| 発電所名 |
運開 |
出力(常時[比]) |
水量[面積比] |
落差 |
取水位 |
放水位 |
導水 |
流域 |
水車 |
摘要 |
| 馬場島 |
1963 |
21.7MW(3.6MW[16.6%]) |
7.90m3/s[1.89] |
319.0m | 957.0m | 618.7m | 7.5km |
41.7km2 |
竪軸ペルトン水車×1台 出力22,200kW |
|
| 伊
折 |
1953 |
18.0MW(5.0MW[27.8%]) |
9.00m3/s[1.40] |
240.0m |
615.9m | 363.3m | 8.6km |
64.1km2 | ||
| 中村 |
1920 |
4.3MW(3.1MW[72.1%]) |
5.57m3/s[0.57] | 97.00m |
364.24m | 260.08m | 4.3km |
95.4km2 |
横軸フランシス水車×2台 総出力5,050kW | |
| 蓑輪 |
1926 |
4.1MW(1.4MW[55.6%]) |
7.51m3/s[0.71] | 65.80m |
266.67m | 188.80m | 3.0km |
106.4km2 |
一番の問題は室山野用水・東福寺野用水の取水量である。 1977 年の竹内氏の論 文『富山平野における隆起扇状地の水田造成と灌漑について』によると室山野用水は室山野・中野・東福寺野を潅漑し,室山野用水の潅漑面積は 291haとのことで結構広い。 ![]() 水系模式図に拠ると直ぐ脇の大崎野と大浦両用水の潅漑 面積と供給水量の関係はこんな感じとなる。
※※:大崎野・大浦の平均で供給量が決まる場合 ここでは室山野・東福寺 野への1.5m3/s程度の平時の潅漑取水があると仮定する。 |
| 上流の馬場島と白萩の使用水量を単純合計すると13.16m3/s(+
7.59m3/s)である。 比較的新しい伊折発電所[→中流篇]の流域面積に対する水量の比率は [1.40](中村のそれは0.57) であり,中村発電所の水量を同等に引き上げるとすると 13.4m3/sとなる。 同様に比較的新しく有効落差が大きい馬場島発電所[→上流篇]の流 域面積に対する水量の比率は[1.89](中村のそれは0.57)であり,中村発電所の水量を同等に引き上げるとする と 18.0m3/s(!)となる(但し中村発電所の落差は小さい)。 同じく伊折の認可最大出力に対する常時水量の比率は[27.8%](中村のそれは72.1%)であり,中村発電所の認可最大出力を同等に引き上げるとする と11,100kW(+6.8MW)となる。対応する水量は13.77m3/s(+8.2m3/s)となる。 まあ結局いずれにしても中村発電所地点で最大13.0m3/s程度が期待持てそうな感じではある。 山室野用水・東福寺野用水への分水が必要である点を割り引く必要があるとしても,上のどの基準を援用しても大幅な増強が見込めそうである。 6.47m3/s(+0.90m3/s)で水車を交換すること無く出力を5,000kW(+0.7MW)に上げられる。 13m3/s程度迄上げられそうであるので,+6.5m3/sするとすると5,300kW(+5.3MW)の出力が見込まれる。 結果以下の様な感じに出来そう: [増強私案] 中村発電所 △ 水路式・流込式 認可最大出力:10,300kW[+6.0MW] 常時出力:3,100kW[30.1%] 最大使用水量:12.97m3/s(+7.4m3/s) 有効落差:97.00m 導水路:総延長4341.8m 流域面積:95.4km2 水車:横軸フランシス水車×2台 総出力5050kW+1台 5500kW 取水(364.24m):伊折発電所(9.00m3/s)・早月川 放水(260.08m):蓑輪発電所[途中分岐→山室野用水・東福寺野用水]・早月川 中村発電所の下でも増強を考えるがそちらの残余落差はそれ程大きくない。(蓑輪堰堤(頭首工)の上迄しか運べないだろうってのもある。寧ろ中村単独で増強 するよりも,ここから一気に蓑輪堰堤迄運んだ方が良いかも知れない。具体的にはこちら) |
| 【中流部増強案検
討】 ▲ 伊折と同時に取水して中村をすっ飛ばす形で蓑輪で発電する並行発電所を建設し たい。 今,蓑輪発電所迄並行して増強すると蓑輪堰堤から早月発電所と潅漑用水での利用分15m3/sに支障 を来す可能性がある。(→調べてみると蓑輪PSの放流分は大浦用水 に主に送ってゐる様子 であつた。また大浦用水は幹線トンネル開通後は電力会社の導水路となっていると読み取れる[詰まり今は大浦用水では無く早月第二発電所導水路が正式名称と なった?]。) また蓑輪頭首工で蓑輪発電所放流水の他に川から夏期は7~14m3/s程取水しているのでその辺の水をこの並行発電所が使って発電してやるのである。 その際に中途半端な大きさの発電所を 二箇所(中村の増強分と蓑輪の増強分)で増設するのは不効率である。 ということで,増設は伊折発電所放流水で取水して蓑輪堰堤で放流する一箇所とする。現地で視認した所,水路が張り巡らされていて蓑輪発電所の放水口から早 月発電所・合口用水へ導水は出来そうな感じではあったんだけど。。 中村堰堤案=ボツ 現状では二手に岐れる川の片方のみから取水している中村堰堤で あるが,川全体を堰止めて取水出来る様にしたい。 満水位380mで貯めるとこんな感じになる。31.8ha。利用水深20mでV=362万m3 ![]() <鍋増谷> 伊折橋の直ぐ脇に鍋増谷へ 鍋増谷ダム構想 満水位500mで貯めるとこんな感じになる。24.0ha。利用水深50mでV=854万m3。支流に作るので本流の災害にも強いかも知れない。 ![]() [私案]鍋増谷ダム 堤高/堤頂長 75m/250m 満水位/利用水深/川面標高 EL.500m/ 湛水面積/有効貯水量 24.0ha/850万m3 流域面積:89.6km2以下? (直接24.5km2(大熊谷含む) 間接64.1km2(伊折発電所流域)) 導水:早月川 今,伊折発電所放流水9.00m3/sの内,中村発電所が取水する5.57m3/sと室山野用水(高々1~2m3/s程度だろう)が取水する残り 2.0m3/sと早月川の水を足して10m3/sにして蓑輪方面へ送りたいので,このダムが供給を期待されるのは8.0m3/s程度となる。 但し,小早月川や伊折より下流の面積も30km2程有るので8.0m3/sまるまる期待するのは厳しいかも。これより一寸低めにする。 またV=850万m3なので8.0m3/sの水は295万h程持つ感じか。 最大放水量は8.0m3/sとしつつ,ダム(満水位500m)から中村取水堰堤(取水位363m)の間の落差137mを使って発電したいが,どの程度が良 いかは要検討である。 ![]() [私案]鍋増谷発電所 出力:6,000kW[+6.0MW] 水量:5.5m3/s 落差:130m 取水:鍋増谷[鍋増谷ダム]←早月川 500m 放水:早月川[中村堰堤]363m 一応5.5m3/sとすると6.0MWとなった。夏期は此処からの放流水8.0m3/s分は蓑輪堰堤で逆調整・平準化して早月・新早月に送られる形になろ う。農業用水って別に昼も夜もないよねえ?蓑輪頭首工に一寸した逆調整機能が欲しい所。 冬は補給しつつ安定化して流す感じでいいだろう。下流の発電所全て(鍋増谷・中村・蓑谷・新蓑谷・新早月・早月・早月第二・早月第一・早月川沿岸第一)の 稼働率を上げられる。 [増設私案]新蓑輪発電所 出力:9,400kW[+9.4MW] 水量:7.4m3/s 落差:150m 流域:95.4km2+桑首谷 取水:早月川[伊折発電所・中村堰堤(鍋増谷ダ ム)]・桑首谷 363.3m 放水:早月川[蓑輪堰堤]202m |
| さて,次位の伊折発電所をどう増強していくかが課題である。 ①馬場島発電所(7.90m3/s[1.89])と白萩発電所(5.26m3/s[0.88(2.99)])の使用水量の単純合算13.16m3/s [2.22]。 このケースだと使用水量は+4.16m3/sとなり,発電容量は26,500kW(+8.5MW)となる。この場合,流域面積に対する使用水量は2.05 となって可成り高め。認可最大出力に対する常時発電量は18.9%となる。 1953運開の伊折(有効落差240m)に対して1963運開の馬場島(有効落差319m)であるが,現代的にも,有効落差的にもこの位の規模感は有りか も知れない。 ②馬場島の流域面積に対する使用水量[1.89]を援用してみると,伊折の使用水量は12.0~12.1m3/s(+3.0~3.1m3/s)となる。 24,100~24,300kW(+6.1~6.3MW)ぐらいの発電所に出来る。 いずれにせよ12m3/s程度は見込んでも良いのではないか? [増強私案]伊折発電所 △ 認可最大出力:24,100kW[+6.1MW] 常時出力: 5,000kW[20.7%] 最大使用水量:12.00m3/s(+3.0m3/s)[1.87] 有効落差:240.0m 水車:2台 総出力18800kW+1台 6500kW 導水路:総延長8577.6m 流域面積:64.1km2 取水(615.9m):早月川(馬場島)[白萩発電所・馬 場島発電所]・小又川・大 熊谷 放水(363.3m):中村発電所・早月川[こ れ] |
現状では馬場島発電所が最奥部を形成しているが取水位は 957.0mと立山の高さを考えると未だ未だ中腹(w)である。その上を狙ってみる。ざっと見て白萩川の支流を分ける1258mを基準にしてみる。 ![]() 発電所(放水点)は馬場島発電所の導水路の途中で。恰度立山川をくぐるサイフォン端だと良さそう。 [試案]立山発電所 出力:9,500kW[+9.5MW] 水量:4.0m3/s[1.78] 落差:280m 面積:22.4km2 導水:支導水路・4.57km 本導水路1.7km 合計6.3km 取水:ブ ナグラ谷・白 萩川・池 ノ谷・毛 勝谷・立 山川 1260m 放水:馬場島発電所(菊 石・立山川支水路分岐付近) 970m※←導水路の途中なのでイマイチ標高が解らないが白萩川で976m程度なのでこのくらい行けないだろうか? ~小又川~ 【馬場島増強】 さて小又川での取水であるが,馬場島発電所は550m程伸ばせば一の谷・コット谷からも取水出来る。3.85km2と狭いが高落差なので水量確保の効果は でかい。追加の導水距離は短くで済むので水利権を追加取得して行きたい。導水効率は高めの7.0♪ ![]() 冒頭の開発案の地図にも載せたが馬場島PSの小又川の隣の2河川 (コット谷と一ノ谷)に直ちに集水路を延ばせそうである。 しかも調べて見ると520m程で二俣に岐れる前に取水出来そうと超効率的に行けそうである。ただ白萩でも使えるのでその分追加発電増量効率性は落ちて面積が狭いこともあってギリ基準値以下となる。 小又川導水路延長線 取水:コッ ト谷・一ノ谷 延長:0.5km 流域:3.94km2 まあ出力を増やす程のことではなさそうだが例えば水量を8.0m3/sにすると出力を21.9MW[+0.2MW]出来る。まあ基本やるとしても発電量増を目指す方向性か。 |