信濃 川・千曲 川 水力あれこれ
20.10.30運開

信濃川水系魚野川圏域下流部開発篇

破間川(黒又川)奥只見開発(只見川B)]佐梨川・羽根川他【→魚野川下流部開発水無川宇田沢川三国川(五十沢川)登川・上流部

本稿では@佐梨川での奥只見からの分流案(最終的に妙見迄持ってきて発電)をネタに現代で実現するとこうなりそうという案<妙見案>とA魚野川の小出付近の狭窄部をスルーする下流部開発<魚野川案>を構想してみる。

【妙見案】
基本この後は最終案の分流案的な流れで長岡近くの妙見迄持って行く感じである。
出典:『只見川』(福島民報社1969)

この案では佐梨川や破間川と連動するであろう芋川の巨大ダム(下記参照)は見えず,(取水ぐらいしそうであるが)奥只見ダムから湯の谷第一(佐梨川),湯の谷第二(佐梨川),湯の谷第三(破間川・藪神ダム付近), 妙見(信濃川本流)と連ねる計画だった様である。
出典:仁 昌寺正一(1993)


第W部 開発篇 【現代的リバイバル】   
黒俣開発も終わり施設が確定した現時点で昔の計画を復活させるとどう整合的に配置出来るかを考える。

[既設]奥只見ダム


[計画復活私案]新湯之谷発電所


[計画復活私案]湯之谷ダム


[計画復活私案]佐梨川発電所[→参考]     
出力:11,000kW[+11.0MW]
水量:6.0m3/s
落差:215m
取水:佐梨川[湯之谷ダム]380m
放水:佐梨川[薮神発電所(→以下で検討)]155m

〜破間川〜
現状交叉部にあるのは以下の3施設である。
古くからあるダム水路式の薮神30m3/s・8.8MW・H=35mに対して最近出来たダム式の薮神第二も30m3/s・4.5MW・H=17.85m。
落差はないので在来薮神発電所より出力は小さく,薮神が優先的に発電しつつ,余剰の水を薮神第二で使う運用だと思われるが,第二の稼働率,薮神の常時出力 の高さを見ても両者とも に可成りの稼働率を誇っている様だ。
恐らく水が流れている時は60m3/sは余裕で流れているのであろう。

[既設]東北電力(株) 藪神ダム [→破間川]     
堤高:23m、堤頂長:120m容量
総貯水容量:185.7万m3 有効貯水容量: 67.1万m3
流域面積:373.2 平方キロメートル 湛水面積: 0.21平方キロメートル
放水:薮神発電所30m3/s薮神第二発電所 30m3/s

[既設]第二藪神発電所[→破間川]     
運開:2016・6
ダム式・調整池式(未確認)
認可最大出力:4,500kW   常時:0kW?
年間発電量:18,250MWh/年見込  (稼働率46.3%)
最大使用水量:30.00m3/s
有効落差:17.85m
取水:破間川[藪神ダム]144.14m
放水:破間川128m程度?(有効落差より)

[既設]薮神発電所[→破間川][DB]     
認可最大出力:8,800kW  常時出力:3,200kW[36.4%]
最大使用水量:30.00m3/s
有効落差:35.00m
水車:立軸フランシス水車ラ2台 総出力9280kW
導水路:主要導水路・延長4855.9m 断面積は18.9m2 無圧トンネル
取水:破間川[藪神ダム]144.14m
放水:破間川104.34m

[既設]藪神発電所・ダム合計     
出力:13,300kW   常時:3.200kW?[24%]
水量:60.0m3/s[1.60]
流域/満水位/放水位 373.2km2/144.14m/第一103.34m・第二128m程度?

さて,ここでの目標は破間川の水に加えて更に芋川で取水(出来ればダム取水)しつつ妙見EL.38mで発電である。
この大量の水を有効活用するには@今の第二薮神の水を妙見に持ってきて優先的に発電しつつ,A今の薮神の水を尖頭ピーク的に小千谷辺りに持って行くのが良 さそう。優先と尖頭の役割が入れ替わる事になる。
そしてB佐梨川と途中の河川から@かAへ導水となる。距離的に近いAへの接続がいいだらう。
詰まり奥只見から妙見への古い計画はそのままの形では生きず途中で二つに分断されてしまう形であるけど,奥只見の代わりに大開発された破間川上流の黒又川 であるが,黒又から妙見迄一本の線で繋がるのである。


【下流部開発(案)】

Aルート
第二薮神発電所接続(取水位125m)で取水して芋川経由で妙見発電所で発電。

Bルート
薮神発電所接続(取水位103m)で越後川口発電所で発電。更に小千谷発電所放流水と併せて妙見発電所で低落差発電の可否を検討。

〜A案〜

[私案]妙見発電所     
出力:22.300kW[+22.3MW]
水量:35.0m3/s
落差:75m
導水:17.3km
流域:薮神ダム373.2km2 広神ダム42.1km2 芋川27.1km2
取水:破間川[藪神ダム→藪神第二発電所30m3/s]・広神川・芋川 125m
放水:信濃川[妙見堰]38.0m

芋川流域


薮神PSには薮神Dの満水位に併せた以下の流域から取水して水量増強出来る。

これだと佐梨川の取水位が中途半端で現行,佐梨川の発電所との間に30m程の未利用落差が残ってしまう事になる。これに併せて新規開発をしたいところではある,,

薮神はそのままにして,現行は第二薮神を尖頭用に使ってるが,妙見発電所竣工後は黒又川の水は第二藪神を常用して,藪神発電所は佐梨川・羽根川の水を常用する方向で。
水が足りない時は,佐梨川・羽根川の水を薮神ダムに逆送できるように取水標高を調整出来るとお洒落♪
第二薮神発電所の設置は薮神だけでは年間300日ほど放流が発生するなど容量が足りてなかったという点にある。
佐梨川等130km2の流域が加わることで再び放流が増えることは確実である。
また水車の能力を目一杯使ってみる。+1.2m3/s程度では400 kW増やせるものの水を使い切るという程ではなさそう。。出来れば藪神ダムに逆送して貯水等出来る様になると良い。

[増強私案]藪神発電所     
認可最大出力:8,800kW[+0.4MW]+
最大使用水量:31.20m3/s[+1.2m3/s]+
有効落差:35.00m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力9280kW
導水路:主要導水路・延長4855.9m 断面積は18.9m2+新設(薮神発電所〜佐梨川)
取水:破間川[藪神ダム]・小 黒川米 沢本沢羽 根川・佐梨川[佐梨川発電所(案)]144.14m
放水:破間川[→魚沼発電所]104.34m



【魚野川発電所(案)】   

魚沼PSの魚野川の取水域。薮神発電所と取水位を併せるとこんな感じ。


魚沼PSと川口PSの導水路。拡大してみるとちょい不格好か。。


別々の発電所にしてみる。魚野川の方は

[私案]魚野川発電所     
出力:16,100kW[+16.1MW]
水量:70m3/s
落差:43m
流域:魚野川707.2km 田河川33.5km2
導水:9.3km
取水:魚野川(水無川出合)[山行が][]・田河川[地理院]113m
導水:魚野川[地理院]63m

田河川流域



[私案]越後川口発電所     
出力:17,000kW[+17.0MW]
水量:100m3/s
落差:20m
導水:4.9km
取水:魚野川71m
放水:信濃川48m

B案



[私案]小出発電所
出力:5,800kW
落差:23m
水量:30m3/s
導水:5.4km
取水:破間川[藪神ダム]103m
放水:魚野川 75m


[私案]魚沼発電所     
出力:17,300kW[+17.3MW]
水量:60m3/s
落差:35m
流域:約700km2
導水:10km
取水:魚野川112m
導水:魚野川70m

[私案]越後川口発電所     
出力:17,000kW[+17.0MW]
水量:100m3/s
落差:20m
導水:4.9km
取水:魚野川70m
放水:信濃川[小千谷発電所放水口]48m

[私案]妙見発電所
出力:
水量:300m3/s
落差:
導水:
取水:信濃川[越後川口発電所100m3/s・信濃川発電所520m3/s]45m
放水:信濃川[妙見堰]36m