電力 総研 水 力あれこれ
とはずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
20.10.15運開

井田川流域久婦須川の発電と万波開発

 1.流域の年降水量 2.神通川 3.高原川 4.宮川・下小鳥川 5.井田川流域(左岸圏域) 6.牛ヶ首・大 久保用水 7.熊野川 8.長棟川
5-1.久婦須川・野積川万波開発 5-2.牧室川[大長谷 川] 5-3.山田川[百瀬川]・湯谷川・ 外輪野用水


出典:国 交省

一筋東側の宮 川は岐阜県下にあって関電が水利権を持っており下小鳥合流部付近迄開発している。
神通川(宮川と高原川の合流から下流)は富山県にあっていずれも陸電が開発している。

一方,神 通川の支流の井田川の支流の久婦須川の上流に久婦須第二と万波両発電所があってこれは神通川水系ではあるが宮川水系ではない。両者は近接してるが水利権を 富山県と岐阜県で分け合ったか?日 本海発電(株)は 北陸電力系会社。岐阜側が関電の万波発電所。

更 に宮川の支流の小八賀川は
中 部電力が 水利権を保有している模様だがこちらにはノータッチ。


ダム名
ダム湖名・河川・水系名 運開
貯水量 有 効貯水量 流域面積 標高 そ の他・備考(ダム)
会社:発電所名
運開
認可最大出力
常時出力
使用最大水量
有効落差
その他・備考(発電所)
久婦須(くぶす)川 [私案] 下久婦須

10.0MW[+10.0MW]

12.10m3/s
129m
取水:久婦須川P/S放水279m・別荘川280m・野積川280m
放水:久婦須川140m
野積川
日本海発電:猟師ヶ原
3.5MW

0.12MW 4.5m3/s
96.0m
富山県内 放水:野 積川322m
使用水量4.5のソース[国 交省][国 交省]
久 婦須川ダム きりたに湖・久婦須川

100万立米 69万立米 58.7km2
多目的(富 山県):洪水調節・発電・消流雪用水・流量確保
日本海発電: 久婦須川

3.1MW 0.39MW
7.00m3/s
54.0m
富山県内 放水:279.0m
久婦須川 第一ダム
陸電:久婦須川第一

3.6MW
(→5.7MW[+1.1MW])
1.7MW 3.14m3/s
(→5.00m3/s)
140.5m
富山県内 放水:久婦須ダム湖
(上流の万波の使用水量を使い切ると増強出来る。。)
[私案]新 蟹寺堰堤(宮川)
[私案] 新蟹寺

27.8MW



久婦須川第二ダム
→[増強私案]
富山市八尾町桐谷
13.2万立米 10.9万立米

[私案] 宮川

20.5MW




陸電:久 婦須川第二

3.8MW
(→5.6MW[+1.8MW])
1.0MW 3.34m3/s
(→5.00m3/s)

富山県内 取水:
(上流の万波の使用水量を使い切ると増強出来る。。)
万波(ま んなみ)川
(久 婦須川上流)
関電:万波
12.4MW 0.7MW 5.00m3/s
303.6m
岐阜県内 取水:948m
放水:639m
合  計

26.4MW
[+58.3MW]





神通川水系支流井田川支流の久婦須川であるが,いくつか発電所がある。各社入り交じってとは云っても富山県と陸電系日本海発電が主軸である。そんな中,万 波発電所だけ異色で,岐阜県内,関電所有である。久婦須川も岐阜県に入ると万波川 と名前を変えるようである。

さてこの万波川,江戸時代には境界争いがあったようだが,飛騨側の勝利に終わり(ソー ス),現代に於いて岐阜県に所属しているのであるが,それが戦後の日本発送電の分割に際し,神通川流域を巡って潮流主義の関電と地元北陸財界が争 い県境を境に陸電と関電で棲み分けるという裁定が結果ととして万波川に関電が電源開発するきっかけとなったようである。
とはいえ,運開は1987年と比較的新しく使用水量は5m3/sしかも実際は3.7~3.9m3/s程(ソー ス)で大きい訳でもなく,実際流域面積は20km2程度とそれ程大きい物ではない。(但し落差が300mもあるので出力は12.4MWとでかい)
しかし,wiki に拠ると嘗て水力発電構想はあったみたいだ。
>かつては万波集落が存在したが、豪雪などの厳しい自然環境故に戦前には離村、無住化した。戦後には農地開拓がされた他、万波高原一帯に水力発電所 用ダムを作る計画もあったが実現しなかった。
とある。高度成長的な,若しくは河川綜合開発的な巨大な開発があったのかも知れない。ネットで検索掛けてみると「万波水力発電所の計画概 要」1986年・『電力土木 = Electric power civil engineering 』なんて論文は引っ掛かる。おそらく現在 ある万波発電所に関する論文だとは思うが,歴史的な経緯として古い計画が載っているかも知れない。一度見て見たい。
ネットで調べてみても特にどんな計画だったかは不明である,,

想像をたくましくすると境川・下小鳥・大白川ダム的な感じだったのではなかろうか!?
とはいえ規模には劣るし実現しなかったのであろう。以下で先ずは沿川施設を概 観して後,構想し てみ る。

万波発電所取水堰[tw] [Shimnet] [ト リK再 訪
取水量:5.00m3/s
流域:20km2
取水:万 波川948m

R360打保から大谷林道を経て万波峠(の近く)を越して万波川へたどり付くか,R471だと河合町から楢峠越えて県境付近で分岐する小坂谷林道から辿りつける,万波(上) 林道・朴の木林道を下ると取水堰が現れる。

万波側取水堰
取水:万波川951.00m
送水:万波発電所

飛弾市林道
https://www.city.hida.gifu.jp/soshiki/22/30300.html
大谷線
区間:宮川町打保~宮川町万波
主な目的地:白木ヶ峰
例年、積雪がある12月~5月下旬頃は冬季通行止めとなります。


万波高原
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%87%E6%B3%A2%E9%AB%98%E5%8E%9F
特徴
かつては万波集落が存在したが、豪雪などの厳しい自然環境故に戦前には離村、無住化した。戦後には農地開拓がされた他、万波高原一帯に水力発電所用ダムを 作る計画もあったが実現しなかった。
現在は冷涼な気候を生かし、大根などの高原野菜や蕎麦が栽培されている。蕎麦は万波そばと呼ばれ、市内各地のイベントで美味しい蕎麦として売られている。
 
交通
国道360号から宮川町打保で分岐して林道をひたすら進むと万波高原に至る。また、国道471号・国道472号の県境辺りからダート林道を通って万波高原 に行くことも可能。いずれの道も冬季除雪無し。

" 国道471号・国道472号の県境辺り"はここも亦,無人地帯であり,結局,宮川町打保辺りの人間が夏期に蕎麦や大根などを栽培する為に万波高原 の土地を利用し,その行き来に\林道大谷線が使われている程度ということになるのであろう。
農地の主は嘗ての万波民なのかな?

巨大ダムを建設して下流に水を流すのに好適地であろう。


万波発電所[Shimenet][水力
関西電力(株)
所在地:岐阜県飛騨市宮川町万波
運開:1987(S62)10
水路式・流込式
出力    認可最大出力:12400kW   常時出力:  700kW
最大使用水量:5.00m3/s[2.50]←高い!
有効落差:303.60m
水車:出力12900kW×1台
導水路:総延長6431.1m
流域面積:20.0km2
取水:万波川951.00m
放水:万波川[久婦須第二ダム]636.30m

ネットを渡渉すると幾つか記事に出合う。可成りの奥地である。一度行ってみたい。

勝手な記録]2010.11… 【下流側】万波林道・これより岐阜県の標柱・簡単なゲート有り「この林道は以前は万波側に繋がっていたと思われます。」・林道から発電所側へ万波川を渡る 橋(万波新橋)は1986年11月竣工(発電所に先立つこと一年である。)
林 道その先に]2017.7…【上流側・R471から】「桐谷林道の反対側になるのが万波林道 事前の調べだと完抜はほぼ無理のよう」・ダート林道 を経て取水堰へ。こ の辺り(A)で土砂崩れ不通。
林 道その先に]2018.6(再訪)…【上流側】こ の辺り(A)は直っていた。(直しているんだな。。)[落石の危険性があるため通行注意 関西電力(株)]の看板。関電が管理している??この時 はこ の辺(B)迄行けたようだ。
旅と峠]1996.8… 万波の上流側の入口へ通じる大谷林道の新万波峠の写真など
どくりんご]2021.10… 大谷林道

久婦須(くぶす)第二ダム[水力
河川    神通川水系久婦須川
目的/型式    P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積    18.6m/82.5m/10千m3
ダム事業者    北陸電力(株)
 総貯水容量:13.2万m3/有効貯水容量:10.9万m3
流域面積:41km2(直接のみ) /湛水面積: 2ha
着手/竣工     1937/1941
改修着手/改修竣工 2002/2003
取水:万波川(久婦須川)[万波発電所(5.0m3/s)]636.3m
送水:久婦須川第二発電所3.34m3/s・[増強私案]新 万波発電所7m3/s 631m

1941年に竣工し、60年以上経過していたが、1999年に、水害によって取水・排砂機能が不能となった為、2002年から2003年にかけて、改修工 事が行われたとのこと。
その際,クレストゲートを撤去して全面越流方式にするなどされた。
なんか越流方式って本気で水を堰き止めて発電する気概に欠ける気がして好きでは無いんだけどなんかどんどん増えてかない?ゲート式は維持コストが掛かるの かね?
滝波ダム@九頭竜川支流,西村ダム@馬瀬川,曲渕ダム@姉川とそういう流れは明白であるが,滝波ダムに関しては冬期の運転要員の駐在を廃止出来るのが大き なメリットだそうな。曲渕ダムは上流に姉川ダムが出来て水量の調整は」不要ととなったのであろう。西村ダムは下流に岩屋ダムが出来て敢えてここで貯める必 要も無くなったのかもしれない。ここは滝波に近い感じかなぁ??

久婦須谷 ダム地点,即ち概ね万波発電所放水点での流域面積は41km2である。1.6~2.0の係数で取水出来ると仮定すると6.5~8.2m3/sが取水可能と なる。久婦須川第二発電所ので使用水量は3.34m3/sなので,残りは3.0~5.0m3/s程度で ある。
→但し下流の久婦須川第一発電所久婦須川第二発電所が割と過少に取水して て下流(久婦須川発電所)でいきなり 大量に要るという事があり得るかも知れない。

北陸電力(株) 久婦須川第二発電所[→久婦須川
    認可最大出力:3,800kW   常時出力:1,000kW[26.3%]
    最大使用水量:3.34m3/s[81.4]
    有効落差:137.00m
    流域面積:41.0km2
    取水:久婦須川[久婦須第二ダム]631.33m
    放水:久婦須川485.57m

北陸電力(株) 久婦須川第一発電所[→久婦須川
認可最大出力:3,600kW    常時出力:1,700kW[47.2]
最大使用水量:3.14m3/s[58.4]
有効落差:140.50m
流域面積:53.7km2
取水:久婦須川[久婦須川第二]、沢(名称不明)485.87m
放水:久婦須川[久婦須川ダム]337.50m

久婦須川(くぶすがわ)ダム[→久婦須川
目的     FNPS
堤高/堤頂長     95m/253m
流域面積/湛水面積     58.7km2 ( 全て直接流域 ) /41ha
総貯水容量/有効貯水容量     1,000.0万m3/690.0万m3

久婦須川発電所[→久婦須川
ダム式・貯水池式
認可最大出力:3,100kW  常時出力: 390kW[12.6%]
最大使用水量:7.00m3/s[1.19]←ダムもあるしそこそこデカい♪
有効落差:54.00m
流域面積:59.0km2
取水:久婦須川[久婦須川ダム]335.00m
放水:久婦須川279.00m

宮腰用水
取水:富山市八尾町桐谷地先

岩屋用水
取水:富山市八尾町宮ノ腰地先  

[私案]新久婦須川発電所[→久婦須川]


久婦須第二ダムはやる気のない越流型に変えられてしまった。堤高19mで貯水量も11万m3しかない。

また上流の万波PSはダム無しで20km2の流域に対して5.0m3/sも取水して気を吐いているのに,久婦須第二PSは41m3/sもあるのに 3.34m3/sしか取水していない。

ここでは10m3/sは取れる筈である。と云う事で此処にもう一寸巨大な調整池を設けてとは言え40km2だから限界はあろ,,,そして大白川ダムや下小 鳥発電所みたいに一気に下界に降ろす発電所とダム建設を計画したい所。

~宮川流域~
下界の様子はこんな感じである。

[私案] 新蟹寺発電所[→宮川]
出力:58,300kW[+58.3MW]
水量:40m3/s
落差:175m
取水:宮川[新打保発電所放水]・打保谷380m
放水:宮川[神通川第三ダム]190m

蟹寺発電所[水力]
認可最大出力:51,000kW     常時出力:17,100kW
最大使用水量:43.6m3/s
 有効落差:133.95m
    導水路:総延長13031.8m
    流域面積:1137.3平方キロメートル
    取水:宮川[打保発電所・蟹寺取水堰]325.45m
    放水:宮川181.60m

どちらも長い導水トンネルの真っ最中の予定である。




ということで万波方面の洗い出しが終わり増強の検討に移る

先ずは万波発電所直下(放水位636.30m)と久婦須第二発電所取水口(取水位631.33m)の間の久婦須第二ダムのゲートを復活させてを増強した い。
この際に放水位より取水位の方が多少高くても大丈夫そうではあり(取水位は水の底面,放水位は水の水面で測るようである[→片門ダムの項参照]),一寸無理して?640mにしてみる。建設中の新丸山ダム建設に伴う笠置発電所(>画像))や古くは吉野川増水時の松尾川第二発電所(画像)等で水面下での放水は されてるし,満水時水面下4m程度なら訳無く対応可能であろう。現状の満水位631.3mで2ha=20,000m2で貯水量10.9万m3,これに満水 位640mに してみると7.2haとなる。錐であると仮定して約38万トンの容量増加となる。合計で50万トン弱。
まあ不十分かも知れないけど狭いからな。。


ダム名
事業者
目的
流域面積
貯留量
取水量
満水位
湛水面積
その他












万波高原ダム 新設

P
20.0km2
なし
1000万m3程度※
5m3/s
5m3/s
951.0m→1000m
0ha→52.4ha
万波発電所(5m3/s)
久婦須(くぶす)第二ダム
増強
北陸電力(株)
P
41.0km2
10.9万m3
40.3万m3[+29.4万m3※]
3.34m3/s
10m3/s
631.33m→640m
2ha→7.2ha
久婦須第二発電所(3.34m3/s)
久婦須川ダム
富山県
FNPS 58.7km2
69.0万m3
69.0万m3
7m3/s
7m3/s
335.0m



万波ダム
一寸強気に満水位1000m位で貯めてみるとこんな感じ。万波高原は既に無人で実現しなかったダム[wiki] を建設しようではないか!
思いっきりデカくしてみたw
堤頂長130m程度で堤高は50m超,利用水深40mで約1100万トン♪満水位を990mに下げると700万トン程に減ってしまう。


万波発電所は万波ダムの建設に伴い,有効落差が上昇する。その分,水量を減らせるのか?それとも出力上がるのか?

万波発電所を通り過ぎた時点で,利用可能水量は倍増している。久婦須第二以下を増強するのか,神通川本流に落として行くのか,引き続き要検討である。
   
久婦須川ダム(EL337m)─3.3km─神二ダム(EL116m)

久婦須川ダム(EL337m)─4.0km─神一ダム(EL180m)

久婦須第二ダム(EL640m)─5.5km─神一ダム(EL180m)

久婦須第二ダム(EL640m)─3.5km─宮川小豆沢(EL276m)


小豆沢が良さそう。
先ずは万波川で取水して宮川町小豆沢辺り(EL.279m)に落として発電,更に其処で新蟹寺の計画も 変更してこの小豆沢で発電。小豆沢の下にダムを建設 して猪谷(蟹寺)で発電と云う感じかな。




[私案]飛越第一発電所

取水:宮川[新打保発電所]・
放水:宮川[飛越堰堤]

[私案]新万波発電所

取水:万波川(久婦須川)[久婦須第二ダム]
放水:宮川[飛越堰堤]

[私案]飛越堰堤
満水位:280m
場所:宮 川(EL.237m)[国道とJRの移設が必要だが貯水量は取れるor宮 川(EL.245m)

[私案]飛越第二発電所


上は,こ の辺(EL.669m)に満水位EL.700m程のダム(仮称:新万波川ダム)を建設して取水。直接流域は15.9km2(万波発電所取水域の間 接 流域20km2)である。4.0m3/s程頂いて小豆沢とすると既存の万波→久婦須第二と棲み分けが出来る可能性もある。

更には万波高原ダムから打保谷・森安谷辺りで発電,更に其処から取水して打保ダムで発電などもあり得るかも知れない。




更に其処へ向けて標高900m付近から取水して発電。と云った感じか。900m付近は白 木谷だとこの辺万 波川はこの辺(EL.859m)に満水位900m程のダムを建設すると良さそう。
ダム二連発で万波発電所との水の食い合いを成るべく避ける方針。