水力発電あれこれ  北 陸電力水力発電所(抄)
2020.08.02運開
九頭竜川
流域概要 水 系発電所一覧 このき谷発電所 石徹白電源開発(+8.9MW) 上打波・下打波・東勝原発電所(+3.2MW) 西勝原第三発電所(発電量増強) [増強]市荒川発電所[新設]上比志発電所(+34MW)
足羽川 日野川

奥越綜合開発事業
仏原ダムの看板には,利水・治水を目的とした奥越綜合開発事業の一環として電発・北陸電力・国が共同で,九頭竜・石徹白ダム(長野発電所),鷲・山原ダム(湯上発電所),仏原ダム(西勝原第三発電所)を建設した,とあった。

その辺から西勝原の下流の2発電所も含めて本頁では取り扱う。
 
九頭竜川水系概説

出典:九 頭竜川水系  上流部ブロック 河川整備計画 2007年 福井県

河川図


3.上流部ブロックの現状と課題
3.2.2  取水による河川への影響
 九頭竜川や真名川上流域の発電取水は、導水路によるものであるため、取水地点の下流河川の流量が減少しています。特に、発電ガイドラインに基づいていな い取水については、河川維持流量が確保されていない場合があります。(図 3.1 参照)(とは註:(古い利水権など)発電ガイドラインに基づかない取水 があるということらしい)
 また、ダムによる貯留と導水路による大量取水は、下流河川の流況が平滑化し、河道内の砂州の発達や樹木の繁茂を招くなど、河川環境を変化させています。
 九頭竜ダムや真名川ダム等により貯留される洪水は、出水後、長期間の発電放流に利用されますが、この放流による濁水が下流域にまで及び、藻の生育を妨 げ、その藻を食すアユ等の生育不良の原因として指摘されています。

図3.1 九頭竜川・真名川上流域における発電用水の利用系統

とはコメ:自然環境を考えると当然負荷は掛かっていると云えよう。。発電ガイドラインが何者かは不明だけどそれに適合する範囲で正常化しつつ利水も活発化 させたい。

九頭竜川水系発電所一覧
初期の開発は川に取水堰を設けた水路式・流込式で戦後,九頭竜開発をした際には電発と北陸電力の間で綱引きがあって結果電発が主導を握ったようである。
とは言え九頭竜川の水流は九頭竜ダムの建設で安定化した筈であり,流込式も大いに九頭竜ダムの恩恵を受けており,電発の電力も北陸電力に一部(流域の発電所からは半分ほど)供給されてい ることも含め,協力しあっているとは云えよう。実際の運用はどんなもんなのかな?
ダム名・取水川名
ダム湖名・取水川名
貯水量 有 効貯水量 流 域面積
その他・備考(ダム)
事業者:発電所名
最大出力
常時出力
形式
有効落差 使用水量 その他・備考(発電所)
【初 期九頭竜川開発など】


九 頭竜 川
壁倉
25.6MW 2.2MW 水路式・流込式 37.70m 80.0m3/s 1958年運開【真名川総合開発】[水 力.com]
富田
19.2MW 1.9MW 水路式・流込式 28.20m 80.0m3/s 1958年運開【真名川総合開発】[水 力.com]
西勝原第一 10.9MW 1.1MW 水路式・流込式 117.60m 11.13m3/s 1923年運開
西勝原第二 7.2MW 0.8MW 水路式・流込式 37.24m 26.41m3/s 1919年運開
(取水堰) 美 濃又川


上打波発電所への取水堰
( 〃 ) 打波川


上打波発電所への取水堰
( 〃 ) 亥向(びこう)谷


上打波発電所への取水堰
打 波川
(九 頭竜 川支流)

上打波 10.4MW 1.7MW 水路式・流込式 150.70m 8.60m3/s 1958年運開 
2015年増強(+0.2MW),流域面積:67.0km2 [水 力]
下打波 4.6MW 1.18MW 水路式・流込式 約81m 6.71m3/s 1939年運開 流域面積:93.9km2 [水 力.com]
東勝原 2.8MW 0.51MW 水路式・流込式 37.70m 8.60m3/s 1937年運開 2011年増強(+ 0.19MW)[水 力]
小  計①
80.8MW
9.39MW




【 九頭竜川総合開発事業】



仏 原ダム
410万立米 165万立米
421.92km2
1968年竣工
西勝原第三 49.5MW 18.2MW ダム水路式・貯水池式 99.0m 56.0m3/s 1.5MW出力増強(2017.4)・約 266.6GWh/y[水 力.com]
仏原ダム 0.22MW
河川維持放流水式


1.8GWh/y 2010年運開
小  計②
49.72MW
18.2MW




九 頭竜ダム 九頭竜湖・九頭竜川 3億5300万立米 1億9,000.0万m3
(発電容量)
301.5km2(間接含む)

電発: 長野 220MW
中電分110MW
陸電分110MW

8MW ダム式・混合揚水式
・貯水池式
97.50m3/s
266.00m3/s
356GWh/y内、揚水発電分 165GWh/y
鷲(わし)ダム 九頭竜川 96.5万立米 61.0万立米
長野ダム下調整池・山原ダムへ送水
山原(やんば ら)ダム 石徹白川 90万立米

湯上発電所への取水堰
電発: 湯上(ゆがみ) 54MW
陸電分27MW
18MW ダム水路式・調整池式 120.10m 53.0m3/s 1968年運開
260GWh/y [経 産省資 料]
三面谷(さつ ら だに)取水堰 三面谷


九頭竜ダムへの取水堰
石徹白ダム 石徹白川


九頭竜ダムへの取水堰
智奈洞(ちなぼ ら)取水堰 智奈洞谷


九頭竜ダムへの取水堰
此 ノ木谷 注水口
電発: このき谷
0.199MW

水路式・流込式
7.4m 3.22m3/s 2016運開[水 力.com]
小  計③
274.2MW
26MW




【真名川総合開発事業】




大雲谷 県企業局:中 島第二 2.4MW 0.32MW 水路式・流込式 214.82m 1.4m3/s 2010.北陸電力に譲渡  8.9GWh/年[水力]
雲川ダム 雲川(真名川上流) 149万m3 149万m3 55.8km2 1957年運開
笹生川ダム 笹生川(真名川上流) 5,880.6万m3 5224.4万m3 70.7km2 1957年運開[水 力.com][ダ ム書誌]

県企業局:中 島 18.9MW 7.1MW ダム水路式・貯水池式 最大136.03m
常時115.98m
最大16.0m3/s
常時7.59m3/s
2010.北陸電力に譲渡 [ダ ム書誌]
2014.出力増加(+0.9MW) 約36GWh/年

県企業局:五 条方 17.8MW 8.1MW 水路式・流込み式 129.95m 16.0m3/s 2010.北陸電力に譲渡
2013.出力増加(+0.3MW) [水 力.com][IT メディア]
真 名川ダム 真名川(九頭竜川支流) 1億1500万m3 [発電用]210万
~3,110 万m3
223.7m2 1977年運開
県企業局:真 名川 14.2MW 0.68MW ダム水路式・貯水池式 109.8m 15m3/s 2010.北陸電力に譲渡 [水 力.com]
2014.出力増加(+0.2MW) 70.2GWh/年(改修後)
小  計④ 50.9MW 15.88MW



陸 電合合計⑤(=①+②)
130.52MW
27.59MW




総  計(③+④+⑤)
455.62MW
69.47MW





三面谷(さつらだに)取水ダム・石徹白取水ダム・智奈洞(ちなぼら)取 水ダム・このき谷発 電所・長野発電所・九頭竜ダムの位置図。
出典:Looop Club

<このき発電所>

電源開発株式会社 このき谷発電所[水力
    所有:電源開発株式会社[運開]
    平成26(2014)年10月  :着工
    平成28(2016)年12月1日:運用開始
水路式・流込式
    認可最大出力:199kW      常時出力:   kW
    最大使用水量:3.22立方メートル毎秒
    有効落差:7.4m
    流域面積:117.0?平方キロメートル
    取水:三面谷[三面谷ダム]→石徹白川[石徹白ダム]→智奈洞谷[智奈洞ダム]
    放水:此の木谷(九頭竜ダム湖)


此の木発電所は殆ど高低差がない導水路上に建設した発電所である。同じ導水路上に建設された発電所でも易老沢なんかは可成り落差があるけど,この導水路は流域面積が小さい九頭竜湖が石徹白川から導水するのがメインで,流域面積考えるとなるべく高低差は無くして流域面積を稼ぎに行ったと云うことであろう。

有効落差7.4mで200kW弱である。
取水を石徹白ダムから上流の小谷堂(こたんどう)=廃村だそうな(この辺こ の辺参照)付近にしたりすると高低差稼げてもっと出力上げられるのではないか?と思うけど,ここは上流にがつんと発電所を建設する方向で検討する。

http://www.city.itoigawa.lg.jp/secure/16567/suiryoku_h2.pdfに 寄るとP (kw)=9.8(係数)*Q(流量m3/s)*He(有効落差m)*η(係数60~85%)とのこと。このきのη=85% 程。なかなか優秀であ る。
今標高610m付近の智奈洞谷と大栃蔵谷の二俣付近に新ダムを建設して石徹白川や三面谷からも一寸高い標高から新たに取水し直して此の木谷(561m)迄 落とすと水量はほぼ変わらず有効落差が50mと7倍ぐらいに1400kW(1.4MW) に はなるけど,まあ全部水路造り直すコストを掛けるにしては出力増加は小さいだろう。寧ろ,使用水量の小ささを問題としたい。美濃白鳥の石徹白地区を一手に引き受けてるので10m3/s程取って九頭竜湖へ流し込んでもいいのではないか?これで600kW程にはなる。

九頭竜湖が広すぎて全部呑み込む領域なので他の支流に似たようなの作りづらいんだよねえ。。真名川は別にやってるし。。

上流に副ダムがある。
この落差とかも使えないだろうか?上流は一応30km2程有るので30m3/s程は期待出来るが如何せん落差が小さい。。10m程水貯めても250kW程度だw(;´Д`)あかんわ



九頭竜ダム

長野発電所


九頭竜ダムからの最大226m3/sの水量で長野発電所で最大220.0MWを発電した水は鷲ダムに,更には山原ダムに貯められる。
下の湯上発電所は53m3/sしか最大使用水量がないからである。


鷲(わし)ダム[水力]
九頭竜川水系九頭竜川
    昭和40(1965)年  :着手
    昭和43(1968)年5月:竣工
    堤高:44.0m、堤頂長:277.0m容量
     総貯水容量:965.0万m3    有効貯水容量:610.0万m3
    満水位標高:461.00m    低水位標高:450.00m
    集水面積:191.6 平方キロメートル(直接集水面積)
    集水面積:308.6 平方キロメートル(九頭竜ダムへの注水分含む。案内板)
    集水面積:334.3 平方キロメートル(ダム便覧)
    湛水面積: 0.62平方キロメートル

山原(やんばら)ダム[水力]
九頭竜川水系石徹白川
    昭和40(1965)年  :着手    昭和43(1968)年5月:竣工
    堤高:22.0m、堤頂長:115.0m(案内板)、114.6m(ダム便覧)
    総貯水量:900.0万m3
    集水面積:334.3平方キロメートル(導水分含む)
    集水面積: 25.7平方キロメートル(山原ダム分のみ)

<湯上発電所>
R158を走っていると洒落たドーム型の建物が渓谷に見えて来るがそれが湯上発電所である。

電源開発株式会社 湯上発電所[水力]
    昭和43(1968)年5月19日:運用開始
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:54000kW      常時出力:18000kW
    年間発電電力量:260000MWH(2億6千万キロワット時)
    最大使用水量:53.00立方メートル毎秒
    有効落差:120.10m
    水車: 最大出力58100kW×1台
     発電所建屋:円形半地下式 内径20m×高40m
標高
      取水位標高:461.00 m
       建屋標高:345.000m
    放流側水面標高:335.000m
      放水位標高:333.00 m
     水車中心標高:331.000m
面積
    流域面積:334.3平方キロメートル
河川
    取水:九頭竜川[鷲ダム]→石徹白川[山原ダム]
    放水:九頭竜川

<仏原ダム>

仏原(ほとけばら)ダム[水力
竣工(完成):1963年5月
堤高:48.60m、堤頂長:141.00m
     総貯水容量:4,100,000立方メートル     有効貯水容量:1,650,000立方メートル
堤頂標高:336.60m
    洪水時満水位標高:335.00m(サーチャージ)
     常時満水位標高:335.00m
    予備放流水位標高:334.50m
      最低水位標高:328.50m
       越流頂標高:321.00m
    集水面積:421.92平方キロメートル
導水:谷山川
20.11

導水は谷山川からなされているが,もう一寸足を伸ばすと打波川本流からも得られる。お誂え向きの標高に堰っぽい物が既にある。これ活用できひんやろか?

12.563km2程を第一取水者となれる。
そのまま流下すると東勝原発電所で取水されて発電効率0.32MW/(m3/s)で更に西勝原第二で発電効率0.27で発電。合計0.60。
此処で取水されると仏原ダムから西勝原第三で有効落差?・発電効率0.88MW/(m3/s)で発電。
こちら(仏原経由)の方が良いだろう。

但し上打波P/S放水時では下打波を経由する分東勝原経由が有利。打波川や大谷川から取水する場合は落差を有効活用しないとダメだな。

谷山川からの更には打波川からの落差には20m程の未利用落差がある。。

色々導水を考えて見たけど,いっそのこと下打波P/Sが使い切れない5m3/sを元に仏原ダムまで運んで発電すれば良い。

[新設構想]仏原発電所
出力:3,200kW[+3.2MW]
水量:7.14m3/s=4.8m3/s+0.84m3/s+1.5m3/s
落差:55m
導水:5.76km+0.87km(嵐谷)
取水:打波川[上打波発電所]・谷山川・嵐谷395m
放水:九頭竜川[仏原ダム]335m


詳しくは打波川の頁参照。
此処での関心事は主に新規に仏原ダムに加わる打波川と嵐谷の5.64m3/sである。

もう2015年に増強された上打波同様,西勝原第三も2017に増強されて仕舞っているのである。。

出力増強前は50MWの水車で48MW出してた様だが,49.5MWの今はどうなっているのであろうか?
今は56m3/sで49,5MWだしているので52MW位だと58.8m3/s迄水量を増やせる。詰まり2.8m3/s程使用水量増やせると思うんだけど。。
この辺は全く根拠無しだからなんとも。。

成るべくダムに貯めて今は発電してない時間も発電して発電量を増やす方向で行きたい。

<西勝原第三P/S>
北陸電力株式会社 西勝原第三発電所
http://www.suiryoku.com/gallery/fukui/niskado3/niskado3.html

    昭和43(1968)年5月  :運用開始(48000kW)
    平成29(2017)年4月3日:設備改修、水車取替により出力増加(49500kW)
ダム水路式・貯水池式
    認可最大出力:49500kW(出力増加前48000kW)    常時出力:18200kW(出力増加前データ)
    年間発電電力量:約266600MWH(2億6660万キロワット時)
    年間発電電力量:約260000MWH(2億6000万キロワット時、出力増加前データ)
    最大使用水量:56.00立方メートル毎秒
    有効落差:99.00m
    水車:1台(出力増加前、出力50000kW)    発電機:容量53000kVA×1台    変圧器:容量53000kVA×1台
    導水路:総延長4841.5m
    流域面積:438.5平方キロメートル
    取水:谷山川→九頭竜川[仏原ダム]335.00m
    放水:九頭竜川227.70m


西勝原第三発電所(49.5MW)の水路鉄管。太いw これで56.0m3/sを発電所へ流し込む。
下には立軸デリア水車×1台(ソース:水力.com)が待ち受けている。因みに大井川発電所の鉄管はこちら
20.8
R158を走ってるとど太い水圧鉄管の下を潜る。
仏原ダムはそんな大きい訳でもないけど同じ鉄管もう一本ぐらい設置して出力2倍にする位は出来るんちゃうの??


北陸電力株式会社 富田発電所[水力
昭和33(1958)年9月29日:運用開始
水路式・流込式
認可最大出力:19200kW  常時出力: 1900kW
最大使用水量:80.00立方メートル毎秒
有効落差:28.20m
水車:出力20800kW×1台
導水路:総延長7568.2m
取水位標高:227.50m
放水位標高:195.20m
流域面積:791.8平方キロメートル
取水:九頭竜川
放水:壁倉発電所、九頭竜川

北陸電力株式会社 壁倉発電所[水力
昭和33(1958)年9月29日:運用開始
水路式・流込式
認可最大出力:25600kW(運開当時13400kW)  常時出力: 2200kW
最大使用水量:80.00立方メートル毎秒
有効落差:37.70m
水車:総出力27800kW
導水路:総延長5280.836m
取水位標高:195.203m
放水位標高:151.40 m
流域面積:761.83平方キロメートル
取水:富田発電所、九頭竜川
放水:九頭竜川

(真名川[赤根川・清滝川]合流)

http://www.suiryoku.com/gallery/fukui/ichiara/ichiara.html
下荒井(しもあらい)ダム
場所:147m
取水堰(市荒川発電所)80.00m3/s

(女神川合流)

http://www.suiryoku.com/gallery/fukui/ichiara/ichiara.html
関西電力株式会社 市荒川発電所
所在地:福井県吉田郡永平寺町市荒川
所有:日本発送電株式会社[運開]
昭和19(1944)年7月:運用開始
平成23(2011)年4月:出力増加?(46700kW)
水路式・流込式
認可最大出力:46,700kW(出力増加前45700kW)→ 64.200kW[+17.5MW] 常時出力:11400kW
最大使用水量:80.00m3/s→110.00m3/s
有効落差:69.00m
水車:2台 総出力52000kW
導水路:総延長10394.8m、主要導水路 口径6.10m、延長9574.5m
取水位標高:150.50m
放水位標高: 71.81m
流域面積:?
取水:九頭竜川[下荒井ダム]
放水:九頭竜川

真名川から31m3/s(五条方15m3/s・真名川16m3/s)を,九頭竜川から80m3/s(壁倉),更に女神川なんか方も採れなくも無い。勿論,取水される量はある様だが30m3/s程は増やせるだろう。

導水路は容量足りないだろうからもう一本堀る必要があるが大増強が可能である。

更に下流でももう一発行ける。

[構想]上比志発電所
出力:16,500kW[+16.5MW]
水量:110m3/s
導水:3.7km
取水:九頭竜川(71m)=堰で嵩上げ
放水:九頭竜川(48m)