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23.5.22独立
常願寺川(21.7 逍遙)(23.5悶絶)
常願寺 川概観常願寺川・ 称名川立山付近・有峰開発[和 田川右岸(在来)第一 ルート[水量小]和田川右岸(新)第二ルート[水量中]和田川左岸(有峰) 第三ルート[水量大]有峰引水]・小 口川・祐延ダム(神通川水系)熊野川常西合口用水(扇状地の農業用水)

称名川(称名川第二・称名 川)・常願寺(真川・小見・松ノ木)・和田川(亀谷・中地山)からなる古くからある在来ルートである。宏大な立山を源流域に持つ称名川・常願寺川は貯水池を持って 居らず流込式になっている。
和田川は有峰ダム建設に伴い和田川第一発電所6m3/sを介して連 結され貯水池式となった。また更に真川発電所に6m3/s程供給すること も出来る様だ。真川発電所は極小の真川ダムを持って居るが,有峰ダムを水源に限定的に調整機能を持つとも云えるのかも知れぬ。
調整力がこの程度だと和田川右岸第二ルート[→別頁](の小俣ダム)や・和田川左岸(有峰)ルート[→ 別頁](の小口川ダム) の様に逆調整池も特にない様だ。上滝発電所の放水地で十分なんかな?
水流の安定化の為に大きめの貯水池が(と逆調整池)欲しいが,国立公園である事に加えて,立山砂防軌道の無限スイッチバック(こ こ)が有名な様に,地質も悪そうである。
可能なら途中の瀬戸蔵や本宮などから取水して発電したいが,称名川発電所付近での小見発電所の取水は水害を機に廃止されてしまった様[→Jatage]で,課題は計画倒れ隣ったとみられる湯川からの導水[→立山(別頁)]に絞られるのかも知れぬ。嘗てよりは砂防態勢も強化されて取水 堰の建設も可能になったりしてないかな。。
環境問題の絡みで難しいだろうけど称名の滝をスルーする第三構想の他,称名の滝の水量とは関係しないのでその奥地開発なんかも実行したい。
~称名川~
称名の滝
称名川第三(+6.4MW)
第四(+6.0MW)【新設】

  
~湯川 ~
立山源流[→別頁


 ~真川~ 


~和田川~
称名川第二PS


真川発電所 真川調整池 
有峰ダム[→別頁
称名川発電 所
【増強】(+6.4MW)

千寿ヶ原(瀬戸蔵砂防堰堤)
原調整池

和田川第一 PS



本宮砂防堰 堤  
亀谷発電所
【増強】(+1.1MW)



小見発電所 中地山発電所
【増強】(+0.2MW)
小口川

横江頭首工 松ノ木発電 所



~常東用水 ~
上滝発電所



東西分水 工・水路橋
~常西用水 ~








日本海 (富山湾)
扇状地の農業用水扇状地の農業用水

~称名川・常願寺川本流ルート~

~称名川~

称名滝   
日本一の落差350m!
だそうだが,まあ凄かった。
おにいさんが半笑いで歩きながら戻ってくるのとすれ違ったら濡れますよと声を掛けてくる。んな大袈裟な,滝壺に近づ来すぎたりしたんちゃうの?と内心思い つつ滝に近づくと水滴が漂い始め,滝見の橋の袂で既に夕立みたい になる。傘を差してる人もいる。
確かに遥か彼方から眺めているだけでびっしょりになりそうである!これが称名の滝の実力かっ!
21.7

涅槃滝
称名滝に向かうと先ず遠くから度肝を抜かれるのがこれである。なんたる有効落差!水量は兎も角,山の上から垂れ下がる一筋の糸に涎が出てくるw
称名の滝は日本一の落差ってふれこみだったけど隣のこっちの方が明らかに落差でかいんですけど??
遠くから白い水圧鉄管でもあるかと思った(重症w)


さて,実はこれらの滝の直下に取水口がある。流石に直上からみたいな無粋は出来なかったようだw
国立公園内でもなんとか開発出来る様である。

→ところが,である。何と称名川第三構想が あったことを発見した!
まあ今やれとはなかなかいえないけど,物凄い水量だったし維持流量0.85あればいけるんかとなると一寸面白い♪

>称名滝の流量 は,豊水量3.50m3/s,平水量l..97m3/s,低水量l. 30m3/s,渇水量0.85m3/sである。
>ところで,称名川は発電水利的にも利用価値があり,現在,称名滝の滝壷から取水して,下流に向かい称名川第 2発電所(最大出力8,100kW),および,称名川第 l発電所(最大出力6,350kW)がある。しかし称名滝の上流に取水口を設け450mの落差
完全に利用することができれば,発電水利上いっそう有利であることは確かである。称名川第3発電所の構想はそれである。この構想においては,取水量を最大 l..7m3/s,常時0.8m3/sとしている。
>しかし観光の立 場からすれば,少なくとも渇水量0.85m3は常時滝として流下することが必要であるといわれるので,低水墨および渇水量のときは 発電水利と観光水利とは利害一致しないことになる。[JSTAGE/水利科学

今は十分活用出来ていない湯川から水を補給してやろう。雑穀谷からも集水出来る。

[復活私案]称名川第三発電所
出力:6,400kW[+6.4MW]
落差:380m
水量:2.0m3/s
導水:支導水路4.2km(湯川) 主導水路1.8km(雑穀谷→称名滝上→称名滝下)
流域:湯川方面12.2km2 ・雑穀谷4.0km2()
取水:称 名川(維持流量0.85m3/s確保)・雑 穀谷松 尾谷湯 川兎 谷 1449m
豊水:称名川[称名川第二発電所]1061m

勿論,称名の滝の水量は減ってしまう。これは流石の私ても大問題であると感じざるを得ない。
その為,湯川の方から水を導水して,称名の滝の水を最小限とし,場合に拠っては湯川の水を称名の滝に流せるようにすることで観光にもメリットをもたらすと いうスキームはどうであろう??
なお,湯川から導水する案は有峰ダムへの導水強化とバッ ティングはする。

さて,Jstageで触れられていた計画では落差450m とか吹っかけてたけど一寸低めで湯川での集水を優先した(放水設備など下流から見え ないように工夫する必要はある。多 分大丈夫そう[すとびゅう]だけど)。ということでこの上でもう一発やってみる。

[妄想私案]称名川第四発電所
出力:6,000kW[+6.0MW]
落差:360m
水量:2.0m3/s
導水:3.9km
流域:13.6km2
取水:一 の谷称 名川1816m
豊水:称 名川[称名川第三発電所]1449m



称名川第二発電所[水力] [DB]    
所在地:富山県中新川郡立 山町称名
運開:1960.6
水路式・流込式
認可最大出力:8,100kW  常時出力:1,100kW
最大使用水量:4.35m3/s[1.41]
    有効落差:227.50m
    水車:立軸ペルトン水車 出力8500kW×1台
    発電機:立軸三相交流同期発電機×1台
    導水路:総延長3139.0m
    流域面積:30.8km2
    取水:称 名川雑 穀谷(ミクズレ谷川) 計4箇所1061.00m 残り2箇所不明。内1箇所はこ の辺(雑穀谷)か?
    放水:称名川発電所、称名川825.25m

ヘリポートが屋上にあった。こちらの道路が勾配が付いてるせいかヘリポートが水平に見えないw

水圧鉄管。細い方は余水管か?


称名発電所から奥,立山有料道路を分け,奥に進むとこの断崖が迫ってくる。豊富な雪解け水が岩だけ残して削り切っての地形であろう。
上の方が白いのは写真機の不調では無く霧(雲?)である。


称名川第二が有る以上,称名川第一が適当だと思うけど古くからあるこちらが第二に迎合する気配は無い。

称名川発電所水力] [DB]   
所在地:富山県中新川郡立 山町称名
運開:1933.10[ 富山県電気局]  現行施設運開:1971.6 
水路式・流込式
認可最大出力:6,400kW→12,800kW[+6.4MW]   常時出力:1,970kW
最大使用水量:2.39m3/s4.8m3/s
    有効落差:332.30m
    水車:立軸ペルトン水車 出力6690kW×1台
    導水路:総延長5611.0m
    流域面積:36.8km2
    取水:称名川第二発電所(称名川)4.35m3/s、人 津谷  雑穀谷※ 824.49m  2箇所※ ※:雑穀谷の取水施設のソースは例えばこれ[出典:JSTAGE/水利科学]人津谷 の取水設備は確実と思われるが2箇所というDB の記述と矛盾する
    放水:小見発電所、称名川471.23m

>昭 和44年(とは註:1969年)常願寺川の大水害により下流称名川発電所(6,400KW)が土砂で埋没し,山側に移設した。JSTAGE
1971の現行施設運開とはこういうことだったのか。発電力は変わらずだったらしい。称名川発電所地点で川への放流も側 からの取水もしていないのはこの時 の復旧工事の結果であろう。
またDBの取水先が2箇所と云う記述と如何にも取水設備在りそうな雑穀谷の取水設備を明記した水利科学の論文との矛盾(諸元中の※)であるが,S44年の 大水害で取水設備が破潰されて復旧しなかったと云う可能性もあるかも。(少なくともこの推論に時系列的な整合性と現実との無矛盾性は完備している。)

さて,本発電所の問題点は幾つかあって,先ずはシリーズ発電所の下流側なのに上流 の最大使用水量4.35m3/sの称名川第二に対して2.39m3/sしかないと云う点である。
二つ目は上流で称名川第二が取水しているとはいえ,その後も取水の可能性はあるとは思われる雑穀谷で取水してない様子と いう点である。そもそも称 名川第二の放水地点で称名川からも取水してない様だ。
高度差で稼ぐタイプ(本発電所の有効落差は332.30m!)の発電所としては小水量は致命的である。貪欲に水を集めるべき発電所である。(上流の称名川 第二での取水に加えて大水害という理由が二つ重なったが故という可能性はありそう。)
上流の面積を調べると3.9km2程取れる。

まあ今の水量でも致命的では無くそこそこの出力を誇ってはいるんだけど。。倍増の4.8m3/sとかにすれば6,400kWを12,800kW[+6.4MW]に出 来そう。0.45m3/sの新規水源があれば可能であるからそれ程難しくは無さそう。

称名川第二の4.35m3/sに加えて上流の3.9km2から0.4m3/s,人津谷から0.05m3/sで恰度4.8m3/sとなるぞw


発電所建屋

水圧鉄管



【立山・源流】(→立山)   
~湯川~

~真川~
有峰ダム取水堰(岩井谷ダム)

~スゴ谷~
有峰ダム取水堰
(スゴ谷合流点)
真川発電所取水堰

~常願寺川~
法律的には真川が本流で常願寺川と指定されてる様だが,真実(ほんとう)は真川と湯川が合流してからが常願寺川のようである。



~牛首谷川①~   

真 川調整池(まがわちょうせいち)ダム水力] [便覧][山 レコ]   
富山市大字本宮字瀬戸割1番地先?←一応直ぐ南側に瀬戸蔵山がある。
目的:発電 / ダム事業者:北陸電力(株)
堤高:19.09m
堤頂標高:995.303m
常時満水位標高:993.939m(サーチャージ)
最低水位標高:984.849m
河床標高:976.213m
流域面積/湛水面積     105km2 ( 全て間接流域 ) /1ha
総貯水容量/有効貯水容量     4.8万m3/4.7万m3[1h33m分…少ない]
着工/竣工:1928/1930
堤頂標高:995.303m
常時満水位標高:993.939m(サーチャージ)
 最低水位標高:984.849m
   河床標高:976.213m

珍しいバットレス型ダム。V=4.7万m3しかなく8.5m3/sの真川PSを動かすには1h33m程。
真立(V=2.3万m3)新中地山(V=7.8万m3)と同じく一寸デカめのサージタンクみた いなもんだなw

土木学会] に拠ると有峰ダムから給 水される水量が判明!最大6m3/sとのことである。
>なお導水路(とは註:有峰ダムから和田第一・第二発電所への共用の導水路)の途中で既設真川発電所への補給水路を分岐し必要に応じバルブを開閉し て最大6m3/sの水量を真川発電所調整池へ放流する。


小見発電所集水堰堤
真川発電所の直上にある。こ の辺迄歩いて接近してみれば良かった。。

北陸電力(株) 真川(まがわ)発電所水力] [経 産省][富 山市][DB]    
所在地:富山県富山市本宮
運開:富山県電気局 着工:1927.5 運開:1930.2
水路式・調整池式
認可最大出力:33,600kW   常時出力:3,700kW
最大使用水量:8.35m3/s
    有効落差:488.40m
    水車:横軸ペルトン水車×3台 総出力34800kW
    導水路:総延長15017.0m
 流域面積:105.1km2
    取水:(湯川(地図では放水路延びて居ない・G 空撮のここか?),湯川小谷川[川の名]、ホトロ谷川[川の名][G 空撮]→真 川サ ブ谷大 瀬戸谷沢カ ラ杉谷・赤萩谷川(こ こ?))→([有峰ダム]→)牛首谷川[真川調整池ダム][取水堰数:12]1007.73m
    放水:小見発電所、真川466.47m


富 山市]に記載の真川発電所関連の地名(何のか判らないが管理区間が取水堰堤迄となっていて載っているケースが多い) 12堰中7堰判明する。これ に加えて真川・湯川・和田川(有 峰ダム)を加えると10。残り2。市町界的に立山町側にはあんま無さそうだしあと2箇所どこや?

牛首谷川        富山市大字本宮字瀬戸割1番地先の真川発電所牛首谷川取水堰堤 →真川調整池のことか?

赤萩谷川        富山市大字本宮字赤荻谷割地先の真川発電所赤萩谷川取水堰堤 →こ の谷
       
カラ杉谷川        富山市大字本宮字カラ杉谷割地先の真川発電所カラ杉谷川取水堰堤 →こ こ
       
大瀬戸谷川        富山市大字本宮字瀬戸蔵割地先の真川発電所大瀬戸谷川取水堰堤  →こ の川
       
サブ谷川        富山市大字本宮字サブ谷割地先の真川発電所サブ谷川取水堰堤 →こ こ
              
湯川小谷川    富山市大字有峰字真川谷割地先の真川発電所湯川小谷川取水堰堤 →こ こ!?

ホトロ谷川        富山市大字有峰字真川谷割19番地先の真川発電所ホトロ谷川取水堰堤 →こ れこ の辺

此処迄徹底的に沢毎に取水して105.1km2で8.35m3/sを確保してるようである。開発した富山県電気局の執念を感じる。戦前に当時として桁外れ に超巨大な有峰開発を計画したのも富山県である。

DBにも12箇所とあるが,特に疑問なのが湯川小谷川と湯川である。ホトロ谷川は真川以遠にあるにせよ一応真川の直ぐ近くではあるが,湯川小谷川は可成り 遠くて湯川が無いのにあるのは不自然であり,湯川は真川発電所の取水口があるという確度の高い情報が皆無なのである。
湯川小谷川の一部が富山県に拠って指定されてるのは事実であるが,これは堰堤予定地若しくは跡地の可能性はないだろうか??
今の所湯川に取水口を延ばしている資料としては水力さんの記述と科 学技術振興機構の公開している論文



有効落差488.0mを活かして8.35m3/sで33.6MWを叩き出す頼 もしい真川PSである。8.35m3/sの内,最大6m3/sは有峰ダムからの調整可能な水源であるのも魅力である。真川調整池そのものは4.7万m3しかないが,6m3/sは有 峰が調整出来るとなると残りは2.35m3/sであり,5h33m分あるということに。途中の沢から合計4.8km2あって,真川周辺(→参照)で約12.5km2ある(湯川小谷川が一寸 離れてるので入れ損じてるが,どうやら取水してない沢を一箇所入れてしまったので差し引き似たような面積であろうw)。合計17.3km2で毎日4.7万 トン貯めて使って行く 感じか?なんとなくそれっぽい感じがしてきた!真川,完全に調整式電源やん♪→と思ったけど,真川の取水位は1000m程しか無く(←十分高いけどw), 今,満水位が 1080m程有る有峰ダムから給水を受けた場合70m程の損 失落差が発生する事になる。但し和田川第一・第二ともども,有峰ルートよりも 低い水位で,低水位の場合は最低1015.0m迄取水出来るようである。とすると取水するのは 取水の最低水位1040mの有峰第三が使えない場合か??大容量の有峰第三が使えない水不足 の状況で且つ調整電源不足のそれなりに限られた状況でしか真川Pに水は供給してないのかも。頻繁に使用しているなら6m3/sで70m だと 3,500kW程度の発電所が建設されてたであろう(小俣ダム発電所みたい に。)今は取水していないと思われる湯川方面からも集水して有峰ダム経由で真川へ供給することにして有峰ダムからの補水を常設化しても良い様な気がする。
 
更に調査を進める中で『北陸電気事業百年史』 (1998・北陸電力刊)を入手!そこには以下の様な文章が記されていた,

(戦前の富山県電気局の)旧計画における大品山および真川第二発電所(の計画(とは追記))は廃止することとし,真川発電所へは旧計画の水路を利用 して和田川水路の途中よりハウエルバンガーバルブにより渇水補給を行うことにした。

※ハウエルバンガーバルブ[水力]… 河川維持水などの小流量放流用としてダムの放流管等に広く用いられているとのこと


真川発電所。
21.7

基本的に予習はしない派なので現地では細かい送水の状況とか忘れた状態で調査する事が多い。
今回,小見と亀谷の部分の謎だけは課題として覚えて行ったけどここの称名川発電所放流水を真川放流水に併せる為に運んでくる千寿橋の事は忘れてたというよ り,そもそもあんま認識してなかったw
真川大橋の上から古そうな鉄橋とその向こうの真川発電所を併せて激写しようとして発電所はあんま写らなかったけど橋はちゃんと写ってたのがこれである

よく見れば水路橋になっていそうな橋桁部分の厚みである。アップしてみるとこんな感じ。そこそこ太いようにも見えるが。。

称名川発電所の使用水量が足りないので2.39m3/s4.8m3/sに増やしたいと思ってる けど,この鉄管は2.4m3/sしか通せないのかな。。
称名川発電所から小見迄延々と鉄管の容量増やすのは大変なので取り合えずそこは保留。

千寿ヶ原
称名川と常願寺川が合流=(小口川ダム導水元・小見発電所調整池想定地点→ 立山で検討)
富山地鉄も此処が終点。ここからケーブルカーかなんかになる。昔は大阪や名古屋から直通列車も入って来ていたんだけどねぇ。。


真川大橋が高い所を走っており,。富山地鉄を見下ろしている。川はもっと下である。ダイナミックな眺めであった♪
21.7
鉄橋の向こう側で見にくいがここの砂防堰堤は瀬戸蔵というらしい。


現在の下流の小見発電所の最大使用水量は11.91m3/sで同じく真川発電所8.35m3/sと称名川発電所2.39m3/sの和,10.74m3/sより1.17m3/s多い。
流込式の称名川発電所から約2.4m3/s,上での推論が正しければ真川調 整池の小容量でしか調整出来ない真川発電所からの8.4m3/sをメインに残りを真川から補 給して12m3/s弱で発電している発電所って感じである。
流域面積は183.7km2とあるけど上流では有峰ダムがごっそり奪っていく。。今計算してみると称名 川発電所の流域が36.8km2。真川堰堤 以遠で有峰導水の手迄で67.3km2。合計113km2って所である。11.91m3/sってのは10km2辺り1m3/sの経験則に割かし合致してる と云えよう。



~牛首谷川②~

小見発電所原調整池[こ れ(地理院)
四角い池[EL466-467m程・S=1.87ha程・利用水深2~3mでV=3.7~5.5万m3程か?]がある。
経産省(ミスだらけと思しき)模式図には牛首川から取水となっているが牛 首川の脇に人工の調整池?っぽい四角い池は見える[EL466-467m程・S=1.87ha程・利用水深2~3mでV=3.7~5.5万m3程 か?
祐延ダムにあった看板に拠って正体が判 明。原調整池というらしい。原はこ の辺の地名(地理院)である。



本宮砂防堰堤[場 所]   
堤高:22m 堤長:107.4m
貯砂量:500万m3
摘要:重要文化財(2017/11/28指定)

手前の混凝土の構造物はループで距離を稼いで居る魚道。
なんとトンネルでダムの上側へ至っている。時期では無いのかちゃんと水が流れてる感じはしなかった。魚ってのはトンネルで暗くても遡上意慾を失わないのか ねえ?

看板…常願寺川砂防の要をなす重要な施設との由。



~和田川~   

~和田川第一ルート[→和田川第二ルート]~

有峰ダム[→有峰ダム
取水:和田川・神通川水系金木戸 川・折立、折立増設発電所
送水:和田川第一 [27.0MW・6.8m3/s・1959](→亀谷[9.9MW・6.12m3/s・1923])・和田川第二[122MW・ 32.20m3/s・1959](→新中地山[73.5MW・33m3/s・1959])・真川[有峰からの導水量は不明](→小見)・有峰第一 [265MW・74m3/s・1981](→有峰第二[120MW・74m3/s・1981])

巨大な有峰ダムに対して割りと小さめな水量で建設された和田川右岸第一ルート。1923運開の亀谷発電所に後補で接続する形で建設されたということらし い。そうだとしても微妙に使い切れない水量が設定されてるけど。亀谷・中地山の6.12m3/sに対して6.80m3/s。1.2万トン程度の貯水量でも 良いのでダムつくられへんやろか??

ともあれ有峰ダムは下流の既存の発電所の安定化に大いに寄与した筈である。

北陸電力(株) 和田川第一発電所水力]    
所在地:富山県富山市亀谷
運開:1959.6
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:27,000kW  常時出力:10,000kW[37.0%]←基本有峰から常時的に供給はされているようである。
最大使用水量:6.80m3/s 常時使用水量:2.5m3/s程?
有効落差:486.92m
水車:横軸ペルトン水車×2台 総出力28000kW
導水路:総延長7227.9m
    流域面積:220.0km2
    取水:和田川[有峰ダム]1088.00m
    放水:和田川[亀谷発電所]572.00m 上部水槽などを 共有する和田川第二発電所(122MW・32.2m3/s)の放水位は 604.00m。わざわ ざ分けて固定費用増やしてしまった感じは否めない。

亀谷発電所
この発電所が嘗て(有峰開発前まで)和田川上流詰まり現在の有峰ダムの直接隆起を含む宏大な流域の水を一手に引き受ける発電所であった。
諸元の9.9MWとという割と大きめの発電力に嘗ての栄光が偲ばれる(水車の能力は更に デカくて11,670kWもある)。
その流域は有峰以下で25.0km2程。但し和田川第二より新中地山の使用水量が0.8m3/s多いので其処に使われる量がある。
また和田第一が6.8m3/sも供給してくれるのであるから水車に余裕があるんだし,亀谷の使用水量を0.62m3/s増やしてすっきり 6.8m3/sに すれば良いのに。亀谷の出力をピッタリ11.0MW[+1.1MW]に 出来る。
逆になんか出来ない特段の理由でもあるのであろうか,,心配になる。導水管は一般に余裕(冗長性・リダンダンシー)を持って設置されてるので 0.62m3/sぐらい通せるよねぇ。。(亀谷の水量をそのまま使用する規模の小さい中地山PS(最大 使用水量:6.12m3/s・現行出力」2.4MW・水車出力:2.57MW×1台)が 対応しているのかは解らないが。。中地山の水量を6.8m3/sにしてみると単純計算で2.66MWとなり,導水管以前に水車の出力もやや足りない)
まあ無理にこんな小さな案件にカネを投下している余裕はなさそうである。。

連檐する和田川第一に加えて,上流で取水して並行する和田川第二新中地山の常時水量が可成り高めで,しかも推定使用水量が中地山の方 が 2m3/s程高そうである事等を考えるとこの水域で取水される水の大半は和 田川新ルー ト(新中地山PS)へ流れていると判断した方が良さそうなのかもしれぬ。
となると亀谷の水は今では(有峰ダムよりは下流の)取水堰上流の渓流からの水というより有峰ダムからの給水に依存して発電していると云っても良い状況であ ろう(推定常時水量2.6m3/sに対して和田川第一が2.5m3/s)。そして和田川第二が取水した残りの少量(左の差の0.1m3/s) を亀谷が和田川第一の放流水に追加して川から取水して発電してると解釈出来そうな 推定常時使用水量である。

ルート
発電所名 最大出力 常時出力[最大常時比] 最大使用水量 推定常時使用水量 水車
右岸第一
和田川第一 27,000kW 10,000kW[37.0%] 6.80m3/s 2.5m3/s以 上? ペルトン

亀谷 9,900kW 4,300kW[43.4%] 6.12m3/s 2.6m3/s以 上? フランシス
右岸第二
和田川第二 122,000kW 48,200kW[39.5%] 32.20m3/s 12.70m3/s 以上? ペルトン

新中地山 73,500kW 31,200kW[42.4%] 33.00m3/s 14.00m3/s 以上? フランシス

北陸電力(株) 亀谷発電所水力] [国 交省][富 山市][DB] [陸電] [水 利科学]    
所在地:富山県富山市亀谷
運開:1923.12[越中電力(株)・その後日本電力]
水路式・流込式
認可最大出力:9,900kW   常時出力:4,300kW[43.4%]
    最大使用水量:6.12m3/s  常時使用水量: 2.6m3/s程?
    有効落差:204.8m
    水車:横軸フランシス水車×3台 総出力11670kW
    導水路:総延長4083.8m
    流域面積:220.0km2
    取水:和田川第一発電所、和田川563.94m[取水堰 1箇所]
    放水:中地山発電所、和田川347.13m

真川や中地山でもお世話になった富山市資料に拠ると

極楽坂    富山市大字亀谷字入会山割6番の16地先の
南谷川    亀谷発電所極楽坂南谷川取水堰堤
https://maps.gsi.go.jp/#16/36.549759/137.427421/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


イタドリ    富山市大字亀谷字入会山割6番の7地先の
谷川    亀谷発電所イタドリ谷川取水堰堤
https://maps.gsi.go.jp/#16/36.549518/137.430403/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

の堰堤が確認出来る。[DB] では一箇所(和田川本流のみ)となっているので既に取水は停止し ているのかも知れない。

場所としては小見の奥になる。。小見発電所はその辺走ってるだけで割りと直ぐ見つかるが,亀谷は主要な道路からも 外れた深い谷にひっそりと佇んでいる。
同じ和田川沿いの立地であるが,こちらは 和田川の上流有峰ダムからの水がメインなの に対してあちらは常願寺川の水がメインと水源の系統が違う。
21.7
周囲は谷底の奥まった場所で,平場にも何も無いがらんとした場所である。他の発電所同様,発電施設と変電施設がある。

熊やら蝮やらがいないか気を付けながら建屋に近づいてみる

そして発電所と変電所の両施設の間に隙間があってここの隙間は特に立入が禁止されていない様である。

隙間に入って川に出ると発電所あるあるの吊り橋があり,取水施設が見えた。中地山へ 送水する取水堰である。特に利水 標識は見当たらなかった。(この日はほぼ全滅であった。)
21.7
この吊り橋は中地山発電所取水ダム管理橋というそうだ。前言訂正,取水堰あるあるの吊り橋である。

で,(吊り橋よりは)肝心の取水口アップ


なんかの機械が設置されている。
21.7
帰宅後気付いたが,この橙で囲んだ部分,社紋?中地山発電所は富山県電気局が戦前に建設したものであるから社ではないかもしれないが。拡大してみたけどこ の解像度でよく解らなかったw


最後に和田川上流方面を眺めてみる。雨上がりのタイミングではあったせいか水量は豊富であった。

吊り橋と建屋と水圧鉄管を一枚に収めてみた♪
21.7

ここでの亀谷PS集水面積より下の流域面積は13.7km2,有峰ダム以下で42.7km2程。中地山の 推定常時使用水量(常時使用水量が半分程度なので最大使用水量6.12m3/sの半分強程度なので3.0m3/s強と推定される)に対してなかなかそれら しい数字 ではある。
また下流の中地山は途中の沢からの取水もしているようだ。




小見(おみ)発電所遠景    
手前の川は和田川であり,この奥に先程見た亀谷発電所がある。拡大した画像にはこ のヘアピンカーブが写っている。
21.7

北 陸電力(株) 小見(おみ)発電所水力][DB]     
所在:富山県富 山市小見←この辺は常願寺川を挟んで北岸が立山町・南岸が富山市である。
運開:1932.9[富山県電気局]
水路式・調整池式[原調整池
認可最大出力:15,200kW(出力増加+100kW)常時出力:2,800kW
最大使用水量:11.91m3/s
有効落差:154.50m
流域面積:183.7km2
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力16600kW
導水路:総延長7614.0m 放水路:総延長483.0m
取水:称 名川発電所[471.23m・2.39m3/s](→[私案]4.8m3/s)、真 川発電所[466.47m・8.35m3/s]、真 川 (467.24m) 3箇所[DB]→3 箇所とのことで,原調整池が牛首川近くにはあるが,称名川PS・真川PS・真川取水堰堤からの取水は確実と思われるので,結果牛首 川からは取水せずの可能性が高そう。真川PSからの放水と真川取水堰堤からの取水が一箇所とされていると牛首川からの取水も可能性はあるのかも。
放水:和 田川?(松ノ木発電所と推定中)・300.48m

水圧鉄管

そのまま地下に吸い込まれていく。(地下に水車と発電機はありそう)

その後下流方面を見ても水路の気配は判らない。

下流(和田川と常願寺川の合流方面)を眺める。放水路は500m近い様で一寸下流側も見て見るも見当たらない。

ここ[G 空撮地 理院]に放水してて本宮付近の常願寺川からの取水と真川から送られた小見発電所の水を併せてから更に和田川の水を使う中地山発電所の水を集めて松 ノ木発電所で送ってると思うんだけどなぁ。。確証がない(→その後,小見の松ノ木直結を示唆する資料は幾つか発見:資 料1資料2)。
小見放水路に関しては地理院の地図が間違ってる(書き漏らしで描かれていない)らしいとは思うんだけど。。こんな感じ。本宮堰堤にあるような松ノ木PS常願寺 川取水口も良く解らなかった(本宮堰堤付近からの取水は少なくとも現在はないような印象である。嘗て存在した称名川発電所の放水口兼小見発電所の取水口は 水害で廃止されて直結されているらしい[→称名川PS]。)し謎が多い。。(称名川発電所の様に水害で松ノ 木発電所の常願寺川からの直接取水は廃止されてしまった可能性はあるような気がしている。真川発電所の湯川からの導水も実現しなかった様であるし。[→立山])

資料1
出 典:土 木学会
資料2
出典: [JSTAGE/水利科学
亀谷と中地山の間で和田川から離れて中地山は小口川の端に立っている。嘗て(有峰ダム・和田川第一発電所建設前)は亀谷で和田川の水を取水して来た訳だ が,最大使用水量(亀ヶ谷6.12m3/s・一方の有峰ダム水源の和田第一が6.8m3/s)から判断するに今では殆ど有峰ダムからの水で発電をしている ような状況の様である。(和田河第一が一日数時間のピーク時のみみたいな運用だとすると,それ以外の多くの時間を流込でやってトータルでの収益性を確保し ているとなる。真川と違って損失落差はない上に他の水源もないので和田川第一・亀谷・中地山はそういう運用か。また通常は亀谷・中地山に併せた 6.12m3/sが使用水量となりそう。その辺は水量こそ違えど木曽発電所に対するサブで独自水源を(王滝川ではなく木曽川上流を独自に)持って居て下流 の発電所の使用水量より多い水量で発電出来る)寝覚発電所と似てい る??)寝覚PSも取扱に悩んでグダグダになったんだよなw
こちらはあんま改善とか考えない方が無難かも知れない。


~小口(おぐち)川[→上流・祐延ダム方面]~    

和田川での亀谷発電所放流水をメイン に,途中の小沢から補給して発電するのが中地山発電所である。大きい発電所が居並ぶ中,此処は落 差が50m弱しかなく,出力は2.4MWと規 模は小さい。
小見から上滝迄連続する富山県電気局の建設で有り,中地山は1924年2月の運開であり,1923年12月の亀谷の数ヶ月後に竣工した様だ[富山県の記述には"大正13年(1924)4月、上 滝、松ノ木、中地山発電所が運転を開始した"とあり,竣工はしたけど運開は同時だったのかも知れない]。小見は1932 で松ノ木は1924.3なの で,先ずは亀谷(亀谷のみ民間の越中電力(株)であり,それに接続する形で中地山は建設されたことになる)・中地山・松ノ木が連続して建設され上流から完 成後順次運開していった感じか。特に中地山の継ぎ接ぎ感が強いけど一連の建設なんだな~。
中地山と松ノ木は一つの発電所にしてしまえば効率的だった様な気がするけど,この時既に小見(更には1930運開の真川)との接続も考えて居たのかな?

亀谷の上の和田川第一は有峰ダムから供給される6.8m3/sの最大使用水量の所,下流の亀谷と 中地山は揃ってそれより一寸小さめの6.12m3/sである。亀谷の水車は余裕を持っているので6.8m3/sを使い切れて+1.1MWの増強が可能だ が,中地山は6.8m3/sにすると計算上2,666kWとなり水車の設計出力?を超えてしまう。2,600kW[+0.2MW]に抑えるに は6.63m3/s[+0.51m3/s] 程度に抑える必要がありそう。亀谷でも思った所だが,まあ無理にこんな小さな案件にカネを投下している余 裕はなさそうである。。

北陸電力(株) 中地山発電所水力] [国 交省][富 山市][DB]    
運開:1924.2[富山県電気局]
認可最大出力:2,400kW    常時出力:1,220kW[50.8%]
最大使用水量:6.12m3/s  常時使用水量:3.1m3/s程?
水車:出力2570kW×1台
有効落差:49.69m
流域:257.3km2
取水:和 田川(亀谷P/S直下)・カ ンパ谷川(富山市大字亀谷字向山割地先)・ヒ ノ谷川(富山市大字小見字西俣割地先)(346.56m)[取水堰数:3]DB]」
放水:(小見発電所放流水と合流後)松ノ木発電所(291.67m)

小見発電所が常願寺川の水をメインにして発電しながら和田川沿いに建っていた様に,中地山発電所は和田川の水で発電しながらも小口川沿いに建っている。
因みに並行して造られた和田川左岸新ルートでも新中地山発電所は小口川上に建設された小俣(おまた)ダム沿いに建っている。
小見・小口・小俣と全部小は「お」と訓(よ)むのがこの辺の流儀らしい。

対岸からの眺め。ちっこくて可愛い建屋(に見える)。
21.7
鉄管

水門


中地山発電所と小口川の導水橋
21.7
中地山PS直下の小口川を渡る導水路。橋は一本に見えるがよく見ると二手に別れていて橋が終わった辺りで合流しているのが判る。
中地山が利用した有峰ダムを水源 とする6.12m3/s(推 定・基本)常願寺川を水源とする小見が使用した11.91m3/sが此処で合流して松ノ木で使用さ れる17.59m3/sとなる。
単純合計で18.03m3/sなので0.44m3/sがどっかで余ってしまって調整池(多分さっきの地図これ地 理院のここ)に貯められるか発電 機冷却用に使わ れるか川に余水吐で放流されてるこ とになる。
21.7
此 処。県道上から眺めた。17.59m3/s(若しくは18.04m3/s)フル流下であろう。



松ノ木の上部水槽(調整池?)の築堤の脇にあったなんかよく判らない施設。



松ノ木発電所[水 力]  
北陸電力(株)
運開:1924.3[富山県電気局]
水路式・流込み式
認可最大出力:5,800kW      常時出力:1,700kW
最大使用水量:17.59m3/s
有効落差:41.80m
水車:2台 総出力6240kW
取水:中地山発電所(主な水源は和田川)、常 願寺川(これ?)小見発電所(放水位EL.300.48m)もそうだと思われるが推定] (300.26m)
放水:上滝発電所、常 願寺川(247.58m)

対岸からの遠景
21.7

建屋
21.7
川が刻んだ谷底に瀟洒な建屋が建っていて,登録文化財になっているそうな。ただ入口はださいサッシの扉に交換されてて画竜点睛を欠いている感がなくもな い。
今後重文とかになる際には昔の扉が復原されたりするのかもしれぬ。

もし地理院の地図を信じて小見P/Sの使用済の水が和田川への放流されてるとするとその水11.91m3/sを松ノ木P/Sの放流地点迄特段使う宛てがな くて使えると想定する(多分大丈夫であろう。農業用水等で取 水したとしても大半は残る)。松ノ木P/Sの使用量を17.59→29.50m3/sに上げ られる。これにより松ノ木の最大出力を5.8MW→9.7MW に[+3.9MW]上昇させることが出来る。
但し,これは上で見た様に地理院の錯誤であろうと判断している。

また小俣ダムの貯水量が不足(とは推定・お節介w)していて上限31.6m3/sで放流する必要があるなら適当な量を小俣ダム発電所経由で松ノ木に流せる ようにすればよい。(→21.7頃にはそう考えていたが23.5 頃に見直すとそうでもなさそうで,計画は大変更し た)

尖頭用に発電するのとは別に,雨が降り続いた場合に関しては,億単位の貯蔵量を持つ有峰ダムの放水量は微動だにさせずには済むだろうが,小口川の流水量そ のものが30m3/s以上になってダムが 満杯になる時間降り続いた時は捨て てる筈である。
流域の降水量に対する発電による処理能力はまだデータが不足しててよくわからん。今後の検討課題である。

松ノ木を出たところでまた取水堰があってもう一発発電する(最後の上滝発電所である。)
取水堰っぽい構造物はチラ見えしてたが薮に沮まれてよく見えなかった。もう遅めの時間になっていた ので深追いせず帰って来てしまった。
21.7
違う角度からも。23.5の再訪時の写真。一寸一段下がって川原みたいな場所から。
この松ノ木発電所の周囲,川原にある耕作放棄地みたいな曠野にあるような立地で周囲は調整池にベストな感じかも。
23.5
周囲(川方向[北向き])

周囲(下流方向[西向き])


建屋の上流側。

上の建屋の上流側地点から上流側を望む。

このただっ広い河原(の接続領域)を調整池にして見たいって構想を後で検討する。

横江
直ぐ下流には常願寺川潅漑利水の要,横江頭首工がある。

常 願寺川沿岸用水土地改良区

横江頭首工[場 所
堤 長 144.3m
堤 高 14.1m
取水量 18.89m3/s・46.53m3/s(小俣発電所停 止時[+27.64m3/s小俣発電所からの取水量に全く等しい:用水模式図])
取水位:236m程度?

巨大な施設であった。有峰ピーク開発でも結局ここで水を確保すべく 準備がなさて いる。
小俣ルートから横江頭首工をパスして常願寺第一に直結するバイパスルートがあるが其処が停止する場合はこちらがフル稼働することになる取り決めになってい る様である。
いずれにせよここから上滝発電所に送られる。

デカい頭首工であるけど,それだけに全体を巧く撮れてなかった…orz

21.7
取水部は1~6番線に岐れていて行った時は5・6番線は取水してない様子であった。

下流の流れの様子。この水はもう大規模には取 水されずに日本海へ流れていく様 だ。

おまけ:富山地鉄横江駅。駅の看板がなければ廃村の廃屋の様な佇まいであるw
21.7
駅舎内。窓口は閉じられてしまっている。国鉄の赤字ローカル線を彷彿とさせる光景である。

嘗ては島式ホーム1面2線だったのが棒線化されてしまったようだ(→愛 本駅も相対式ホームの片方が廃止された様に見えた)。ローカル私鉄の悲哀である。水源地帯に立地して単線電化の私鉄という位置づけが被る大井 川鉄道同様ここも頑張って欲しい。


用水系統模式図
出典:水 土里


北陸電力(株) 雄山第一発電所[水力] [ひろし][空 撮
運開:1985.3
水路式・流込式
認可最大出力:3,400kW     常時出力:0kW
最大使用水量:18.00m3/s
有効落差:22.90m
導水路:総延長1860.0m
流域面積:448.5km2
水車:立軸カプラン水車 出力3500kW×1台
取水:常願寺川[横江堰堤]→幹線水路235.1m
放水:幹線水路[両岸分水工] 204.60m


両岸分水工[場 所EL.194m]
>横江頭首工で取水された農業用水は、頭首工下流約3㎞にある両岸分水工で、常願寺川右岸の常東用水と左岸の常西用水に分水されます。
>この分水工は、堰幅を同じにして正確に5対5で分水する仕組みとなっています。
23.5
説明の看板

常東用水へ・こちらの方が水位がだいぶ低い

常西用水へ

豊水橋直前のスクリーン


左岸連絡水路橋[場 所
>左岸連絡水路橋(豊水橋)は、両岸分水工で分水された水を左岸側の常西用水エリアに送水するために、常願寺川を横断するのに設けられた水路橋で す。いまの 水路橋は、横江頭首工と同様に国営農地防災事業で平成20年に整備されました。


看板




中滝発電所[水 土里
所有:富山県?
施設管理者:常願寺両岸用水土改連
出力:450kW
発電量:2.21GWh
水量:5.5m3/s
落差:11.16m
水車:S型チューブラ
取水:左岸連絡水路橋(豊水橋)189.91m
放水:上滝発電所放水池[常西用水]177.75m



中滝発電所が完成
Posted on 2018年10月16日(火) 17:00
[水土里


…中滝発電所は国営事業で造成された左岸連絡水路橋からの落差約11mを活用し、最大出力470kW、年間電力供給量は221万kWhで…環境負荷の低減 と土地改良施設の維持管理費の軽減に寄与するものです。…

縦断面図



有効落差は11mで450kWとのこと。豊水橋ごと嵩上げして両岸分水工に入る直前の水位(下の橙線・少なくとも水色線)で発電すると豊水橋の水位より低 い位置が今よりそれなりに,5m程は?,高くとれそうな感じもして,半世紀後?の次の改修時期には検討して欲しいw





上滝発電所[水力]    
北陸電力(株)
運開:1924.4[富山県電気局]
水路式・流込式
認可最大出力:10,100kW(2010改修・+500kW)      常時出力:1,400kW
最大使用水量:17.59m3/s
有効落差:66.90m
水車:3台 総出力10580kW
取水:松ノ木発電所247.58m
放水:常願寺川第一発電所、常西合口用水175.68m
23.5
これ以上は近づき様がないようだ。。
放流先はこ の調整?池である(上滝発電所放水地という言い方を見た)。此処で小俣発電所からのピーク用系 統と合流して 常西地区へ農業用水として流れ込むことになる。

この後は農業用水主 体で落差を从属的に利用する感じにな る。

常東用水幹線用水路
場所はこ こ[地理院]
23.5




近くには大川寺駅がある。

なんか新しそう(当社比)に見えなくもないけど,実は結構ガタが来てる。。階段とかなんか歪んでるし。

ホームはロックシェッドの中にある。

半分は外。


常西用水幹線水路
その外側のホームの真下に水路が見えた。
23.5

地鉄の電車を撮ったつもりだったが将にこれが目的の水路ですやん。全然気付かず撮ってたw地鉄の電車は柵に阻まれてちゃんと写ってないしww


この下流で常願寺第一~第三の発電所がある。水車形式など揃えてコストを削減したそうな。松一と松二でもそういう事をやっている。
一個一個オーダーメードの水車は量産効果が効くようだ。全く同じ物は無理でも,計画的に水力発電所を増やして行き日本中に飽和したら今度は更新需要で安定 的に常に受注残があるような状態を作り出すことで永続的に電機産業と共存共栄できるようにしていきたい。



北陸電力(株) 常願寺川第二発電所
http://www.suiryoku.com/gallery/toyama/jouganj2/jouganj2.html
    昭和39(1964)年4月:運用開始
水路式・流込式
    認可最大出力:5,000kW      常時出力: 440kW[8.8%]
    最大使用水量:40.00m3/s
    有効落差:15.10m
    水車:横軸カプラン水車 出力5340kW×1台
    導水路:総延長376.0m
    流域面積:448.5km2
    取水:常西合口用水123.00m
    放水:常西合口用水106.40m

北陸電力(株) 常願寺川第三発電所
http://www.suiryoku.com/gallery/toyama/jouganj3/jouganj3.html
    昭和39(1964)年3月:運用開始
水路式・流込式
    認可最大出力:5,000kW      常時出力: 260kW
    最大使用水量:40.00m3/s
    有効落差:15.10m
    水車:横軸カプラン水車 出力5340kW×1台
    導水路:総延長462.0m
    流域面積:448.5km2
    取水:常西合口用水106.40m
    放水:常西合口用水89.50m

北陸電力(株) 常願寺川第四発電所
http://www.suiryoku.com/gallery/toyama/jouganj4/jouganj4.html

    昭和39(1964)年3月:運用開始
水路式・流込式
    認可最大出力:5,000kW      常時出力:  0kW
    最大使用水量:40.00m3/s
    有効落差:15.10m
    水車:横軸カプラン水車 出力5340kW×1台
    導水路:総延長427.0m
    流域面積:448.5km2
    取水:常西合口用水89.50m
    放水:常西合口用水72.90m




明日は5月末に冬季通行止め喰らって果たせなかった有峰林道に再挑戦しようかと思って居るが,予習し てたらこんな文章を発見。今でも第四発電所迄しかないようである(放水位72.9m)。計画を復活させたい。
>常願寺川…第5~第7発電所は, 北陸電力の社内事情によって中止された.https://t.co/mn0ZilxFxA

— とはずがたり (@tohazugatali1) July 29, 2023

常西合口用水の水の転用をめぐる諸問題
─農業用水の合理的利用の事例研究─
北林吉弘
書籍出典:文教大学教育学部紀要 1981(ネット出典:CiNii:国立情報学研究所が運営するデータベース群)

第5章常西合口用水と発電事業の
関連
第1節発電事業の展開

(2)常願寺川第2~ 第7発電事業
常願寺川有峯発電計画の完成を待たずに,北陸電力はまた新たな発電事業をうち出した.
扇状地のもつ急勾配(約100mの落差)を利用するというのであった.具体的には常西合口
用水の幹線用水路を使用して,その各所に低落差発電所を建設する計画である.

1961年,北陸電力は常西合口用水土地改良区に,常西合口用水路を使用する常願寺川第2~ 第7発電所の開発を申し出た.当時ちょうど都合のよいことに,富山県では常西用水幹線水路の改修事業計画を実施することになっていた.低落差発電所は,常 西合口用水幹線水路のわきに建設される予定であったから,北陸電力としては,富山県の用水改修事業計画に発電計画を織り込んでもらうほど好都合なことはな かった.つまり,幹線水路を流下してきた水は,いったんそのわきにある低落差発電所に導水されて発電に供される.そして,発電に使用後,水は再び幹線水路 にもどされるので,水量の損失は全く無い.しかも,県の施行する幹線水路改修事業と発電事業を同時に実施できるという好条件もあった.こうして,1962 年秋に,常願寺川第2~ 第4発電所の建設事業と常西合口用水幹線水路改修事業は併用工事として県営で着手され,翌1963年に完成した.残りの第5~ 第7発電所は北陸電力の社内事情によって中止された.

上滝地点から常西用水と併用して富山市新庄地先ま〔の約100mの落差を利用し,
6ヵ所の低落差発電所が考えらオl,そのうち3ヵ所は現に設置されている。
科 学技術振興機構

神通川上流高原川から洪水時の余剰水を有峰貯水池
に引水することが計画され,その第1期分年間約1億m3は実現さオt,第2期分6,000万
m3は今後実現さ″1る。
科 学技術振興機構