けるのでは無いか?

今は+3.3なのでもう+6.75ぐらいは出来そうだが控えめ+2に増やして22.00m3/s位にしてはどうだろう?14,400kW(+1.3MW) 程には増強できる。
現行の水車が14,000kWだそうなのでもう一寸抑えめにした方が良いか。

水路と一緒に水車も改修する時に大改造した方が良さそう。出来れば黒渕堰堤の増強も行いたいところ。
先ずは21.5m3/sにして14,000kWにして,その後増強検討ってところかな。

将来的には黒渕堰堤をダムにして今は僅か27万m3の貯留量を2~4倍に増やしたいところ。水 辺は殆ど無人に見えるんだけど。。
その上で(まあダム貯留量は兎も角)使用水量を26m3/sとすると16.9MW[+3.8MW]程度に出 来る。

西吉野第一の放水面も186mだからなかなか厳しい物があるかもしれないけど松尾川第二の吉野川への増水時の放流と同じ様な施策で190m位迄貯められる ようにすれば9.89万m2(0.989km2)となり,186mが黒淵ダムから西吉野第一までだとすると3.32万m2となって合計35.9万m3程度 は貯められそうである。西吉野第一の直上に副ダムでも設けて200m弱迄貯めれるようにすればより貯水量を増やせる。


西吉野頭首工[紀の川用水取水堰](101.1m)[水 土の礎]
http://maps.gsi.go.jp/#15/34.325398/135.703425/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1
奈良県五條市
最大通水量:5.81m3/s
堰長 21.40m
堰高2.05m

上流の開発

[妄想!]城 戸(じょうど)発電所
最大認可出力:9,200kW[+9.2MW]
最大使用水量:6.0m3/s
有効落差:185m
流域面積:63.2km2
取水:桧 川迫川[ダム](390m)宗 川[堰 堤](396m)笠 木川(392m)大 和丹生川(388m)[堰堤が欲しいが一 寸建て込んでるか・・]・粟 飯谷川(392.8m)長 谷川(390.2mm)
放水:大 和丹生川(城戸・黒淵ダム)200m


導水路距離:10km超